真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
「よしっ!今日もいい天気だな」
明朝、俺は庭の所で新鮮な空気を吸い背伸びをする。昨日は雨だった上に詠と一緒に書簡の山との戦いだったため結構疲れた。そして今は非番なためどうするか考えていた。
「・・・・いい天気だし釣りでも行こうかな」
と、そう呟き俺は部屋から釣り竿を持つ。因みに釣り竿は美佳の手作りだ。そして俺はいつものように刀を差しそして万が一のため九九式小銃を肩に担ぐ。
「あとは籠だな・・・・・」
と、俺は籠を探しに行こうとすると
ワンワンッ!!
と1匹の赤毛の犬がやってくる。そしてその犬は俺の周りをぐるぐる回り嬉しそうに吠える
「やあ、セキト。今日も元気だな」
と、俺はしゃがんでセキトと呼んだその犬を撫でる。そうこの犬の名前はセキト。母さんの愛犬だ。するとセキトは俺のズボンの裾を噛みそして引っ張る
「おいおい、どうしたんだよセキト。何か言いたいことがあるのか?」
と、そう言うとセキトは『ワンッ!』とまるでそうだと言いたげに吠え、そして俺をどこかに誘導するように歩き俺もセキトの後についていく
「な、なあセキト。どこへ連れて行こうとするんだ?俺、籠を探さなくちゃいけないんだけど?」
「ワンッ!」
と、そう言いセキトが誘導した場所は籠がいっぱい置いてあるところだった
「籠だ・・・・まさかセキト。俺の為に?」
と、そう言うとセキトは吠え、そして一番でかい籠に近づき、その籠の匂いを嗅いだ後まるで『これを使いな』っというかのようにワンッと吠える。
「・・・・ありがとなセキト。おかげで籠を探す手間が省けたよ」
と、俺はセキトにお礼を言い撫でるとセキトは嬉しそうに吠え、そして何やらそばに落ちてある布のような物を拾うと、どこかへ行ってしまった。なんだろうあの黒い布のような物は?
「・・・・・・まっ、いいか」
細かいことを気にしたら負けだ。そう思い俺はセキトが勧めた大きい籠に近づく。するとその籠には白い布がかぶせてあった。
「・・・・・何だこの布?」
俺は不思議に思いその布をめくる。すると・・・・
「・・・・・・・」
「・・・・・・・すみません。籠、間違えました」
「ちょっ!?吹雪様!?」
・・・・・やっぱり見間違えじゃなかった。
「な、何やっているんだ志乃?てか、お前仕事は?」
そう籠の中にいたのは志乃だった。
「それはわたくしのセリフです吹雪様。それに今日、私は非番です」
ああ、そう言えばそうだったな
「それで吹雪様。こんな朝早くどちらへお出かけですか?」
「ああ、ちょっと近くの川で釣りでもしようと思ってね」
「銃を背負ってですか?」
「ああ、熊とか猪とかの対策にね。それよりも志乃。なんでお前こんな籠の中に入っていたんだ?」
「はい。朝、本を読もうかと資料室に行くため廊下を歩いていたところ庭で吹雪様が何やら支度をしていたので・・・・荷物入れ代わりに籠を持っていく可能性が高いと思いましてこうやって忍び込んで待っていました」
で、俺は志乃の目論通りに動いて今に至るってか・・・・てかもしかしてセキト。始めからこうするつもりで俺に志乃の入っていた籠を勧めたのかな?すると志乃が
「・・・・・で、吹雪様。どこの川に行くおつもりなのですか?」
「だから、近くの川だってば」
「その近くの川っというのが気になるのです。もしかしたらあなた様の言うすぐ近くの川というのは長安の国境近くにある大きな川ではありませんか?」
「大正解♪。流石、志乃。よくわかったな。あそこはいい釣り場でな~よく大物が取れるんだよ。夕方には戻るつもりさ」
「そうですか・・・・・・」
と、志乃は心配そうな目で俺を見る、俺はふっと息をつき
「そんなに心配なら志乃も一緒に行くか?もしも俺が馬鹿なことをすれば止めればいいしさ」
「ここでゆっくりするという考えはないのですか?」
「あると思う?」
「ないですね。あなた様がゆっくりする姿は似合いません」
「じゃあ、決まりだな。心配ないよ。ただ単に川で釣りをして魚を捕るだけだからさ」
と、不適の笑みでそう言うと志乃はため息をつき
「まったく・・・・あなたという人はいつも能天気ですね。わかりました。では行きましょう吹雪様」
そう言い志乃は籠から出て、俺とともに国境沿いの川へと向かうのであった。
「よし!これで10匹目!!」
国境沿いにある大きな川についた俺と志乃は、セミの鳴く音や川の音を聞きながら釣り糸を垂らし魚釣りを楽しんでいた。季節は夏のため暑いが。俺のいた時代に比べれば涼しい方だ。向こうじゃ暑いだけじゃなく日差しもきつかったからな・・・・・
「それにしても吹雪様は本当に釣りが得意なのですね」
「まあな。子供のころから祖父さんに教わったからな。早朝から叩き起こされて川やら海やらの釣りに付き合わされたっけ」
「そうなんですか。ところで吹雪様は海を見たことがあるのですか?」
「俺の国は島国だったからな。子供のころはよく港にある船を見に行ったけ」
「そうですか・・・・・・あ、吹雪様。竿が引いてます」
志乃に言われ俺は竿を見ると竿がぐいぐいと引いていた
「本当だ。今日は魚料理食べ放題だな!」
そう言い俺は竿を力強く引く
「(くっ!重くて、でかい・・・・・まさかの主級か!?)志乃!悪いけど手伝ってくれ!!」
「はい!」
俺の言葉に志乃は頷き、体に抱き着き俺の竿を握る
「行くぞ志乃!」
「はい!」
俺がそう言い俺と志乃は竿を思いっきり引っ張る。だが魚もつられるのが嫌らしく激しく抵抗する。
