ぬら孫じゃないの!?   作:パズゥ〜

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どうも、遅くなりました…
この話から過去篇ということで、数話書いていきたいと思います!!


過去篇
第16話 羽衣狐 前編


元々妾は、善狐の狐として生まれた。

善狐は人に幸せを呼んだり、山や川などで道に迷った人を助けたりすることで感謝や尊敬の「畏」を得る妖怪。

長い年月を生きることで妖怪の格を上げ、進化していく。

 

 

人と妖の色々なものを見てきた。

 

今では妾の京妖怪の重鎮と言ってもいい酒吞童子に茨木童子。あ奴らは、妾のもとに来る前はそれはそれは悪鬼として人も妖からも畏れられていた。元々鬼の一族は戦いを好む。特に、酒吞童子と茨木童子を中心とした鬼の集団は京の人々を襲い、殺した。当時の人々の酒吞と茨木をどうにかしてほしいという願いは妾のところにも届いておった。

しかし、妾は今ほどの力を持っておらなんだ。せいぜい部下の鬼を一対一でなら倒せるほどしか力が無い妖孤でしかなかった。

 

そんな、ある日。

妾のもとに一人の女子がやって来た。

その者は源頼光と名乗り、京の都で暴れている鬼の討伐に力を貸してほしいと言ってきよった。

先ほども言ったように当時の妾はそこまでの力は無かったため断ったのじゃが、また来ると言って去って行った。

次の日、また次の日。といったように来る日も来る日も妾のところに来ては助力の願いを言ってきた。流石に、何日も来られては妾も次第に妾自身何かできるのではないかと考えるようになってきての?気付けば、頼光殿に「こんな妖孤でも何かできることがあるのか?」などと柄にでもないことを聞いておったわ。そしたらの、鬼たちは京中に潜伏しているため、どこから現れるかわからない。そこであなたには、善狐の力で鬼たちの悪意を感じ取ってほしいと言われてのう。

 

妾たち善狐の妖孤は人に幸せ運ぶ一方で、人や妖の悪意には人?一倍に感じることが出来る。

その力を使って欲しいらしくての。それならば、妾にも出来ると思い。快く承諾したのじゃ。

 

頼光殿は妾の他に4人手下がおった。中でも金時とかいう若武者がおってな、言動に服装が派手での…頼光殿が大層可愛がられておった。妾が引くほどのう…そして、妾たちは協力して鬼を退治していったのじゃ。妾が隠れている鬼どもを見つけ頼光殿たちが鬼たちと戦う。といったような感じでのう。

ついに、酒吞と茨木と戦うことになったのじゃが、ここで思いもよらぬ問題が起こったのじゃ…

 

酒吞童子が金時をえらく気に入ってしまったのじゃ。いわゆる一目ぼれというやつじゃな。

先ほども言ったように、鬼は戦いを好む、そして強いものに惹かれるのじゃ。

当時の金時は酒吞童子を倒せるほど強くは無かったのじゃが、それでも一方的にやられれるというほど弱くもなかったのじゃ。おそらく、酒吞童子は金時の将来性に惚れたんじゃろうのう。実際、金時は酒吞を一人で倒せくらいの強さを手に入れておったからのう。

まあ、惚れたことはこの際置いておくが、ここで問題になったのは金時を猫可愛がりしておった頼光殿じゃ。それはそれは、恐ろしゅうてな…おそらく、妾は後にも先にもあれほど笑顔だけで死ぬと思ったことは無いほどじゃ…しかも妖でないただの人間がじゃぞ?

今思い出しても、恐ろし過ぎて身体が震えるわ!!

 

それから、三日三晩酒吞と頼光殿は戦い続けてのう。最初の頃は、助太刀と考えておったのだが、二日目には両陣営ともあまりの戦いの凄まじさ(鬼たちが荒らした規模の10倍近い被害)に呆れてしまい、2人を除いた妾たちと鬼たちは和睦を勝手に結んで、三日目の朝には酒片手にお互いに戦いの観戦をするほど仲良くなったのじゃ。鬼たちは強さこそが一番だという考えじゃから、妾たちの強さを認めて対等の相手と認めたのじゃ。ようやく酒吞と頼光殿の戦いは終わり、頼光殿の辛勝という形になった。戦いが終わり気が付けば戦っていた二人以外が仲良くしている姿を見て二人とも驚いておったのう…

そういうことがあったためか、頼光殿は酒吞や茨木を殺さずに償いということで京の守護者として働かせるようにしたのじゃ。妾のもとでのう…

 

どうも、妾が思っていた以上に京では妾の事は知れ渡っているようで、妾の名前のもとで酒吞たちを働かせれば、要らぬ軋轢が生まれないことを言われたので渋々じゃが納得したのじゃ…しょうがないじゃろう?あの無機質な笑顔で「よろしいでしょう?」と言われれば断れんのじゃ!!

