真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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その夜

「隊長!敵が…連合軍が引いてきます!」

 

「全員撃ち方やめぇ!」

 

俺は銃士隊に発砲を止めるように指示した

 

「威嚇程度だったがこれで敵はうかつに前進しては来ないだろうな」

 

銃のもともとの本質は相手を貫通し殺すことはもちろんだが、銃の本当の本質は恐怖。あの音が鳴れば必ず誰かが死ぬ。最初はわからなくとも次弾でそれがわかり、進撃するのをためらう。これで進撃を辞めてくれると助かるんだがそうはいかないだろう。対策を立ててまた攻めてくるなあれは。

 

「さてどうします吹雪殿?‥敵は引きましたが?」

 

「まあ、とにかくは敵が引いたことに良しとするか。後は敵が今後どう動くかだな」

 

恐らく華琳や北郷は気づいただろうな・・・・・となると第二段階の実行準備をしないとな・・・・

 

「雪風」

 

「はっ!」

 

吹雪が雪風を呼ぶと背後から雪風が現れる

 

「陣内に敵の間者は?」

 

「今のところはありませんが、おそらく今の攻撃で敵は工作兵を派遣させる可能性があります。我々の部隊は今警戒して間者がいないか見張っています」

 

「そうか・・・・いつもありがとうな雪風。」

 

「いえ、それが私の使命です。私は陰ながらあなたを支える。あなたとともに歩む。それが私の生きがいです。では・・・・」

 

雪風は少ない言葉でそう言い、そしてにっこりと笑うと風とともに消えた。まるで忍者だな。雪風は、格好もそうだが。

 

「それと夕張は西の関所に行ってきてくれないか?」

 

「え?西の関所に?なんで?あそこは小川があって足場がぬかるんでたりしてるし敵が来ないと思うよ?」

 

「ああ、確かに常識的に考えればそうなんだが、おそらくそこをついて攻撃してくる可能性がある」

 

「・・・・わかったわ。それとあれ(・・)も持っていくけどいい?」

 

「ああ、頼めるか?」

 

「任せてよ。けどその代わり何か奢ってね♪」

 

と、夕張はそう言いウィンクをするとあるものを持って部下を引き連れて西の関所に向かった。

 

「川内」

 

「ん?なに?」

 

「川内は東の方へ行ってくれないか?」

 

「わかったわ。もし敵が来たら戦ってもいい?」

 

「ああ、」

 

「やったね久しぶりの夜戦だわ!」

 

「川内・・・・・」

 

「わかってるわよ。無茶な行動は控えるさ。じゃあ、行ってくるわ」

 

そう言い川内も東の関所へと向かうのだった

 

「もうすぐ夜だな・・・・・長い夜になりそうだ」

 

俺は夕暮れの空を見るのだった。

 

 

 

洛陽街

 

「おい、聞いたか?なんでも官軍の連中がここの攻めてきているらしいぜ」

 

「ほんとかそれ?」

 

「ああ、洛陽新聞に載ってるしな。今、汜水関で董卓様の軍が戦っているらしい」

 

「なんで官軍連中がここに攻め入るんだよ?」

 

「なんでも董卓様が暴政を働いて民を苦しめてるからそれを征伐するとからしいぜ」

 

「はぁ?董卓様が?官軍の連中おかしいんじゃねえか?董卓様がそんなことするわけないだろう。現に俺たちはこうして平和に暮らしているのによ」

 

「確かにな。なんでそんな董卓様が暴政をするなんて話が出てくるんだよ意味わかんねえぜ」

 

「そうだな。」

 

洛陽街で街の人たちがそんな話をしている中、町の陰でその話を聞いていた二人組がいた。一人は長身の黒髪で青い瞳が特徴の女性でもう一人は金髪の短い髪の小柄な少女だった。一見すると親子に見えてしまう

 

「大陸の旅いろいろ回ってきてやっと安息の地見つけたと思ったのにね~なんだろうね~」

 

「なんでしょうね」

 

「ねえ、雪波?飴持ってないかしら?」

 

「持ってません。」

 

「嘘言わないで、最後の二個隠し持ってるでしょ?誰のせいで戦に巻き込まれたと思ってるのよ」

 

「何度も言いますがありませんよ」

 

「あ~飴がほしいわね・・・・」

 

そう言い金髪の少女は立ち上がる

 

「まったく。どこに行っても私たちに明日なんてないわよ雪波。私たち黒山衆には今日しかないのよ。飴くらい好きに舐めたいものね」

 

そう言い彼女はさらに裏道の奥へと進み始める

 

「どこへ行かれるのですか張燕様?あっちは東ですよ?さっきまで汜水関にいる公孫瓚の所に行くって言ってたじゃないですか?」

 

