真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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虎牢関の夜明け

月や詠を暗殺しようと企む張譲の部下、畢嵐や段珪の二人の暗殺を命じ二人の暗殺者は月と詠を殺そうとする。

 

「き、貴様は沖田吹雪!?な、なぜ貴様が!?貴様がここにいるんだ!貴様は確か・・・・」

 

「部屋で暗殺されたはずっと言いたいのか?」

 

「「っ!?」」

 

その言葉に暗殺者の二人が動揺する。なぜ吹雪がここにいるのかそれは少し前に遡る

 

「さよならです・・・・・隊長」

 

「っ!?」

 

そう言い雪風は剣を振り下ろしその部屋に赤い鮮血が舞う。そして悲鳴が上がったのであった。

 

「ぐわっ!!」

 

「ぎゃ!!」

 

そう叫び、雪風の背後にいた王允の部下たちが首から血を流し倒れる。そう、雪風が斬ったのは吹雪ではなく王允がよこした刺客二人である。

 

「ぐ・・・・は、樊稠・・・・貴様・・・・裏切ったな」

 

「裏切ってはいない。表替えっただけだ・・・・」

 

「くっそ・・・・・」

 

と、そう言い刺客の一人が死ぬのだった。そして雪風は短刀をしまい。

 

「隊長。ご無事に目が覚めて何よりです」

 

「ああ、雪風。最初目が覚めて短剣を持ったお前を見て肝を冷やしたよ・・・・」

 

「すみません。これも任務なので。それと隊長。至急宮中に行ってください。月さまと詠さまが危ないです」

 

「なに!?」

 

雪風のその言葉を聞いて俺は起き上がり、掛けてあった軍服を着る。そして俺は壁に置いてある九九式小銃を手に持ち7・7ミリ弾を装填し、そして部屋を出ようとする。すると

 

「あ、そうだ樊稠」

 

「はい。隊長」

 

樊稠が返事をすると俺は机の引き出しを開けてそして一枚の手紙を渡す

 

「これを母さんに渡してくれ。たぶん虎牢関で悩んでいるみたいだから」

 

「わかりました。それと隊長。これを」

 

と、雪風は一枚の書類を渡し、俺はその書類を見る

 

「例の報告書のまとめです。やはり隊長が疑った通りでした。」

 

「やっぱり…思った通りだな・・・・月たちが危ない。雪風。後を頼む!それと斗志や志乃たちに例の計画を開始するように言ってくれ」

 

「御意!」

 

そう言い俺と雪風はわかれ俺は月たちのいる宮中へと走るのであった。

 

 

 

 

 

 

「樊稠め・・・・」

 

「くそっ!だから、あんな子娘じゃなくて私たちの方が確実にやれたのに・・・・・」

 

と、暗殺者の一人である畢嵐と段珪がそう呟く。すると

 

「さあ、どうする?ここで大人しく月や詠から手を引けば命だけは助けるけど?」

 

と、吹雪は不敵の笑みでそう言うが、暗殺者たちは腰についている剣を抜く。

 

「どうやら、引く気はないらしいな・・・・」

 

俺が言うと段珪が

 

「当たり前だ!私たちは王允様や張譲様の命で来ているんだ。今更引けるか」

 

「なっ!?馬鹿!!」

 

段珪の言葉に畢嵐が慌ててそう言うと吹雪の目が光り

 

「やはり。この暗殺の黒幕は張譲か・・・・・」

 

「ああ、そうだよ!そしてこの内乱を引き起こしたのも張譲様の策略だ!」

 

と、段珪は胸を張ってそう言うと畢嵐が

 

「あんた。そんなこと喋っていいの?このことは内密にと王允様から言われてたはずじゃないの!!」

 

「はっ!どうせこいつらはもうすぐうちらに殺されるんだからさ、冥途の土産に教えたって別に問題ないさ!さて・・・あんたたちは知ってはいけないあたいらのことを知りすぎた」

 

「いや、あんたがべらべら喋っただけだろう?」

 

と、吹雪がつっこみを入れると周りの皆はうんうんと頷く

 

「そんな細かいことはいいんだよ!あんた達にはここで消えてもらうよ!お前達やっちまいな!!」

 

と、吹雪の突込みは無視して畢嵐は部下たちに命じ、畢嵐の部下たち5人は吹雪に向かって剣を振りかざし襲い掛かる。それを見た吹雪は九九式小銃を向けて発砲する

 

ダアァーン!!

 

ダァーン!!

 

ダダアァァーン!!!

