真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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温泉を掘り当てろ

「まさか、あなたと再び会えるとわね。吹雪」

 

「ああ、俺も驚きだよ。華琳」

 

とある客室で、曹操一行と、吹雪一行がくつろいでいて、吹雪と華琳は話をしていた。ほかのみんなはというと

 

「は、初めまして李傕殿。私は楽進といいます。あなたのことは隊長が陳留にいたときに聞きました。」

 

「そう・・・・あなたが楽進ね・・・・・隊長からあなたの話は聞いたわ。・・・・ふふ。曹操殿のところにこんな真面目でいい後輩がいたなんてね。私のことは斗志でいいわ楽進殿。」

 

「私のことは凪でいいです。」

 

凪と斗志は似た者同士なのか意気投合して真名を呼びあっていた。

 

「いや~来ないなところで夕張に会うとは~元気にしてたか〜」

 

「何とか元気にしてるわ。それにしても本当に久しぶりね真桜。からくりのほうはどう?」

 

「ああ、まあ、ボチボチっといったところやな~」

 

「あ~その服、『阿蘇阿蘇』に載ってた服なの~!これ、すごく可愛いんよね~お姉さん♪」

 

「そ、そうなのか?志乃が選んで買った服なんでけどな・・・」

 

真桜と夕張は発明の話をし、沙和はアンチョビが着ていた私服を見て目をキラキラさせる。そんな会話がされていた。

 

「それにしても。せっかくの温泉旅行なのにお湯がなかったのは残念っすね」

 

「ふむ。私が聞いたところによると地元の人の話では半月ほど前に起こった地震の影響でほとんど湯がわき出さなくなったと言っていたな」

 

桜花の問いに星はお湯がない原因を言う。

 

「それにしても勢い良く飛び込んだからお尻が痛いわ」

 

「沙和もなの~」

 

「うちもや」

 

「私なんか尻に(あざ)ができたっす」

 

と、さっき生きよい良く湯舟にダイブし尻を強打した、川内、沙和、真桜、桜花がそう言うが

 

「桜花、川内。それはお前たち走って湯舟に飛び込まなければすむ話じゃないのか?」

 

「沙和や真桜もそうだぞ」

 

と、斗志や凪が突っ込みを入れる。

 

「しかし、これではせっかくの慰安旅行も台無しです。」

 

「そうね。久しぶりに温泉に入って疲れをいやそうと思ったのに・・・残念だわ」

 

一行は愚痴を言っていた・・・すると志乃が

 

「あの・・・みなさん、それでしたらだったら新しい温泉をさがしてみるのはどうでしょう?」

 

「新しい温泉を探す?」

 

「それってつまり他に温泉が湧き出る場所を探して掘ること?」

 

「はい、もちろん絶対に見つかるとはいえませんがやってみる価値はあると思います」

 

「確かに志乃の言う通りだな。このままっていうのも嫌だしやってみる価値はあるな」

 

「桂花、貴方はどう思う?」

 

「私も可能性はあると思います。幸いこの隠れ村のあたりは温泉が出る条件を満たせていますし」

 

「なら話は決まりだな。」

 

ということで吹雪・華琳組は共同で温泉を探すことになったのだが・・・

 

「ちょっと。待ってください皆さん」

 

「ん?何だ志乃?」

 

「全員ではなく、三班に分かれて探してみてはどうでしょうか?集団よりは班で別れて探したほうが見つかる可能性は上がります」

 

「確かにそうね・・・・で、どうやって班の人数を振り分けるの志乃?」

 

「はい。それは簡単です」

 

そう言い志乃は15本の割りばしを取り出した。

 

「これには5本ずつ色の違った割りばしがあります。これを皆さんがとって班を作ります」

 

「なるほど…・くじ引きか。これなら公平だな」

 

「そうね。それじゃあ、まず私が引くわ」

 

そう言い、華琳は志乃の手からくじ棒を引くそれに続き吹雪たちも引く。そしてくじの結果

 

紅組 吹雪、斗志、凪、志乃、川内

 

青組 華琳、桂花、春蘭、雪風、桜花

 

黄組 星 アンチョビ 真桜 沙和 夕張

 

