ヘスティアファミリアが最強になるのは間違ってるのだろうか 作:アンキルン
「不味ったな、かなりヤバいかも」
ダンジョンに入り暫くした所で、俺の探知に引っかかった気配に危機感を覚える
(さて、どうしたものか・・・近いのはたぶんミノタウルス、離れたところにいくつか集まってるのと、問題は、このめちゃくちゃ強そうな殺気というか闘気みたいなのだ、選択を間違えば誰かが死ぬ、ゲートで逃げるのも不味いだろうな、どう考えてもあの粘着女神からのプレゼントだ、逃げたら次何してくるか分かったもんじゃない)
「どうしたんですか?マフィ様」
(仕方ないな、各個撃破・・いや危険すぎるか?俺が粘着女神ならどう考える?
・・・やっぱ各個撃破は危険だな、ったく何てもんをプレゼントしてきやがる)
「顔色悪いけど大丈夫マフィ君?」
「悪い最悪の状況だ、化け物2匹とモンスターPTが待ち構えている、しかも逃げられる感じじゃない、各自に分散してこれを対処する」
「何でですか?!各個撃破していくのがセオリーじゃないんですか?」
「頼む俺の指示に従ってくれ、後でいくらでも聞いてやるから、ベル君はこの先からゆっくりと近寄って来てるモンスターを1人で倒せ、りりはこの先の通路を右に進んだ先に広場がある、1匹たりともベル君の戦ってる場所へモンスターを行かせるな絶対だ!何が何でも食い止めろ、俺は最悪の奴を食い止める」
「最悪って何ですか?」
「この状況を作った奴だよ、この戦いはベル君がミノタウルスに勝ったら勝利だ!分かったな?ベル君がミノタウルスを倒したら全員ベル君の元へ集合だいいな?」
「はいマフィ様」
「待って、ミノタウルスって本当なの?」
「本当だ、因縁の対決に勝て、それも出来るだけ早くだ、俺達が食い止めていられる時間も限られている」
「むっ無理だよマフィ君!」
「もう来たようだぜベル君、俺達の命ベル君に預ける頼んだぞ!」
話している間に再度全員にフルバッフを行い、各自移動を開始する
「りり全部倒そうと思うな、行こうとしてる奴優先だ、分かったな?わかったら行け!」
「はい!」
ミノタウルスを横目に、りりは指示された場所へ向かう、俺も自分の向かうべき場所へ向かう
「このクソみたいな状況アンタなんだろ?」
「ほぉ?よく俺が居る事に気が付いたな」
人の話を聞かない系か?このたぬきみみ?のおっさんは可愛くなさすぎるぞ!
「俺アンタに会った事無いんですけど、何か悪い事でもしましたかね?」
「・・・・俺の都合だ」
ったく粘着女神の差し金なのは分かってんだ!って言うと激情しかねないから黙っておくけど
コイツはおそらくは粘着ファミリアの精鋭、それもトップクラスの強さだという事がビンビン伝わって来る
「自分ヘスティアファミリア所属のマフィって言います、失礼ですがどちら様でしょうか?」
「・・・オッタルだ」
こうして話しているだけで、息が詰まる、、喉がカラカラだ・・ちっ!
『ベル!魔法は切り札に使え!装甲が厚過ぎて無駄だ!』
突然の大声にダンジョン全体が震えるほどの反響を響かせる
「ほぉ~俺を前にして、奴の状況を把握するとは貴様何者だ?」
「だからヘスティアファミリアのマフィっす、家名はありません」
ホント人の話を聞かない人だな、唯我独尊系か?
色々どうにか時間を稼ぐ方法を模索していると、オッタルは武器を構える
「遊んでやる来い!」
「そういう親切要らないんですがねぇ」
俺も武器を構え、相手を見据える・・・このまま時間稼ぎをしても相手がいつ来てもおかしくない感じだ、次に話しかけたら来る!ならばこっちから行くのみ!
「ったく会話は知能ある生物の基本なのに!」
俺は足に魔力を噴射させて一気に相手に突き刺すが、相手の剣で軽くいなされる、そんなのは何度もヤラレてんだよ!
今度は体勢を崩したふりをして肘から魔力を噴射させて突きをするが、やはり軽くいなされてしまう
「少しくらい驚いてくれたっていいのに!」
槍を使ってバックステップした後、槍をしならせ再び突進する
「いや、これでも驚いてるぞ、今のはなんだ?」
「言う訳ないじゃないっすか!」
今度は弾幕を緩急つけながら攻撃していく、当然の様にいなされていく俺の攻撃
『りり!右!!』
「器用な事をする、その大声はなんだ?」
「気にしないでいいっすよ、弱者の遠吠えっすから」
「本当に楽しませてくれるな貴様!」
(ったくもう少し弾幕で遊んでくれよ!!)
オッタルは、俺の弾幕の1つを大きく振り払い、出来てしまった俺の隙を大剣でいっきに切りつけに来る
体勢を壁に付けた魔力で引っ張り移動してどうにか、かわす事が出来たがギリギリだ
まだ戦いが始まったばかりだというのに、もう息が切れ始めてるのを考えると、訓練と命を賭けた戦いの差ってのはこうも違うのかと思いながら距離をとって息を整えようとするが、オッタルはそれを許さない
(格上なんだから、少しは手加減しろっての!)
