真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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虎牢関の夜、復活の太陽

恋が、袁紹。袁術の軍勢を壊滅させた後、連合軍も董卓軍も動きを見せることはなかった。袁紹も自軍の兵の壊滅にさすがの袁紹も懲りたのか慎重に相手の出方を見ることに方針を変えそた。してその状態は何日も続き2日にらみ合いが続いていたのであった。そして虎牢関の中、一人の客人が徐栄こと夢華を訪ねて来た。その人物とは連合軍所属であり西涼の馬騰の部下である龐徳こと想華であった。そして想華は一通の手紙を出し、夢華がそれを読む。

 

「・・・・なるほど、ということは西涼の軍は連合から離れ西涼に帰ると?それは本当の話ですか?」

 

「ええ、春華様は戦好きな性格ではありますが決して嘘は言いませんし、また無意味な戦いはしません」

 

想華がそう言うと桜が

 

「ですが勝手に連合を離脱してよろしいのですか?離脱すればあなたたちは敵と内通していると疑われてしまいますわよ?」

 

「その件なら問題ないでしょう。汜水関、虎牢関の中でもはや連合軍の士気はかなり低下して、この連合から離脱している諸王国軍が続出する始末。ですからこう言っては何ですが西の果ての小さな国である西涼軍が離脱しても気にも留めないでしょう。せいぜい『敵前逃亡した臆病者』と袁紹に言われるだけですし・・・・」

 

「なるほど・・・わかりました。では我が軍はなるべくそちらに攻撃しないようにします」

 

「そうしてくれると助かるわ・・・・・・・ところで徐栄」

 

「なんでしょうか?龐徳殿?」

 

「吹雪の姿が見えないけど?彼は一体どこにいるの?」

 

想華の言葉に夢華は少しピクっと眉を動かしそして黙るがそこへ桜が

 

「ふ、吹雪さんなら、別のようがあって今は別の場所で陣頭指揮を執っているのよ」

 

「そうなの・・・・・連合の間で負傷したという噂を聞いていたからね。特に馬超のお嬢様がそのことをとても心配していたのよ」

 

「馬超?馬超って馬騰の娘の馬超のこと?・・・・」

 

「そう。お嬢様ったら、前に天水に行ったとき、何かあったらしくってね。若干吹雪のことを意識しているらしいのよ」

 

「そうですか・・・・・あの人は次から次へと・・・まるで磁石ね」

 

「ええ、彼って本当に面白いわね。・・・・・じゃあ、要件は伝えたから。そろそろ戻らないと連合軍の連中に怪しまれるし、私はこれで失礼するわね」

 

と、想華がそう言うと夢華はその場を去ったのであった。そして想華と桜は『はあ~』とため息をつき

 

「まったく吹雪は・・・・・」

 

「まあ、良いじゃないの想華。でもやっぱり吹雪は恋ちゃんの子ね。小動物が恋ちゃんの魅力に引き付けられるように吹雪に出会った女性は吹雪のなにかに引き付けられるのね・・・・服に女性が好むマタタビでも縫い込んでいるのかしら?」

 

「いや、桜。小動物と女はまったく違うわよ。それとマタタビも・・・・・でも確かにあなたの言う通り吹雪は恋に似て誰とでも仲良くそして人を引き付ける力があるわね・・・・ある意味厄介な体質だわ」

 

「でも、それが憎めないのが恋ちゃんと吹雪の特徴ね・・・・・・あれ?そう言えば吹雪の部隊はどこに行ったのかしら?」

 

「ああ、彼女たちなら今頃、夜に忍び込んでくる連中の警戒に行ったいるわ」

 

「吹雪がいないのに立派だわね」

 

「ええ、彼女たちはやればできる子たちですから・・・・・・・」

 

と、そう言い、夢華は窓から外を見上げるのであった。

 

 

 

 

一方、宮中のとある場所

 

「そうか・・・・・呂布は董卓は殺さないっといったのか」

 

「はい。それに息子も絶対に殺させはしないと・・・・・」

 

「そうか・・・で、沖田の方はどうなっている?」

 

「はっ報告によりますと上手くやったと樊稠から聞きました」

 

「そうか・・・・ふ、バカな呂布だ。・・・・・王允」

 

