真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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定軍山のスナイパー(前編)

ここは定軍山・・・・見渡す限りの木や林が生い茂る山・・・・

その山の中に二人のスナイパーがいた。

古代より人間は血に飢えたハンターとして地上に君臨していた。マンモスを、アフリカゾウを鹿をそして人間も武器という恐るべき助手の力を借りて殺し続けてきた。

ハンターは孤独だと聞く。そのためハンターの友人は倒した獲物だけだ。そう言った武人もいた。

 

「どうやら、ここにいるのは私たちだけのようね・・・・・沖田」

 

「そうだな徐栄さん」

 

森の塹壕みたいに溝がある場所で二人の若者がいた。一人はサイドテールの弓を持った女性。もう一人はこの時代に似合わないスコープレンズを付けた九九式小銃を持った男だった。

 

「敵は言い腕だわ。おそらく元狙撃兵ね・・・・」

 

「っで、今は俺たちを狩るハンター・・・・・狩人ってわけか」

 

と、二人はそう話し合う。ことの話は少し前に戻る

 

 

 

 

 

 

 

俺は詠に呼ばれ、部屋に行くとそこには詠と徐栄さんがいた。呼ばれた内容は、定軍山に黄巾党の残党がいて、近隣の村を襲撃しては金品強奪や殺人なんかをしているためそれを討伐してほしいと村の代表の人から頼まれたらしい。現に動かせる部隊は、俺と徐栄さんの部隊だけでほかの人たちは別のようで出ていないのだ。

そして翌日、俺と徐栄さんの部隊は定軍山へと向かった。俺の部隊は警邏隊も残しておかなきゃいけないので1000人しか連れてこられず補佐には夕張や川内が行くことになった。徐栄の部隊は1500人。全軍ではないが、賊の数は少ないらしいのでこれで十分だと徐栄さんは言っていた。

だが徐栄さんの部隊は俺の部隊とは合流せず迂回して定軍山に向かうらしい。

 

徐栄さんはあの後何度か会ってるが、一言でいうと「冷静そうに見えて結構プライド高い」って感じだ。この前、うちの部隊の模擬戦でも「第4,5師団の子なんかと一緒にしないで」とか「私の部隊は優秀な子たちですから、負けません」とか言っていたな・・・・そういえばさっき、詠の部屋で作戦会議してるとき先鋒はだれがするか?というような話になったとき

 

「先鋒は私が・・・・・ここは譲れません」

 

と言ってたし、冷静そうなお姉さんに見えて結構プライドが高いというのが分かったのだ。そして今俺たちは山道を歩きながら定軍山に向かう。しかし雨が降った後のためか周りが滑りやすくなっている。

 

「この山を越えれば定軍山だけど結構きついな・・・・夕張。大丈夫か?」

 

「ええ。けど山道はきついけど。今回はこれの試験も兼ねて来ているからね。だからへたばってる余裕はないわ」

 

そう言って夕張は笑顔で答えるそして片手には銃を持っていた。この銃は夕張が俺の九九式小銃をベースに作った小銃でこの前作った小銃を改良したものだ。そうそう、言い忘れていたが俺の部隊に新たな部隊が設立された。名付けて「銃士隊」だ。名前の通り銃を中心とした部隊だ。だがまだ、銃の生産が間に合ず今いる銃士隊は百人程度だ。だがこの時代で銃が作れる時点でもはやすごい。あれ?もしかして俺ってチーターか?

 

「それより、川内は平気に山を登っているわね~」

 

「ふふ~私は山育ちだからね。こういうのは慣れているのよ。」

 

「そういえばそうだったな・・・・そういえば夕張その小銃についてるのって・・・」

 

俺が夕張に聞いたのは通の機関部の横についているフィールドスコープだった。

 

「え?ああこれ?これはねこの前、吹雪が見せてくれた双眼鏡だっけ?それを見て銃につけられないかな~って思って作ってつけてみたのよ♪あ、吹雪のもあるからこれ使って」

 

そういい夕張は俺にもう一つのフィールドスコープを渡すのだった。そして俺はそれを99式に装着させスコープを覗く。

 

「すげぇ・・・・ここまで鮮明なのは初めてだな。それによく映る。夕張お前って天才だな」

 

「えへへ・・・そう褒めないでよ♪」

 

そんなことを話しながら俺たちは山道を進む。すると・・・・

 

「・・・・ん?霧が出てきた・・・」

 

川内がそう言うと霧が出てくるのだった。

 

「どんどん濃くなっていく・・・・おい!全員離れるなよ。」

 

吹雪がそう言い隊士たちは頷き固まって進む。

 

「なんでこんな時に霧が出てくるんのよ・・・これじゃあ前も見えないわね」

 

15分くらいだろうかしばらく歩いていると霧が晴れて、目の前には依頼主のいる定軍山近くの村につくのだった。

 

「あ、どうやら無事に村についたようね・・・・よし各自落伍者がいないか点呼をとれ」

 

と、川内に指示で隊士の一人がほかの隊士に落伍者がいないか点呼を取り始める

 

「それにしてもあの霧は一体何だったんだろうね川内?」

 

「山の天気は変わりやすいっていうけど・・・・・ン?どうしたの」

 

川内はあたりをきょろきょろ見る隊士にそういうと・・・・

 

「馬琴様っ!先ほど点呼をとったのですが隊長がいませんっ!」

 

