真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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久しぶりに投稿できました。


その夜の連合

吹雪が倒れたその夜。皇帝の住む屋敷のとある部屋では張譲と王允が話していた

 

「そうか・・・沖田は毒矢で倒れたか王允?」

 

「はい。しかし残念ながら華佗とかいう医者のせいで完全に息の根を止めることができませんでした」

 

「いや、あの邪魔者である沖田吹雪が前線を離れるんだ。これに越したことはない」

 

「それよりも張譲様・・・・董卓を始末した後、ここを収める太守は誰にするつもりなのですか?」

 

「うむ。俺がなるって考えたがやはり傀儡政権の方が何かと都合がいい。それに天の御使いっという看板も必要だ。だから私はあの劉備を引き入れるつもりだ」

 

「劉備?劉備っと言いますとあの義勇軍の大将ですか?」

 

「ああ。聞けばあの劉備は中山靖王の末裔・・・つまり劉脇様の遠い親戚にあたる。それに沖田とは違う天の御使いもいるし劉備はお前が調べてくれた所、ぬけているみたいだし傀儡は簡単だろう?」

 

「た、確かにその通りですが、あまりお勧めはできません・・・・」

 

「ん?なぜだ?」

 

「はい。実のところ私は劉備軍の兵に変装し探ったのですがあの劉備と白き天の御使いはあの沖田と同じ匂いがします。」

 

「同じだと?あの二人がか?」

 

「はい。あの二人は顔や性別も違いますが、あの二人はどことなく沖田と同じ似たようなところが見えます。もし彼らを傀儡させるのは難しいかと。それどころかいつか張譲様に弓を引きます。そのため私はあまりお勧めしません」

 

「そうか・・・・・お前がそう言うのならそうであろう・・・・・で、誰なら問題ないのだ?」

 

「曹操や孫策は切れ者で馬騰は勘が鋭いですので無理です。となると残りは・・・・・」

 

「袁紹か袁術だな?」

 

「はい。二人とも袁家の名門。それに単純な連中ですから操りやすいかと・・・・・」

 

「そうか確かにお前の言う通りだな。だがあいつらは単純とはいえ多くの兵を抱えておる。反旗を翻したら厄介なのでは?」

 

「その件なら、ご安心ください。すでに舞台は整っております。彼女は故意じゃないとはいえあの飛将軍呂布が可愛がっていた沖田を傷つけた・・・・となると・・・」

 

「なるほど・・・・流石は我が右腕である王允。手際がいいな・・・」

 

と、張譲は薄気味悪い笑みでそう言うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ふ、吹雪が重傷!?」

 

「そ、そんな・・・・吹雪さんが・・・」

 

一方、その頃、別の所では月や詠が伝令兵から吹雪の負傷を聞いて驚いていた。

 

「はい。今、あまりの怪我で戦線に置くことができず、今から離脱し洛陽の屋敷の個室に移らすらしいです。では私は戦場へと戻ります。これにてご免」

 

「そう・・・・わかったわ」

 

そして伝令兵が去った後、

 

「はう・・・・」

 

「月っ!?」

 

月はあまりのショックで座り込んでしまう。それを見た詠が月に寄り添い支える。

 

「だ、大丈夫詠ちゃん・・・・」

 

と、彼女はそう言うもその顔は不安でいっぱいの顔だった。すると・・・・

 

「詠ちゃん・・・・吹雪さんは・・・・吹雪さんは」

 

と、涙目でそう言う月に幼馴染である詠は月を抱きしめ

 

「大丈夫よ月・・・・あいつが、吹雪なら大丈夫よ。またいつものようにけろっとした顔で月のもとに戻ってくるから・・・だから月はこんなところで泣いちゃだめだよ・・・・あいつが戻ったら元気な笑顔を見せてあいつを出迎えるんでしょ?」

 

と月を励ます。そして

 

「(吹雪・・・・・死んだら許さないんだからね・・・・)」

 

詠自身も彼の身を案じていたのであった。

 

 

 

 

 

一方、連合軍袁紹の天幕では

 

