真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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反董卓連合編
反董卓連合・決戦の日は近し


「何よこれ・・・・」

 

密偵が持ってきた反董卓連合の檄を見た詠はそう呟く。

 

「恐れていたことがついに・・・・・」

 

吹雪もその檄を見て誰にも聞こえないくらいの小声でそう呟いた。その紙を見て月は慌てふためき、詠は憤りをあらわにする、他の武将達も何がなにやらわけが分らないという表情を浮かべていた。

 

「私たちが逆賊!?どういうことよ!」

 

「それに董卓様が暴政なんて・・・・こんなの嘘っぱちだぁ!」

 

と若い士官たちはそう声を荒げる。

 

「けど、わからない。月は暴政なんていしていないのになぜこんな檄が・・・・」

 

「心当たりはあるわ…おそらく張譲の仕業ね・・・」

 

やはりあいつか・・・・とある人物に密偵につかせて調査していたが…まさかこんなことをするなんてな・・・・

 

「詠ちゃん・・・・ど。どうしよう・・・・」

 

「残念だけど戦うしかないわね。今更話し合いに持ち込もうにもこんな檄がある以上は開戦回避は不可能よ・・・・」

 

「ということは開戦か・・・」

 

「ええ、おそらく敵が集結して洛陽に攻め入るのは」

 

「物資、人員集めを考えると・・・・・早くて2週間後っか・・・・あとは敵がどこに来るのか・・・詠。敵の大将は誰?」

 

「敵の大将は袁紹よ」

 

袁紹?袁紹ってあいつか、・・・確か慰安旅行で出会ったあのドリルツインの・・・・とすれば行動パターンはすぐにわかるな・・・

 

「と、すると。連合軍が集結するのは・・・・」

 

吹雪は広げられた地図にとあるところを指さす。そこは・・・

 

「汜水関・・・・・確かに袁紹ならここを通るね」

 

「というか、大群が進める道といえばここしかないからな。・・・・・汜水関は長年の工事が終わって、砦としても使える」

 

実際、汜水関工事で夕張がいろいろ手を加えたため、汜水関は堅固な砦にもなっていた。ほかにもいろんな仕掛けがあるがそれは後で話そう。

 

「そう・・・・吹雪お願いがあるんだけど・・」

 

「ん?何、詠?」

 

「虎牢関は霞や恋が。最前線である汜水関は夢華や華雄が守ってくれることになったんだけど・・・・」

 

「ああ…なるほどな」

 

華雄って勇猛果敢なんな武人なんだけど、籠城戦が好きじゃないんだよな・・・・・それに下手をしたら史実と同じようにあの場所で戦死してしまう。そんなのは嫌だ。

 

「わかった。俺も汜水関に行くよ」

 

「ごめんね・・・・・それと例の件については手はずは整っているわ。もしもの時は任せて」

 

「ああ、ありがとな詠。それじゃあ、俺は部隊を整えて汜水関に行くよ」

 

そう言い俺は軍帽を被ってその場を後にしようとした。すると

 

「吹雪さん・・・・」

 

と月が俺の手を握る。

 

「・・・・・月?」

 

「‥…どうかご無事で・・・」

 

少し涙をためてそう言う月。俺は微笑んで月の頭を優しくなる

 

「大丈夫だよ。俺は絶対に死なないよ。絶対に帰ってくるから。だから月は笑って見送ってくれるか?」

 

俺がそう言うと、月はしばらく黙ってうつむいていたが、やがてゆっくりと顔をあげる

 

「はい。必ず戻ってきてくださいね吹雪さん・・・」

 

と、微笑んでそう言う。本当に月は笑顔が似合うよ・・・

 

「ああ。では行ってまいります」

 

俺は月に敬礼をしてその場を後にした。

 

 

 

西涼

 

西涼の大室で西涼の太守馬騰と娘である馬超こと翠と従兄である馬岱こと蒲公英が作戦会議をしていた

 

「翠。兵士達の配備終わりそうかい?」

 

「大丈夫順調だよ母様。明後日くらいで集合地点である汜水関に向けて出発できるよ」

 

翠がが言う。だが翠は手をぎゅっと握りぶるぶる震えていた。

 

