真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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激闘の猛虎たち

翌朝。連合軍の兵は虎牢関へと向け突撃を開始した。連合軍先頭は袁紹軍の長槍部隊約一個師団そして後ろには魏の夏侯惇が率いる部隊だった。地響きを立てながら虎牢関の南門へと向かっていく。

その姿を吹雪たちは目視した。それを見た華雄は

 

「吹雪!敵が来るぞ」

 

「ああ、来たな戦闘は袁紹軍で後方は曹操軍か・・・」

 

「はい。でもよろしかったのですか?斗志と星、を北門へ移して?」

 

「ああ、なんか嫌な予感がしてな・・・・」

 

そう、実は南門に移る前、俺は斗志と星。そしてアンチョビさんを母さんのいる北門へ行くようにお願いした。最初斗志は納得していなかったが俺が頭を下げると仕方なく北門へ行ってくれた。なぜだが知らないけど北門で何か起こると思ったからだ。

 

「隊長!もうすぐ射程内に入ります!」

 

「おう!銃士隊!構えぇ!!」

 

吹雪の号令で銃士隊が単発式ボルトアクションを構える。その間敵の槍部隊がずんずんと攻める。その大群に銃士隊は息をのむ。

 

「まだだ!まだ撃つな!」

 

吹雪がそう言い銃士隊の隊士を落ち着かせる。そして敵が銃の射程内に入った瞬間。

 

「放てぇー!!」

 

吹雪の号令で銃士隊の銃が火を噴き、連合軍の兵士はまるで将棋倒しのごとく倒れ血を流し絶命した。しかし連合軍は汜水関でのことを体験したにもかかわらず、引かないでそのまま突っ込む。それを見た吹雪は・・・

 

「(銃の衝撃力を知っても引き際を知らない兵の練度不足。その威力はいかに・・・・・今のところ大だな。)志乃!夢華に合図を送れ!」

 

「はい!」

 

そう言い。志乃は銅鑼を鳴らす。そしてその北門の両側に潜伏していた夢華の部隊は

 

「天の国の兵器ってすごいわね・・・・・」

 

と、夢華は銃士隊のすごさに感心していた

 

「徐栄様!先ほど司馬懿殿から合図が来ました!」

 

「来たわね。沖田軍に後れを取らせるわけにはいかないわ。弓隊!はなてぇ!!」

 

夢華の言葉で徐栄の弓兵は敵に向かって矢を放つ。正面にいる吹雪隊の銃士隊の攻撃に側面から徐栄の弓隊の矢が雨あられと降り注ぐ。

 

「ぎゃ!」

 

「横から弓矢が!?」

 

「慌てるなっ!敵の武器にも限りが・・・・・」

 

敵の将校がそう言い兵士たちを落ち着かせようとしたが

 

ダアァーン!!

 

吹雪の九九式小銃の七・七ミリ弾の餌食になり倒れる

 

「ひっ!?」

 

目の前で指揮官がやられ、あらためて銃の恐怖を知ってさすがの袁紹軍も動きを止めた。吹雪はその様子を見ていた

 

「(銃の本質は貫通力でも射程でもない。本当の本質は恐怖!あの音と煙が上がると誰かが死ぬ。一度それをわかればもう前へは進めぬ。そして一度怯んで足を止めてしまったら・・・・・歩兵がつっこむ。「歩兵の本領」の歌詞にもあるしな・・・)」

 

 

「夏侯惇様っ!!」

 

「なんだっ!?」

 

後方で待機していた春蘭のもとに伝令兵がやって来た

 

「南門の門が開きました!」

 

「なに!?袁紹軍が突破したのか!?」

 

「いいえ・・・・それが華雄軍が突撃してきました!!」

 

「な、なんだと!?」

 

夏侯惇が伝令兵の言葉で驚くと

 

「行くぞぉー!!汜水関での鬱憤ここで晴らしてくれる!」

 

と、華雄率いる突撃部隊が、士気が混乱しうろたえている袁紹軍に突撃を敢行する。そして袁紹軍を蹴散らすのだった。ただでさえ袁紹軍は汜水関の戦いで士気が落ちたうえ、ここの指揮官を失い華雄隊の奇襲攻撃をもろに受けて、完全に戦闘意欲が無くなり散り散りとなり逃げだした。

 

「華雄様!敵が引いていきます!さらに追撃して畳みかけましょう!」

 

と華雄の部下がそう言うと

 

「いや、追撃はしない」

 

「なっ!、なぜですかっ!?」

 

華雄隊の兵士がいつもと違う華雄に驚いて訊くと

 

「私たちの任務はここの防衛だ。あまり追撃しすぎると友軍と孤立するぞ!いいから虎牢関へ戻るぞ」

 

「は・・・・はい・・・」

 

「大丈夫だ。これは敗北ではない。だから堂々と虎牢関へ戻ろう(それに私が離れたら吹雪を守るっという呂布の約束を違えることになるからな・・・・)」

 

