真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
あれから三日後の夜。空は月の光ももない闇に包まれた。そう新月だ。暗闇に紛れ連合軍は三手に別れ、汜水関攻略へと進む。西側には袁紹軍一個連隊を派遣しその後ろに曹操軍。東には文醜率いる一個連隊そして後ろには劉備・北郷軍。指揮官は関羽と張飛であった。そしてその側面攻撃を敵に悟られないために囮全面攻撃部隊が向かう。またこのおとり部隊は別の任務があったそれは汜水関に設置されている落とし穴を埋めることが任務だ。鉄条網は三日前に丸太を使いほとんど潰していた。後は落とし穴を埋めるだけであった。
連合軍・袁紹陣営
「劉備さんたちの方は落とし穴を埋める作業は捗っているんですの顔良さん?」
「は、はい。一応は……」
「なら、それでいいですわ。くれぐれも頑張ってくださいねお~ほほ!」
「でも、いいんですか?西の関所に我が軍の精鋭部隊を送って・・・・あれって万が一、五胡の軍勢が我が領地に攻め入った時のための部隊じゃありませんか?」
「いいんですのよ。あのくるくる娘に先を越されるよりはましですわよ顔良さん。」
「でもなんか嫌な予感がします・・・・東に向かった文ちゃん大丈夫かな~」
と、顔良は東に向かった。文醜を心配するのだった。
汜水関
新月の日、日が暮れて暗くなったその時、連合軍の兵が迫ってくる。それを見た俺は
「撃てぇー!!」
俺がそう言い兵士たちはレバーアクション式の弩や弓矢を放つ。なぜ銃を使わないかというと今夜は新月で暗い。夜間射撃訓練の慣れていない兵士が撃っても弾の無駄使いである。まあ、連合軍の連中はそれ目当てで新月の夜に攻撃を仕掛けたのだろうがな・・・硫黄山の方も持ちこたえているみたいだが、もうそろそろ潮か・・・・・
「吹雪様…‥そろそろですか」
志乃も状況を分かっているみたいなのか、頷生きながらそう言う。しばらく攻防戦が続くと汜水関の向こう・・・・西の関所のある方向から雷のような轟音が鳴り。そしてその音がやんでしばらくすると・・・
「沖田様!」
と一人の兵士がやって来た。伝令兵だな・・・
「どうした?」
「はっ!西関所の李儒様や馬鈞様、東関所の張済、郭汜様より伝令です!」
と、伝令兵の兵士が二枚の紙を渡す。俺はそれを読むと少し笑い。そしてそばにいた伝令兵にこう言った。
「ああ・・・硫黄山にいる趙雲に伝令だ!」
一方、硫黄山では
「敵が来たぞ!撃てぇ!」
硫黄山守備隊は攻めてくる連合軍を攻撃していた。そして一人の兵士が敵の指揮官らしき兵士を弩で撃つ
「うっ!!」
弓は敵将の足を掠り敵将は倒れる。そして守備隊兵士たちはその将校を洞窟へ運ぶ
「趙雲様っ!敵将の一人を捕虜にしました!」
その言葉にここ硫黄山の守備隊長である星はその捕虜を見て目を丸くする。それと同時に捕虜になった赤毛のポニーテイルの少女も目を丸くした。
「公孫瓚殿?」
「お前は・・・・趙雲か!?」
そう、守備隊の兵士が捕虜にしたのは幽州を収める武将公孫瓚であった。実は星は吹雪に出会う会う前、公孫瓚の客将をしていたことがあったのだ。
「久しぶりですな。公孫瓚殿。最後にお会いしたのは私が幽州で客将をしていた時でしたかな?あ、いやそれ以前に黄巾の乱でも・・・・」
「そんなことはどうでもいい!なんでお前がここにいる!?」
「私はここ・・・董卓軍の将としてここにいるのですよ」
「なぜ、なぜお前が暴政を働く董卓のところにいるんだ!お前らしくもない!」
「公孫瓚殿それは・・・・」
星が公孫瓚に訳を話そうとしたが
「ちょ、趙雲様っ!」
汜水関から伝令に来た兵士がやってきた。
「どうした?」
星は伝令兵にそう言うと伝令兵は星に敬礼をし、そして一枚の紙を取り出す
「沖田様から伝令です!」
「伝令?」
そう言い星は伝令兵は紙を受け取り広げ吹雪からの手紙を見る。そして星はその手紙を見てふっと笑い
「ここらで潮時か・・・・・・公孫瓚殿。すまぬが訳はあとで話します。そこの兵!」
「はっ!」
「この人を汜水関へと連れて行ってくれ。丁重にな」
「はっ!かしこまりました」
そう言い兵士の一人は公孫瓚を汜水関へと連れて行き、星はそれを見届けると守備隊の兵たちに
「汜水関より伝令が来た。直ちに硫黄山の撤退準備せよ!全員脱出したら入り口を爆破し閉じることを忘れるな!」
「はっ!全軍撤退だ!」
星の言葉に兵たちが返事をし、撤退準備を始める。そして星は兵たちが硫黄山の脱出を確認した後、入り口を爆破し、汜水関へと向かうのであった。
星が硫黄山を撤退する前、西の陣では・・・・・
「・・・・・んっ!?馬鈞様っ!来ましたっ!」
兵士の一人がそう叫ぶと、小川の向こう沿いから、袁紹軍を先頭に連合軍が橋を渡ろうとしていた。その光景は夕張や鈴も黙視できた。
「来たね・・・・銃士隊!構えっ!」
「弓隊は銃士隊の援護をしてください!」
夕張や鈴の言葉に総員配置につき、そして
「撃てぇ!!」
夕張の号令で銃士隊の銃が一斉に火を噴きその後ろでは弓隊が援護射撃をする。
「ぐわっ!」
「ギャッ!」
橋を渡ろうとする連合軍は銃撃を受け橋から落ちる
「ひるむなっ!進めぇー!!」
士官らしき武将にそう言われ連合軍兵士はどんどん突き進む。銃士隊や弓隊が必死に攻撃するが敵の数が多く単発式ボルトアクションでは防ぎきれない。
「馬鈞様!このままだと突破されます!」
「新式銃用意!」
馬鈞がそう言うと一人の兵士が布に包まれたあるものを出す。そして夕張はその布を取り、そしてハンドルらしきものを撮りそしてハンドルを回した。すると・・・・
ドドドドドドドドドッ!!!