 

「ぎゃぁ!!」

 

「ぐわぁ!!」

 

「「ぐえ!!」」

 

吹雪の放った7・7ミリ弾が刺客たちを撃ちボルトを動かし再装填をし、また撃ち倒す。そして吹雪は空になった99式にまた弾丸を込める。それを見た畢嵐はにやりと笑う

 

「やはりな・・・・段珪!行くわよ!」

 

「ええ!!」

 

そう言い二人は弾丸を装填中の吹雪に襲い掛かりそして吹雪は99式を盾にその攻撃を防ぐ。そして二人の攻撃を押し返し弾丸を撃つ。その攻撃を畢嵐が避け、吹雪が再装填しようとボルトを動かした瞬間。急に後ろから殺気を感じた。

 

「隙ありだ!!」

 

「っ!?」

 

その殺気の正体は段珪だった。俺はその一撃を躱すがその瞬間、畢嵐がまた攻撃する。その時頬を斬り血が流れる。くそ。これじゃあ再装填できない。すると畢嵐が

 

「あんたの持つ天の国の武器って変な音出した後その閂みたいなのを動かさないと撃てない。しかも5回それをした後わずかながら動きが止まる。なら対策は簡単だそうならないように私たち二人が攻めればいい話だ!」

 

まずい。この二人99式小銃の弱点に気付いたか・・・・

 

「あんたの強さやあの曹操の夏侯惇に勝ったって言うのもその武器のおかげなんだろ?それが撃てなければお前に勝機はないわ!!」

 

そう言い、畢嵐が俺に斬りかかる

 

「これで終わりだ沖田!!」

 

そう言い二人は同時に斬りかかる。この時二人は絶対にこの一撃で吹雪をこれせると確信した。確かに呂布の息子といわれる彼でかなりの凄腕だという話は聞いたがそれは吹雪の持っている九九式小銃の威力があってのものだと思っていたのだが・・・・

 

「・・・・あんたら甘すぎだ」

 

と、そう言い俺は小銃の銃床をを使って畢嵐の手に当て彼女の持つ剣を弾き飛ばし、そしてそれと同時に段珪の腹に一発、くらわす(むろん手加減はして)。そして吹雪は小銃を持ち直し、銃剣で突き攻撃をする。

 

「なっ!?」

 

「わっ!!」

 

いきなりの銃剣攻撃に二人はいったん距離を取るため後ずさる。そして、先ほどの攻撃を受けて冷や汗をかいている段珪は

 

「くそ!なんだ!?今の攻撃は?槍術に似ているが?」

 

「な、なぜだ・・・・貴様はあの力が使えなければ無力じゃないのか!?」

 

「お前たち。俺が銃が使えなければ勝てるなんて思うなんてちょっと爪が甘いんじゃないか?銃が撃てなくとも白兵戦くらいはできるぞ」

 

と、俺は銃剣をつけた九九式を構える。俺は祖父に銃剣術を教わったことがある。そしてここでは華雄や母さんたちに剣術や武術を教わった。たとえ銃が撃てなくとも白兵戦で戦えばいいだけだ。俺は少し目をつぶりそして目を開けるその瞬間、俺の体から何かが湧き出すような力がみなぎるような感覚がしたのであった。

 

「いく・・・・ぞ」

 

「「っ!?」」

 

吹雪がそう言った瞬間二人は目を見開く。二人が見えたのは銃剣をつけた小銃を持つ吹雪。だがそれだけではなかった。彼女らが見たのは吹雪の体から湧き上がる赤いオーラであった。そしてそのオーラはある人の姿をしていた。そのオーラに移ったのは吹雪の母である呂奉先こと恋であった。その吹雪のオーラに二人は震える。今まで多くの相手を抹殺してきた殺し屋である二人だが、吹雪のオーラを感じてこう思った。

 

「(おい、段珪。俺たちはとんだくじを引いちまったみたいだな。どうやらただの得物だと思ってた相手が、獲物は獲物でも)」

 

「(ええ・・・・ただ董卓を暗殺するだけだったのにね・・・・・で、どうする?二人がかりで行けそう?)」

 

「(いや、無理ね・・・・・あの闘気を見ても桁が違いすぎる。私たちがかかっても勝てそうには思えないね・・・・・これは誤算だ。王允様には悪いけどここは逃げた方が得策だな)」

 

「(そうね・・・・・)」

 

「どうした。こないなら俺から行くぞ?」

 

と、吹雪が殺気を込めた目でそう言うと段珪は胸から小さなクス玉を取り出し

 

「あいにく私たちはここで死ぬわけにはいかないのでね!ここいらで退散させてもらうわ!!」

 

「あばよ!!」

 

そう言うと彼女はその玉を地面にたたきつける。そしてそれと同時に白い煙が舞い上がりその煙は晴れた時には二人の姿はいなかったのであった。それを見た吹雪は殺気を消して

 

「やれやれ・・・・どうやら退散したか・・・・・・ぐっ!」

 

と、ほっとしてそう言うと急に虎牢関の時の胸の傷の痛みが出てしゃがみ込むと

 

「「吹雪(さん)!!」」

 

月や詠が俺の傍に駆け寄ると、俺は笑いながら

 

「アハハ・・・・大丈夫だよ月、詠。」

 

「でも吹雪さん。頬から血が・・・・」

 

「ただのかすり傷だ。放っておけば止まる。それよりも二人とも怪我はない?」

 

