真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
「呂布の息子だと!?」
「どういうことや!恋!息子って、お前いつ子供産んだんや!?こいつの歳計算しても勘定合わないやないか!!」
霞が恋に問い詰める。まあ、そうだろ、恋の年齢は17歳、吹雪は16歳。吹雪を産んだ歳を考えると1歳で吹雪を産んだということになるからだ。
「もしかして・・・・」
詠は何か思い出した
「恋。あなた確か3か月前、1週間行方不明になったよね。もしかしてその間に?」
そうすると恋は頷いて説明した。
恋が言うには3か月前、周辺の森を散歩していたら、謎の渦に巻き込まれ俺のいた現代世界に飛ばされたという。そこで右往左往していたら当時自衛隊隊員だった父さんに会い、しばらく父の家に居候していた。その後二人は相思相愛になり父さんがコネを使って戸籍を取り結婚し、そしてその翌年俺が生まれた。そして現代に飛ばされ5年間いたらしいが母さんは元の世界に戻ることになったらしい。
どうやら世界を移動したときに出来た歪みのようなものが母さんを元の世界に磁石のように引っ張っていたらしい。そして元の世界に戻ったとき体が俺の世界に飛ばされる前の姿に若返っていてこの世界では母さんがいなくなって1週間しか経っていないというのだった。
「なるほど・・・・信じられんが呂布が嘘を言うわけじゃないしな・・・・」
銀髪のお姉さんがそう言った。
ん?ちょっと待って呂布?それに母さんが言っていた『この世界』って・・・・
「あ、あの・・・・・あなたたちは?」
「え?ああ、そう言えばまだ自己紹介がまだだったわね。ボクは賈 文和。こっちは華雄であんたの隣にいるのが張 文遠そしてあなたの母は呂布奉先。そしてここは天水。我が主董卓の収める地よ」
・・・・・・・・え?
「母さんが呂布?それに賈 文和…華雄…………まさか……」
「どうしたのよ?」
「・・・・・・もしかしてあの賈詡 分和と華雄と張遼 文遠か?」
「ちょっと待って……何故ボク達の名前を知っているのよ⁉︎ボクは今、賈 文和と名乗って賈詡とは名乗らなかった筈よ⁉︎」
「貴様!まさか呂布の息子を騙る妖術使いか!!」
そう言い、華雄は大斧をこちらに向ける俺は腰にあった南部14年式拳銃を向けた。すると恋は華雄の手首をつかんだ。
「っ!?なんのつもりだ呂布!!」
「落ち着いて橘花・・・・・その子は妖術使いじゃない・・・・・吹雪も落ち着いて・・・・私が説明するから…だから拳銃をしまって・・・・」
母さんにそう言われ俺は拳銃をしまった。そして母から聞かされたのはとんでもない話だった。ここは今から二千年程昔の中国で三国志の時代だという。確かに呂布、華雄は三国志に出てくる人物だ。
なぜ母さんがそんなことを知っているかというと、現代で三国志の漫画を読んだことがあるらしいが、事件や戦争の内容などは忘れたらしく。人物や俺のいた時代から何年も前の世界だということしか知らないらしい・・・・・それにしてもまさかあの三國無双と言われた呂布が母さんだったなんて信じられない。
でもなんでみんな女性なんだ?まあ、二千年ほどたってるんだ途中でゆがんだか、三国志書いた人が登場人物を男として描いたのだろう。
母さんから内容を聞いて3人は唖然と立ち尽くしていた。
「………信じられないわね……」
「俺だって信じられないよ。でも母さんが言ったことが本当なら辻褄が合う……そこで確認したいんだが賈詡の生まれは涼州武威郡姑臧県だった筈だよね?因みに君たちの主である董卓は涼州隴西郡臨洮県じゃないか?」
「ちょっ⁉︎なんで月(ゆえ)の故郷も知ってるのよ⁉︎」
「ん?誰そのゆ・・・・ムグ!?」
俺は「月とはだれか?」と言おうとしたとき母さんに口をふさがれた。
「ふぁあふぁん!?ふぃふぃふぁふぃふぁにふふゅふぉ!!(母さん!?いきなりなにすんの!!)」
「吹雪・・・・・それ‥‥真名だから・・・・・言っちゃダメ」
「ふぁな?(真名?)」
「真名というのはな、その人物の本質を表す神聖な呼び名だ。本人の許しなく口にしたら命を取られても文句が言えない大事なものとなる」
