新章水着イベントはやっとアイテムコンプ完了して一段落したので、さぁSS再開しようとしたものの、少々問題が。
古代人とか悪魔関連の設定で不明な部分は当初オリジナルで補強しようとしてたのですが、新章で新しいキャラとか設定も出てきたので少し方向転換が必要になりました。
ちょっと間長くなるかも。
~カズマ邸~
「はよ~・・・、あれ?誰もいないのか・・・。」
ハグレ王国の連中と出会って3日が経った。何かと目立つあいつらだが、あっという間に街の冒険者達に溶け込んでいた。昨日もクエストを終えた後、ギルドの酒場で他の冒険者も交えて宴会が開かれ、俺自身も飲み過ぎて二日酔い気味である。昼近くになって目を覚ましたが、どうやら仲間達はハグレ連中と一緒にクエストに出掛けたらしい。
昨夜は子供たちを遅くならないうちに保護者のローズマリーとドリントルに任せて帰らせ、その後はアクアと福ちゃん、マッスルアニキと最後まで飲んでいた。その中で共通の話題であるアクアの話を肴に盛り上がった。
最初はアクアをからかうネタになるかと期待して話を聞いていたカズマだったが、福ちゃんの語るアクア神話はなかなか興味深いものだった。
なんでも、アクアはアトラ様という偉大な神様から生まれた血統書付きの神様だとか。このアトラという神様は原始の世界において、無数に降り注いだ火の玉によって地上全てが火の海になったとき、その身を水に換えて全ての火を消したという偉大な神話を残している。
しかしこのアトラ様、水になって火を消したのはいいが元の姿に戻れなくなったという、何ともスケールの大きなおっちょこちょいな一面を持つ。で、そのときに生み出された水の一滴がアクアになったとのこと。
結果的には自身を犠牲にして地上を救ったアトラ様は天界ではとても尊敬される神とされており、その子にあたるアクアも新世代を担う神として期待を寄せられていた。しかし、すくすく成長したアクアはご存じの通りおっちょこちょいな性格を色濃く受け継いでおり、女神園でも最凶のトラブルメーカーとして愛の神ラヴァーズ様をして頭痛のタネだったとか。
その後は色々と暴露話をされて涙目になったアクアが福ちゃんに泣きついたり、こっちに八つ当たりしてきそうになったところに酒を飲ませて返り討ちにしたりした。
まぁ、記憶があるのはそのくらいで、その後は酒がまわってあんまり覚えていない。帰り道で福ちゃんが「アクアちゃんをよろしくね。」と言っていたのだけ何故か覚えている。
と、昨夜の出来事を思い出して、コタツで自分でいれた紅茶を啜る。う~ん、やっぱり人に入れてもらった方が美味いな。今度ダクネスにちゃんとした入れ方を教えてもらおう。
そして、段々と頭がハッキリしていく中で、今日はどうしようか考える。てか福ちゃんもマッスルアニキも昨日あんだけ飲んで朝からクエスト行くとかタフすぎだろ。アクアも相当飲んでたハズだが、おそらく福ちゃんに連れてかれたのだろう。
あれ?もしかして俺一人だけおいてきぼり?誰も声かけないとかちょっと寂しくない?俺一応パーティリーダーで勇者だよ?いやさ、クエスト誘われても断るけどさ。よし、あいつら帰ってきたら、風呂に入ってる最中に隙間からフリーズの魔法で湯冷めさせてやる。
段々と変な悪巧みに思考がそれてしまったが、丸一日を無駄にしてしまうのは惜しい。せめて新商品のネタでも考えようとペンを手にする。が、何も浮かばない。すぐに思い付くものは既に商品化しているから、当然と言えば当然だが。
「う~ん・・・、ダメだ。何も思い付かない。」
何も書かれていない羊皮紙を前に耳にペンを乗せながら、腕を組んでう~んと考える。
「ん~・・・、駄目だな。腹も減ったし、ちょっと散歩でもして気晴らしするか。」
何も思いつかないときはいくら考えても無駄。こんなときカズマは外をブラつくようにしている。
最初は日本にあったものを中心に商品開発していたカズマだったが、簡単に作れる物は構想含めて大抵をバニルに売ってしまったので、最近はオリジナルのアイディア商品の開発に勤しんでいる。