「志乃ガンバレ!」
「はい!」
「12の3で引っ張るぞ!行くぞ12のー3っ!!」
そう言い二人は力を合わせ竿を引っ張る。すると水面から黒い影がみえた。よしこれで釣れる・・・・そう思った瞬間。最後の抵抗なのか川の主は思いっきり竿を引っ張る
「うわっ!」
「きゃっ!」
あまりの強い引きに俺と志乃はバランスを崩し引っ張られ宙を飛び川へと落ちようとしていた。
「・・・・くっ!」
吹雪は川に落ちる直前、志乃を庇う形で仰向けに志乃を抱きそして川に落ちるのであった。
「・・・・さま・・・・・ぶきさま・・・・吹雪様!」
「ん・・・・・」
川に落ちた後誰かが俺を呼ぶ声が聞こえた。俺は目を開けると・・・
「吹雪様!」
「・・・・志乃」
そこには志乃が俺の上に乗っかった状態で心配そうな顔で俺に呼びかけていた
「だ、大丈夫ですか?」
「いててて・・・・ああ、大丈夫だよ。落ちた場所が思っていたよりも浅かったみたいだし大したことないよ」
「そうですか・・・・・・・っ!?吹雪様、おでこが!!」
「え?」
俺はおでこに手を当て自分の手を見ると血がついていた恐らく川に落ちた時に岩とか当たって擦りむいたんだろう
「ああ、大丈夫だよ。ただのかすり傷さ。放っておけば治るって」
と、笑ってそう言うと
「笑い事じゃありません!!」
志乃が怒鳴り俺は一瞬ビクッとなる
「し、志乃?」
「吹雪様・・・・・・」
と、志乃は急に声を落とし悲しそうな声を出す
「吹雪様。私が川に落ちた時とっさに庇ってくださいましたね。私なんかの為に怪我をして・・・・・・」
「え?それはまあ、男だったら庇って当然・・・・・」
「私には吹雪様の方が大切です!!吹雪様。あなたはそうやって自分よりも他人のことを最優先に考えて無茶して・・・・・反董卓連合の時も春蘭さんを庇って毒矢を受けたと聞いた時は頭が真っ白になりました。もしかしたら死んでしまうかと思ったのです!大切な人がいなくなってしまうと・・・・・その時は胸が張り裂けそうで…辛かったのですよ」
ポトッ・・・・・
と、俺の服に一滴の水が落ちる。それは川の水のしずくではなく志乃の目から流れる涙であった。
「もう・・・・・いい加減に・・・・して・・・ください。吹雪様が死んでしまったら・・・・私・・・・お願いです吹雪様・・・・私たちの前から…いなくならないでください・・・・」
「・・・・志乃」
と、涙を流しそう言う志乃を俺は手を差し伸べその涙を拭う
「ごめんな志乃・・・・いつも心配ばかりさせちゃって・・・・そうだよな。志乃を泣かせるような奴は主として男として失格だな・・・・」
「・・・・でしたら、絶対とは言いませんがこれからは無茶をせず、もっと仲に頼ってください。約束ですよ?」
「ああ、約束する・・・・・・」
通れと志乃は指切りをして約束する。すると
「ん?吹雪様。どうしたのですか急に目を背けて?」
と、志乃は俺が顔を赤くし目を背けているのに気づく
「い、いや…その・・・・志乃。言いにくいんだが・・・・」
「なんですか?なんでも行ってください」
「あの・・・その・・・・・・・・下、見えてるんだけど・・・・」
「・・・・・へ?」
そう言われ、志乃は下を見ると急に顔を赤くする。そうスカートがめくれて下着がみえちゃっているのだ。それを知った志乃は
「人が心配をしている時に、あ、あなた様は!!!」
「うわっ!冷たっ!?水、冷たっ!?」
と、志乃は顔を真っ赤にしながら俺に水をかける。そして志乃は立ち上がりそして走り出す
「志乃!?どこへ?」
「この司馬懿、一生の不覚です!!」
と、そう言い志乃は俺が持ってきた大きい籠の中に入る
「(へ!?なんで籠の中!?)あ、あの・・・・・志乃?本当にごめんてば」
俺は志乃に近づくと
「別に体を見られて怒っているんじゃないんです。むしろ見てほしいというか・・・・・」
「え?」
「なんでもありません。ただ、軍師である私が主である吹雪様に泣き顔を見せてしまうなんて軍師として・・・・女性として恥ずかしくて穴があったら入りたい気持ちです。ただここには穴がないので代わりに籠に入って恥を凌ぐしかないじゃありませんか・・・・・」
と、涙声でそういう志乃に俺は志乃が入っている籠の傍に寄り添い
「そっか、じゃあ気の済むまでそこにいていいよ。俺は志乃の傍にずっといるからさ」
そ、そう言い、俺は志乃が籠から出てくる夕暮れまでずっとそばにいるのであった。そして籠の中にいる志乃はというと・・・・
「(やはりあなた様に仕えてよかったです・・・・・・我が主・・・そして愛しき人・・・・・)」
そう心の中でそう呟くのであった。
なんか内容が戦国恋姫っぽくなってしまいました・・・・
この小説は面白いか?またはリメイクの必要ありか?
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面白い・リメイクする必要はなし
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面白くない・リメイクの必要あり
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面白いがリメイクの必要あり
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面白くないがリメイクの必要もなし
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どちらでもいい