 

と、なった。こうして温泉探しが始まったのだった。

 

青組

 

「そういえばあなたは確か吹雪の・・・」

 

「はい。吹雪隊所属の樊稠と申します。曹操殿」

 

「あなたの情報収集の噂はかねがね聞いているわ。あなた私のところに来る気はないかしら?」

 

「せっかくのお誘いですが曹操殿。私には隊長と董卓様がおります。ですので・・・・」

 

「そう、それは残念だわ・・・・・ところで桂花。もうだいぶ歩いているけど本当にそれで温泉は見つかるのかしら?」

 

「もちろんです。疑似科学を集めた推移の方法は温泉はおろか土中に埋まっている土管でさえ見つけられる優れものなんです」

 

桂花が手に持っていたのはダウジング棒だった。

 

「ふ~ん・・・そうなんだ」

 

桂花の説明に桜花と春蘭は不思議そうにそう見る。

 

一方 黄色組は・・・・

 

「はぁ~沙和もう歩き疲れたの~」

 

「何を言ってるんだ。まだ歩き始めたばかりじゃないか。そんなんじゃ、温泉は見つからないぞ」

 

「けど~こんな山道を探す必要あるのお姉さん?」

 

「大丈夫だ。このアンチョビの勘に任せておけ!」

 

「その勘。あてにしても大丈夫なのか?アンチョビ殿」

 

森の中でアンチョビを先頭に温泉を探す黄色組。

 

「そういえば夕張。その手に持ってっるのってなんや?」

 

と、夕張が持っているのは箱にダウジングを刺したものだった。

 

「え?ああこれ?これはね。ほら、真桜。小さいころお宝を探すからくり作ったことがあったよね」

 

「あ~そういや、あったな。そんなこと。もしかして・・・・」

 

「そう、そのからくりを私なりに改良したんだけどどうかしら?」

 

「どれ?そうやな・・・・あ、この歯車もうちょい緩くしたほうがええんやないか?」

 

「あ、そうね・・・・じゃあ、この部品はこうして・・・・」

 

と、夕張と真桜はからくりの話に夢中になるのだった。

 

 

そのころ、こことは別の深い森。宝探しに来た袁紹は道に迷っていた。

 

「う~斗詩、なんだかさっきから同じところを歩いているような気がするけど・・・まさか道に迷っていないでしょうね」

 

「迷ってはいないと思いますけど、この地図あちこち虫食いだらけで、どうすれば印の場所に行けるのかいまいち、わからなくって・・・・・・」

 

顔良は虫食いだらけの地図とにらめっこしながらそう言う。

 

「ちょっと、それじゃあ宝の在処へ行きつないんじゃありませんの!」

 

「あ~でもこの辺なのは間違いない・・・はずですけど・・・・」

 

言葉がだんだん小さく自信なさげに言うと・・・・・

 

「あっ!麗羽様。あれ!?」

 

「見つけましたの?」

 

文醜が何かを見つける。その言葉に袁紹は何かっと聞くのだった。だが文醜が見つけたのはお宝ではなく温泉探しに来た青組こと華琳の一行であった。

 

「げぇ!何よ、どうしてあの生意気小娘がなぜこんな所に?」

 

「あっ、もしかして麗羽様。あいつらも宝を探しているんじゃ?」

 

「あのくるくる小娘~またしても私の邪魔を・・!!」

 

華琳を見て怒り心頭の袁紹に文醜が言った。だが、華琳が探しているのは宝ではなく温泉だということは知る由もしない。

 

「麗羽様。見たところ武器を持っているのは夏侯惇含めあの剣を持ったのとあのチビ眼帯の3人。夏侯惇以外の二人は大したことはなさそうですし、ここは一か八か飛び出してあいつらをぶっ飛ばちゃいましょうか?」

 

「待って猪々子。こっちには麗羽様がいるのよ。それにあの二人なんかただならぬ雰囲気だわ・・・・」

 

「ああ、たしかに・・・」

 

「ちょっとお持ちなさい!!その言い方だとそれでは私が足手まといみたいじゃありませんの!!」

 

