ぬら孫じゃないの!?   作:パズゥ〜

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どうも、連日投稿2日目です!!

それでは、お楽しみください!!


第18話 異変

side 鬼童丸

 

そろそろ、幸殿の体が限界が来る頃だろうと思い、羽衣狐様の部屋に来たのだが、入れ違いで部屋から出てきた飛禅と話をすると、文を読むことに集中していてこちらの声に気が付けぬらしい。

まだ時間まで余裕があるため、羽衣狐様がいつでも読み終わり一息つけるように、侍女に言って茶を用意してもらうことにしよう。

 

侍女に茶を頼み、少しすると運ばれてきた。礼を言い、私から背を向けて下がっていく侍女の後姿を見ながら私は、羽衣狐様が文を読み終えるまで静かに待つこととした。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

文を読み終わったのか、羽衣狐様が文から目線を上げ、ため息をつく。

 

 

「いかがされましたか羽衣狐様?」

 

案の定、羽衣狐様は私のことを今気づいたらしく、大変驚かれていた。

当然、飛禅のことも気付かなかったようだ。

いくら、集中をしているからと言ってここまで羽衣狐様が私たちに気付かないなどということは珍しい。それほどまでに、文に書いてあるのもが大変なものなのかと思い、内容を教えて頂くと

 

 

「淀殿は我ら中立の羽衣神社を陣営に組み込むことで、豊臣にこそ正義があるとしたいみたいじゃのう…」

 

 

 

豊臣方は、我らの事をちゃんと理解できていないらしい…

我ら、羽衣狐様を崇めている羽衣神社は人と妖が運営をしている。

 

今の世では羽衣狐様は豊穣や商売繁盛などの神として知られており、妖孤であったと知っている者はほとんどいない。故に、人に対しての祈祷や占い、神託などというものは羽衣神社に所属する人間である巫女たちが主に担当している。巫女長を頂点にし、各地の大名から依頼された行事を取り仕切ったり、葬儀や婚姻式など幅広い分野で各方面から引っ張りだこである。

 

また、妖同士の会談や全国各地の妖の隠れ里から送られてくる文、権力を持つ人物からの文などは、我ら京妖怪が仕事をしたり、幸殿のような姫巫女と呼ばれる者が依り代として羽衣狐様自身が仕事を処理している。

 

今のところは、人と妖が混ざることなく対処できているが、これは羽衣狐様という強大な力があるだけに過ぎない。

羽衣狐様もそのことを分かっていらっしゃるのか、自身しかできない仕事だけをやり、誰でもできるものは、我らに振るようにしてくださっている。まあ…我ら妖は頭より体が動く者の方が圧倒的に多いため、結局のところ、私や母などの幹部達に仕事が集中し、地獄を見るということになってしまうのだが…

 

余談はここまでとして、つまるところ、我ら羽衣神社は表の世界にも裏の世界にも強大な影響力があるのである。故に、どちらかに肩入れをしてしまえば肩入れした方が必ず勝ってしまう。(当然、戦場には我ら京妖怪が出るのだから)やろうと思えば、日ノ本を征服するのだって可能である。しかし、それは我らが主、羽衣狐様が望むことではない。羽衣狐様は人と妖の共存を望んでおられるのだから。

 

それに、豊臣は徳川と我らが繋がっていると言っているが、それは羽衣狐様が徳川家康と個人的に親しいというだけであり、羽衣狐様は私情を挟むことを嫌っているため、我らから徳川に特別な便宜を図るということは無いだろうし、徳川もそれは承知のはずだ。

まあ、豊臣よりは徳川の方が信頼に値するとは私個人を考えてはいるが…

 

 

 

「それでは出る故、幸の事は頼むぞ?」

 

とりあえず、依り代としていた幸殿の体力が限界ということもあり淀殿ことは後回しとなった。

羽衣狐様に幸殿の事を頼まれ、羽衣狐様は部屋から出ていかれた。

 

「幸殿。お疲れのところ申し訳ないが、侍女たちのところへ連れていくため失礼する。」

 

「…ふぁい? キャッ!!」

 

憑依後はほとんど体力がなくなってしまい、立つこともままならない為、私は先に幸殿に断りを入れ、横抱きにした。※いわゆるお姫様抱っこ

 

「き、鬼童丸さん!?」

 

「すまないが、少しの辛抱故、我慢してほしい」

 

「いえ…別にいやという訳では…むしろ嬉しいと言いますか…

 

ん?何やら、ぼそぼそと言っているが大人しいので移動が楽だ。

しかし、幸殿は軽いな…まだ、齢12であるが、少し同年代と比べて華奢な印象を受ける。

 

「幸殿はしっかりと食事を食べているのか?」

 

「は、はいっ!!羽衣神社に来てからしっかり食べてます!美味しいのでついつい食べ過ぎちゃいますが…」

 

「そうか、しっかりと食べているなら問題ないな…来た時は心配していたが…」

 

彼女、幸殿は元々は戦孤児であった。

母親は幸殿が生まれてすぐに亡くなり、父親と二人で暮らしていたが彼女が10の時に戦で亡くなり、孤児となった。幸いにも、彼女は我ら羽衣神社が母体の戦孤児を育てる施設に拾われ、巫女の資質があるとわかり、今の姫巫女と呼ばれる地位に至るまでになった。太閤秀吉までとはいかないがある意味物凄い成り上がりである。

 

施設から神社に連れられて来た時はまだ、施設に入ってる数ヶ月しか経っていなくまだまだ痩せていた。確かに、あの時と比べるとだいぶ肉付きが良くなったと思う。

 

「あ、あの!!」

 

「何だ幸殿?」

 

「き、鬼童丸さんはやはり、肉付きが良い方が良いですか?」

 

「?まあ、痩せ細っているよりは、肉付きが良い方が良いと思うが…」

 

「わかりました!!私もっと食べて肉付きが良くなりますね!!」

 

「あ、あぁ…無理せぬ程度にな…」

 

一体どうしたのだ幸殿は?