そう、実は華雄は昨日の夜に恋とある約束をしたのだ。吹雪が部屋を後にした後彼のことを心配する恋に華雄は

 

『安心しろ呂布。私がいる限り絶対に吹雪を守る』

 

と、恋にそう約束したのだ。華雄の言葉に華雄隊の兵士は頷き、虎牢関へと戻ろうとしたが・・・・

 

「待てぇ!華雄!」

 

っと、彼女を呼び止めるものがいた。

 

「私と一騎打ちをしろっ!!」

 

呼び止めた人物は春蘭だった。それを見た華雄は

 

「あいにく残念だが、私は今お前の相手をしている暇はない」

 

「ふんっ!お前の言い分なんか知ったことか!私の一騎打ちに応じるまで追いかけるまでだっ!!」

 

 

そう言い、春蘭は引かない。彼女の目を見て華雄は

 

「(この夏侯惇という武人の目・・・・私や呂布と同じ目だな・・・・・これは何を言っても無駄だな・・・・)いいだろ。その一騎打ち受けてやる!」

 

『華雄様っ!』

 

「お前たち、この一騎打ちには絶対に水は差すな。それと私一人で大丈夫だ。お前たちは先に戻っていろ」

 

「し、しかし・・・・」

 

「いいからいけっ!」

 

華雄にそう言われ華雄隊の隊士たちは虎牢関へと退却するのだった。

 

「さて・・・・一騎打ちを始める前に・・・名を名乗れ」

 

「我が名は夏侯元譲!」

 

「ほう・・・・貴様が曹操のところにいる闘将夏侯惇か。吹雪が世話になったらしいな・・・・これは面白い戦いになりそうだ。いつでも来い!」

 

「良い心がけだぁ!行くぞ!!」

 

と、春蘭と橘花は互いの得物をぶつけ激しい一騎打ちをするのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

一方、北門では呉の孫策軍。劉備・北郷軍が攻め込んでいた。因みに馬騰軍は後方へと下がっている。そして北門では激しい戦いが繰り広げられていた。

 

「おりゃおりゃぁ!!」

 

霞が孫策軍相手に奮闘していた。すると今まで後退気味だった孫呉の兵の士気が急に上がり、徐々に反撃を開始した。

 

「うん?こいつらの士気が上がってきょったな…、誰か出てきたか?」

 

と、霞がそう言うとそん後の兵から一人の女性が出てきた。霞はその女性を見て

 

「その覇気…ただもんやないな・・・あんたが孫策か?」

 

「そうよ、その姿…あなたが張遼ね?」

 

「その通りや」

 

「ならば張遼、あなたの命、私が貰うわ」

 

「面白いこと言うやんあんた、やれるもんなら、やってみい!」

 

そう言い霞は飛龍偃月刀を雪蓮は南海覇王で激しい打ち合いをした。その光景に敵も味方も息をのむ

 

「やるやないか孫策。うちの攻撃を受け止めるんなんてな」

 

「勘よ。勘。私人一倍勘がいいからね。あなたがそこを攻撃するのわかるのよ」

 

「そっか・・・それはすごいな・・・・そないな相手なら、うちも不足はないで!行くぞ孫策!!」

 

「ええ、来なさい!」

 

と、再び激しい一騎打ちが始まった。一方、別の場所では孫策こと雪漣の妹の蓮華率いる別動隊がアンチョビ隊と交戦していた。そしてアンチョビは呉の武将太史慈と交戦していた

 

「あなた、異国人なのになかなかやるわね!」

 

「ふふっ!私はこう見えてローマ帝国の百人隊長をしていたんだ!そんのそこらの兵と同じと思って甘く見るなよ!」

 

と、アンチョビは普通のグラディウスより長い刃のグラディウスで太史慈に攻撃をしていた。大して太史慈は槍で応戦する。一方、劉備軍では、孫策軍が敵を引き付けている間に北郷軍が北門に一番乗りしていた。

 

「城門にたどり着いたら中央突破で一気に攻めるぞ!もう一息だ!」

 

「手の空いている人は鈴々の方を手伝うのだぁ!」

 

関羽と張飛がそう言い、北郷軍は北門に突撃する。しかし、

 

「ぎゃあぁぁぁー!!」

 

と、すぐそばで悲鳴が上がった。

 

「な、なんだっ!?」

 

北郷たちはその悲鳴を聞いてその場に行くとそこには一人の赤毛の少女が次々と北郷軍の兵士を倒している姿であった。

 

「どうした!?何があった!?」

 

と、関羽は兵士の一人に訊くと

 

「りょ、呂布です!門を突破しようとしたら董卓軍の飛将軍呂布奉先が現れましたっ!!」

 

「なんだって呂布だと!?」

 

兵の言葉を聞いて関羽と北郷が驚く。

 

「馬鹿なッ!?情報では呂布は南門を守っているはずだぞ!?北門に戻ってきたのかっ!?」

 