相手のlvとか分からないが、どうみても今までの見て来た人達とは全く違う性質の敵に、本気で生きて帰れない気がして来たが、オッタルの攻撃をどうにか受け流して再び距離を取る
「逃げてばかりなのか?」
「はぁはぁはぁはぁ・・・『べる!避け方が雑になって来てる、集中しやがれ!』」
「俺を前にしてまだ余裕があると見える」
「・・・そう見えるなら貴方の目は節穴っすよ」
「息が整ったな」
そう言うとオッタルは、とんでもないスピードで加速し一気に距離を詰めて切りつけて来る、魔力を受け流す方へ集めてどうにか受け流す事に成功するが、それでも腕が痺れて来る
躱したその先からオッタルの連打が来る、1発1発が重い、受ける度に体全体が悲鳴を上げる
どうにか距離を取ろうにも、距離を取るたびに即座に距離を詰められてしまう
このままでは俺の死亡時刻は時間の問題だ、恐れるな!攻撃は最大の防御!そう自分に何度も言い聞かせて、相手の攻撃を受け流しながらタイミングを計る、どうやら緩急をつけた攻撃では無い事を再認識しタイミングを合わせて一気に武器を受けた瞬間に受けた威力を乗せてカウンターを繰り出す
オッタルは攻撃する時に大きく動かず最小の動きで攻撃していた為、見切られてしまい逆にカウンターを貰う事に
ぎりぎり刃を防具で防いだ為、傷は浅くて済んだが、防具はずり落ちてしまう
ぶらぶらと取れかけの防具をなびかせながら距離をとって邪魔な壊れた防具を外し、再び槍を構えると、応援と思われる数名が近寄って来てるのを察知
「オッタルさん聞きたいのですが、この企画にゲストの予定はありますか?」
「・・・・ないな」
「そうですか、少し待ってもらえません?お互いの為に」
「・・・邪魔が来たのか?」
「はい、この気配は知ってる気配ですのでゲスト出演は遠慮してもらいます、オッタルさんも、その方がいいのでしょ?」
戦いながら感じたのだが、こいつは最初から邪魔が来た時に備えていただけ、とんだ道化師を演じたみたいだ、自分の選択ミスが他の2人に多大な影響を出してしまった事に後悔するも、悔やむことはない
「そうだな」
アイズが、ベル君を庇い剣を構えたのが分かる、ベル君が彼女を払いのけたのを確認して
『ロキファミリアの皆さん、手出ししないでください!主に俺の命がかかってますので!』
俺の大声に反応してきょろきょろしている、1人は俺の位置に向かって来てる、これで下手な手出しはしないだろう
「どうやら思いとどまったようです、このまま俺達も、お開きにしてくれると大変助かるのですが」
「ふん、ロキの奴らか何故黙って助けを受けない?」
「この勝負はベル君が、ミノタウロスを撃破したら勝ちです、その間に戦いの邪魔が入ったら俺達の負け、俺がここに来たのは本来ベル君の邪魔をさせない為です、貴方の目的が、俺と同じと分かった時に話し合いで解決したかったんですけどね」
「そういう事なら、このゲーム俺がミノタウルスの所へ行けば勝って話だな」ニヤリ
「そういうの本当に辞めて貰えません?」
「そう言うな、面白くなってきたところなんだ、付き合えよ!」
オッタルの攻撃が再開される、ったくこの人は!!
遊びで人を本気で殺しに来るとかホント迷惑なんですけど!!
オッタルの攻撃は激しさを増し、傷が次々に増えていく、どうにか受け流してカウンターをするが全然かすりもしない
血が目に入り視力も奪われ目を閉じて戦うしかなくなり、腕も上がらなくなってくるが攻撃が止むことは無い
攻撃が静かに感じる、死が近いんだろう・・・
何かが俺の中で弾けた・・
(あ~わりーな相棒、耐えられるギリギリで頼む、そうだな相棒分かってるよ)
【魔装】
オッタルの一瞬の怯みに一気に近寄り突き刺す、今度は刺さったらしいな
再びオッタルの攻撃が来るのが分かる、カウンターで一閃
オッタルの呼吸・・ベル君の覇気・・・りりもシロも頑張ってるのが分かる、どうやら俺達の所にもギャラリーが1人到着した様だ、これは性悪だな
再びオッタルの攻撃が来るが、避けなくても、なぜか分かる性悪が間に入るって
その隙は致命的だぞオッタル、俺はすかさずオッタルの武器の付け根めがけて突きを食らわせてやる、思った通り武器は粉々だ、ざまーみやがれ!