「みたいというか・・・・ずばりそのものというか・・・・」

 

「何ですってぇ!?」」

 

怒り心頭の袁紹を見て顔良が冷や汗をかきそしてこう思った。

『なぜ文ちゃんは余計なことを言っちゃうの!?』って

 

「麗羽様、落ち着いてください。とりあえずはもう少し様子を見ましょう」

 

「様子を見たところでどうなりますの?」

 

「このまま曹操達の後を付けて、奴等が宝を見つけたら。隙を見て、横取りするんです!」

 

「なるほど・・・・・・。それはいい考えね。さすがは斗詩さん」

 

「さっすが、智力32」

 

「むぅ。34よ文ちゃん・・・」

 

こうして袁紹組は華琳一行についていくことになった。だがこのときの顔良の判断は正しかった。なぜなら文醜が言った大したことのないっといった桜花や雪風は、腕前は文醜たちと互角。いやそれ以上の腕前なのだ。もしあそこで強行して襲い掛かっていたらあっさりとやられていただろう。

 

 

一方、華琳たちはしばらく歩いていると桂花が持っているダウジングが目に前いある岩に反応したのだ。

 

「あっここです」

 

「「え!?」」

 

「まじっすか!?」

 

「ここに間違いありません」

 

「じゃあ、この岩の下に温泉があるというのね・・・」

 

「それじゃ早速岩をどけて・・・」

 

「あっちょっと待って、喉が渇いたわ。さっき通り過ぎた所に小川があったからそこで水を飲んでからにしましょう」

 

「そういえば、さっき隊長にもらったおにぎりがあります。数も5つなので、重労働の前に腹ごしらえでもしませんか?」

 

「あら。それはいいわね」

 

「さすが雪風!抜かりないっす!」

 

「何も今でなくても・・・」

 

「まあ、春蘭。腹が減っては何とやらでしょ?私も華琳様のところに行くわね」

 

「ちょっと待って!それじゃあ私も!!」

 

そう言い華琳組は休息を取るべく小川のほうへ向かうのであった。そしてその様子を見ていた袁紹組は・・・

 

「どうやら見つけたようね」

 

「でも、あいつらいなくなっちゃいましよ」

 

「ぞろぞろ連れだってどこへ行ったのかしら?」

 

「厠じゃないですか?あたい達もよく連れだって行くじゃないッスか」

 

「い、猪々子・・・・あなた少し恥じらいっていうのを持ちなさい・・・」

 

文醜の言葉に袁紹が顔を赤らめそういう

 

「とにかく今のうちに宝をいただいちゃいましょう」

 

「そ、そうですわね」

 

そう言い3人はダウジングがさした岩を持ち

 

「この下のお宝が・・・」

 

「これをどかせば・・・・」

 

「せーので持ち上げましょ」

 

「「「せえぇーの!!」」」

 

3人力を合わせてその岩をどけることに成功し、自信と希望そして期待を含めた顔でどかしたところを見るのだが・・・・・

 

「ひっ!」

 

「む、むむむ」

 

「虫!?」

 

どかした場所のお宝はなく。あったのは百足やダンゴ虫などの虫がいた。そして虫は住処である岩をどかされ驚いたのかぞわぞわとあたりを走り回るのだった

 

「「「きゃあああああああ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

「どうしたんだ?志乃」

 

「いえ、何か声が聞こえた気がして・・・・」

 

一方、紅組は温泉を掘るため、シャベルやら鶴嘴(つるはし)なんかで堀作業をしていた。

 

「もしかして他のやつらが見つけたのですかね?」

 

「その可能性はあると思います斗志さん」

 

「それにしてもいくら掘っても湧き出ないね・・・・・そういえば志乃、出かける前に村の人たちにいろいろと聞いて、地図に何かを書き込んだけど、あれってなんだったの?」

 

「温泉って、地脈と水脈の交わる地点に湧くことが多いんだけど。そう言う所には、よく怪異が起こると言われてるのよ・・・例えば、変な雲がその上に一日中かかってるとか。怪しい光の柱が立ち上るとか、だから、村の人達にそういう言い伝えや体験談を聞いて、その場所に印を付けてたのよ」

