真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
劉備たちの天幕に公孫瓚がやって来た。久しぶりの親友と出会え喜ぶ劉備だったが、公孫瓚はある人物を劉備に合わせたいと言い、そして天幕の外で待っているその人たちを呼んだ。そして天幕に入って来たのは朱里や雛里の姉弟子である司馬懿こと志乃とその護衛であるアンチョビと夕張の三人が入って来たのだった。
「はわわ!し、志乃お姉ちゃん!?」
「あわわ!それにアンチョビお姉ちゃんも!?」
二人は驚いた。それはそうだ今敵である姉弟子の彼女が今自分の目の前にいるのだから。
二人は驚いた。それはそうだ今、敵である姉弟子の彼女が今自分の目の前にいるのだから。すると関羽は志乃たちを睨み
「敵軍である貴殿が一体何の用だ!」
と、関羽が怒鳴るが、アンチョビが志乃をかばうように前に出て関羽を睨み
「使者に対しいきなり武器を向けるのはいささか感心しないな関羽」
と、今にも剣を抜く構えをし警戒する。すると
「愛紗ちゃん!ちょっと待て!」
と、劉備が関羽を止めるが
「桃香様!こいつらは敵なのですぞ!なぜ止めるのです!」
とそう言うと今度は北郷が
「待て、愛紗。愛紗さっき虎牢関から戻った時、俺が『来客が来るかもしれない』って言ったのを覚えているか?」
「え?はい。確かにそうおっしゃってましたが・・・・・まさか!?」
「ああ、その来客が彼女たちなんだ」
そう、先ほど虎牢関での戦いの時歳から手紙を受け取った北郷。その手紙は沖田からの手紙でありそその内容は『近いうちに使者、もしくは俺自ら君らに話したいことがある』っと書かれていたのだ。それを知った北郷は天幕に戻った後関羽たちに来客が来るかもしれないと言っていたのだ。
「えっと司馬懿さんだったけ?・・・・・手紙は読んだよ。そう言えば沖田はどうしたんだ?」
北郷の言葉に志乃は少しぴくッと身体を動かしたがすぐに冷静な顔をし
「吹雪様はいま、どうしても外せない用事のため本日は来られず代理に私が来ました」
「そうなのか・・・・・・で、要件ってなんだ?」
北郷がそう言うと志乃がいったん目をつぶりそしてこういう
「単刀直入に言います北郷殿。そして劉備殿。直ちにあなたたちは軍は直ちに虎牢関から兵を退きなさい。要件はただ一つです」
「な、なんだと!?貴様!今なんて言った!」
と関羽は怒り青龍偃月刀を志乃に突きつけた。すると後ろにいるアンチョビは剣を抜き夕張は腰に差していた自作のリボルバー拳銃を関羽に向けた。
「言葉通りの意味です。これは警告です。これ以上の侵略行為をするのなら私たちは一切の容赦もなくあなたたちを殲滅します」
「侵略行為って・・・・・私たちは洛陽の街で暴政をして街の人たちを苦しめている董卓さんを倒しに来ただけだよ」
と、劉備が言うのだが
「実は桃香、そのことなんだがどうやら私たちは嵌められたみたいなんだ」
「え!?どういうことなの白蓮ちゃん」
公孫瓚の言葉に劉備は聞き返す
「私は先ほど洛陽の街を見たが董卓が暴政をして洛陽の街は荒んでいるのは真っ赤な大嘘だった。私たちは袁紹に騙されたんだよ」
「そんな・・・・それ本当なの白蓮ちゃん」
「ああ、この目でしっかりと見て来た。だからこの戦いに正義はない…ただ私利私欲の集まった奴らしかいない連合なんだ」
「そんな・・・・・」
公孫瓚の言葉に劉備はショックを受けた。民を助けるためにこの連合に参加したはずが実際には袁紹の侵略行為に加担していたっということになるからだ。すると劉備は志乃の方へ顔を向けて
「あの司馬懿さん。」
「なんですか劉備殿?」
