黒歴典〜悶えながら頑張る人〜   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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奇跡です。
連投できました。


第十七頁、ショウ

私はまず状況の把握に努めます。

 

そうしないと落ち着いていられないし、何をしなければいかないのか分からないからです。

 

だってあんな石ころから巨大な光の柱ですよ!!

 

なんか強そうじゃないですか!!

 

私も一応魔力を感じ取ることができるらしいんですが、面倒臭かったので、あえてできない状態にしておいたんですが、これはキますね。

 

ヤクじゃないですよ。

 

なんか、こう、威圧感的な何かがすごいんですよ。

 

そして、パッと見た感じの状況としては、あまり望ましい状況ではないようです。

 

なのはちゃんと前にあった黒い少女は地面に倒れていました。

 

そしてその側にはそれぞれ動物がいました。

 

なのはちゃんには例のフェレット。

 

黒い少女には少し大きめの犬が。

 

二人とも必死こいて名前を呼んでいます。

 

そして、杉岡に至っては全身満身創痍で地面に転がっていました。

 

杉岡はムカつく野郎ですが、一応後で治してあげましょう。

 

そこで私は走り出します。

 

 

あの石の元へと。

 

見た感じ全員死んではいないようなので、後で絶対助けるとして、今一番の危険はやっぱりあの石です。

 

若干光が強くなってるのもありますが、やっぱりこの嫌な感覚は取り払っておきたいです。

 

私はあと石まで50メートルというところで、詠唱を始めます。

 

標的の設定、

 

「眼前の矮小な石よ」

 

節稼ぎ、

 

「その身にあまりし不浄を抱え」

 

節稼ぎ、

 

「幾多を傷つけるのならば」

 

節稼ぎ、

 

「我も神も、それを赦さぬ」

 

内容の設定、

 

「傷つけるのなら傷つけ返す」

 

詳細として、

 

「数多の刃がその身を襲う」

 

節追加、

 

「壊れよ、石ころ風情が」

 

その時にはちょうど私は石の目の前にいます。

 

そして、石に手をかざし、

 

ディストラクション(破壊)

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガカ!!

 

うるさく鳴り響く攻撃。

 

私は少し下がって様子を見ます。

 

攻撃によって上がった土煙が、晴れ、そこにあったのは…………

 

 

「やっぱりですか…………」

 

 

あの石でした。

 

近くに来て、薄々気づいていたんですよね。

あの石は風船みたいな物なのだと。

 

あの石の中にはきっと、もっと多量の、私みたいな魔力をあまり感じ取ることができないものでも、恐怖を感じるほどの魔力が詰まっているのですね。

 

 

そして、今私が破壊したのは、そこから漏れ出した魔力のみ(・・)なんでしょう。

 

その証拠に、石から上がっていた光の柱は消えていました。

 

「片をつけないと、ですね」

 

多分今の攻撃で爆発しそうだったのは少しは抑えられましたが、それも時間の問題。

 

なら、

 

「紡ごう!!我が言葉を!!」

 

消し去るまでです。

 

「その形は刀を模す」

 

「だが刀と呼べるものではない」

 

「柄もなく、鍔もなく」

 

「ただ刃のみで彩られている」

 

「宿られし字は”ショウ”」

 

「その刀は燃え盛り」

 

「振るえば消え去ってしまう」

 

「だが、その刀は一度だけ万物をも消し去る力を持つ」

 

「あたかも役目を終えた英雄のように」

 

「まるで、悲しみの涙のように」

 

「それは、燃え尽きる前のロウソクのごとく」

 

「やはりそれは消し尽くす」

 

「人をも、万物をも、神でさえも」

 

「刃の前には何事も無力」

 

「抗うことも、祈ることも」

 

「だからせめて、この刀を振るう前に、私は祈ろう」

 

そこで、私の目に飛び込んだのは、石に近づく黒い少女。

 

まずいです!!

 

今の詠唱だと黒い少女も消え去る可能性が…………

 

いや、なら…………

 

 

詠唱を都合よく切り替えるまでです!!

 

「祈りは望んだもののみを消す」

 

「消されるものの祈りは届かず」

 

「消すものの祈りは届く」

 

だめだ、これじゃあ弱い。

 

まだ黒い少女を消してしまうかもしれない……

 

でも、これ以上の詠唱は、間に合わない…………

 

 

だめ………………なんですか?