 

川内の問いに志乃のはそう答える

 

「へぇ。じゃあ、ここもそう言う所の一つって、わけね。さすがは志乃先生だ」

 

「先生はやめてください斗志さん」

 

そんな話をしながら作業をしていると・・・・・

 

「ん?」

 

「ん?凪どうしたの?」

 

何かの気配を感じたのか凪は掘るのをやめる

 

「いえ、何かの気配を感じたので・・・」

 

「気配?」

 

凪がそう言った瞬間。

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

 

茂みから巨大なクマが出てきた。

 

「く、熊ぁ!?」

 

みんなが驚いている中、川内は・・・

 

「あっ!?お前はテンテン!!」

 

「「「え!?」」」」

 

「こんなところで会えるなんて!!テンテン!!」

 

川内はそう言いその熊に抱き着き、熊はというといきなりのことで困惑している様子だった。

 

「お、おい。川内・・・・・その熊知り合いなのか?」

 

「ええ、テンテンは昔飼っていた熊で子熊の時からずっと一緒に育ってきたんだけど、お姉ちゃんが大人になったらもう山に返しなさいと言うから・・・泣く泣くお別れしたんだけど・・まさかこんな所で会えるなんて、感動の再会ね!」

 

と、川内は嬉しそうにその熊をなでる。

 

「だけど川内。その熊本当に昔飼っていた熊なのか?」

 

「何言ってるの斗志。テンテンに決まってるじゃない!」

 

「じゃあ、川内。その飼っていた熊って左前脚に白い房があったか?」

 

「何言ってるのよ吹雪。テンテンにはそんなのないわよ。ほら・・・・・・・・てあれ?」

 

そう言い川内は左前脚を見る。するとそこには白い房があった。それを見て川内の顔はどんどん青くなる

 

「あはは・・・・どうやら人・・・いや、熊違いだったみたい」

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」

 

「て、撤退っ!!」

 

吹雪がそう叫び一行は熊に追われてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そのころ、袁紹一行は宝探しを続け森の中を歩いていた。

 

「まったく・・・・・いったい何なんでしたの!!」

 

「きっと罠ですよ。荀彧の罠」

 

「んー、あの猫耳軍師め。今度会ったらただじゃおきませんわ!!」

 

「腰がぬけるまでイカと玉ねぎを食わせてやりましょう」

 

「鮑の肝もいいですわね。」

 

「あと鼻先にミカンの皮を二つ折りというのも効きますよ。」

 

と、地味な嫌がらせを考える二人。すると・・・・

 

「あ、麗羽様。あれ。」

 

「んなんですの?」

 

文醜が何か見つけた。それは星たち黄組であった。そして麗羽たちは彼女たちの持っている鶴嘴を見て・・・

 

「どうやら、あのもの達も宝探しに来たみたいですね」

 

「でもあいつらなんか強そうですよ?一人なんかでかいドリル持ってますし」

 

「そ、そうですわね。ここも少し様子を見ましょ」

 

そう言い、3人は様子を見るのだった。

 

 

 

 

「おっ!」

 

「どうしたんだ夕張」

 

夕張が何か驚きアンチョビは首をかしげてそう言う。

 

「真桜と、改良したこの探知機が反応したのよ!もしかしたらここに」

 

確かに夕張の持っている探知機のダウジングがある場所をさしぐるぐる回っているそれは。切り株だった。

 

「もしかしてこの下にここに温泉があるの?」

 

「よっしゃぁ!うちらが一番乗りやで!」

 

「では早速掘ってみるか・・・」

 

「愛しののテルマエ待ってろよ!」

 

そう言って星たちはその切り株を掘り起こしどけて掘ると・・・・

 

「ん?」

 

「どうしたの星?」

 

「いや、何か円匙(シャベル)に何か当たったような気がしてな・・・」

 

そう言って星はシャベルを持ち上げるとシャベルの上に乗っていたのは・・・・・

 

ブ~ンブ~ンブ~ン

 

「は、蜂なの!!」

 

「しかもスズメバチじゃないか!!」

 

星のシャベルに乗っていたのは大きなスズメバチの巣だった

 

