ぬら孫じゃないの!? 作:パズゥ〜
「鯉影の、未来の奴良組三代目の側近なのだから、私よりも強くないとね?」
「ええ…そうですね。私が弱いと鯉影様の評価に傷をつけることになります。なので、申し訳ありませんが、勝たせていただきます」
どうも、鯉影です。
葛葉お姉ちゃんと澪にドナドナされ、中庭に連れてこられています…どうしてこうなった。
葛葉お姉ちゃんは鉄扇を、澪は薙刀を手にしてにらみ合っている。
いやね?この中庭に向かう間にお互い全力を出し切って戦うことで友情が芽生えるっていうテンプレがあるじゃないですか~僕もそれに期待をしていたんだけど…ダメだわ。
もうね…二人とも
そう、やる気じゃない。
これじゃあ、友情どころではなく死人が出るよこれ!?
「はあああ!!」
「甘いです!!」
台風が中庭に直撃したみたいな轟音と暴風。
一応、審判役な僕は二人の近くにいないといけないわけだけど、しっかりと踏ん張っていないと飛ばされる!?
ちなみに、この中庭は鍛錬場になっていて、常に紅葉祖母様の部下の人が結界を張っていてどんなことをしても壊れないようになっている。
…ん?中庭の端にいる部下の人が僕に向かって何かを言っているな。戦闘音のせいで全く聞こえない…かろうじで口の動きを見て分かるのは…ガ、ガンバッテ?頑張ってください?って!!
助けてくれないの!?僕だけで対処しろと!?無理無理!!
というか、葛葉お姉ちゃんと澪ってこんなに強いの!?
鉄扇と薙刀を激しくぶつけ合いながら近接戦闘しているけど、葛葉お姉ちゃんは戦っているところを見たことが無かったから何とも言えないけど、澪…君って後方支援じゃなかったんだね…
てっきり、鉄鼠の印象が強かったから自分から打って出るようなタイプには思えなかったんだけどな…
「なかなかやるようね!!」
「ありがとうございます。ですが、準備運動みたいなものです」
えっ?
冗談だろう…?
まだまだ序の口っていう事なのかい?
「言うじゃない!!ならこれならどう!!」
葛葉お姉ちゃんはそう言って鉄扇を持っていない左手を前にし、手のひらを澪に向ける。するとこぶし大の火の玉を澪に打ち出した。
「クッ!?」
澪はいきなり自分に向かってくる火の玉に驚いた様子だったが、そこはすぐに冷静になって回避する。
しかし、葛葉お姉ちゃんがしたことに驚いて、ポカンとしていた僕に澪がよけた火の玉が迫って来た!!
「ちょっ!? アッチィ!!」
「あら?ごめんなさいね鯉影。危ないから離れててね?」
しれっとした様子で僕に謝ってきた葛葉お姉ちゃん…危なかった直撃してたら丸焦げコースじゃないか!?
文句でも言おうと葛葉お姉ちゃんに視線を向けると、色とりどりの火の玉が葛葉お姉ちゃんの周りを囲むようにして何個も現れていた。
「それは…」
「どう?綺麗でしょう?これが私の畏。色とりどりの火の玉で相手を燃やす。その様子は花火のよう。それが私の『
葛葉お姉ちゃんは再び左手を澪に向けると周りに待機してある火の玉を一斉に発射した。
「フフフ…踊り狂いなさい!!」
何か、葛葉お姉ちゃんノリノリじゃないか?
「クッ!?数が多い!!」
そう、一つ一つの火の玉は威力はそこまででもない(それでも、当たった地面が焦げるくらいはあるが)が、如何せん数が多い!!一個二個ぐらいならそこまでよけるのに難しくないが、それが十数個来られると途端に難しくなる。
「茨木が言ってたわ!攻撃こそ最大の防御って!相手が反撃させないために、開幕と同時に最大の攻撃で弾幕を張れば相手は手も足も出ないってね!!」
茨木ちゃん…確かに戦いは数が多い方が何事も良いってのは分かるよ?
ド○ル・ザビさんも言ってるからね。「戦いは数だよ兄貴!」って。
でもね、葛葉お姉ちゃんに何でそんなこと教えるかな…
まあ、茨木ちゃんが言っているだけあって、今のところ澪は攻めあぐねているみたいだね。
「火の玉が邪魔で近づけませんね…なら!!」
流石に今のままだと攻撃できないと判断したのか、近接戦をやめて後ろに下がる澪。
「火には水!!これならどうですか!!『
澪の足元から水が湧き出てくる。段々と湧き出てくる水の量が増えていき、それが集まり形になる。
「…龍」
葛葉お姉ちゃんがつぶやくように言ったように、水は5メートルくらいの龍となった。
「葛葉様がお見せいただいたようにこれが私の
そう言って澪は蛟龍を葛葉お姉ちゃんに突進させる。
「無駄よ!!火と水が相性が悪いのはそれが純粋な火と水の話だけ、私の華焔は妖気が混じっている狐火!!水ごときでは消えないわ!!」
葛葉お姉ちゃんも蛟龍を迎え撃つべくこぶし大の火の玉を合体させることで巨大な火の玉を生成し、放った!!
