真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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洛陽入城

あれから翌日、俺たち董卓軍は天水を出発した。その時は天水の街の人たちが盛大に見送ってくれた。うれしい限りだ。そして天水を出てから数日、董卓軍総勢約3万を超えるだろう軍勢はいま長安の街につき、今休憩を取っている。

ここから洛陽まで・・・・数日か。まだ先が遠いな。その後俺たちは休憩を終え、また歩き始める。今更だがこの時に車とかそういう現代の乗り物の有難みを感じるのだった。そしてあれから数日後、もうすぐ洛陽につきそうだ。

 

「もうすぐ洛陽だな・・・・どんな街なんだ詠?洛陽って確か皇帝が住んでいる都なんだろ?」

 

「そうね…僕もここに来るのは久しぶりだから・・・・ん?どうしたの(ゆえ)?」

 

俺と詠が話していると月は元気のない様にうつむく。

 

「詠ちゃん。吹雪さん・・・・・私ちょっと心配で」

 

「心配?何が?」

 

「洛陽の人たち、私たちを歓迎してくれるかな・・・・」

 

「大丈夫だよ。別に石を投げられるんじゃないんだから。月は心配性ね・・・」

 

「でも詠ちゃん・・・」

 

「大丈夫だよ月。俺たちがついている。だから心配するな」

 

「吹雪さん・・・・・・」

 

そうこうしているうちに俺たちは月を先頭に洛陽の中に入る。すると・・・・・

 

「「「「うわあぁぁぁぁぁぁー!!!!!」」」」

 

俺たち董卓軍が洛陽の街に入った瞬間、大歓声が上がる。

 

「な、なんや!?」

 

「!?」

 

あまりの声に霞や華雄もびっくりする。俺も驚いて周りを見るとそこには洛陽の街の人たちが旗を振って出迎えたのだ。その顔には希望や喜びの顔にあふれていた。

 

「こ、これは・・・・」

 

あまりの歓迎に月は言葉が出ないでいた。すると一人の老婆がやってきて

 

「董卓様。お会いできて光栄です。あなた様の噂は聞いております。これでこの街にも明るい光が戻るでしょう」

 

と、涙を流して嬉しそうに月に言う。

 

「すごい歓迎ですね。吹雪様」

 

「ああ、本当だな。これも月の人徳ってやつなのかな?」

 

そして董卓軍は洛陽へと凱旋する

 

「あれが董卓軍か」

 

「見てあそこにいる兵隊たち妙な格好をしているけど・・・」

 

「でも奇麗な隊列だね~」

 

「あの兵隊たちの前にいる地味な枯草の服を着ている人ってうわさの天の御使いかな~」

 

と、町の人たちは興味津々にみていた。

そして俺たちは、洛陽の屋敷につく。すると・・・・

 

「お待ちしておりました。董卓殿」

 

と、屋敷の中から短い白髪の少年みたいな人物と水色の髪をした女性がやってくる。

 

「あなたは・・・・・」

 

「申し遅れました。私は宮廷に仕える十常侍の筆頭。張譲(ちょうじょう)っと申します。そして隣にいるのが・・・」

 

「趙忠っと申します以後お見知りおきを。」

 

二人は名を名乗り、挨拶する。すると趙忠が俺の顔を見てフフッっと笑う。なんだろう?

 

「は、初めまして。わたしは董卓と申します」

 

「うむ。おぬしの天水での政ごとは洛陽に届いておるぞ董卓。おぬしのここでのの働き期待しているぞ」

 

張譲はそう言うが、その目は何か良からぬことを企んでいることに吹雪は何か感じていた。すると張譲は吹雪に気付いたのか近寄ってきた。

 

「あなたですか?天よりこの地に舞い降り、黄巾の乱を終結に導いた英雄は?」

 

そう言い彼は俺のほうをじっと見る。ちなみに俺は彼の言うような大したことは一切していない。あれはみんなの力があってのこと俺一人どうにもならなかった。

 

「董卓軍所属の沖田吹雪です。あれは私一人の力ではありません。みんなが力を合わせた結果です張譲殿」

 

「ふむ。漢民族ではないのに礼儀をわきまえておる。」

 

張譲は首をうんうんと頷き、そして趙忠に振り替える

 

「趙忠、私はこれから何進と話をしなければならん。すまぬが後を頼む」

 

そう言い、張譲はあとのことを副官である趙忠に任せその場を去る。だがこの時、張譲は月が見えなくなる位置に行くとにやりっと薄気味悪い笑みを出すのだった。

 

「さて・・・・それでは董卓殿。御使い殿。はるばる来ていただき誠にお疲れさまでした今日はゆっくりと旅の疲れをいやしてください。」

 

その後、俺たちは長い旅路の疲れを癒すため引っ越しの荷物を入れ終わった後ゆっくりと休むのだった。

 

 

 

 

一方、張譲は誰かと話していた。

 

「張譲様。どうですか?」

 

「ああ、いい塩梅だよ丁原、王允・・・・これで洛陽の政を操るいい手駒が手に入った。これでもうすぐ漢王朝は俺のものだ」

 

そういい、二人の部下にそういう張譲。その一人王允は雪風にあの手紙を渡したあのフードの女性だった。

 