「は、はよ!遠くへ捨ててえな!!」

 

「わ、わかった!えぇーいい!!」

 

そう言って星は思いっきりスズメバチの巣を遠くに投げる

 

「はあ~びっくりしたの~」

 

「反応したのは温泉じゃなくて蜂の巣だったのね・・・・もっと改良しないと・・・・」

 

「そうやな~」

 

と、黄組は気を取り直して温泉探しに出る。そして星の頬り投げたハチの巣はというと・・・・・

 

「あれ?あいつらまたどこかに行きますよ?」

 

「なんでかしら?」

 

すると・・・・

 

ひゅ~

 

「ん?なんかこっちに飛んできますわね?」

 

と袁紹が首をかしげてそういうと、彼女たちの目の前に星が頬り投げた蜂の巣が落ちてきたのだ!

 

ブ~ンブ~ンブ~ン!!

 

巣を壊され怒った蜂は袁紹たちに襲い掛かる

 

「「「「ぎゃあー!!!」」」」

 

こうして袁紹たちは蜂に追われることになってしまったのだ・・・・

 

 

 

 

 

 

一方、熊に追われた紅組は何とか熊を振り切ることができ、座り込んでいた

 

「はぁ・・はぁ・・・どうやら逃げ切れたみたいだな・・・・」

 

「まったく何が感動の再開だ!」

 

「いや~似ていたからついね」

 

「それにしても闇雲に逃げたから。場所が分からなくなってしまったな」

 

「ちょっと待ってくれ、志乃。地図貸してくれないか?」

 

「あ、はい」

 

そう言って、志乃は懐から地図を取り出し吹雪に渡す。

 

するとそのすぐ近くに・・・・

 

「はぁ~怖かった・・・」

 

「まったくもう。なんでわたくしたちがこんな目に・・・・」

 

「踏んだり蹴ったりですね麗羽様・・・・・あ、麗羽様あれ」

 

そう言い文醜が吹雪たちに気付く

 

「あいつらも宝を狙ってるんじゃないですか?」

 

「麗羽様。あの者達の地図見た所、虫食いもありませんしあれなら宝の在処が分かるかも・・・・」

 

「いただいちゃいましょう!!」

 

「そうね。ここは強行突破ですわ!!」

 

そう言い袁紹たち茂みから飛び出し・・・・・

 

「えっ・・・きゃあ!」

 

すぐ近くにいた志乃を捕まえた。そして志乃の悲鳴を聞いた吹雪たちは・・・・

 

「なっ!お前たち何者だ!」

 

「志乃を離せ!!」

 

吹雪と凪がそう言うすると袁紹はお嬢様風の高笑いポーズをし

 

「おっほほほ!!」

 

「ちょっ!あなたたち何をするんですか!!」

 

「ええい、うるさい!!」

 

「この娘を返してほしくば貴方達の持っているその地図を私にお渡しなさい!!」

 

因みに地図はいま吹雪が持っている。

 

「早くお渡しなさい。でないとでないとこの小娘たちがどんな目にあうのか?」

 

「それよりあんただれだよ?」

 

「まあ、この名族袁紹の名を知らないなんて、とんだド田舎者ですわね」

 

「え、袁紹!?」

 

吹雪は袁紹っという名を聞いて驚く

 

「それはともかく早く、地図をお渡しなさい。さもないとこの娘が一生不幸になるわよ」

 

「おい、もはやそれ名族の姫さんが言うことじゃないよ」

 

「悪党の言い方だなそれ」

 

「名族が聞いてあきれます」

 

斗志と川内、凪が突っ込む

 

「お黙りなさい!!さっさとその地図を渡しなさい!」

 

と、袁紹は脅すが・・・・・急に吹雪たちは顔を青ざめ少しづつ下がる

 

「あら?どうしたのかしら?私の言葉がそんなに恐ろしかったのかしら?」

 

「吹雪様。どうしたのですか?」

 

人質に取られても冷静に聞く志乃

 

「あ、・・・あの袁紹さん?人質離して逃げたほうがいいんじゃないか?」

 

「あら?なぜですの?」

 

「う・・・後ろ・・・・」

 