「はい。大丈夫です・・・・吹雪さん・・・・本当に吹雪さんなんですよね?幽霊ではないんですよね?」

 

「ああ、この通りちゃんと足があるぞ。この通りちゃんと生きている月」

 

「よかった・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

月が安心してそう言う中、詠は黙ていた。

 

「詠?どうしたんだよ。黙って?」

 

と、俺が言った瞬間。

 

「あんた!どれだけ僕たちのことを心配させたと思っているのよ!!」

 

と、詠が怒鳴り俺と月は驚く。それをよそに詠の言葉が続く

 

「虎牢関であなたが負傷したって聞いた時は月がどんな気持ちだったか・・・・それに僕だって・・・家族であるあんたが死んじゃったかと思うと・・・・・」

 

と、詠は俺の顔を見てものすごく悲しそうな目で俺を見ていたその目にはうっすらと涙が見える。それと他に月も心配そうな目で少し目が赤く涙の痕があった。そうか‥‥それほど心配させてしまったのか・・・そのことを思うと俺は申し訳なくなって来る

 

「そうか・・・・・すまない二人とも。心配かけちゃって」

 

「本当よ。もうこれからはあまり無茶とかしないでよね!月のためにも」

 

「わかった。わかった。本当にごめん。・・・・・まあ、とにかく二人が無事でよかったよ」

 

と、俺がそう言うと詠が俺に近づき耳元で

 

「それよりも吹雪。やっぱりこの乱お起こしたのは十常侍筆頭の張譲だったわね。これからどうするつもりなの?」

 

「ああ、そのことなんだが詠。そろそろこの乱を終わらせようと思うんだよ」

 

「終わらすってどうやって?・・・・・まさか!?」

 

「ああ、この前二人で話し合った第2計画だけど・・・すでに実行に移っているんだよ。」

 

「あんたってそう言うのは早いわね・・・・」

 

「まあ、結構大変だったけどな。」

 

「そう・・・・・それならいいわ。ありがとね吹雪・・・・」

 

「(二人とも…何を話しているんだろう?)」

 

詠と吹雪が小声で話している中、月は首をかしげるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、とある部屋では張譲が昇る朝日を見ながら秘かに蓄えていた最高級の酒を飲んで浮かれていた

 

「もうすぐこの王朝は私の物になる。聞けば連合軍は呉の軍と劉備の義勇軍。そして曹操の軍が虎牢関を突破し、こちらに向かっているという話が出てるし、何よりも邪魔な董卓と沖田を始末で来たなんてこれほど嬉しいことはない。後は私を保護してくれるはずの連合軍の兵士が来るのを待つだけだな。それにしても王允の奴・・・劉脇様を見張りに行くなど後ででもよいのに。どうせあの小娘もいずれ役目を終えたら消すつもりだからな・・・・」

 

と、そう言い張譲は酒を一口飲む。すると部屋から張譲の私兵が入ってきて

 

「張譲様!」

 

「なんだ?騒々しい」

 

「はっ!先ほど連合軍の兵士である周泰と名乗る人物と公孫瓚と名乗る人物の他数名の兵士たちがやってきました!」

 

「周泰?ああ確か孫家の家臣で公孫瓚は・・・確か田舎の太守だったけな?まあ、どれも連合軍の者だな!よし!すぐに行こう!!」

 

と、そう言い張譲は部屋を出る。その際張譲の私兵がにやりと笑うのであった。そして張譲はしばらく歩き広場につくとそこには5人くらいの人影があり、その先頭には明命がいた。

 

「お待ちしておりました。張譲様。」

 

「おおー!!待っておったぞ!!あの悪逆非道の暴君董卓に捕らわれてからというもの本当に辛かったぞ・・・・・・・て、あれ?他の兵たちはどうしたのだ?てっきり大勢来ると思っておったのだが?」

 

と、辺りを見渡す張譲。すると

 

「兵隊ならいますぞ?」

 

「ただ連合軍の兵じゃないですけど?」

 

と後ろから声がし、張譲が振り向くとそこには星と斗志が槍と刀を突き付けて立っていてその背後には華雄の軍や霞の軍がいた。

 

「き、・・・貴様らは!?お、おい周泰!私をこいつらから助けてくれ!こいつらは陛下を傀儡し自分の赴くままに動かそうとする董卓の兵だぞ!!」

 

と、そう言う張譲。しかし・・・・

 

「それは貴様の方ではないのか張譲?」

 

「っ!?」

 

と、張譲は驚き声のする方へ顔を向ける。するとそこにはここにいるはずのない人物であった

 

「貴様は・・・・・沖田吹雪」

 

張譲は驚きの声を上げると吹雪は張譲に近づきそして刀を突き付ける

 

「・・・・・ご同行願おうか?十常侍筆頭の張譲殿?」

 

と、殺気を含めた目でそう言うのであった。

 

 

 

 




次回でとうとう反董卓連合の戦いが終結します。

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