「気が変わったわよ。あそこにいても楽しめそうにないしね。なんか東の関所あたりにに行くと面白そうなことが起きるかもって思ってね。とにかく行くわよ」

 

そう言いにっと笑う張燕と呼ばれた少女。それを見て雪波と呼ばれた少女は軽くため息をつくと

 

「はぁ~まったく。あなたという人は・・・・わかりました。ではあなたの副官であるこの雪波もあなたについてきます。それと部下の兵たちも」

 

「ええ、永久凍土の果てまでついてきなさい」

 

「はい」

 

そう言い二人は街の闇にへと消えて行ったのだった。

 

 

 

 

さてその頃連合軍では・・・・

 

「なんなんですのー!相手はたかが数万の烏合の衆ですのに!」

 

と、会議をしていた袁紹そう叫び

 

「それに、あの第三師団も汜水関に布陣していたとは・・・・・」

 

公孫瓚がそう言うと

 

「それにあのへんな雷みたいな音はなんだ?あの音がした瞬間兵たちがいきなり倒れ死んだのだが?」

 

「もしかして妖術か?」

 

と、ほかの諸国勢がそう話していると

 

「……あれは俺の世界の兵器だ……」

 

『ッ!?』

 

北郷がポツリと呟くと、天幕にいた全員が驚いた。そして華琳は黙った耳を傾けていた。

 

「あれは銃って弓みたいなものだけど射程や威力は弓とは、くらべものにならないくらい強力な武器なんだ。」

 

「はわわ。天の国の武器ですか」

 

「ああ、」

 

「でもなんで董卓軍がそんなものを・・・・」

 

「そう言えば董卓軍にもお前と同じ天の御使いがいたな・・・・・で、その銃による対処とかないのか北郷?」

 

と、公孫瓚が訊くと

 

「ああ、おそらく敵が使ってるのは火縄式だと思うだから。装填にも時間がかかるしと思うし弾もそんなにたくさんはないと思う。もし、たとえ撃ってきても伏せて行けばいい。でも・・・・」

 

「落とし穴にあの鉄の茨か・・・・」

 

馬岱の言葉に北郷は頷く

 

「ああ、おそらく装填の遅さをあれで補っていると思う。」

 

「鉄の茨は先ほどの丸太で大方片付けることに成功したが・・・・落とし穴には穴を埋めるのに時間がかかる」

 

「とにかく今は、あの落とし穴をどうにかしないとね・・・・」

 

そう、話し合っていると

 

「じゃあ、、落とし穴を埋める作業をしない?」

 

「「「え?」」」

 

「だって、昼間だとその銃ッて武器の的にされるんでしょ?だったら周りが暗い夜なら最適じゃないかしら?」

 

雪蓮の言葉に皆、首を傾げるが軍師たちは

 

「はわわ。なるほど・・・・確かにそれはいい案ですね。それにあと3日ほどで夜空は新月ですから相手に気付かれず行動ができます」

 

「じゃあ、作業は3日後ね」

 

と、雪蓮がそう言うと、劉備の軍師龐統が手をあげる

 

「それとなんですが、それと同時に別方向を攻撃してはどうですか?」

 

「別の所?」

 

華琳がそう言うと軍師の一人、龐統が頷き

 

「あわわ・・・この地域には汜水関だけではなくたくさんの小さな関所があります。特に小川がある西側と、東側。道は狭いですが、ここを占拠し突破すれば、虎牢関まで行けますし何より汜水関の砦を包囲することができます・・・・もちろん汜水関を攻める部隊は相手に気付かれないため、引き付けとして残しておく必要がありますが・・・・」

 

と、龐統の言葉にみんな納得したようにうなずくのだが田豊が「私の案・・・・パクられた」と小さく呟いていた

 

「なるほど確かにいい案だわ。袁紹。あなたもこれでいいわよね?今のところそれいしか案はないようだし?」

 

「え、ええ・・・かまいませんことよ。」

 

と、今の現状を見て否定することができず袁紹が作戦を了承し会議は終わるのだった。

 

 

 

曹操陣

 

「まさか吹雪軍が汜水関にいたとは予想外でした・・・・」

 

「・・・で、桂花?さっき龐統が言った作戦のことだけど」

 

「はい。恐らくあいつのことですから、察知されていると思います。ですが奴の銃にも弱点があります」

 

「弱点?」

 

「はい。いくら天の国の武器を製造できたとしても。矢となる弾丸も無限ではありません。おそらく今の射撃も威嚇程度の物でしょう」

 

「確かにそうね・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「で、どうかしら冥琳、この作戦上手くいくと思う?」

 