「おっほほほほ、後ろだなんてそう言って、こちらが振り向いた隙に人質を取り返そうという作戦なんですけど、そんな手に引っ掛かると思うのかしら・・・おっほほほ・・・ほ」

 

「「「え!?」」」

 

袁紹は高笑いをしながら人質を確認するが、何かを見て硬直する。そして、四人も後ろを振り向いた。そこには・・・・

 

「グオオオオオオ!!!」

 

「「「「で、でたぁー!!!」」」

 

先ほどの大熊だった。それ見た袁紹たちは志乃を離し急いで逃げる。そして熊は吹雪たちには目もくれず袁紹たちを追いかけたのだった。ちなみに志乃はどさくさ紛れ吹雪の後ろに隠れたのだった。

 

「志乃。無事か?」

 

「はい。大丈夫です。それよりあの人たちは大丈夫でしょうか?」

 

「さあ?まあ、きっと大丈夫じゃない?私たちも逃げきれたんだし」

 

「それもそうだな。」

 

と、吹雪たちは熊から逃げ行く袁紹たちを見送るのだった。いっぽう、熊から逃げる袁紹たちは・・・・

 

「「「いやぁー、来ないで!?」」」

 

熊に追われる袁紹一行。ずっと逃げ続けているが。前をよく見ていなかったのか崖から落ちてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・羽様!麗羽様!」

「ん……」

 

自分の名を呼ぶ声。それを聞いて、袁紹はゆっくりと目を開いた。

 

「よかった!気がつかれたんですね」

 

「麗羽様〜〜!!うんともすんとも言わないから死んじゃったと思いました~!!」

 

「猪々子……斗詩……」

 

目の前には、瞳から溢れんばかりの涙を流す二人がいた。二人は彼女が無事なのを知り、泣きながら抱きついた。

 

(二人とも、わたくしのこと、こんなに心配してくれて……。わざわざこんな所まで探しに来なくても、宝は近くにあったのかも……)

 

そう思い彼女は今までとは違う優しい笑みを見せるのだった。

 

「さ、、二人とも帰りましょうか」

 

「え?でも宝は?」

 

「もういいんですのよ」

 

このとき袁紹はこう思った宝よりももっと大切なものがあるっと。すると袁紹はそばにあった大きな岩に手を乗っけるすると・・・・・

 

ぐらっ

 

「へ?」

 

岩はいきなり倒れそこから温泉が噴き出すのだった。そして・・・・

 

「いいですこと?この温泉は私が見つけたんですからね?ちゃ~んと、感謝して入って下さいまして」

 

その後、吹雪隊一行、華琳一行、袁紹一行は温泉に入っていた。ちなみに吹雪は真桜、夕張の作った別のほうの風呂場で温泉を楽しんでいた。

 

「ふん、見つけたといっても偶然でしょ」

 

「あーらー、そこの貧乳小娘がなんか言ったみたいですけど・・・斗詩、聞こえまして?」

 

「ええ、何かひがみっぽいこと言いましたけど、胸が小さいと心もせまくなるでしょうかね?」

 

袁紹と顔良に嫌みを言われて、そっぽを向く華琳。すると・・・・

 

「それにしても顔良殿と字違いとはいえ同じ真名とは・・・・」

 

「確かにそれは驚きましたね・・・・」

 

実は少し前文醜が顔良の真名を言ったとき斗志が自分のことだと思い怒って喧嘩になったのはまた別の話。

 

「確かにそうっすね~」

 

「それもそうだが、そういえば桜花と文醜は髪の色以外顔や性格も似てるよな?」

 

「「誰がこんな間抜け面だ(っすか!)」」

 

アンチョビの言葉に桜花と文醜が突っ込む。

 

「まあ、それはさておき。それにしても服を脱いでの勝負は我々の圧倒の様ね」

 

「むむ~」

 

「はい、まあ猪々子はおまけみたいですけど・・・」

 

「え!?」

 

「物量なら圧倒的かと・・・・」

 

と胸を自信まんまにしている袁紹一行だが・・・・

 

 

「量だけで質を問わないとは・・・・・・。いかにも、いくさ下手な袁紹軍らしいこと」

 