「はっ!」

 

「すぐに董卓の抹殺に移れ。聞けば連合軍がもうすぐ虎牢関を突破し洛陽へと入る。連中が入る前にすぐにでもあの小娘を殺す必要がある」

 

「その点ならご心配はなく既に董卓のところに私の部下が出向いています」

 

「ほう?腕は確かか?」

 

「はい。二人とも暗殺だけに生まれたような者なので必ず成功します」

 

「そうか・・・・ふふ、もうすぐこの国は私の物になるな・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

一方、洛陽街では・・・・・

 

「あ~やっと帰って来たわ♪」

 

「そうですね。空丹様」

 

と街中で旅人っというには似合わないお嬢様みたいな二人組が背伸びをし疲れた顔でそう言う

 

「それにしても楽しかったわ~やっぱり沖田の言った通りわざわざ遠くまで行ってお菓子を買って食べるとどんな高級お菓子よりも美味しいって本当だったのね~」

 

「それは良かったですね。わたくしも空丹様と一緒に言った買いがありました。そのことは沖田殿に感謝しなくてはいけないですね」

 

「そうね・・・でもなんかしばらく離れているうちになんかこの街元気がなくなってないかしら?」

 

「そう言えば確かになんか街の人たちの様子が・・・・・まるで戦争でも勃発したみたいわね。もしかして董卓が反乱でも起こしたのでしょうか?」

 

「まっさか~黄。そんなわけないでしょ?私の信頼する沖田が信頼する董卓が漢王朝に弓を引くわけないでしょ?」

 

と、その少女は笑って言うと・・・・

 

「おい聞いたか?またも連合軍、また虎牢関への攻撃を開始したんだとよ。全くいつになったら終わるんかね~」

 

「おい、おい…また連合軍の連中が攻めているのかよ・・・・連中董卓様が暴政をしているなんて言っているけどそんなことしてないのにな~」

 

と、そばにいた男性たちが洛陽新聞を見ながらそう言うと空丹と呼ばれた少女が

 

「ねえ、ねえ、ちょっといいかしら?」

 

「あ、はい?」

 

「さっき、連合が虎牢関を攻めているとか、董卓が暴政をしているとか言ってたみたいだけど何かあったの?私、この街に来たばかりだからよく知らなくて・・・・」

 

「ん?ああ、なんでも袁紹を筆頭にする連合軍がこの洛陽で暴政をしている董卓様を討伐するため攻めて来たんだよ」

 

「董卓が暴政?それ本当なの?」

 

「そんなわけないでしょ?董卓様のおかげでこの荒廃した町はまるで生まれ変わったかのように活気に満ちた街になったんだぜ?そんな人が暴政なんてしないよ。大方、どっかの豪族とか漢王朝の役人が嫉妬してでたらめなことを流したんだろ?」

 

「そう・・・・ありがとね」

 

空丹はその男性にお礼を言うと、黄と呼んだ少女のもとに戻る

 

「聞いたわね黄」

 

「はい。どうやら私たちが留守の間、大変な事が起きたようですね・・・・」

 

「ええ、白湯たちが心配だわ。すぐに戻るわよ黄」

 

「かしこまりました・・・・・霊帝様」

 

 

 

 

 

 

 

 

宮中

 

一方その頃、宮中では月と詠がいた

 

「大丈夫なの月?」

 

「ええ…少し落ち着いてきたわ詠ちゃん・・・・でも・・・吹雪さんが」

 

「気持ちはわかるわよ月。僕も吹雪のことが心配よ・・・でもあいつなら大丈夫よ・・・きっと」

 

と、月は吹雪のことを心配して言うと詠はそれを慰める。月は吹雪が意識不明な重傷を負ったと聞いて、彼女は眠れない夜が続いていた。それは彼女の幼馴染である詠も同じであった。

 

「詠ちゃん・・・・・もしかして私のせいで吹雪さんが・・・・・」

 

「な、何言っているの月!?吹雪が怪我をしたのは月のせいじゃないわ!」

 

「でも・・・私の力不足のせいで吹雪さん・・・・いえ、吹雪さんだけじゃなくこの戦争で今も多くの人もたくさん死んで、洛陽の民達にも不安を与え、迷惑を与えてしまったわ・・・・みんな私のせいよ」