「え?何言ってるのよ。吹雪ならすぐそこ・・・・・ってあれ?吹雪がいない!」

 

「もしかしてあの時にはぐれたのか!?」

 

隊士に言われあたりを見渡すと確かに吹雪の姿がなかった。おそらくあの時にはぐれたんだろう。すると吹雪隊の隊士が動揺し始め、班の班長の1人が

 

「馬琴様!張済様!すぐに捜索命令をください!我々がすぐにでも隊長を探しに行きます!」

 

班長がそう言うとほかの兵士も頷く。しかし・・・・

 

「待ちなさい!。今山の中行くのは危険だわ」

 

「なぜです!」

 

「夜の山はとても危険よ。真っ暗で足場もわからないほどの暗さ。夜間の経験がない素人がうかつに入ったら足を滑らせて崖から落ちてしまうわ」

 

「じゃあ、張済様は隊長を見捨てるんですか!」

 

「誰もそんなことは言ってないわ!!」

 

川内の怒鳴り声に隊士たちは黙る

 

「まずはいったん村に入り、態勢を整え、翌日少数で吹雪の探索を始めるわ」

 

「少数って、全員じゃないの川内?」

 

「ええ、この前の報告では定軍山にはまだ賊がいる。もし全軍で捜索している最中村が襲われたらどうする。きっと吹雪なら、この村を守るため8割ぐらいは村の防衛のため兵を残すし、それに吹雪は山に遭難したくらいで死にはしないわ」

 

と、川内は平気そうに言ってるだが・・・・

 

「あ・・・」

 

夕張は気づいた。川内は平気そうに言ってるがその手は震え、力強く握りしめ血が滲み出ていることを。川内がこの中で一番吹雪のことを心配しているのを・・・・・・

 

「川内・・・・わかったわ。あなたの指示に従うわ。みんなもいいわね」

 

「わ、わかりました・・・・」

 

夕張の言葉に隊士たちは頷き、そして村に入るのだったが・・・・

 

「あっ!お前ら第3師団の連中じゃないか!」

 

いきなり誰かに声を掛けられ、夕張たちがその声のするほうへ顔を向けると

 

「あなたたちは・・・・・徐栄さんとこの第2師団・・・・」

 

声をかけたのは迂回して村に向かっていた徐栄率いる第2師団の兵たちだった。そして川内は副官らしき人物とあいさつをした

 

「董卓軍第3師団所属「吹雪隊」小隊長の張済だ」

 

「董卓軍第2師団、徐栄様の補佐をしているものです。お宅の大将はどちらに?」

 

「あの山を越えるときにはぐれた。そういえばお宅の大将である徐栄殿はどうしたんですか?一緒じゃなかったのか?」

 

「実は・・・・我々も徐栄様とはぐれてしまったのだ。反対側の山を行軍中、急に霧に見舞われてな・・・」

 

「そうか・・・」

 

「徐栄様のことだ。きっと無事だと思います。それとあなたの隊長も・・・・」

 

そういい二人は二人が遭難した山を心配そうに眺めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方山の中では・・・・

 

「暗くなったな・・・・・ここはどこなんだよ」

 

俺はいま山の中を九九式小銃を手に取り彷徨っていた。あの霧を歩いていた時、俺は確かみんなと一緒の歩いていたはずだ。そして霧が晴れたらそこは草木の生い茂た山道もない場所だった。しかも周りを見てもみんなおんなじ景色、ポケットに入っていた磁石を見ても矢じりがくるくる回って使い物にならない。磁場が強いんだろ。どうやら俺は遭難したみたいだな。

 

「・・・・これ以上。動くのは危険・・・・・っ!?」

 

急に悪寒が走るすると

 

ひゅっ!

 

急にどこからか矢が飛んできた。

 

「うわっ!」

 

俺は急いでよけてしゃがみ九九式小銃に弾丸を装填し構える。そして・・・

 

ダアァーン!

 

威嚇に一発だけ撃つ。ボルトを動かして再装填しそしてまた構えて様子を見る。

 

「どこだ・・・・どこから撃ってきた・・・・」

 

周りが暗いためどこから撃ってきたのかわからない。

 

「誰だ・・・・敵か?それとも・・・」

 

そういい吹雪は夕張につくてもらったスコープレンズを覗いてあたりを見る。すると・・・・何かの人影が見えた。

 

「もしかしてあいつか・・・・・?」

 

すると人影はこっちに気付いたのかさっと逃げ出す。

 

「あっ!待て!!」

 

吹雪は人影を追いかけた。

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・・。いったいどこに行ったんだ?」

 

俺は追いかけたが、周りが暗いためかすぐに見失ってしまう。俺はこれ以上の深追いは危ないと思って、近くにあるくぼんだ溝にに入り、焚火を炊き、ポケットに入っていた非常食の乾パンを食べる。すると・・・・後ろに人の気配がした。もしかしてあいつか?そう思い俺は急いで振り向き銃を向ける。すると向こうも弓をこっちに構えていた。顔は薄暗くて見えない。

 

「誰だ?もしかして黄巾党の残党か?」

 

俺がそう言うと

 

「違うわ。私よ」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。もしかして、俺はその人物の顔をよく見る。焚火の炎がその人物をうっすらと照らした。

 

「徐栄さん・・・」

 

その人物正体は弓をこちらに向けた徐栄さんだった。

 

 

 

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