実は、ゆんゆんが買わされた全自動卵割り機がその一つだったりするのは秘密である。まぁあれは半分冗談で作ったつもりだったが、まさか本当に買うやつがいるとは思わなかったなぁ。
なんて考えながら前にアクアがバイトしていた総菜屋でサンドイッチとコロッケを昼飯にと購入する。 サンドイッチをかじりつつ、ブラブラとあてもなく歩いていたが、なんとなくウィズ魔道具店に足を伸ばしていた。
「いらっしゃいませ~!あらカズマ君じゃないの。買い物?」
エプロンを着用したミアラージュが応対する。このエプロン、バニルが同じの着てたが、ウィズ魔道具店のユニフォームなのだろうか。尤も、仮面にタキシードの大男のそれと違い、容姿は10才程度の少女のミアラージュのエプロン姿はとても可愛らしい。まぁ実年齢はカズマよりも歳上なのだが。
「おっす。ってその見た目でカズマ君はやめて。カズマでいいよ。もしくはお兄ちゃんでお願いします。」
「デッドリーポイズン喰らいたいのかしら?」
「すみません。」
見た目は幼女だが中身はお姉さん。多分怒らすと恐いタイプだろう。うん。まぁウィズとはアンデッド同士で気が合うみたいだ。
「あら、カズマさん!今日はお一人ですか?」
裏で帳簿をつけていたウィズが出て来て挨拶する。
「よう、ウィズ。通りかかったんで寄ってみただけなんだが。」
「あっそうだ!カズマさんにオススメの商品があるんですよ!ちょっと待っててください!」
ややテンションの高いウィズがパタパタと小走りで裏から持ってきたのは、デフォルメした豚の顔をあしらったキーホルダー?だった。
「これです!その名もセレブーブーまあくⅡ!」
「セレブーブーまあくⅡぅ?」
ウィズ魔道具店で売られるものはどれも凄い効果があるが、それを補って余りある欠陥を併せ持つのは周知の事実。カズマは差し出されたキーホルダーを警戒するようにそっと手に取りまじまじと見る。
「で、効果は?」
「はい!これは仲間にピンチを知らせる魔道具なんです。ダンジョンや森で仲間とはぐれてしまった時に、このヒモを引くと大きな音を出して仲間に知らせるんです!」
ん~、それだけ聞くとそんなに悪いモノじゃないように聞こえるが・・・、まだだ、絶対にそれだけで終わらないのがこの店の魔道具だ。
「なんでまあくⅡなんだ?」
「実はこの魔道具、元々ミアラージュさんが自分のお店で売っていた子供用の防犯グッズだそうで、ウチで売り物にならないかと、見本用に一つ持ってきて頂いていたんです。そして今朝、二人で性能を確認していたところに丁度ひょいざぶろーさんが商品の納品に来られまして、この可愛らしい造型センスと込められた強い魔力に痛く感銘を受けたみたいなんです。で、是非ミアラージュさんと話がしたいとおっしゃられたのでお通ししたところ、モノ作り談義で大いに盛り上がられまして、お二人の手であれよあれよと改造が施されて冒険者向けの魔道具に生まれ変わりました!」
出来上がったモノの仕上がりを高く評価しているのか、ウィズが少し興奮した様子で早口に話す。ウィズが自信を持って勧めてくるモノに録なモノがないのはいつものことだが、それ以上に聞き捨てならない名前が聞こえた。
「その名前は聞きたくなかった。」
ひょいざぶろー。めぐみんの父親。カズマからすれば何かと頭のおかしい紅魔族にあって一際やべーやつと認識している人物である。
自分の娘が腹を空かせてザリガニ獲りやクラスメイトの弁当強奪をしながら、なんとか日々の糧を得ているなかで、当の本人は売れないポンコツ魔道具を量産。しかも少し手を抜いて無難な物を作れば日々の生活に困らない程度の収入が得られる腕はあるのに職人としてのプライドがそれをさせないらしい。
めぐみんの妹こめっこがいつも腹を空かせているのを不憫に思っていたカズマも、バルター商会で嘱託として働くことを勧めたのだが、断られてしまった。カズマは仮にめぐみんと結婚することになっても絶対に同居だけはしないと決めているのは、カズマがクズマだからではなく普通の感覚だろう。
「で、改造してどんなポンコツ機能が増えたんだ?」
「ポンコツじゃありませんよ!いいですか?まず、音量が大きくなりました!」
