黒歴典〜悶えながら頑張る人〜   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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お久しぶりです


第十四頁、いやいやいやいや、違いますって

「なのはの友達のアリサ・バニングスです」

 

「あ、あの、な、なのはの友達のちゅきむらです!!」

 

空気が、凍った。

 

と、そんな自己紹介を受けているのは『自称』常識人こと御門三鷹ですが…………ってなにいきなり入ってきてるんですか世神じいちゃん!!

 

『え、事実だから……』

 

そんなわけないです『なんでなの?!マジシャンさん』おいコラジジイ、表出ろや。

 

『てなわけで、なんで三鷹の坊主がこんなところにいるかというと、

 

 ・なのはちゃんの友達が悩んでいることがある。

 ・え、それだったら私いい人知ってるよ(byなのは)

 ・次みんなで遊ぶ時呼ぶか?

 ・三鷹坊主頼まれ

 ・グッヘッヘ、幼女がいっぱいだぁじゅるり

 

 はい!!(ドヤァァァァぁぁぁぁぁ』

 

…………はぁ……………

 

とりあえず言っておきましょう。

 

全然ちゃうよ、ちゃうからね。

 

「あはは…………ごめんね御門さん。

 で、今日相談ある、っていうのが「私なんだけど」アリサちゃんなんだ」

 

私の思考は現実に戻されます。

 

そういえば、よくよく見ると、派手な髪の色してますねぇ。

 

バニングスちゃん…………いや、これは、なんとも言えない組み合わせですね……。

ま、まぁ仕切り直しで、アリサちゃんは見事な金髪、ちゅきむら……いや、すずかちゃんに至っては紫色の髪とは、私めちゃくちゃ驚きましたよ、えぇ。

 

「それで、悩みとはなんですか?

 もちろん、私に答えられる範囲でですけどね」

 

私は笑顔を作りながら答える。

やっぱり初見の人に笑顔は欠かせないですね、最初の印象大事です。

 

「えっと……」

 

急にアリサちゃんが言い淀む。

私はここで余計な思考が働いてしまい、なんとなくこの先の展開を読もうとしてしまっていた。

 

ま、まさか恋愛相談とかなんじゃ……。

 

私は前世含め恋愛経験ゼロです。

そりゃ、今までの人生相談の中には微笑ましい恋愛相談はありましたよ。

 

でもそれはあくまで小学生の話。

 

なんとか私の話術でしのげてきてましたけど。

 

また頑張らなきゃいけないのですか……はぁ。

 

「お父さんへのプレゼントってなににしたらいいのかな?」

 

結構小さめの声で聞き取りずらかったけど、言いました、確かに言いました。

 

プレゼントを何にしたらいいのか、と。

 

今までため息とか吐きながら相談内容を予測していた自分を今はぶん殴ってやりたい勢いです。

 

ほんとこの頃、自分が厨二脳に侵されてきているのが分かります。

 

ちょっと自重しましょうね。

 

「え、えっと、そういうのは心を込めて送れば、きっと喜んでもらえるんじゃないんですか?」

 

少し言い淀んだが、無難な答えを返します。

 

だけど、この年頃だと、きっと…………

 

「そんなの分かっ「なら、周りの人にそれとなく聞いてみるのはどうでしょうか」…………え?」

 

そう、この年頃の子はこういうのに悩む。

すごく悩む。

 

まぁ、今までの経験則なんですけどね。

 

人生相談の時ありましたよ、何回か。

 

最初は私もどうすればいいか困っていたんですけど、何回かやっているうちに慣れてきましたね。

 

「で、でも、頑張ってるの知られたくないし……」

 

あー、そういうタイプの子ですか。

まぁ、そういう時は、

 

「なら、今お父さんの持っていないものをプレゼントするのはどうでしょう?

 しかも、買うものではなく、作るもの、とかどうでしょう?」

 

まぁ、親もあまりに酷くない限り子供からもらったもので喜ばないはずがないですから。

 

「そうね、そうしようかな。

 あの、後は自分で考えたいんで、ありがとうございました」

 

アリサちゃんは私に頭を下げる。

 

その後、アリサちゃんは訝しげに僕の方を見て、

 

「でもなんか、違和感あるのよね。

 年上と話してる感じはするのに、なんだろう…………おじいちゃんと話してるみたいな……そんな感じがするんだけど」

 

と、結構的確に当てられます。

すると、なのはちゃんも確かにそうかもなぁ、という視線でこちらを観察してきます。

 

そんな視線に私は耐えきれなくなり、

 

「いやいやいやいや、違いますって」

 

「なんで拒否するんですかそこで」

 

と、すずかちゃんに笑われてしまいました。

子供の勘って、鋭いものなんですね。

 

そんな風にしみじみしていると、

 

「きゅきゅ!!」

 

なのはちゃんのフェレットが走り出しました。

 

……あ、そういえば、あのフェレット、魔法が使えて喋れる万能フェレットなんでしたっけ?

