真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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新陳留警邏隊

あれから数日。俺は華琳の部屋に向かっていた。基本的に俺は客将なのでやることと言ったら新兵の訓練の手伝いとか街の見回りとかいろいろだ。そして今朝、俺は華琳に部屋まで来るよう言われた。なんでも治安維持強化のため警邏隊を設立させるらしい。そこで天水警邏隊の隊長である俺の参考意見が聞きたいっというのだ。そして俺は華琳の部屋の前につきノックをする

 

「入りなさい」

 

華琳の声が聞こえ俺は部屋に入る

 

「華琳呼んだか?もしかして警邏隊についてのことだろ?」

 

俺がそいう言うと華琳は頷き、そして一つの竹簡を出す。それは陳留警邏隊の今の現状について記されたものだった。

 

「ええ、天水の警邏隊の隊長であるあなたの参考意見が聴きたいわ」

 

俺はその書に目を通す。そして街を見て回って思ったことを言うのだった

 

「街を見て思ったんだが、地区によっては場所が遠すぎて騒ぎが起こった時にすぐ駆けつけられない。これは天水警邏隊でも使ってるんだが、各地区に一定の間隔に詰所を置いて兵を常駐させてはどうだろう。」

 

俺は天水でも採用されている警邏の内容を華琳に説明した。

 

「・・・いい考えではあるわね。でもいいのこんなこと教えて?」

 

「別に問題ないよ。この案で街の治安が良くなって民が安心して暮らせるならね」

 

「分かったわ吹雪。あなたの意見を採用しましょう。この案、あなたを中心に動いてちょうだい。」

 

「いいのか?俺は客将だぞ?責任者ということは事実上警備隊の隊長だ。いずれいなくなる俺では都合が悪いだろ?」

 

「素人にやらせるより経験のある、あなたを中心に動いた方が早いわ。後任はあなたがいなくなる前に適任者を見つけておきなさい。」

 

まさか、ここでも警邏隊をやるとわな・・・・その後俺は各地ほうぼう回って根回した。商人の人たちは快く了承してくれた。そして街の人や華琳の協力のおかげで新たに再編成された警邏隊が設立された。因みに警邏隊隊士の4割が女性だった。まあ、天水警邏隊の隊士も大体5~6割が女性隊士だったので、さほど気にしなかった。

隊長は現在は俺。小隊長に義勇軍の凪、真桜、沙和を任命した。顔なじみなところもあるが他には街の人に顔を覚えてもらう意味合いもある。そして今4人と街の警邏に来てるのだが・・・・・

 

「あー!新しい阿蘇阿蘇が出てるー!」

 

「これは発売中止になった超絶からくり夏候惇やないか!」

 

沙和は最近流行りのファッション雑誌を読み真桜は何だか知らないけど超合金シリーズに出てきそうな人形を見てなんか店の人と交渉をしたりと勝手なことをしている。もし斗志が見たら今頃雷が落ちてるな。

斗志は優しそうに見えて結構厳しいところがあり部下や同僚から「鬼の副長」なんて呼ばれている。

 

「おまえら仕事中だぞ・・・・」

 

二人と違い、凪は真面目に仕事をしてるんだけど・・・・・

 

「・・・・・不審者、不審者。」

 

凪・・・・真面目すぎだ。別にそれはいいことなのだが顔が怖い。それだと凪が不審者に見える。

 

「凪落ち着け。それだとお前が不審者みたいだぞ。ほら、もう少し肩の力を抜け。」

 

「は、はい・・・・すみません」

 

「まあ今日は警邏隊初の見回りだ。緊張するのもわかる」

 

「あの・・・隊長・・・」

 

「ん?なんだ凪?」

 

「隊長は本来、天水の警邏隊に所属しているんですよね」

 

「ああ、そうだよ」

 

「・・・・私達も天水の先輩たちのようになれるんでしょうか?」

 

彼女は心配そうにそう言う。

 

「それはわからない。どうなるかは凪たち次第だよ。俺はただ助言するだけ」

 

「そうですか・・・・」

 

「でも凪たちならこの街をよくすることができるよ。だから心配するな。じゃあ警邏の続きをするか凪」

 

「はい!」

 

凪は笑顔で答えた。だがそんなことをよそに沙和と真桜の二人は・・・・・

 

「やったなの~!今日の恋愛運は最高なの~!あっ!その杏仁豆腐くださいなの♪」

 

「おっちゃん!それはぼりすぎやで!もうちょいまけてーな。」

 