「音量が?そんな凄いことなのか?」
「はい!この魔道具の音量は込められた魔力量で決まるのですが、性質が違う二人分の魔力がミックスされたことで、アクセル中に聞こえる程の音量に、しかもどんな分厚い壁も貫通して音が届きます!」
嬉々として性能を語るウィズにカズマは頭が痛くなる。
「なぁウィズ、そんな音を至近距離で聞いたら助けを呼ぶ前にダメージ受けないか?」
「え?え~と、でも、二人分の魔力を込めることで新しい性質が生まれるって本当に凄いことなんですよ?大発明ですよ?」
カズマのツッコミに対して、ウィズはお茶を濁して、如何にこの発明が凄いか説いてきた。あ~やっぱり実用性はないかと思っていたが、その予想はウィズの横から返ってきた返答に覆される。
「ああ、自分へのダメージなら心配ないわ。その豚の耳の部分が外れるようになってるでしょ?それが耳栓になっているのよ。私の魔力を込めてるからそれを装着すれば消音できるわ。」
「へぇ~、あ、ホントだ。」
カズマは耳の部分をつまんでカチャカチャ回すとポロっと耳が取れたのを確認して頷く。ウィズがフフンと、得意気な顔を見せる。
「で?まずってことは、まだ何かあるのか?」
「よくぞ聞いてくださいました!二つ目の新機能は、自爆機能です!」
「じば・・・!?」ポロッ
「あっ!と。」パシッ
物騒な単語が聞こえて思わず持っていたセレブーブーまあくⅡを落としそうになったところをミアラージュがうまくキャッチした。
「危なかったわね。衝撃で爆発していたかもしれないわよ?」ハイ
「あ、ああサンキュー。って何!?爆発すんのコレ!?そんなもの持たさないで!?」
「ふふ、冗談よ。そんな簡単に爆発はしないわ。」
「な、なんだよ~。びっくりさせるなよ。じゃあ爆発には何か操作が要るのか?」
「その豚の鼻のところが外れるようになってるでしょ?それがリモコンになるのよ。」
「ふむふむ。」
「そうしたら鼻の裏側にボタンがあるんだけど、爆発させるときはそのボタンを押しながら破壊の呪文を唱えるの。」
「破滅の呪文?」
「そう、「パルス」って。」
「ブフォ!」
なんだか聞き覚えがありそうでギリギリない破滅呪文を聞いて思わず吹き出すカズマ。
「ひょいざぶろーさんが偶然手に入れたフライングストーンていうレア鉱石を回路に組み込んだの。何でもある日空から降ってきた女の子を助けたら貰ったらしいわよ。」
「父さん、ラュタは本当にあったよ・・・。」
思えばデストロイヤーなんて古代の超文明が闊歩してる世界だ。今更空飛ぶ城くらい出てきたっておかしくないよな。しかし、日本人に「ファンタジー世界に来て期待する展開は?」ってアンケートをとったら3位くらいに入るであろう胸アツイベントを、まさか子持ちで甲斐性なしのオッサンが消化してしまったなんて。日本からのチート持ち転生者に知られたら暴動が起きそうだ。よし、俺も盗賊一家に仲間入りしてゴリアテ強奪してこよう。「あの~カズマさん?」
「なんだよウィズ。俺は今から甲斐性なしのオッサンの手からシータを取り戻しに行かなきゃならないんだ。」
「シータって誰!?しっかりしてください!カズマさん!」
「ん?なんだここは天空の城じゃなかったのか。」
ショックのあまりおかしな思考に走ったカズマにウィズがツッコみ、カズマは我にかえる。
「それで、どうでしょうカズマさん?このセレブーブーまあくⅡは?」
「う~ん・・・。」
聞かれてカズマは少し考える。いつもならウィズが勧めてくるひょいざぶろーさんの魔道具なんて事故物件確定の代物だが、どうもミアラージュが手を加えたことで実用性もありそうだ。爆発ポーションに導火線つけただけの偽エクスプロージョンよりは些か安全にも見える。
「でも、お高いんでしょう?」
「そうですね~。でもカズマさんにはいつもお世話になってますし、お得意様を紹介して頂いたご恩もありますから、150万エリスでいかがでしょう?」
「ふむ、まあいいか。買った。」
まぁピンチのときの切り札としてはアリだろう。と、カズマは購入を決めた。
――――――――――――