「こうなったら!もう一度総攻撃をしますわよ!!」

 

「え”!?姫まだ総攻撃をするつもりなのか!?」

 

と、袁紹の言葉に傷が癒えて、また最前線に復帰した文醜が驚いてそう言う

 

「当たり前ですわ!汜水関をあのくるくる娘に先取りされた挙句、虎牢関を危うく無名の義勇軍ごときに突破されそうになったのですのよ!」

 

「ですが袁紹様。また突撃してはまたあの謎の爆発にやられるだけですよ?」

 

「お黙りなさい!!あんなのはただの気のせいですわ!負け戦のあまり兵士たちは幻を見たのですわ!!」

 

「ですが現に我々のお味方も減っていますし、ここは諦めて撤退されては?」

 

「名門袁家に撤退のに文字はないですわよ田豊さん!誰が何と言おうとここは総攻撃ですわ。無論我が袁紹軍を先頭にね!!いいですわね!!」

 

と、袁紹は家臣の言葉に耳を傾けようとはしなかった。それどころか自分がいち早く虎牢関を陥落させることに固執してしまっていたのであった。だがこの決断が後に袁家にとって大きな被害をもたらすことは誰も知らなかったのであった。

 

 

曹操陣

 

「・・・・どう桂花。虎牢関の方は?」

 

「はい。いまだに大人しいです。しかし翌朝にはかなり激しくなると思います。あの馬鹿が向こうを怒らせることをしたので・・・・・」

 

と、桂花がそう言うがどことなく怒りの表情が見えていた。彼女だけではない春蘭から沖田のことを聞き沖田となじみが深い魏の幹部たちは毒矢を使って春蘭を狙ったことに対して少し怒っていたのだ。

 

「そう・・・・・で、明日の攻撃は控えて後方に下がった方がいいわね」

 

「華琳様!?いったい何をおっしゃるんですか!?」

 

華琳の言葉にもう一人の軍師である郭嘉が驚いてそう言う、すると程昱は

 

「なるほど・・・・確かにそのほうがよさそうですね・・・・明日はいささか大嵐が来ると思いますので後ろに下がった方がいいと思いますね・・・・」

 

「風!あなたまで!?」

 

と、そばにいた程昱の言葉にまたしても驚く郭嘉。すると程昱は郭嘉の顔を見て

 

「凛ちゃん。まだわからないのですか?今の虎牢関には我が子を傷つけられて怒り狂っている母親がいるのですよ?今突っ込めば猛虎と化したその母の牙や爪に引き裂かれるのは自明の理なのです」

 

「我が子?それに母親って風。あなたは何を言っているの・・・・・」

 

「凛ちゃん気が付かなかったのですか?あのお兄さんは恐らく飛将軍と深いつながりがあると思うのです。そうですよね華琳様?」

 

「ええ、よくわかったわね。凛。実はね吹雪はあの呂布の息子なのよ」

 

華琳の言葉を聞いて郭嘉は目を丸くした。郭嘉も呂布の強さは風の噂に聞いたことがある。しかも黄巾の乱の時呂布は3万人いる敵をただ一人倒したって言う話は有名だ。しかも先ほどあった天の御使いである沖田吹雪が

 

「なんと・・・・・吹雪殿があの呂布の息子!?本当なのですか!?」

 

「ええ。間違いないわよそれとも私が嘘をついていると言いたいのかしら?」

 

「い、いいえ!決してそんなことは・・・・」

 

「まあ、いいわ・・・・・・・で、凛。これでも前線に行くべきと?」

 

と、華琳はいたずら笑みでそう言うと、郭嘉は苦笑し

 

「・・・・いえ確かに華琳様の言う通り今は向かうべきではありませんね・・・・・」

 

と言い、会議の結果、曹操軍は翌朝の攻撃には参加せず後方へ下がることにしたのだった。

 

「兄ちゃん大丈夫かな・・・・・」

 

「隊長・・・・」

 

一方、凪や季衣たちは吹雪のことを心配していた。それを見た華琳は

 