「ええ、これは畏と畏のぶつかり合い。なら、私の蛟龍も純粋な水龍ではありません!!」
ドゴォーーーン!!
火の玉と水の龍の衝突は凄まじい水蒸気爆発が起こる。
ちょっと待って…これはシャレにならんよ!?とっさに近くに待機していた紅葉祖母様の部下の人に庇ってもらわなくちゃ僕、吹き飛ばされてたよ?
辺りは水蒸気のせいで霧のようになっている。
爆発を受けたであろう2人を探してみると、
「なるほど、どうやら口だけじゃないようね澪…」
「まさか蛟龍が防がれるなんて思わなかったです紅葉様」
マジか…二人ともピンピンしてますやん…
流石に無傷とまでとはいかないが、まだまだ二人とも戦える感じじゃないか。
2人とも実力は同じように感じるね。まあ、僕が二人と戦ったらすぐに負ける自信があるね!!うちの女性陣強すぎだから!!
あっでも、今の二人いい感じじゃないかな?最初は殺る気満々だったけど大技をお互いに出したためか、
「…澪あなたが側近として問題ないのは分かったわ。でも!!
…ん?
「…いいでしょう。壁は高ければ高いほど燃えます!!
…はい?
「燃え上がりなさい!『華焔』!!」
「行きなさい!!『蛟龍』!!」
先ほどまでとはいかないが、華焔と蛟龍をぶつけ合う二人。
おい!!何でそうなるの!?
良い感じだったじゃん!?お互いの健闘をたたえ合って仲直りって感じだったじゃん!?
「なかなかしぶといわね…仕留めきれない!」
「こちらこそ、いい加減仕留めたいのですが…」
あぁ…ダメや。
最初に戻っちゃってる…
また、殺る気だよ…二人とも。
「こうなったら、弾幕よ!!弾幕こそ正義!!下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるわ!!」
葛葉お姉ちゃんはじれったくなったのか宣言したように華焔の弾幕を張り始めた。
「なっ!!数が!!」
澪が驚くのも無理はない。華焔の数が最初の時と桁違いに多い!!
三桁に届くんじゃないかと思えるほどの華焔の数。
「こっちの方が私の性格に合っているわね!!フフフ!!さぁ、どうするの澪!!」
何か、葛葉お姉ちゃん…会わないうちに随分とバk、ゴホン!脳きn、ゴホン!!ワイルドになったような…
「鯉影!!」
「は、はい!!」
「何か失礼な事考えていない?」
何故だ!?なぜわかる!?
「いいえ!!全く考えておりません!!」
「…そう。なら、そういうことにしておくわ」
…あぶねぇー。感が良すぎるよ葛葉お姉ちゃん!!
よし!!余計な事は考えない。考えない!!
僕が内心ヒヤヒヤしている間に、試合?はますます激しくなっている。
弾幕を張っている葛葉お姉ちゃんが優勢だったが、徐々にだが澪に攻撃が当たらなくなってきている。
「このっ!!何で当たらないのよ!!」
「無駄ですよ。最初こそ数の多さに驚きましたが、見切りました!!」
「見切ったですって!!」
「ええ!!最初の時と比べ火の玉の数が桁違いに多いですが、そのすべてを操れないようですね?」
「…!?」
「ならば、どうしても火の玉の動きは単調になるもの。後は、発射される瞬間が分かれば回避できます!!」
2人の間では実戦経験だと澪に軍配が上がる。少ない時間で的確に相手の弱点を見極めることは初めて戦う相手に勝つために重要な事だ。
拮抗した状態から、澪の方に勝利の天秤が傾き始めた!!
「では、私も攻めさせていただきます!!」
「!!」
澪はそう言うと、火の玉と火の玉の間を縫って距離を詰めてきた!!
「良い感じに、霧が出ているためわざわざ発生させる必要がなくなり助かりました」
「霧を発生させる…?」
霧って、もしかして…澪!!
「私は蛟と蜃との間に生まれた妖怪!!ならば、畏も二つある!!『霧蛟』!!」
鉄鼠の時の「畏」を発動させる澪。でも、前回とちょっとだけ違うような…?