「今から話合いとかはできませんか?今から話し合えば・・・・」
「話し合ってどうするおつもりですか?有利な方へ寝返るつもりなのですか?」
「違います!私はただそんな意味のない戦なら、話し合いで解決すべきだと思ったんです」
「俺もそう思う司馬懿さん。俺からも頼む」
志乃たちは桃香の発言に唖然とし、そして横にいた朱里や雛里も
「はわわ!ご主人様!桃香様!何を言っているのですか!?」
「あわわ!」
と、驚いてそう言う。すると志乃は
「お二人とも・・・・・本気で言っているのですか?」
と、鋭い視線でそう言うと二人は頷く。すると志乃は二人の前に出て
『ばっちーん』『ばちーん!!』
と、思いっきり二人の頬を引っ叩いた。そして・・・・
「甘えるのもいい加減にしなさい!!」
と怒鳴る、いきなり頬を叩かれた二人は唖然とした顔で志乃を見る。すると志乃は
「あなたたち、黄巾の乱で少しは成長したかと思えば何も成長していないじゃないですか!あなたたち二人が今言った言葉は自分たちが有利な・・・安全な立場に逃げて話し合いしましょうと言っているものです!それも自分たちの力では無く、他人の力を利用しての言葉です!そんなものは話し合いではありません!」
と、そのは怒ってそう言う。すると志乃は
「劉備殿。以前、吹雪様にあなたの理想を訊かれたとき、あなたは何と答えましたか?」
「・・・・・誰もが笑って暮らせる世界です・・・」
「そう、あなたの今の現状はのところそれを成し遂げるための方策や力を持っていません。そのためあなたは他者や仲間の力を利用するのもわかります。それは誤りではないでしょう。ですがあなたの場合は自分の目で真実を確認せず、それを他人に任せることに依存しすぎています。ですからあなたの言葉には一切の重みを感じられません」
ぴしゃりと二人に言う。すると志乃は
「私はこう見えて吹雪様同様、あなた方の理想に期待はしています。ですが今の状況、自分の目で確認をせずただ他者に言われたことを鵜呑みにするようではだめなんですよ」
志乃はそう言うと二人は少し暗い表情にある。すると志乃は頭を下げ
「すみません、少し血が上りすぎたようです」
と、謝罪するが北郷は首を振って
「いいや、確かに司馬懿さんの言うと通りだな・・・・俺たちも少しみんなに甘えすぎていたみたいだな」
と、そう言うと劉備は孔明に顔を向けて
「朱里ちゃん。この連合を止める方法はないの?」
「はわわ・・・残念ながらそれは難しいかと思います。あの檄文のせいで世間では董卓軍は逆賊となっていますからそれを征伐する連合軍を無理やり止めれば私たちも連合に謀反起こした逆賊という扱いを受けます」
「そう・・・・・すみません司馬懿さん。私が無知だったばっかりに・・・」
と、劉備は志乃に頭を下げるすると志乃は
「劉備殿、北郷殿。私たちはただ虎牢関から兵を引けっと言っただけで連合を脱退しろとは言っていませんよ」
「え?どういうこと?」
「つまり私たちが言いたいのは虎牢関から兵を退けた後、なるべく劉備軍はこの戦闘には加わるなっと言っているだけです。それだけを言いに来たのです」
「え?でもなんで?」
「おそらく明日は血の雨が大量に振ることになるでしょう。ですからなるべく義勇軍の方々に犠牲が出ないよう、私たちは忠告に来たのです。では、警告はしました。我々はここを立ち去ります。それと劉備殿、北郷殿先ほどの平手打ちの無礼誠に申し訳ございませんでした。では・・・・」
そう言い志乃たちは天幕を出ようとした。すると
「待ってください志乃お姉ちゃん!」
と、孔明が呼び止める龐統もあとに続く
「何、朱里?」
「どうして私たちに・・・・他の軍ではなくて私たちに忠告してくれたんですか?」