「それはわかりませんが、相手があの沖田や司馬懿が相手です。油断はできません」

 

「そう・・・そう言えば明命はどうしているの?先ほどから姿が見えないけど」

 

「明命でしたら、今敵陣の中に入り偵察をしています。」

 

「そう・・・・無事だといいんだけどね」

 

「それよりどうする雪蓮。」

 

「どうするって?」

 

「西と東の関所を攻めることについてだ。あんたのことだから先頭に立っていく気でしょ?」

 

「う~ん・・・・そうね。なんだか知らないけど嫌な予感がするから。今回は兵だけを突撃させて」

 

「わかった。では今回はそうすることにしよう」

 

雪漣は嫌な予感を感じながら夜空を見上げるのだった

 

 

劉備・北郷陣

 

「はぁ・・・まさか董卓軍が火縄銃を持ってるなんて予想外だな・・・」

 

会議が終わった後、北郷は天幕で頭を悩ませていた。だがこの時北郷は董卓軍が持っている銃は戦国時代で使われた火縄銃だと思っていた。彼からしてみてばこの時代で作れる銃とすれば火縄銃が限界だと思っていたからだ。

 

「大丈夫ご主人様?」

 

「ああ、大丈夫だよ桃香。とにかく昼も夜も忙しそうになるな・・・・」

 

「はい。作戦は決まったのですが後は…成功するかどうかですね。あの雰囲気からして董卓軍はまだ何か隠し持っているみたいですし・・・・」

 

「そうだな朱里。」

 

二人は嫌な予感を感じながらそう話し合うのだった。だがこの時北郷は見誤った彼らが・・・董卓軍が所持してたのは火縄銃ではないことを…そして更なる兵器が待ち構えていることをこの時、誰も気づかなかったのだった。

 

 

 

 

一方汜水関。

 

「失礼します。隊長」

 

「失礼します。あ、あの・・・・吹雪さん?」

 

「ん?なんだ?斗志、美佳」

 

「なんかうちの隊に変な隊士がいるんですが・・・・とにかく来てください」

 

「?」

 

斗志の言葉に吹雪が首を傾げ、ついていくと・・・・

 

にゃーにゃー

 

「はわぁ~お猫様~♡♪」

 

とそこへ行ってみるとそこには、日本刀のような長刀を持った女の子が猫じゃらしで猫と戯れていた。

 

「あの服を見てうちの隊だというのはわかるんですが・・・・・」

 

確かにうちの部隊の黒軍服を着ている。別におかしいところはないが猫と戯れていること以外。

 

「あれがどうかしたのか?別に猫と戯れているのは別に問題ないではないか?」

 

「それはそうなんですが、うちの隊士にいましたっけ?私の記憶ではいなかったと思うんですが・・・・」

 

「私も、美佳と同じ意見です」

 

「ふ~ん・・・ちょっと訊いてみるか。おい君?」

 

「え?は、はい!」

 

長髪の少女はこちに気付き、立ち上がる

 

「君。名前は?それと所属と階級は?」

 

俺の言葉に少女は少し動揺したような顔になり

 

「え・・・・えっと・・・わ、私はか・・・・関平っと言いまして一兵卒で・・・その所属は・・・・」

 

と苦笑いしながらもごもご言う。あ~これあれだな・・・・・

 

「(斗志・・・・)」

 

「(はい。間違いなく敵の間者ですね・・・・あれは。それに関平って名の隊士はうちの第三師団にはいません。隊長どうします?ここで斬り捨てますか?)」

 

「(怖いこと言うな斗志。まあ、とにかくあれだ。カマかけて見るか)」

 

「(そうですね・・・・・)どうした。貴様所属が言えないのか?」

 

「あ、いえ・・・その。あっ!私は・・・・・あっ!歩兵部隊に所属しています!」

 

と、大声で言う少女。だが・・・・・

 

「そう・・・・でもあなたの着ている服の襟章・・・・・・・工兵隊の印がついているわよ」

 

「あっ・・・・」

 

「あなた・・・・自分の所属部隊も言えないなんて・・・・あなた連合軍の間者ね」

 

「ぐっ!」

 

少女はしまった!っというような顔をして逃げ出そうとしたが

 

「そこまで、動かないで動けばその喉を掻っ切るわよ・・・・・孫家に仕える武将周泰さん?」

 

いつの間にいたのか雪風が周泰を拘束していた。てか、周泰って・・・・雪蓮のとこの人か・・・・・これは面倒なことになったな・・・・・さて・・・連合軍はどう動くのかな?

 

 

 

 




この頃スランプ気味です・・・・董卓軍の戦い描写を書くの本当に大変です。大変だと思いますが頑張って書いていきたいと思います。
次回も楽しみにしてください。

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