と、華雄さんが説明してくれた。よかった…言わなくて俺は母さんに感謝した。
するとそこへ
「恋殿!やっと見つけました!!どこにいって・・・・・て何をしてるんですか!?」
小学生ぐらいだろうか小さな女の子が入って来た。しかしその子が見たのは母さんが俺の口をふさいで俺によっかかっている姿だった。
「ちんきゅーきーっく!!」
といきなりその子は俺に飛び蹴りをしてきた。そして俺はもろに食らった。
「ぐはっ!!」バタン
「お前!恋殿に何をしてるのですか!!打ち首で・・・・「ゴツン!!」っうにゃ!!」
その子が何か言おうとすると母さんはその子の頭に拳骨を放った。
「うう・・・・何するんですか恋殿~」
「陳宮・・・・・いきなりの飛び蹴りは危ない‥・・・それに吹雪は・・・恋の息子・・・・」
「な!なんですと!?恋殿の息子!?いやでも恋殿は17歳でその男は見た目からして15~16歳・・・・恋殿の息子となりますと産んだのは…う~ん」
陳宮さんは今混乱して唸っている。すると母さんは
「‥‥詠・・・橘花・・・・霞…ねね…吹雪と二人きりで話したい・・・・・少し席を外してくれる?」
「え、ええ・・・・わかったわ…それじゃあ尋問は明日にするわ・・・・・」
「て、恋殿をこんな男に一緒にするのは危険です!!私は残るのです!!」
「あほ!!せっかくの親子水入らず、積もる話があるのにそれを邪魔するんはだめやで!そう言うんのをお邪魔虫っていうんや!!それじゃあ、恋。息子さんとゆっくりと話し合いな~」
「ちょっ!なにするんですか!!降ろしやがるのです!!この男をほおっておけば恋殿に危険が!!」
ねねは残ろうとしたが、霞に首根っこを掴まれ4人は部屋を出ていった。
「・・・・・本当に母さんなんだね・・・・・」
「‥・・・吹雪・・・・、本当に大きくなったね・・・・。」
そう言い母さんは俺の頭を優しくなでた。
「母さん・・・。」
「吹雪・・・・ごめんなさい・・・・・突然いなくなったりして・・・・」
「いいよ、母さんだって仕方がなかったわけだし・・・」
母さんにも事情があったんだ、それをどうこう言う気はない。それに今こうして母さんに会えたんだから。
「・・・・・吹雪・・・・・総司は・・・・・お父さんは元気?・・・」
「・・・・・・・・・」
「吹雪?」
「・・・・・父さんは‥‥俺が7歳の時・・・・9年前に死んだ・・・・」
「えっ・・・・・」
「ある時、父さんは車に轢かれそうな少女を助けるため‥・・・車に轢かれて死んだんだ・・・・」
「・・・・・そう・・・総司は‥‥最後まで総司だったのね・・・・」
「‥・・・母さん・・・・ごめん・・・・・」
「・・・・・吹雪のせいじゃない・・・・・仕方ない・・・・」
「母さんは大丈夫なの?」
「大丈夫・・・・総司が死んだのはとても悲しいけど・・・・いつまでも悲しんでたら・・・・総司に怒られる・・・・」
「父さんならやりそうだね」
僕と母さんは笑いあった。
僕は12年会う事のなかった母さんに会えた。
だけど母さんに父さんを会わせられなかったことが少し悔しい。
でも父さんの言葉を思い出して気を取り直した。
「母さん・・・・俺これからどうしよう・・・」
「大丈夫・・・・・月は優しい・・・・それに吹雪は月を救った・・・・」
え?俺が董卓を救った?どこで・・・・
「吹雪・・・・・吹雪はもう一人じゃない・・・・だから寂しくない・・・・」
「母さん・・・・・」
「・・・・・吹雪・・・・今日は一緒に寝よう・・・・」
「え?母さん?」
「‥‥久しぶりに吹雪と寝たいから・・・・・」
その後、俺は母さんに添い寝されながら寝た。、とても懐かしい匂いを感じながら俺は深い眠りについた。
そのころ陳宮は・・・・
「あんな男が恋殿の息子なんて認めないのです!!離すのです!!さっさとこの縄を解くのです!!急がないと恋殿が!!!」
霞に縄で縛り付けられ吊るされていて叫んでいた。
感想お待ちしております。では次回をお楽しみに。因みに華雄の真名がなっかたので橘花と命名しました。
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