東方 全てを焼いた英雄   作:つむじ虫

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ちょっと今回は頑張りました。ではどうぞ!


第九話 威圧に満ちた少年

突然の事だった。身体全身に炎をまとう修行をしている最中、紫さんが血相を変えてスキマから飛び出してきた。

「れ、霊夢がた、大変なの!」

いつも影で何かを企んでいる妖怪の賢者の姿はどこにもなかった。

 

話によると紫さんが霊夢さんをからかいに行ったところ外で倒れているところを発見したらしい。はじめは寝ているのだと思い近づいていくと血なまぐさい匂いに気づき、急ぎ永遠亭に運んだのだとか。

 

急所を一突きだそうで、助かる見込みはないとのこと。そして、何故僕のところに来たのかが疑問になるがそれは僕の能力を使うことで治るのではないかとのこと。

 

僕の能力『信仰を焼き尽くす程度の能力』は、その名の通り妖怪、神さえも存在そのものを消し去ってしまう。つまり、それをやったのが妖怪の類ならなんとかなるということ。そういうことなら善は急げで永遠亭へと僕と紫さんは急いだ。

 

ー永遠亭にてー

 

「永琳先生、先日はありがとうございました。おかげさまで良くなりました。」

僕は幻想郷随一の医者である八意永琳さんに数日前の礼をしていた。

「それは良かったわ。しかし、驚いたわね。まさか私でも治せない傷をこうもあっさり…」

 

話は数時間前に遡る。通された病室には青い顔をした霊夢さんとそれに寄り添うようにして霧雨 魔理沙さんがいた。僕達が入ってきたことに気づくと魔理沙さんはおぼつかない足取りで近づいてきた。

 

「栄斗と紫、それに勇儀どうしたんだ。」

今にも泣き出しそうな表情だった。

「霊夢さんを助けに来ました。」

僕は率直に告げた。しかし、魔理沙さんは

「無理なんだぜ。永琳でも直せないのに医療はともかく魔術さえ知らないお前に…霊夢を救えることなんて…」

ためらいながらも痛いところをついてくる魔理沙さん。何でだろうか、こんな状況なのにあれだけどすごい気持ち悪い。いつも妖精相手に所構わず弾幕を撃ち込んでいたあの人がこうなると…しかし、今そんなことを言っている場合ではない。霊夢さんが最優先だ。

 

僕は大きく空いた傷口に手を当てた。そして、今までにないほど集中して頭の中で念じた。不安だ、怖い。こんな僕なんかに人が救えるのだろうか。しかし、やるしかない。念じ続けること10分、

「う、うぅ…」

気がつけばなぜ生きているのか気になるほどの大きな穴が閉じ、霊夢さんが息を吹き返していた。

「良かったのぜ…」

「良かったわ」

皆口々に安堵の声を漏らしていた。落ち着いたところで永琳先生が僕に聞いた。

「あなたの能力はいったい何?」

その答えは上の通りきっちりと答えた。そして、今に至る。

 

「ここは?」

ふと霊夢さんが目を覚ました。

「ここは永遠亭よ、起きてすぐに悪いのだけど何があったか話してもらえる?」

紫さんが霊夢さんに話しかける。いつも通りの冷静な状態だった。

 

「いつも通り掃除をしていたの…そしたら、後から声がして振り返ったら…レミリアがいたわ。」

誰もが驚いた。そう、これをやった犯人がレミリアさんだなんて信じられなかったからだ。

「本当になのか?」

魔理沙さんが尋ねた。それに霊夢さんは無言で頷いた。

「紅魔館が危ないわ」

ふと紫さんが呟いた。そうだ、霊夢さんをこんなにまでできるのだったら多分あの人達では敵わないだろう。

「紫さん…!」

僕は気がつけば叫んでいた。僕が行ったって足で纏なのは分かっている。けど…、その時だった。

「スキマ妖怪、あたしの弟子だよ。」

今まで口を閉ざしていた師匠が静かに言った。

「ええ、そうね。行きましょう栄斗。」

「はい!」

僕は紅魔館へと急いだ。最後に師匠が言った。

「あんたに教えることはもう無いよ。最後にあたしの教えた技に名前を付けようか。そうさね…鬼拳『蒼炎拳』なんてどうだい?あんたの初めてのスペルカードってね。」

「師匠…」

「行って、ガツンっとかましてきな!」

「はい!」

そう言って僕は隙間の中に飛び込んだ。

 

ー紅魔館にてー

 

「お嬢様…なん…で…」

首を掴まれた状態で持ち上げられていた咲夜が絞り出すように言った。

「あいつはあなたのことを大事に思っている。いわば餌ね。あと、私は確かにレミリア・スカーレットよ。けど、この時代のあなたの主じゃないわ。」

レミリアがふっと笑った。その足元には美鈴、パチュリー、フランが倒れていた。

「なぜ…こんな…」

「わからない子ね〜、さっき言ったのに。わからない子には…お仕置きね!」

そう言うとレミリアは咲夜の首を鷲掴みにしていた手を離した。その瞬間もう片方の手で持っていたグングニルで咲夜を刺そうとしたときだった。

ボーーッ

激しい燃焼音がした後見ると握っていたグングニルが消えていた。そして、咲夜も。

 

「お待たせしました、咲夜さん。」

その声を方を見てレミリアは叫んだ。

「永田ー!栄斗ーー!」

その目は血走っており今にも襲いかかる勢いだ。

「何でしょうか、レミリアさん?」

栄斗は静かに答えた。しかし、その返答をした栄斗の表情は明らかに今までのものとは違っていた。

 




誤字脱字報告や改善すべき点のコメントよろしくお願いします。
もうそろそろクライマックスとなってきました。激突するレミリアと栄斗、そしてその中にいる謎の男。次の話は色々ややこしくなりますがぜひ読んでください。

第十話 間違った選択
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