と二人は仕事をせず、遊んでいた。こいつら・・・・・あとで減俸だな。ったく仕方がない・・・・

 

「おい、おまえら、子供の街見学じゃないぞ。ちっとはサボってないでそろそろ・・・・・」

 

と、俺が言いかけた時だった。

 

「待てぇーい!」

 

声の方向を見ると凪が1人の男を追いかけていた。近くの店の店主に事情を聞くとあの男が盗みを働いたらしい。俺は凪の元へ向かった。

 

「凪、そいつを逃がすな!」

 

「はい!」

 

凪が後ろを追いかけるが男もなかなかすばしっこく、凪も苦労している。まるであのコソ泥、鼠小僧みたいにすばしっこいやつだな・・・・・俺がそう思っている中、犯人を追いかけている凪ががだんだん焦れてきている。

 

「ええいっ、まどろっこしい!」

 

と、走る凪の背中に赤い炎がめらめらと燃え出す。するとその炎はやがて 凪の脚に集まり何か少年漫画に出てきそうな氣の塊みたいなものが集まってきている。まさか・・・・・俺は前に凪はドラゴンボールみたいに氣を使って相手を攻撃することができるって言ってたのを思い出した。となると非常にまずい!

 

 

「やめろ!凪!街の中心で氣を撃つな!街を更地にさせる気か!!」

 

俺はそう言うが凪には聞こえていない。俺はすぐにあたりにいた警邏隊の奴らに市民を避難させるように指示した。

 

「はぁぁぁ!!」

 

そして凪は脚にためた氣を盗人に向けて発射した。

そして・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「申し訳ございません。隊長・・・・」

 

「いいよ。気にするな凪。これも仕事だ」

 

無事盗人は逮捕できたが案の定、街は大破。今俺たち警邏隊は街の修理をしている。

 

「隊長。これは私の失態です。ですから隊長は・・・・」

 

凪はしょぼくれてそう言う

 

「凪そうはいかないよ。部下の失態は指揮官の責任。連帯責任だよ」

 

そう、軍隊や警邏隊の場合、1人の失敗は自分で取るか全員で取るものだ。

 

「隊長…すみません警邏初日でこんな失敗をしてしまって・・・」

 

「・・・・確かに凪は失敗した。・・・・でも失敗しない人間なんていない。その失敗で人は成長する。ほらよくいうだろ?「失敗は成功の元」って凪もその失敗を教訓として次はがんばれ」

 

「はい・・・ありがとうございます隊長」

 

どうやら元気を取り戻したようだな。よかった・・・

 

 

 

 

 

 

その夜。俺は警邏隊の報告書をまとめた。

 

「結構多いな。」

 

俺は自室に戻ると、書簡の多さに少し憂鬱になった。

 

「まあ、今日はいろんなことがあったが、まだまだこれからだな。さぁーてまだ頑張りますか・・・・・・ゴホッゴホッ!」

 

急に咳が出た。なんでだ?風邪なんて引いてないのに・・・・それに少し肺が痛い・・・しばらくして咳も痛みもなくなった。

 

「これは少し頑張りすぎかな・・・」

 

そう思って俺は報告書をまとめ終わったとき・・・

 

コンコン

 

ドアからノックの音が聞こえる

 

「吹雪?いる」

 

そこには聞き覚えの声が・・・・

 

「華琳か?開いてるぞ」

 

ドアが開いた。やっぱり華琳だったか

 

「どう報告書の方終わってる?」

 

「ああ、ほらこの通り」

 

俺は華琳に警邏の報告書を渡す。

 

「ふ~ん。ちゃんとできているようね。で吹雪ここにはなれたかしら?」

 

「ああ、最初は大変だったけどな」

 

「そう、でもあんまり無理しないようにね。明日もあるんでしょ?」

 

「ああ。ありがとうな華琳心配してくれて」

 

「な‥///別にあなたのことを心配しているわけじゃないんだからね。それじゃあおやすみなさい」

 

ん?顔が赤いな。まぁいいか

 

「ああ。おやすみ華琳」

 

そういって華琳は部屋から出て行った。

 

「さて今日の仕事も終わったし。寝るか」

 

そう言い俺は明かりを消しベットで横になり寝た。しかしさっきの咳はいったい何だったのだろうか・・・・風邪でもないし‥‥それに肺もなんだか締め付けられるような痛みだった。まあ深いことを考えるのはやめよう。また明日もあるんだから

そう思い吹雪は深い眠りについた。しかし、この時、吹雪はまだ知らなかった自分の体に異変が起きていたということを・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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