その時に、妾は人々から「紅狐(くれぎつね)」と呼ばれるようになったのじゃ。

妾の瞳が紅い色をしていたのと、妾が住んでいた場所に大きな楓の木があったことが名の由来らしいのう…

うん?羽衣狐ではなかったのかじゃと?

そうじゃな、妾がそう呼ばれるようになるのはそれからもっと後の事じゃ。

 

 

幾重も歳を重ね、いくつもの季節を過ごす。

そのように、人を助けていくうちに妾は千年という長い時間を生き、天狐(てんこ)呼ばれる妖となった。

天狐は妖孤が千年生きるとなる妖で、実体を持たず霊体に近い存在となる。

霊体に近い存在になると、妾は直接人を助けられなくなった。

そこで、閃いたのは人を依り代として憑依することじゃった。

 

最初の頃は、人に畏れられたが、次第と妾の声に耳を傾ける者も多くなり、次第と妾の依り代となる者が大事にされ巫女と呼ばれるようになった。

人々を病気や災害から守り、時には人に憑依し、お告げを告げ人々を導いたりしていた。また、人と共存を望んでいる妖や存在が弱くそのままだと消えてしまう妖などを保護した。そうして、妾は人や妖たちから「羽衣狐」と呼ばれる存在になった。

 

 

人という衣を羽織り、人と妖を教え導く。それゆえに「羽衣狐」

 

 

その頃からか、人々から妾を祀った「稲荷神社」が建てられ、京の人々に崇められるようになった。また、人との共存を望んでいる妖たちが妾のもとに集まって来た。もちろん、妾自身も同じ志を持つ同士が増えることは嬉しかった。

 

羽衣狐と言われるようになっても妾自身、人と妖を助けることをやめることは無かった。部下たちには、羽衣狐様がわざわざ出向くような必要はありません!!などと言われておったのう…澪の祖母である涼にもよく怒られたものじゃ…

しかし、ダメと言われると行きたくなるものじゃ!!部下たちの目を盗んで、よく人々の生活を見て回ったものじゃ。

 

ある時、河原の近くで蹲っておる一人の男子がおってのう…身投げをしそうで心配になった妾は、霊体の状態で話しかけてみたのじゃ。最初は、誰もいないはずなのに声が聞こえてきたことに動揺しておったのじゃが、妾が羽衣狐だとわかると、ポツリポツリと自身の事についてはしてくれてのう。その男子は人質として家族と離れ離れにされて、一人遠い地で暮らしているらしいのじゃ。その住んでいる所では虐められたり、暴力を振るわれたりしていて、出来ることなら逃げ出したいのじゃが、逃げてしまえば家族が殺されてしまう。どうすることも出来ないその男子は、どうしてこんなに辛いことばかりなのかと嘆いておってな。その男子が気の毒でのう…幼いながら、自分の役目を理解して必死に頑張っておる姿を見て、妾はどうにかしてやろうと思ったのじゃ!!

まずは、男子が人質として過ごしている武家の当主に男子の待遇の改善について脅h、ではなくOHANASHIさせてもらったのじゃ。もちろん一発で了承を貰い。数日後男子のところへ行くと、当主に約束させた通りに男子の待遇が良くなったそうで、何度も泣きながら礼を言ってきたのじゃ。男子と別れる時に、どんなに辛くても耐え忍ぶことは大切じゃということと、いつかお主のようなものは大成する。それまで、奢らず、謙虚に、初心を忘れずに頑張ることを伝えた。その後、その男子、竹千代は名を元信、元康、そして家康と変え、幕府というものを立ち上げおったわ!!あ奴は死ぬまで、妾のところに来ては毎年毎年感謝の言葉を言いに来てくれていたのう…

 

家康のことがあったためか、妾が目をかけた者は後々に大成するという言い伝えが出来てしまい、多くの人々が妾のところに訪れるようになったのじゃ…

まあ、大変じゃったが、今思えば賑やかで楽しかったのう…

 

 

 

そんな、日々を過ごしている内にあの時が訪れたのじゃ…




読了ありがとうございました。

今回は奴良紅葉の生い立ちみたいなものの前編となりました。
次回もお楽しみに~!!
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