「俺の勝ちだなオッタル、このゲーム獲物が無ければ、向かった所で無駄だ違うか?」
「そうだな、また今度遊んでやる」
「そういうの本当に迷惑なんで遠慮します」
オッタルの闘気が消えるのを感じ、俺も武器を下げる
「そこに居るのは性悪団長ですね?」
「マフィ君、目が?今すぐに回復してやる」
「少し待ってください、勝負はまだついてません仲間がまだ戦ってます」
「分かった」
俺は武器を地面にぶっ刺して体を支えると、戦いの行方を見守ると共に動けるだけの体力を戻す為留まった
『りりあと少しだ!シロ必ず主人を守れ!ベル戦いは終盤戦だ!最後まで気を抜くな!』
ベルがミノタウルスの腕に大ダメージを与える、ミノの手から武器がこぼれ落ちた
『ベルその武器を使え!』
俺に言われ視線を合わせることなく攻撃をかわした隙に相手の獲物を奪い、攻撃を仕掛ける、ここまでこれば戦いの終わり時は近い
『りり撤退準備をしろ!勝利は近い!』
リリの方は、徐々に敵の数が減っている、オッタルと言う枷がはずれた事による影響はない、ならば行ける!
ベルが勝負を決めに行く、奴は冷静だならアドバイスは要らん、後はベル君の思うように戦わせるだけだ
相手のみぞおちにヘスティアナイフが突き刺さる、ミノの急所には届いてない、声をだすのを辞めたのも関わらず、それを堪えきれず
『ベル!そこだ!決めやがれ!ひねり出せ!全部打ち尽くせええええ!!!』
ミノがファイアボルトの連射により内部爆発を起こして、ミノが消えた事を確認
『リリ撤退だ、ベルの元へ戻れ、シロは主人をうまく逃がす助けを!』
警戒を解こうと思った矢先、ロキファミリアの1人がベル君の背中を覗こうとしてるので
『ロキファミリアの皆さん覗きは感心しません、性悪団長に言いつけますよ』
りりが安全県内に入ったのを確認し
『完全勝利だ!てめーら!よくやったーーーっ!愛してるぜてめーーら!!ちくっしょーーどんな言葉を使えばいい分からんねーーよ!!!』
俺の目は湧き上がる涙が止まることなく、いいようのない喜びが湧き上がってくる
俺は、ほんの少し回復した体力を使って、ゆっくりと槍を使ってベルの元へ戻る
「はははは・・・ぶっっはっはははは」
「もう何がおかしいんですかマフィ様、あははっはははっ」
「ったく帰るまでが遠足だぞって無理かな」
「ベル様おつかれさまです」
俺はマインドアウトで気絶してるベルに残ってる魔力の半分を渡し、ベルを担ごうとすると
「君さ~ズタボロな上に目だって見えてないんでしょ?回復してあげるから座りなよ」
「零細なんで回復薬とか返せないし気持ちだけ頂きます」
「マフィ君、観戦料だ素直に受け取ってくれ」
「・・・はい、分かりました、ありがとうございます」
俺は腰を下ろして、素直に好意を受け取って回復してもらう、実は血が抜けすぎて意識が結構ヤバイ
「りり大丈夫か?シロ最高の働きだったぞ、こっちこい」
俺はフェンリルのシロをなでなでしてあげる、もふもふ癒される~
「マフィ様が一番危険なんじゃないんですか?その傷めちゃくちゃ深いですよ」
「体は止血してもらったから大丈夫、目の方は眼球には届いてないよマブタ付近を切られて途中で血が入って見えなかっただけさ」
「それにしてもマフィ様の大声すごかったです、あれ無かったらりり死んじゃってましたよ、マフィ様ありがとうございました」
「改めてそう言われると照れるもんだな、俺の方こそ詳しい説明も無しに信じてくれてありがとうりり」
「ロキファミリアの皆さん、つまらない雑魚の戦う演目だったのに回復とかありがとうございました」
「全然そんな事無かったよ、彼すごかったんだからアルゴノートみたいだった、あんなの始めて見たよ」
「マフィ君、貴方は何と戦ってたのだ?」
「この演目の主催者ですよ、オッタルって名乗ってたかな、いや~めちゃくちゃ強いし、本気で死を感じる時って静かなんですね」
「「「「なっ!」」」」
「ほえ?知り合いっすか?」
「君は知らないの?」
「はっははは、そうかマフィ君は知らずに戦ってたのか、ボクは知ってるのかと思ってたよ、奴はオラリオ最強のLv7だよ」
「まじっすか、俺良く生きて帰ってこれましたね」
「団長マフィ君の言ってる事本当なのですか?」
「ああ本当だとも、あのオッタルを、たった1人で退けたのを見届けたからね」
「うそだろおい!テメーが手を貸したんだろ?」
「ボクがそんな嘘ついてどうするんだい、彼らの戦いの勝利条件は、彼がミノタウロスを倒すまで邪魔を排除する事、そして彼はそれを完璧な采配で勝利したのさ、あんな采配、僕は見た事も聞いた事も無かったよ、オッタルと戦いながら他2人の状況を完全に把握して指示を出す、アレを見れただけで回復程度では申し訳ないほどさ、君達をダンジョンの外まで送る手伝いくらいはさせて貰わないとね」
この日、ベル君もLv2にとなった