「何ですってぇ!?」

 

「本当の事を言ったまですわ。それとも無駄な胸の脂肪に栄養を取られて、回転の悪くなった頭では理解出来ないのかしらぁ~~」

 

華琳の皮肉たっぷりの言葉に袁紹が切れて、立ち上がり、華琳と口論となる

 

「胸が大きいと頭が悪いなんてとんでもない俗説ですわ!!」

 

「そうだぞ。それでは私も頭が悪いということになってしまうではないか!!」

 

「そうっす!!」

 

「ってあなたたちはどっちの味方なのよ?」

 

「ちょっと仲間割れはよせ!せっかくのテルマエなんだぞ!!」

 

喧嘩しているところアンチョビが制止させる。

 

「そもそも胸の優劣を大きさでつけること自体間違いなのよ!!もっと色とか形とか・・・・感度とか・・・・////」

 

「そうだ!胸なんてしょせん腹にある無駄脂肪が胸に行っただけだ!胸なんて飾りでしかない!!」

 

桂花の言葉に斗志は賛同するが、巨乳である斗志が言っても説得力がないそれどころか・・・

 

「じゃあ、その胸よこせぇ#!!」

 

「斗志っ!てめぇ、それは嫌味か#!!」

 

「いらないんだったら私に下さい副長殿#!!」

 

「うわぁ!?やめろお前ら!!」

 

火に油を注いでしまった。そしてその言葉を聞き文醜と川内、雪風が斗志に襲い掛かる。

 

「それにしても。温泉気持ちい~」

 

「そやな〜日頃の疲れが癒されるわ〜」

 

「まったくね~ん?どうしたの志乃?」

 

「いえ、星の姿が見当たらなくって・・・」

 

「そういえばそうっすね・・・・」

 

と、静かに温泉を楽しんでいる沙和、真桜、凪、夕張、志乃、桜花は星がいないことに気付く

 

 

 

 

「はぁ~いい湯だな~」

 

一方、吹雪は男一人温泉を楽しんでいた。

 

「ゆっくり湯につかるのは久しぶりだな~」

 

「確かにそうですね吹雪殿」

 

「うん。そうだな・・・・・・ん?」

 

と、吹雪はだれかと話していることに気付く。そして横を見ると・・・・

 

「星っ!?お前なんでここにいるんだよ!?」

 

「なにって?温泉に入っているのだが?」

 

「いや、それはわかってるんだよ!なんで男子湯に・・・・」

 

吹雪が困惑していると星は吹雪にしがみつく

 

「せ、星?(やばい!何か柔らかいものが!!)」

 

「ふふっ・・・・吹雪殿も初心ですな~」

 

と妖艶な笑みを見せる星。すると・・・・

 

「あぁー!!やっぱりここにいたんすか!!」

 

「星!抜け駆けは許さないわよ!!」

 

「げぇ!斗志!?それに桜花も!?」

 

と、今度は斗志や桜花や詩乃、雪風。それに交じり凪たち(実は華琳もこっそり紛れ込んでいた)もいつの間にか吹雪たちの湯に乱入してきて大騒ぎになったのは言うまでもない。

 

 

 

あれから数日後。休暇を終え、天水に帰った吹雪は急に詠に呼び出されていた

 

「こんな朝早くなんだろ?そういえばなんか兵たちや役人たちが荷物をまとめていたけど・・・・」

 

そんなことを呟きながら、吹雪は詠たちのところにつく

 

「やあ、待たせてごめん詠。」

 

「いえ、急に呼び出してごめんね」

 

「で、なんか急な用事か?」

 

「ええ、実は朝廷から、手紙が来たんだけど・・・・」

 

「手紙?(まさか・・・・・)」

 

「ええ、私たちは都、洛陽に行くことになったわ」

 

 

 

 

 

このとき止まっていた時が再び動き始めるのだった・・・・・

 

 




はい。今回は長めに書いてしまいました。ということで次回は反董卓連合の序曲洛陽編を書きたいと思います。
次回も頑張って更新したいと思います。

この小説は面白いか?またはリメイクの必要ありか?

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