急な炸裂音が鳴り響き、橋を渡ろうとする兵士はバタバタと倒れまるで将棋倒しのように倒れて行った。それを見た連合軍兵士は驚き、進軍を止める
「な、なんだ!?」
「敵の進軍が止まったぞ!撃てぇー!!」
夕張の言葉に銃士隊、弓隊は一斉射撃し連合軍兵士たちの命を刈り取る。
「夕張さん・・・・それって・・・?」
鈴が夕張が使った兵器を見てそう言う
「ああ、これ?これは私が発明した。超連発式銃。名付けて「
「が、がとりんぐ・・・ですか?先ほどの銃もそうですが夕張さんの作るものはすごいですね・・・・」
「ええ、そうよ。まあ、まだ、この銃、試作段階だから一丁しか作れなかったのが残念ね~。それにこの牙斗稟愚。さっき撃ったら筒が過熱して曲がっちゃったわ。もう少し改良しないとね~まあ、いずれはこの発射時の煙を利用したものも作ってみたいわね~」
「あはは・・・・・」
夕張の言葉に鈴は少し苦笑する。すると連合軍兵士が道をあけるとその真ん中からガシャガシャと音を立てながら重厚で重そうな黄金鎧に身を包んだ兵士軍団が現れる。
「我らは袁紹軍最強の精鋭部隊・・・・最高の鎧を身にまとい最強の武器を手にした我ら袁紹黄金党武装親衛兵団!!貴様ら一兵卒相手にやられはせぬ!!」
そう言い袁紹軍の精鋭部隊がズシンズシンっと重い足音を鳴らし橋を渡ろうとするその間その鎧の重さに橋が少しへこんだり、軋む音が鳴る。それを見た女性隊士の一人が銃を向けるが、それを夕張が止める。
「・・・・鈴」
「はい。大鎧・・・大太刀・・・大槍・・・矢無し、弓無し、騎無し、…‥好条件ね」
鈴は重鎧達を観察しそう呟くと
「夕張さん!」
「ええ、わかったわ!銃士隊!弓隊。後方まで下がって!」
その言葉を聞いて兵士たちは頷き引く。
「逃げるか!逃がしはせぬ!」
重鎧軍団は夕張たちを逃さないと、必死に追いかける。だがこの時彼らは夕張がにやりと笑う姿を見た。そして重鎧兵団が橋の真ん中へと着くと・・・・
「いまだっ!撃てぇー!」
夕張がそう叫ぶと後方から・・・
ドォーン!!
いきなりの轟音が響いた
「な、なんの音だっ!?」
重鎧軍団のリーダ格がそう言った瞬間
ドガァーン!ドガァーン!ドガァーン!
彼らのいた地点がいきなり爆発を起こし、重鎧軍団は爆発に巻き込まれた。その時、彼等の絶叫断末魔は爆発音にかき消されて聴こえることはなかった。そしてそれを見た連合軍の兵士たちは何が起きたのか、わからないというような驚きの顔をしていただが、燃える橋や消えた兵団を見て連合軍兵士はこれだけは理解することができた。
「ぶ、武装親衛兵団が・・・・壊滅!?」
「我が軍も半数がやられてる・・・・な、なんだよ!話が違うじゃないか!」
「て、撤退だぁ!!?」
最初の攻撃で半数がやられた上に袁紹軍で最強と言われた軍団が壊滅したため士気は完全に崩壊。後方の曹操軍もこれ以上の進軍は危険と感じたため撤退するのだった。
「馬鈞様!李儒様!敵が引いてきます!」
「そう。ごくろうさま。それにしても黄巾の乱ではできなかったけど、やっとここで使えたわね。『迫撃砲』」
曹袁紹軍の精鋭部隊である重鎧軍団を壊滅させたあの爆発の正体は後方部隊が放った『急造木製迫撃砲』である。夕張たち前線部隊が下がったのを合図に敵に向けて後方部隊が放ったのだ。
敵が撤退したのを確認した夕張は、報告書を簡潔に書き伝令兵に渡す。そして・・・
「さて・・・・桜花や川内たちはどうしているのかね・・・・」
そう言い夕張は桜花のいる東関所を見るのだった・・・・
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