~カズマ邸~
ウィズの店を出たあと適当に街をブラついていたが、ダストが風呂屋を覗いて警察にしょっぴかれてたり、エリス教会の壁に落書きをしていたアクシズ教徒をエリス教徒のお姉さんが追いかけ回していたが、特に目新しいこともなく、家に帰ることにした。既に時刻は日も傾き始め、クエストに出ていた連中も帰ってくる頃合いだ。
「ただま~」
「あ、カズマお兄さんおかえりなさいでち~。」
「おっ!兄ちゃんやっと帰ってきたぜ!」
出迎えたのはデーリッチとヅッチー。お子様キング達とは一度オセロで無双してからなつかれるようになった。二人とも呼び方は違えど俺を兄と呼ぶ。ふむ、アイリス、こめっこに続き順調に妹が増えていってるな。
「あ、カズマさんおかり~。お土産ないの~?」
暖炉前のソファーを陣取っていたアクアが気だるげに声をかけてくる。
「ねぇよ。ちょっと街歩く度に土産買ってられるか。」
「あ~!それが二日酔いにも負けずにクエスト頑張った女神様への態度?ねぎらって!この勤労の心に満ちた私をねぎらって!」
「あ~はいはい。ご苦労さん。」ポンポン
俺が面倒くさそうにアクアの頭をポンポンしてやると、嬉しそうな顔して大人しくなった。なんかこいつチョロさが上がってないか?
「にへへ。ってあれ?カズマ、その紙袋はなぁに?」
アクアは俺が脇に抱えた紙袋を目ざとく見つけて訪ねる。
「ん?あぁ、これは今日ウィズの店で買ってきたんだ。見るか?」ガサゴソ
「なぁにこれ、ブタのキーホルダー?あんたそんな趣味あったっけ?」
紙袋から取り出したそれをシゲシゲと眺めながら訪ねる。
「あら?それセレブーブーじゃないの?」
そんなやり取りに気付いたヴォルケッタがアクアの手にあるブタを指差して会話に入ってくる。
「ん?知ってるのか?」
「知ってるも何も、ワタクシがミアラージュさんに商品提案して作って頂いた魔道具でしてよ。」
「あぁ、ミアラージュが自分の店で売ってた商品を冒険者向けに改造したって言っていたな。言われてみればこのブタのデザイン基ってヴォルケッタの杖に付いてるブタか。ブタが好きなのか?」
「まぁ、別にワタクシがブタが好きという訳ではなくてよ?お祖父様から頂いた杖がそういうデザインだったというだけで・・・。」
「ヴォルちんはな、お祖父ちゃんに貰った杖をそれはもう大事にしてるんだぜ。」
「お祖父ちゃん想いのいい子なんでち~。」
「ちょっ!?あなた達!また勝手に人をいい子キャラにしないで頂けるかしら!?」
ヴォルケッタが慌ててお祖父ちゃん大好きキャラを否定するが、もう手遅れ。あらゆる愛の形をを肯定する水の女神様が乗っかってくる。
「ねぇヴォルちん!私はお祖父様を愛するのって素晴らしいことだと思うの!お祖父様から貰った杖でお祖父様から教わった魔法を撃つなんてとっても素敵なことよ!恥ずかしがることなんてないんだから!」
いつの間にあだ名で呼ぶような間柄になったのか。アクアがそれはもういい笑顔で爆連ヴォルガノン級の追い討ちをかける。意図せず死体蹴りをするのはアンデッド特効属性の為だろうか。もうやめて。ヴォルケッタのライフはもうゼロよ。
「あの子たち・・・、あの年にしてなんという容赦のない責め・・・。これはかなりの逸材・・・!」グッ
「ダクネス、純真無垢な少女を変態に巻き込むのはやめてくださいね?」
テーブルの方からその様子を見ながらダクネスがモジモジしていた。
「ま、まぁなんだ、その趣味は人それぞれだしな。」
「だから違うと言っているでしょう!?」
声を荒げて喚くヴォルケッタ。が、もはやカズマ達の中でもヴォルケッタのキャラ付けは決まってしまったらしく、生暖かい目で見ている。
そんなこんなしていたら、2階の部屋で薬の調合をしていたローズマリーが降りてきた。
「カズマ帰ってきたのかい?ちょっと話が・・・って、どうしたの?」
「あ~これは・・・。」
デーリッチが状況を伝えると、ローズマリーはやれやれといった様子で言う。
「ヴォルちんのお祖父さんは高名な魔法使いで、ヴォルちんにとっては師匠にもなるからね。尊敬しない方がおかしいし、あまり茶化すものではないよ。」
