真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

49 / 111
今回は短めです


アンチョビとパスタ

              

             料亭「朱雀屋」

この料亭「朱雀屋」は各州に何店舗ある店だが、ここ天水にある「朱雀屋」の主人は料理のレシピを渡せば作ってくれたり、また客一人一人にあわした料理を出してくれる店だ。ちなみに朱雀屋は吹雪隊のスポンサー的な店でもある。

 

「それじゃあ!黄巾の乱終結を祝って」

 

「「『乾杯っ!!」」」

 

黄巾の乱から数日後、俺達吹雪隊みんなは隊士行きつけの店『朱雀屋」で黄巾の乱終結を祝う宴会をしていた。

 

「今回は無礼講だ!ほかの客に迷惑が掛からないように羽目を外せよ!」

 

「「おぉーっ!!」」

 

吹雪の号令で隊士たちは嬉しそうに言い、宴会が始まった。

 

「この料理美味しいな!」

 

「ああ、特にこのはんばーぐって料理が美味いな」

 

「何言ってるんだよ。この照り焼きが美味いに決まってる」

 

「いやいや。このコロッケが一番に決まってるだろ!」

 

「おい!お前ら喧嘩するなっ!・・・・すみませんご亭主」

 

最初は普通だったがだんだん喧嘩になりそうなところ斗志が注意し、店の主人に謝るが

 

「いいですよ。気にしていませんから。お客が元気なのはいいことですし。それに吹雪隊の皆様には 御贔屓にされているので。それに沖田様が教えてくれる天の国の料理。他のお客様に大変人気なので助かっているんですよ」

 

と、笑顔で許してくれるのだった。この亭主は人当たりがよく。周りの客からも慕われているいい人だった。

 

「みんな。嬉しそうだな」

 

「はい。そうですね。」

 

俺と志乃は席に座り、歌を歌い合うみんなの様子を見ていた。すると・・・・

 

「う~ん・・・・・」

 

アンチョビさんが何か浮かれない顔をしていた。

 

「どうしたの?お姉ちゃん。具合でも悪いの?」

 

志乃が心配してアンチョビさんに訊く

 

「いや。具合は悪くないんだ。・・・・・・けど。ちょっとローマの料理が少し恋しくなってな」

 

「そうですか・・・・」

 

「お待ちどうさまです。」

 

俺達がそんな会話をしていると、翠色の小さな女の子が料理を運んできてくれた。

 

「おっ!ありがと。確か君は・・・・・」

 

「典韋です」

 

「あ、そうそう、典韋ちゃんだ。いつも美味しい料理ありがとね」

 

「ありがとうございます!」

 

典韋は嬉しそうに言う。

 

「典韋さん。この料理は何ですか?見慣れないものなのですが」

 

「はい。これは沖田さんが渡してくれた天の国の料理の作り方をもとに私が工夫して作ってみたんです。確か・・・・・なぽりたんとかいう麺料理でしたっけ?」

 

そう言い、典韋が置いたのは俺の世界ので日本生まれのパスタ料理であるナポリタンだった。

 

「これは・・・・ラガーナか?いや、でもこれは焼かずに茹でてあるし・・・・・それに細いな。それにこの赤いのは・・・トマトか?」

 

ラガーナとはこの時代、古代ローマ時代のパスタで、当時のパスタは現代のように茹でず焼いたり揚げたりして食べるのがポピュラーで、当時は麺じゃなくマカロニみたいな三角形な形だった。

 

「・・・・吹雪。これは?なんかとても私の心をひきつける料理だけど・・・」

 

「アンチョビさん。これは天の国のパスタ料理だよ」

 

「パスタっ!?こ、これが・・・・」

 

パスタっというのを聞いてアンチョビさんは嬉しそうに目を輝かせる。そしてアンチョビさんは箸を使ってナポリタンを口に入れる。ここにフォークがないからだ。それ以前にこの時代はまだナイフとフォーク、スプーンはまだ発明されていない。

 

「d・・・・delectamenti!!(お・・・美味しい!!)」

 

と、ラテン語で、そう叫ぶ。ラテン語がわからない俺たちはいきなりのラテン語にびっくりする

 

「あ、あの。すみません!お口に会いませんでしたか?」

 

典韋はアンチョビさんが料理のことで怒ったのかと思い。慌てて頭を下げて謝る。

 

「あ、いや。別に怒ったわけじゃないんだ。とても美味しくてつい母国語を言ってしまった。怖がらせてごめんな」

 

「あ、いえ。ちょっとびっくりしただけなので・・・・それにしてもよかったです。お口に合って」

 

「ああ、とっても美味しいよ。祖国ローマの味と少し似ている。・・・・すまないが作り方を教えてくれないか?」

 

「は、はい!喜んで」

 

「なんか。お姉ちゃん嬉しそうだね。」

 

「そうだな」

 

吹雪と志乃はアンチョビの元気にはしゃぐ姿を見て互いに微笑むのだった。

 

「よぉーし!このパスタ料理をいつかわが祖国ローマに広めるぞぉ!!」

 

と、嬉しそうに宣言するアンチョビだった。

ちなみにその後アンチョビは自分でパスタを作るほどのパスタ好きになり、その味は祖国ローマにそのナポリタンを持ち帰ると見事にローマ市民に受けて、ローマの名物となる。そしてれから1800年後アンチョビさんの子孫はそのローマことイタリアの文化を天の国御使いの出身国である日本にもこの味や文化を広めようとピザのマークが特徴の学校を建て、その生徒たちは全員パスタ好きとなって、そのリーダー格の人は代々は学校の創設者の先祖であるアンチョビさんの異名をとって「Duce(ドゥーチェ)」と名乗るのはまた別の話・・・・・

 

 

この小説は面白いか?またはリメイクの必要ありか?

  • 面白い・リメイクする必要はなし
  • 面白くない・リメイクの必要あり
  • 面白いがリメイクの必要あり
  • 面白くないがリメイクの必要もなし
  • どちらでもいい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。