 

「月は悪くないわ!悪いのはでたらめな檄を飛ばして各諸王の国々を煽ってこの戦争を引き起こした張譲のせよ!だから月は何も悪くないわ!」

 

と、詠はそう言うのだが月は首を横に振り

 

「でも・・・でも・・・詠ちゃん・・・・」

 

と、月は涙をためてそう言うと

 

「失礼します・・・・・・」

 

と、そこへ二人の女性とそして背後には5人くらいの武装した兵士が入ってくる

 

「なんなの。あなたたちは?」

 

詠が警戒した目でそう言うと二人の女性はにやりと笑い

 

「わたしは段珪、そして隣にいるのが畢嵐。我々は漢王朝に仕える役人です・・・・・」

 

「・・・・・あなた張譲の部下の人?私たちに何の用?」

 

「いいえ、厳密に言えば私たちは王允様の部下の者ですが、まあ、あなたたちがそれを知る必要はありません」

 

段珪はそう言うと畢嵐、そして背後にいる部下の兵たちが剣を抜く。そして畢嵐ガニヤッと笑い

 

「・・・・・あなたたちはもうすぐ死ぬのだから」

 

「「っ!?」」

 

「あなたたちの死は『董卓とその軍師賈駆は連合軍に洛陽を迫られ、敵に殺されるのを恐れ自決しました』っという筋書きにしましょうか・・・」

 

そう言い畢嵐や段珪はそう言いじりじりと迫ると月は彼女たちの前に出て

 

「私はどうなってもかまいません!ですが詠ちゃんだけは・・・詠ちゃんやほかの皆の命は助けてください!!」

 

「月!?」

 

「ほう~さすが洛陽の月姫。噂通りの自分よりも他人を思いやる慈悲深さ。まことに感服するわね・・・・・でも、それはできないわね。あなた達は張譲様の脅威。それにあなた達にはもう用はないわ。沖田とともにあの世へ行きなさい」

 

「吹雪!?あなた吹雪をどうしたのよ!」

 

詠がそう言うと畢嵐は

 

「あの小僧なら今頃、私たちの同胞が寝ている彼の息の根を止めているはずよ」

 

「そ、そんな・・・・・」

 

「吹雪が・・・」

 

その言葉を聞いて詠と月は顔を青くする。そして段珪は

 

「安心しなお前たちもすぐに天の御使いと同じとこに行かせてやる。お前たち、やっちまいな!!」

 

そう畢嵐が部下たちに命じるとその部下の兵たちは剣を抜き二人に斬りかかろうとする。それを見た段珪は

 

「さらばだ。董卓。あの世で天の御使いと仲良くな」

 

そう笑い、月と詠は

 

「「(吹雪(さん)・・・・」」

 

そう覚悟を決めるしかし・・・・・

 

ダアァーン!!

 

「ぐわっ!!」

 

『っ!?』

 

急に銃声が鳴り響き、月や詠に斬りかかろうとした暗殺者の一人が眉間から血を流し倒れる。それを見て月や詠はおろか暗殺者たちも驚く。

 

「な、なんだ!?なんの音だ!?」

 

と、畢嵐らの暗殺者たちは驚きあたりを見渡す

 

「もしかして・・・・・」

 

詠と月、特に月にはこの音が何なのか気が付いた。あの音は前にも聞いたことがある。そうあれは・・・・・昔天水にいた時、一人で村娘に扮し視察に行った時その帰りの盗賊に襲われたときに聞いた音だ。すると柱の後ろらへんからコツコツと足音が聞こえる。月や詠、そして暗殺者たちはそこの方を見る。すると柱の陰から一人の少年が銃剣を付けた九十九式小銃をもって現れた。

 

「なっ!?き、貴様は!?」

 

「そんな馬鹿な!?」

 

と、その少年を見た畢嵐や段珪は泥き目を丸くし詠と月も驚いていたがやがて眼に涙をため涙を流し笑顔になる。そして少年は不敵の笑みで

 

「地獄の底から戻って来たぜ」

 

と、そう言うのであった。そう、その少年とは意識不明となっていた沖田吹雪であった。

 

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