 

黒い少女は手を伸ばす。

 

あの()へと。

 

 

「石のみを消せ」

 

「ショウ」

 

私は、手に現れた、刀を、振るいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ…………」

 

「大丈夫か?!なのは?!」

 

起きたての私の耳をついたのは、ユーノ君の声。

 

うるさいなぁ、まだ寝てたいんだよ。

 

そんなセリフを言いそうになったけど、私はすぐに現実に引き戻された。

 

そして、どんどん記憶が戻っていく。

 

やっと見つけたジュエルシード。

そこにいたのはこの前会った黒い服の少女。

 

私たちは戦って。

 

あの子は名前を教えてくれて。

 

そして、私は最後の最後で特大の一発を決めた。

 

けど、そこで私は限界だった。

 

だけど、私は落ちる最中に見た。

 

巨大な光の柱をあげるジュエルシードを。

 

「っ!!そうだ!!ジュエルシードは?!」

 

すぐに起き上がった私の視界にあったのは、さっきよりも魔力の量が減ったジュエルシードと、

 

「三鷹…………さん?」

 

辛うじて出た声。

そう、そこには三鷹さんがいた。

 

だが、三鷹さんはいつになく真剣な顔をして、手を合わせて、何か口にしている。

 

「人をも、万物をも、神でさえも」

 

「刃の前には何事も無力」

 

そこで私は気付きました。

 

フェイト……ちゃん?

 

フェイトちゃんはボロボロの体でジュエルシードの元へと向かう。

 

「っ………………!!」

 

もう、声すら出なかった。

それくらい、私は疲弊していた。

ユーノ君は、私を起こした後、安心して気絶してしまっている。

 

「抗うことも、祈ることも」

 

私は、抗えなかった。

フェイトちゃんを救うために。

 

「だからせめて、この刀を振るう前に、私は祈ろう」

 

ここで三鷹さんも気づいたようだ。

 

私は、祈った。

 

どこかにいるかもわからない神様に。

 

でも、きっと三鷹さんならどうにかしてくれる、そんな気がする。

 

だって、三鷹さん、諦めてないもん。

 

「祈りは望んだもののみを消す」

 

「消されるものの祈りは届かず」

 

「消すものの祈りは届く」

 

そこで、フェイトちゃんは手を伸ばした。

 

ジュエルシード()に。

 

そこで、私は見ていなかった。

 

いや、後から思えば見るのが余計なのだったと思う。

 

私の視界に入った、

 

三鷹さんの絶望に歪んだ顔を。

 

そして、

 

 

三鷹さんの手に突如現れた燃え盛るナニカが、振るわれた。

 

 

少しの発光。

 

私は思わず目をつむってしまう。

 

そして、目を開けるとそこには、

 

虚空に手を伸ばすフェイトちゃんがいた。

 

 

三鷹さんは、やったんだ。

 

やってくれたんだ。

 

私の頬を涙が伝った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「坊主…………」

 

三鷹たちのいる結界に、ある老人がいた。

 

その老人は、そびえ立つビルの一角から、人では見ることすら叶わない距離から三鷹たちを見ていた。

 

その老人は、三鷹を見つめ、声を漏らす。

 

「未来は、少女が消える方に傾いていた」

 

「だが、坊主は変えた」

 

「それはきっと、最後の言葉のおかけじゃ」

 

「だが、あれは本来詠唱にすらならないはず」

 

「なら、なぜなのか」

 

「………………」

 

老人は黙った。

 

そして、

 

「答えは神のみぞ知る」

 

「よく言ったものじゃ」

 

「儂はこんなこと、知っとらんぞ」

 

老人は、消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の新たな人生の第十七頁、厨二病全開でした。

 




意味深な老人(笑)でした。
まぁ、この老人(笑)の言った意味も明らかになるのはかなり後になると思います。

ちなみに、ショウの説明としては、20節以上で架空のものを作れる、という設定を使い、更に一度だけしか使えない、使った後に作ったもの自体が消滅する、という制限をかけたことで、消滅させることをより少ない節数で使うことができました。

まぁ、チートですよね。

一応設定に乗っ取れることができるのなら、デスノートも作成可能ということにしております。

でも、そのためには50節かけないと何人も殺せる仕様にできませんが。

これからもたくさん詠唱できるように励みますので、応援よろしくお願いいたします!!

…………あ、その前に三鷹君の心配しないと……

次回『第十八頁、平和ですねぇ』
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