「はっ!たった一人で前線の兵を次々と倒し周囲に屍の山を築いています!」

 

と、兵士がそう言うのだった。そんな中、呂布こと恋は次々と北郷軍の兵を倒す

 

「・・・・弱い・・・」

 

と、恋がそう言った瞬間。

 

「我が名は関羽!これ以上仲間に手出しをするな!」

 

と、関羽が恋に青龍偃月刀を突き付ける。すると恋は関羽をじっと見て

 

「・・・・・・お前が関羽か・・・」

 

と、恋がそう言うと関羽は偃月刀を振り上げ

 

「これ以上兵を気付つけさせるわけにはいかぬ!」

 

そう言い恋に斬りつけるが、恋はその攻撃をはじき返し逆に押し返した

 

「なっ!?私の攻撃を押し返してくるだと!?」

 

関羽が驚いてると

 

「・・・・・関羽。一人でなく二人でかかったらどうだ?」

 

「二人・・・・!?あっ!?鈴々!?」

 

「にゃはは・・・・バレちゃったのだ・・・・」

 

恋の言葉に関羽が首をかしげるとかでの陰から張飛が出てきたのだ。

 

「愛紗もわかってるでしょ?…こいつとっても強いのだ」

 

と、張飛はそう言い、蛇矛を握りしめる。

 

「しかし二人同時など・・・「かまわない・・・」・・・え?」

 

「二人相手でも同じ。だからかまわない」

 

恋にそう言われて、二人はカチンとくる

 

「そのセリフ!」

 

「受けてから言うのだ!!」

 

そう言い二人は恋に攻撃をするしかし恋は二人の攻撃を受け止め押し返す。体勢を立て直し関羽が斬りかからがそれを受け流し関羽を吹っ飛ばす。そんなのが数分間続いた。それを見た北郷とそばにいた孔明は

 

「なんて桁外れな力なんだ。二人をあんな風にあしらうなんて・・・・」

 

「随分と長引いてますね・・・このままでは愛紗さんと鈴々ちゃんが危険かもしれません・・・」

 

孔明の言葉に北郷は関羽たちを見る。そこにはきつい顔をし苦戦している関羽たちの姿だった

 

「もう見ていられるか!あとで起こられるかもしれないけど愛紗たちを助けよ!」

 

北郷は大切な仲間である関羽たちの危機に見ていられず公明にそう言うと

 

「そのお言葉を待ってました!」

 

と孔明がそう言うと何かの準備をし始めるのであった。一方、関羽たちは・・・・

 

「はにゃああ!!」

 

と、恋の一撃に張飛が吹っ飛ばされる。

 

「大丈夫か鈴々!」

 

「こ、こいつ・・化け物なのだ」

 

「こうなったら同時に死力を尽くすしかない。私か鈴々・・・・残ったものがご主人様や桃香様をお護りしていく・・・・それでいいな?」

 

「わかったなのだ」

 

そう言い張飛と関羽は互いにうなずき

 

「恨みっこなし!次の一撃にすべてをかけるのだぁ!」

 

「行くぞ!!」

 

そう言い、二人が一斉に恋に攻撃を仕掛ける。恋が二人を見た瞬間

 

「今だっ!朱里!」

 

「はい!」

 

北郷の言葉に朱里とそばにいた兵たちが何重にも重ねられた丈夫な網を恋の頭の上から被せた。

 

「っ!?」

 

いきなりのことに恋は驚き、そして網が体中に巻き付いて身動きが取れなくなっていた。

 

「なっ!?これは一体っ!?」

 

「誰が邪魔したのだぁ!!」

 

と、関羽と張飛は不服そうな顔をしながらそう言った。すると

 

「ごめん二人とも・・・」

 

と、北郷が二人のもとにやって来た。

 

「ご主人様っ!?」

 

「お兄ちゃん!なんで邪魔したのだ!?」

 

「本当にごめん鈴々。だけどたとえ卑怯だといわれても二人に嫌われても・・・・俺はここで大事な仲間を失うわけにはいかないんだ!」

 

「そんな!!武人の矜持をなんだと思って・・・・」

 

「まぁまぁ…愛紗さん落ち着いてください。とにかく呂布さんを捕まえることができたからいいじゃないですか・・・」

 

と、孔明が二人を説得している中、北郷軍の兵士は恋を拘束しようとした。しかし・・・・

 

「ハアアーーー!」

 

「チェストー!!」

 

と、どこからか流れ星のごとく二つの影が恋を拘束しようとした兵士を倒す。そしてその二人のうち一人は曲刀でその縄を斬り恋を助けるのであった。その二人とは

 

「すまない恋!遅れてしまった!」

 

「恋様!大丈夫ですか!?」

 

その二人とは吹雪の副官である李傕こと斗志と吹雪隊幹部である趙雲こと星であった。

 

 

 

 

 

 




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