「(吹雪・・・・・あなたはここで・・・・毒矢なんかで死ぬような人じゃないでしょ?)」

 

と、華琳も吹雪のことを心配していたのであった・・・・・・

 

 

一方、劉備軍では

 

「なんだったんだろ…あの爆発・・・」

 

「はわわ・・・すごい音でしたね・・・・」

 

と、劉備たちは先ほどの大砲の砲声に驚いていた。

 

「あわわ・・・・ご主人様。あれは何かわかりますか?」

 

と、龐統が北郷に訊くと

 

「…‥あれは大砲だ・・・」

 

「大砲ですか?」

 

「ああ、さっきの銃ってやつを大型化させた奴で銃と同じく、鉄の弾を撃つ兵器だよ。威力も射程も銃の倍だ」

 

「はわわ!あの銃よりも強力なのですか!?」

 

「何か手立てはないのですか?」

 

孔明が驚き関羽は北郷に対処法がないかと訊く

 

「……正直言ってない。でもさっきの銃同様に撃つ弾はそんなに無いと思う・・・・・」

 

と、北郷はそう言い先ほどの戦闘を思い出す

 

「(沖田の奴・・・・・銃に続いて大砲なんて反則だろうが、いったい、いつ、どうやってあいつは銃や大砲の製造方法を知ったんだ?沖田は俺と同じくらいの歳なはずなのに・・・・)」

 

と、北郷がそう心の中でそう呟いた彼の年齢から見ても歳が近いただの学生のはず、そんな彼がなぜそんな近代兵器の製造法を知っているんだっと北郷が不思議がっていた。すると・・・

 

「失礼します!」

 

と門番の兵士が入って来た。それを見た関羽は

 

「どうしたんだ?」

 

「はっ!劉備様に客人が来ております!」

 

「え?私に?」

 

「はい。なんでも劉備様に話があるとかで・・・・」

 

「わかったわ。呼んできてくれる?」

 

「はい。直ちに」

 

と、そう言って門番は天幕を出る

 

「桃香様、客人で誰でしょうか?」

 

「さぁ~孫策さんかな?それとも曹操さんかな?」

 

と、劉備が首をひねってそう言うと天幕から一人の少女が入って来た。その少女を見て劉備は嬉しそうな顔をしその少女に近寄り名を呼んだ

 

「あー!!パイパイちゃん!」

 

「白蓮だっ!昔共に机を並べて学んでいた仲なのに真名を間違えないでくれ!」

 

そう、劉備に会いに来た客人とは董卓軍の捕虜となっているはずの公孫瓚であった。名前を間違えられて怒る公孫瓚に劉備は苦笑して

 

「ごめんごめん・・・・それよりも白蓮ちゃん。最近姿が見えなかったから、噂で戦死したか董卓軍の捕虜になったって聞いてたけど?」

 

と、劉備は心配そうに訊きみんなはうんうんと頷く。すると公孫瓚は小声で

 

「私、董卓軍の捕虜になっていたのに・・・・みんなそのことに誰も気が付かなかったのか?」

 

と、公孫瓚は少し涙目になり乾いた笑みでそう、呟いた

 

「え?」

 

「いや。なんでもない」

 

「そっか。・・・・・で白蓮ちゃん。一体何しに来たの?」

 

と、劉備が公孫瓚にそう訊くと公孫瓚は真剣な顔をする

 

「・・・・・・桃香。実はなお前に合わせたい人がいるんだ」

 

「合わせたい人?」

 

と、劉備が首をかしげていると、天幕から銀髪の長い髪をした少女を先頭に護衛らしき少女が二人入って来た。それを見た劉備、特に軍師である孔明と龐統が驚く。そしてその三人の一人が劉備に頭を下げ

 

「初めまして劉備殿。そしてもう一人の天の御使いである北郷一刀殿・・・私は司馬懿。董卓軍第三師団師団長であり天の御使いの一人である沖田吹雪様の軍師を務めるものです」

 

そう、公孫瓚が会わせたい人物とは吹雪の軍師である司馬懿こと志乃であったのだった。

 

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