「それで、我らは・・・・?」

 

「安心しろ二人とも。私が漢王朝を指揮する人材となった暁には樊稠も含め漢王朝一の役人や将軍職に就かせてやる」

 

 

「ははっ!」

 

そんな密会が行われていた。

 

 

そして、それから翌日俺と、詠そして月は急遽、なんでも現漢王朝の皇帝である霊帝が会いたいっとのことだ。宮廷に呼ばれた。月や付き人である詠はわかるがなんで俺も?どうやら俺が天に御使いと聞いて興味があるらしい。そして俺たちは王座の間につく。俺たち三人は一様偉い人の前なので頭を下げている。まあ、よく三国志のドラマを見ている人はお分かりだろうがあのお辞儀だ。すると・・・・

 

「皆の者面を上げよ」

 

と、女官の声が聞こえ俺たちは顔を上げるすると目の前には、昨日会った趙忠さんと、その隣に白と銀色を混ぜた長い髪に派手で豪華な服を着た少女が座っていた。俺たち三人は一様偉い人の前なので頭を下げている。

 

「私が漢王朝皇帝の霊帝よ。あなたが董卓と巷で聞いた天の御使いね」

 

「はい。董卓と申します霊帝様」

 

「ふ~ん・・・・・思っていたのより随分と小さいのね。まあ、いいわ。私、政なんか興味ないしそれについてはあなたに任せるから。そこのところお願いね」

 

「は、はい・・・・」

 

と、ぶっきらぼうにそう言う霊帝に月は苦笑し、詠にいたっては少し顔が引きつっている。まあ、当然か国の頂点に立つ人間がこんなんじゃ不機嫌にもなるか・・・・

 

「で、そこの女の子みたいな顔の人が天の御使いね。あなたのことは私、興味があるのよね~」

 

さっきとは打って変わり、俺に積極的に言う霊帝。だが、そのあととんでもないことを言う

 

「あなた。地味な格好をしているけど、よく見たら結構いい顔をしてるし決めたわ。あなた董卓に仕えるのを止めて私に仕えなさい!」

 

「「「っ!?」」」

 

あまりの言葉に俺たち三人は驚く

 

「さあ、どうしたの?さっさと私の配下になりなさい。」

 

と、彼女は言うのだが

 

「申し訳ありません。皇帝陛下。私は董卓殿に仕えると決めた身。それに今の生活が気に入っているんでお断りさせていただきます」

 

と、俺は丁重に言うのだが

 

「私の命令に逆らうの!?」

 

と、大声を上げ、月は少し震えている。しかし、吹雪は冷静に頭を下げ

 

「はい。皇帝陛下自らいただいたありがたい話ですが、私には大切な家族がそこにいるので」

 

俺は月のほうを見る。

 

「そう・・・・残念だわ。せっかく天の国の話を聞きたいと思ってたのに・・・・」

 

と、霊帝は残念そうに言う

 

「そう言うことでしたら、いつか空いた時にお話しします」

 

「ほんと?でも今じゃなくて?」

 

「はい。今はやるべきことが山ほどあります。あなたの暮らす都の民のために働かないといけないので、」

 

俺がそう言うと

 

「あなたっ!霊帝様に無礼ですよ!霊帝様の命令より民のことを優先させるのですか!?」

 

趙忠さんがそう言うが・・・

 

「待ちなさい(ファン)。・・・・・・・わかったわ、今回は諦めるわ。・・・・・・あなた名前は?」

 

「沖田・・・・沖田吹雪と申します陛下」

 

「そう、沖田ね。覚えておくわ。それじゃあ、三人とも用はそれだけだから、仕事に戻っていいわよ」

 

「「「はっ」」」

 

そう言い、俺たちは宮殿を出た。そして王座の間に残されたのは霊帝と趙忠だけとなる

 

「いいのですか空丹様。あの無礼者を許して?」

 

「いいのよ黄。あのように身分も関係なくはっきりと言う人物、嫌いじゃないわ。裏で悪だくみしている奴らよりずっと信用できそうだからね。それより趙忠!例のお菓子届いた?」

 

「はい♪超高級のお菓子です」

 

「それじゃあ、さっさと持ってきて今すぐ食べたいから。もしおいしくなかったらお仕置きだからね」

 

「はいはい。も~空丹様は可愛いんですから、もっと罵ってください~♪」

 

そう言い、趙忠はお菓子の取りに行く

 

(それにしても…あの董卓と、御使い・・・・・少し試させますか)

 

「趙忠!まだかしら?」

 

「はいはい。すぐにお持ちします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころ、月たちは・・・・

 

「はぁ~緊張したよ詠ちゃん」

 

「大丈夫?でも何なのよあの態度。いくら皇帝でも政務をほっぽるなんてどうかしてるわ!それに吹雪も引き抜こうとするなんて」

 

「まあ、まあ、そう目くじら立てんなよ詠。」

 

「そうだよ詠ちゃん」

 

だがこの時、詠と月はこう思った

 

((よかった・・・吹雪(さん)があの人(無能)に引き抜かれなくて))

 

と、安心して息をつくことに吹雪は気づかなかった。

 

 

 

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