朱里にはわからなかった、昔同じ塾に通っていた姉妹同然だった間柄とはいえ、なぜ今敵同士である私たちにあんな忠告をしてくれたのかを。すると志乃は
「簡単よ朱里。あなた達の主の理想を私の主が買って認めているいるから・・・だから数少ないその理想をここでなくすわけにはいかないわ。彼女の理想は平和な世で発揮される。恐らく吹雪様がここにいたら同じことを言っていたわ」
「志乃お姉ちゃん・・・・・」
「それと朱里、雛里。主が道に迷いそうなときまたその道から外れそうなときは叱責し戒め支えるのも軍師の務めよ。それを忘れないでね」
と、そう言い志乃たちはそのまま虎牢関へと戻って行った。その様子を孔明や龐統はただ見つめているのであった。一方北郷たちは
「どうするご主人様?」
「・・・・・とにかくここは司馬懿さんたちの言う通り虎牢関からいったんはアレ後方へ下がろう。愛紗もいいな?」
「はい・・・」
そう言い、劉備たち義勇軍は志乃の警告を受け後方へと下がるのであった。一方、白蓮はというと最初、吹雪に(吹雪が負傷する前)交渉が終わったら自軍の陣へと戻っていいと言われたのだが彼女は董卓軍に残ると言い、志乃たちと一緒に虎牢関へと戻るのであった。
一方、呉の陣営では
「・・・・・・で、どうする雪蓮?」
「どうって?明日の虎牢関の攻撃のこと冥琳?」
「ああ、袁術に言われたのであろう?虎牢関を攻めよってどうするつもりだ?」
「う~ん・・・・そうね。私たちは後方へ下がった方がいいと思うの、なんかものすごく嫌な予感がするのよ」
「ほう・・・・で?袁術にはどういうつもりだ?」
「そうね・・・・あのお子ちゃまのことだから『別にいいわ。けど虎牢関の一番乗りの手柄、名門袁家の袁術よりも私たち孫呉の者になるけど?』って言えば・・・・」
「なるほど。あの袁術なら手柄をとられるのを嫌う・・・・わかった。袁術にはそう言っておこう」
と、呉の兵も何やら嫌な予感を感じ。後方へと下がるのであった。そして袁術はというと・・・・
『む~先取りされるのは嫌なのじゃ!孫策は後ろに下がってわらわが先頭へ行くのじゃ!!』
と、雪蓮や冥琳の思った通り先を越されるのを嫌がり、袁紹とともに虎牢関攻略の先頭に立つのであった。そして夜が明けた後、袁紹・袁術軍が虎牢関目掛けて一斉に総攻撃をかけるその数4万。一斉に突撃し虎牢関の目の前に近づいた両軍は何やら違和感を覚えた
「ん?なんだか董卓軍の攻撃がないな・・・・」
「この数にビビッて撤退したんじゃね?」
そう、虎牢関から攻撃が来ないのだ。兵士たちが不思議に思っていると虎牢関の門の前に一人の人物が立っていた。連合軍兵士たちはいっせいに止まる。その立っていた人物は大きな武器を持った赤い髪の少女であった。すると・・・・・
「・・・・・袁紹軍か?」
「なに?」
「お前たちは・・・・・袁紹軍の者か?」
と、少女は武器を握りしめそう言う。すると・・・
「そうだ!俺たちは栄光ある名門袁家の兵だ!!だからどうした!!」
一人の兵がそう言うとその少女の赤い目がギラリと光り
「そう・・・・・なら一切の手加減はしない・・・・」
そう言った瞬間その少女からすさまじい覇気と殺気が流れ出し袁紹・袁術軍の兵は冷や汗をかき
「お、お前は・・・・・何者だ!」
と、その少女にそう訊くとその少女は
「董卓軍第一師団師団長・・・・呂奉先・・・・・・我が子の仇・・・・・取らせてもらうぞ・・・・」
ギラギラと目を光らせてそう言うのであった・・・・・
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