「そうかい……なぁ翠。月が・・・董卓が悪政をしていると思うかい?」

 

「それは絶対にありえないよ。天水の街を見て母様も知ってるだろ?あんないいやつが暴政なんてするはずない。それに吹雪がいるし・・・・・」

 

「お姉さま・・・・」

 

「蒲公英はどう思うんだい?お前もあの御使いにあったんだろ?」

 

「蒲公英もそう思うよ叔母様。吹雪のお兄さんがあんなことをするはずないもん」

 

「……何かこの連合にはなにか裏があるね……」

 

「じゃあ、参戦するのは中止して中立の立場になる?聞けば楽成城の太守黄忠や劉璋配下の武将の厳顔は体の調子が悪いって参戦してないし・・・・たぶん中立の立場になるつもりらしいけど・・・・」

 

「それができれば苦労はしないよ。既に檄が届いてしまった以上参戦するっと言いながら突如、やめるっと言い出したらこっちに矢が向く可能性が高い。」

 

「じゃあ・・・・」

 

「残念だけどね翠。私たちは予定通りに連合に参加するよ。いいわね?」

 

「はい・・・・」

 

翠はそう言うがその顔はとても辛そうだった

 

「(すまない・・・翠)」

 

翠の心境を知っている馬騰こと春華は心の中で娘である翠にそう言ったのだった

 

「(・・・吹雪…私はどうすればいいんだよ)」

 

 

 

 

 

 

天水

 

「ここが董卓さんが前に納めていた街か~」

 

「ああ、これが暴政をやっている董卓の収めた街とは思えないな・・・・・」

 

一方、反董卓連合に参戦した劉備・北郷率いる義勇軍は集合地点である汜水関に向かうべく進軍中だったが途中で休憩するべく天水に来ていたのだ

 

「はわわ・・・それにしてもすごい街ですね」

 

「あわわ・・・街の人も明るいし・・・」

 

と、はわわ、あわわ軍師がそう言う。

 

「まあ、とにかくここで一休みしよう。休んだ後は兵士を募集してみよう」

 

「そうだねご主人様」

 

ちなみに劉備軍は約七千弱しかいないのと兵糧不足のため、出来れば兵士と物資が欲しかったのだ。劉備たちは街で食事をしたり休んだ後、志願兵を集めようとしたがだが予想とは裏腹に志願者は一人も出ず、それどころか街の人たちに「ふざけるな」っと門前払いされるのだった。

 

「何故だッ!! 何故誰も志願に来ないんだッ!!」

 

「愛紗落ち着くのだ」

 

激昂する関羽を義理の妹である張飛が落ち着かせる。

 

「おそらく街の人たちは董卓さんや沖田さんに良い印象持っていますそれに・・・」

 

「それにここは董卓さんによって平和な街になったのとあの『池田屋事件』で沖田さんたちが悪党の悪行を未然に防いで救った街ですから。その沖田さんや董卓さんを倒すための軍なんて誰も志願しないと思います・・・・・」

 

と、孔明と龐統がそう言う。

 

「雛里!?お前は董卓の肩を持つ気か?」

 

「あわわ・・・すみませんそう言うつもりじゃありません」

 

「まあ、落ち着けよ愛紗……それにしてもこれだと兵士の募集は無理なようだな……」

 

「はい………」

 

そう言った後、劉備軍は宿に泊まり北郷は宿舎の中でこう考える

 

「(・・・・沖田。お前に何があった。なぜお前は董卓の暴政を止めようとしなかったんだ。お前は董卓がすることを知っていたはずだ・・・・何か理由があったのかよ沖田)」

 

一方、同じころ別室では

 

「ねえ、朱里ちゃん。私、志乃お姉ちゃんとアンチョビお姉ちゃんとできれば戦いたくないよ・・・・」

 

「はわわ・・・私も同じ気持ちだよ雛里ちゃん・・・・」

 

その後、複雑な心境の中、劉備・北郷義勇軍は集合地点である汜水関に向かって進軍を始めるのだった。

 

 

 

 

第三師団兵舎

 

「隊長。全兵1万8千名、集まりました」

 