 

「ア、マッテー」

 

となのはちゃんは棒読みでそんなことを言いながら椅子から立ち上がり、フェレットの後を追っていきます。

 

そのさい、僕のことをちらりと見たのは当然ですけど。

 

やっぱり石関係ですか。

 

「私たちも!!」

 

とすずかちゃんも立ち上がり、後を追おうとするが、

 

「あんまりみんなで行くのも迷子になっちゃうからやめておこう」

 

そう、私たちは今、外で話していたのです。

そしてフェレットさんが行った先は林があります。

でも、いかんせん規模がおかしいのです。

 

ここはすずかちゃんの家なんですが、なんとすずかちゃんの家はお金持ちのようで、家という範囲に収まっていないんです。

 

よって、この林もそれなりに規模があるわけで。

 

「ここは私だけがいきますよ」

 

余計に迷子を増やしても面倒臭いので、私だけが行くことにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、やっぱりですか……」

 

私は案の定迷ってしまいました。

 

なんとなくこっちに行った、という感じで追ったのがやっぱりいけなかったんでしょう。

 

そんなことを思っていると。

 

 

 

辺りが灰色に包まれる。

 

 

 

「これは……」

 

私はとっさに世神じいちゃんからもらった御都合主義結界を思い出します。

 

あれ、任意で発動できないんですよね。

 

ってことで一度、世神じいちゃんに行って発動させてもらったとき、こんな感じになったのが記憶に新しいです。

 

「ということは……」

 

戦闘が起こっているんですか。

 

そう思った瞬間、左手から光の柱が上がりました。

 

上を見てみると、コスプ……じゃなくて変身したなのはちゃん。

そしてそれに相対しているのは黒いやけに露出度が高い少女です。

 

もう逃げましょうか……

 

結界とかなんとか言ってますけどもう限界ですね。

 

トンズラしましょうそうしましょう。

 

私は反転して帰ろうとしましたが、

 

 

ドォン!!

 

という大きな音とともになのはちゃんが撃墜されてしまいました。

 

…………え?

 

なのはちゃんは、主人公、なんですよね?

 

きっと私は心の中で安心していたのでしょう。

 

主人公だから負けないのだと。

 

でも、

 

負けないんじゃないんですか?

 

だけど現に今、気を失って落ちていっています。

 

私は、力があるのに、手が届くのに、守れなかったんですか?

 

腹の底に感じる、嫌な感じがします。

 

これを、人は怒りと言います。

 

だけど、今ここでその力を振るうのならば、私は化物になってしまうでしょう。

 

だけど、私は化物なんかにならない。

 

あくまで私は常識人()なのですから

 

「我は(くう)を駆け抜ける」

 

翔ける者(ダッシュ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年は空を駆け抜け、落ちていくなのはをお姫様抱っこで受け止める。

 

一方、今まで少年の気配に気づくことのできなかった黒い少女は驚きを隠せずにいる。

 

そんな中、少年はなのはを地面まで降り、そっと下ろす。

 

「あなたは、誰?」

 

抑揚のない声。

 

「…………」

 

「あなたも、ジュエルシードを狙っているの?」

 

答えない少年に対して、少女は質問を重ねる。

 

そして、

 

「…………はぁ。

 そうだよ、失敗は次の成功の糧にすればいえんですよ。

 死んでいないんだ、まだ取り返しがつきますしね。

 僕が怒るのはただの自己満足ですね」

 

少年はひとりでに語っていく。

 

一方、少女の方は少年が何もしてこないと分かり始めたため、逃げようとしていた。

 

だけど、

 

「それと、あなたたちには、こういう言葉を贈りましょう。

 急いては事を仕損じる。

 急いでいていいことはあまりないのですよ」

 

まるで、見透かしたような、そんなセリフだった。

 

そして、少女たちは恐怖する。

 

少年から発せられる、年長者のような威圧に。

 

だから、

 

「…………」

 

少女は何も言わずに杖を振るう。

 

そこから発せられるのは雷。

 

まっすぐと少年へと吸い寄せられたそれは、

 

 

少女の元へと返っていった。

 

 

「!!」

 

少女は驚くが、その頃にはもう準備してあった転移が完了し、そこから姿を消す。

 

その直前、少女は確かにこういった。

 

「あなたは、危険」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の新たな人生の十四頁、『幼女でウハウハでした』そんなわけ…………ハッ!!




次回『第十五頁、実はな…………」
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