僕こと
「すぅ…」
昨日から泊まり込みで看病してくれている紅魔館のメイド咲夜さんに抱きつかれているのである。幸い彼女は眠っているがかの美鈴さんのように時止めからのナイフが飛んでくる可能性がありどうしようかと悩んでいる。確かに先程言った通り幸せなのかもしれないがこの人の場合は甘く見ていると本当に死ぬ。
ー数時間後ー
僕は勇気を振り絞って咲夜さんを起こす事にした。
「あの、咲夜さん起きてくれません。このままじゃ色々とまずいんですけど。誰かに見られでもしたら…」
その時気配がしたので窓をちらりと見た。そこには
「アヤヤ、バレちゃいましたか。さすがは鬼の弟子と言ったところでしょうか?」
背中から黒い鳥の羽を生やした人がこっちを見ていた。
「おはよう、栄斗…怪我の方は大丈…夫…あああ、私何してるのー!」
タイミング悪く咲夜さんが目覚めてしまった。
「おはようございます。出来ればまず落ち着いてくれるとありがたい。なかなか幸せなひと時でしたが。あと、変な人が見てるんですけど。」
そう言うと咲夜さんは赤面しつつ窓を見た。
「おはようございます、咲夜さん。なかなか幸せそうに寝てましたね。」
「あら、文。朝一のナイフなんてどうかしら?目がきっと覚めるわよ?」
「目を開けた瞬間もうそこは河原でしょうがね。」
「あら、よく分かっているじゃない。」
どうやら二人を知り合いらしい。と、気がつくと文と呼ばれる人?が家に入っていた。
「あの勝手に入らないでいただけません?」
「なかなか冷たいですね。他の人には優しいのに、特に咲夜さん。今朝1時間ほど咲夜さんを起こさずに待っていたのに」
ずっと見ていたかのように喋る文さん
「ごめんなさい栄斗。」
何故か謝る咲夜さん、シュールだな。
「あの…殺り合うんだったら外で…」
「いえ、咲夜さんはその気ですが私は別に話をしに来ただけなので。」
できれば関係なく出ていってほしい。
「話しなら外で聞きますから」
そう言って強引に外に出そうとする僕に抵抗する文さん。その時
「アチッ、あの手から炎が出てるんですが、あの体が透けてきてるんですけど、分かりました。外に出るのでもう触らないで!」
ー数時間後 紅魔館にてー
「炎ねぇ…どう思うパチェ」
「単純に能力に目覚めたんじゃないの?」
「やっぱり?けど、昨夜が触れても何も起こらないのに…」
レミリアが涙を浮かべて栄斗を見る。そう
「何で私たちにはその炎が出るの!?」
「僕に言われましても」
「妖怪にのみ効くとか?」
パチュリーが口を挟む。
「やっぱりそれしかないわよね。けど問題はその炎が焼くだけじゃなくて私たちの存在まで消えてしまうってことなのよ。」
先程、レミリアが手に触れた時炎が出て文と同じように手が透けていったのである。
「これはちょっと操作できるようにならないとダメね。それまではこれを着けてなさい。」
そう言ってレミリアが栄斗に革の黒手袋を手渡した。
「レミリアさんこれ高いやつじゃ…」
「別にいいわよ。死ぬのかそれをあげるのかならそれをあげる方を誰だって選ぶわ。大事にしなさいよ。」
そう言われ手袋をはめる栄斗。これからまたあの過酷な修行がさらに厳しくなると内心悲しむ栄斗だった。
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