「ありがとう斗志」

 

俺が兵舎につくとそこには斗志や志乃、桜花たち幹部とその後ろに部下の兵たちがいた。俺はみんなの前に立ちそしてこういった。

 

「みんな集まってくれて済まない。みんなも知っての通り俺たちはこれからこの洛陽を攻め入る連合軍と戦う。だが、これは今までとは違う戦いだ。敵の数も我々より多い。・・・・諸君らもあの檄を見たように今、世間では俺たちは逆賊っとなっている。君たちは故郷に大切な家族や愛する人がいるだろう。もし逆賊の汚名を着てまで戦いたくないもの、脱退したいものがいるのなら俺は止めないし責めもしない。」

 

これは本心だ。たとえ、俺たちが逆賊じゃなくても、世間では俺たちは反逆者っとなっていしまっている。とするとその家族や友人なども逆賊の知り合いや家族としてひどい扱いを受けるのではないか、そう思い俺は彼らにもしいるのが嫌だったら隊を抜けてもいいとそう言った。俺がそう言うと隊士たちが黙って俺を見る。

 

する、と一人の女性隊士が歌いだし、彼女が歌っていたのは「行進曲抜刀隊」だ。原曲は旧陸軍の軍歌「抜刀隊」をこっちの時代風にアレンジしたものであり吹雪隊の主力曲となっていた。彼女の歌声を聞いて、ほかの隊士たちはそれに続いてほかの隊士も足踏みを踏み一歌いだす。まるで某有名戦車映画の名シーンを見ているみたいだ。そして、兵舎の中はその歌で響き渡り、気が付けが歌っている隊士の中には斗志や星たちも歌いだしていた。そして皆が隊終わると俺はみんなの顔をもう一度見る。みんなの目は固い意志を感じた

 

「沖田隊長!」

 

と、一人の隊士が前に出る。そいつは前に…天水時代にねねを誘拐しようとしたあの人買いのボスだ。今では先任下士官っとなっている。

 

「我々は沖田隊長に出会う前は人からも蔑まれ、行き場もない野良犬同然でした。ですがあなたはそんな私たちを人として扱い仕事を与えてくれました!私たちは寄せ集めの弱兵ですが、それでも我々はたとえ最後の一兵になっても沖田様についていきます!」

 

「我々もそうです!」

 

「私もです!」

 

「私たちもです!」

 

そう言い隊士たちが次々と前に出てそう言う。俺はその言葉に嬉しさを感じた。すると・・・

 

「隊長」

 

すると斗志たちも俺に顔を向け

 

「私たちも隊士たちと同意見です。私はこの命尽きるまであなたについてきます」

 

「うちもっす!」

 

「私もよ」

 

「私もだ吹雪」

 

「私もです」

 

「右に同じ」

 

「我も同じだ吹雪殿。わが主は沖田殿を置いて他にいないからな」

 

「私もです沖田様。わが司馬懿の命はすでにあなたの物です。ですから私は吹雪様が何と言われようともあなたを一人にはしません。最後まであなたの傍にいます」

 

「私も志乃先生と同じ意見です吹雪さん」

 

と、斗志、桜花、川内、アンチョビさん、美佳、雪風、星、志乃、鈴が俺にそう言った。俺は嬉しくて思わず涙が出そうだったがそれを我慢してこう言った。

 

「ありがとう・・・・ありがとうみんな」

 

俺は斗志たちにそう言うとみんなにこっと笑う。そして俺は兵士たちに向き

 

「お前たち、よく言った!先ほど寄せ集めの弱兵って言ったやつもいるがそれは違う!なぜならお前たちがここに残り連合軍と戦うっと決心した時点でお前たちは最強だぁ!俺たちは戦争は野蛮だと信じるが、かかる挑戦に対しても無抵抗だと考えるのは大きな間違いだ!だから俺たちはあいつらに…連合軍に見せてやろうじゃないか。我々董卓軍がどれだけ強いっということを!」

 

「「「「おおおぉっーーーーーーー!!!!!」」」

 

 

俺の言葉に隊士たちが大声をあげる。そして俺たち第三師団は戦場となる汜水関に向かうのだった

 

 

 

 

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