「鯉影様はお気づきでしょうが、この霧蛟は前とは全く違うものです。前回のは操られていたこともあり、蜃としての能力が増大した結果ああなりましたが、本来では私の霧蛟は蜃の血を半分しか引いていないので、霧の結界を張ることぐらいしかできません」
いや、それでも結界は強力だと思うな…何せ、解除するのに幹部ですら時間がかかったんだからね。
「しかし!!蛟と蜃の畏を一緒に使えばこういうことも出来ます!!」
澪は霧の結界で周囲を覆うと蛟龍を3体出現させ、結界に蛟龍を突撃させる。
自滅か?と思いきや、蛟龍は結界にぶつかると、そのまま反射し勢いよく葛葉お姉ちゃんに突撃する!!
「このっ!!華ほmっ!? 上からも!?」
葛葉お姉ちゃんも迎撃しようとするが、もう1体が葛葉お姉ちゃんの頭上から攻めてきたため、回避する!!
「動きが反射することで読めないわ!!」
「これぞ、蛟龍を結界にぶつけ、跳ね返り、変則的な動きで相手を翻弄し、攻撃する畏の合成技『
トリッキーな攻撃で葛葉お姉ちゃんは回避するものままならない。
華焔で迎撃しようと試みようとするが、先ほど指摘されたように蛟龍の動きについていけず、攻撃が当たらない。
「このっ!!このっ!!当たりなさい!!」
それでも、葛葉お姉ちゃんはあきらめず迎撃しようとするが、
「良いのですか?蛟龍ばかりに気をとられていて、私の事を見ていなくても?」
「っしまった!?」
澪は葛葉お姉ちゃんの懐に入り、袈裟懸けに薙刀を振るう!!
「っ!?この!!」
ギリギリで薙刀を鉄扇で防ぐが、
「両手。塞がりましたね?」
計画通りと言わんばかりの微笑を浮かべた澪は、
「終わりです!」
「しまっ!!」
3体の蛟龍を両手で塞がっている葛葉お姉ちゃんに向けて突撃させる!!
…え?
蛟龍の攻撃を受ける直前に葛葉お姉ちゃんは僅かに笑ったように見えたんだけど…?
「ハァハァ…流石に3体の蛟龍の直撃を受ければ、いくら葛葉様でもひとたまりもないと思うのですが…」
澪はあれだけの大技を放ったため、肩で息をしながら葛葉お姉ちゃんが倒れているであろう所に進んでいく。
あっ僕も一応審判だからついていかないと!!
…でも、大丈夫だよね?いくら澪と言えども気絶するぐらいの手加減は出来たよね?
ちょっとヒヤヒヤしながら土埃が上がっている葛葉お姉ちゃんがいるであろう所を見るが、
「「!?いない!!」」
澪と僕は慌ててキョロキョロと周りを見渡すが、周りには何もなく、いるのは紅葉祖母様の部下の人ぐらい。
これは、逃げたのか?それとも跡形もなく吹き飛んじゃったとか?
イヤないな…あの葛葉お姉ちゃんがそんな簡単に死なんでしょ…
そんなことを考えている中、突然声が聞こえた。
「そんな簡単に私がやられるわけないでしょう?」
葛葉お姉ちゃんの声だ!!
でも、肝心の葛葉お姉ちゃんの姿が見つからない…
「クッ!どこです!!あの攻撃から逃れるなんて!!」
「流石に私が言えたことではないけど、やり過ぎな威力があったわよ? …まあ、
「当たっていれば、ですか?」
「あら?意外と鈍いのね。あなたが蛟と蜃の血を引いているように、私も二つの血を引いている」
「二つ…まさか!?」
「そう…お父様の、ぬらりひょんの血がね?」
そう言って葛葉お姉ちゃんは澪の首元に鉄扇を突き付けて背後に現れた。
凄い…僕の明鏡止水とは比べ物にならないほど洗礼されている!!
「勝負ありかしら?」
葛葉お姉ちゃんは綺麗な笑顔を浮かべて澪を見た。
「ええ、もう私の力は残っていません。私の負けです…」
澪はそう呟くと、手にしていた薙刀を地面に落として手を上に挙げた。
「勝者、奴良葛葉!!」
こうして、色々脱線しまくった試合は終了した。
ちなみに、練習後お互い汗と土埃で汚くなってしまったため、お風呂に二人では入り行ったところ、出てきた時にはすっかり仲良くなっていてしまいには、
「いい?私が一番でその次に澪にしてあげるわ!!」
「ええ、分かりました。今のところは私は二番でいいです」
などという意味深な事を言っていたそうな…
読了ありがとうございました。
今回は投稿までに時間がかかってしまい申し訳ありませんでした!!
最初の頃のように短い間隔で投稿するのは難しいのですが、エタらないように頑張りたいと思います。
それでは次回もお楽しみに~!!