ローズマリーがヴォルケッタのフォローに入り、この場を収める。
「ところで、そのアクアが持ってるのはセレブーブー?なんでこんなところに?」
ローズマリーがふと、アクアが手にしていた見覚えのあるブタのキーホルダーに気付いてたずねる。
「ウィズの店で買ってきたんだ。ミアラージュがハグレ王国で売っていたやつを冒険者用に改造したらしい。名前はセレブーブーまあくⅡだって。」
ローズマリーはアクアからセレブーブーを受け取って、ジーっと見ながら、ハッと何かを思い付いたような顔をすると、カズマに問いかけた。
「へぇ~、改造したってことは値段もけっこう張ったんじゃない?この商品はたかいぞう(、、、、、)なんちゃって。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「ん?どうしたのみんな?あれ?今の寒かったかな・・・。」
ローズマリーが皆の反応に戸惑っていると、おもむろにデーリッチがガタガタと椅子を持っきた。いつの間にか羽衣を装着したアクアがその椅子の上に立つ。両手をやや広げたその姿はアクシズ教会で奉られている神像さながら、この世の全てを受け入れ、許すと言わんばかりの神々しさであった。
デーリッチとヅッチー、ヴォルケッタが、アクアの前で手を組み、祈りを捧げるようにしてひざまづき、告白する。救われない友を救う為、神に祈る。
「女神様、ローズマリーのダジャレが寒い件ですが・・・。」
「なんか始まった!?」
「ダイヤモンドアース・・・、今ローズマリーさんが放った魔法の名前です。これは、かつて冬の女神すらも凍てつかせた禁断の魔法。このままではローズマリーさんのダジャレで世界は氷河期を迎えてしまうでしょう・・・。」
「やっぱり・・・!」
「やっぱりってなんだよ!てか、この展開見たことあるんだけど!?」
「女神様、ローズマリーの、ダジャレセンスの無さは医学では治せませんでした。どうか女神様のお力で、ローズマリーを救ってあげてください!」
「残念ながら・・・、神の力の及ぶ範囲では・・・。」
「そんな・・・!」
「えっ、神様でも無理ってショックなんだけど。」
「じゃ、じゃあ、ローズマリーは・・・!今後何十年もダジャレを言うたびに、傷つかないといけないんでちか!?お願いです、女神様!ローズマリーはとても良いやつなんです!ダジャレが寒いことを除けば、本当に良いやつなんです!」
「強調すんな。」
「うわ~ん!!」
「気をしっかり持ってください、デーリッチさん。水の女神アクアは罪を悔い、許しを請う者を拒みません。たとえローズマリーさんのダジャレが神をも凍らせる寒さでもその罪を許します。」
「えっ?ダジャレが寒いのって罪なの?」
「でも・・・、許されるだけじゃあローズマリーは救われないでち・・・!」
「これから何十年先の未来、ローズマリーさんのダジャレ寒い寒い病が緩和するか、悪化して世界を凍らせるか、それは神にすら分からないのです。ならば今だけでも、共に、笑いましょう。たとえ、ダジャレが寒かったって、それを超える愛が胸にあれば微笑むことが出来ます。その愛が、温もりが、皆の暖かい心が1つになるとき、永久凍土よりも凍りついた寒いダジャレは救われるのです・・・!!」
「女神様・・・!!」
「っというわけで、ローズマリー。悪いんだけど、今のダジャレ、もっかい言ってくれるでち?」
「無茶振りが過ぎるわッ!!」
ちなみにこの後、夕飯にお呼ばれしたゆんゆんが再び女神様に祈ることになりました。
無限ループって(ry
ローズマリーはやればできる。できる子なのだから。
ダジャレが寒くてもそれはローズマリーのせいじゃない、誰も笑ってくれないのは世間が悪い。
寒いのが嫌なら言わなければいい。言わぬが花という言葉があるのだから。
迷った末に言ったダジャレはどちらを選んでも後悔するもの。どうせ後悔するのなら今は笑える方を選びなさい。
汝老後を恐れるなかれ。貴方が将来笑っているかそれは神ですらわからない。ならば今だけでも笑っていなさい。
エリスの胸はパット入り。