何やら意気込んでいるが…

…まあ、元気なことは良いことだ。

 

「鬼童丸よ…鈍感過ぎじゃろ…」

 

鞍馬山の大天狗(くらまやま おおてんぐ)か。それはどういうことだ?」

 

廊下の奥から大天狗がこちらに歩いてきた。何やら、大天狗が呆れた顔をしているが…

 

「いや、幸殿はお主の「わぁーーーー大天狗様!!ダメです!!」…まあ、考えるな感じろじゃな…」

 

「幸殿?いかがした?暴れては落ちるぞ?」

 

いきなり暴れては危ないのだが…なんだ?大天狗よ、かわいそうなものを見る目は?

 

「えぇ…何でもありません。何でもありませんとも!!…ゴホン!とりあえず行きましょう! ね?」

 

気のせいかわからないが、幸殿の目が先程より怖いような…

少し気圧されたぞ!?

 

「ああ…大天狗すまないが失礼する」

 

「うむ。幸殿も大変じゃな…それより、羽衣狐様は何処におられるか知っているか?」

 

「ちょうど、仕事が終わり自室にいると思うが……いや、遊びに町へ行かれたと思うな…」

 

部屋から出るとき明らかに、楽しげであったからいつもの如く、御付きを付けずに出たと思うな…

 

「…いつも言っておるが、護衛を付けて欲しいんじゃがな……ふぅ、分かった。急ぎの用事ではない故、日を改めるとしよう。ではな…」

 

そう言って、大天狗は幸殿と私に軽く会釈をしてきた道を戻っていった。

 

 

そのあとは、侍女に無事幸殿を頼み、私は自身の仕事の残りをやりに自室へと戻った。幸殿を侍女に渡したときに何やらニヤニヤした顔をされたが、どういう意味があったのだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

「何?羽衣狐様がお戻りになっていないだと?」

 

「はっ!夕餉の知らせに行った侍女は部屋はもぬけの殻で、門番も羽衣狐様がお帰りになった形跡がないと言っております」

 

仕事が一区切りつき、そろそろ夕餉かと思い。部屋から出てみれば、部下から羽衣狐様が帰ってきていないという報告が届いた。

 

「いかがいたしましょうか鬼童丸様?」

 

「一応、捜索隊を編成し羽衣狐様の捜索に当たれ。まあ、前回みたく我々が必死に三日三晩探しても見つからなく、羽衣狐様の身に何かが起こったのかと思って心配すれば、何事もなかったように帰って来たということがあったが、万が一の場合があるかもしれん、羽衣狐のことについて外に漏れないように気を付けよ」

 

「はっ!」

 

「頼むぞ」

 

 

部下に捜索隊も事を一任し、私はこのことが外に漏れないように京妖怪の幹部や巫女たちを集め、説明と情報収集に勤しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽衣狐様の消息不明になり、3日がたった。

一向に羽衣狐様の行方が分からなく、我らにも焦りが出てきた。

今のところは、羽衣狐様が必要な仕事は私と大天狗に巫女長が分担をしてやっているため運営面では影響が出ていないが、いつも皆の前に出てくる羽衣狐様がいないことは薄々皆もわかっているのか、いつもより元気がなくなっている。

 

「鬼童丸。なんや、えらい顔になっとるやないか?ちゃんと寝てるん?」

 

「母上…」

 

自室で仕事をしていると、母、酒吞童子が私を訪ねてきた。

 

「母上いかがされましたか?」

 

「大好きな我が子のことが心配になったんで、顔を見に来た。…いうのは、冗談や。心配になったのはホンマや?…どうも、野良の妖どもが生き肝信仰を信じ、人を襲い始めたみたいや」

 

「!ほんとですか!?」

 

「せや、しかもそのまま食べずにどこかへ運んでるらしいんや…さらには活動が活発になったんは三日ほど前らしいんよ」

 

「三日前…では、母上はこの件に羽衣狐様が絡んでいると?」

 

「まだ、確たる証拠が無いんから分からんが、茨木もうちと同意見や」

 

茨木は恰好や言動で誤解されがちだが、母並みに頭が切れる。実際、京の治安維持を任されている二人が同意見ということは、ほぼこの件に羽衣狐様が絡んでいる可能性はかなり高いとみていい。

しかし、生き肝信仰と羽衣狐様だと?

確かに、羽衣狐様は生き肝信仰について色々と調べておられたが、あの方と生き肝を結ぶものが見えてこない…

 

「わかりました。至急、幹部会を開きましょう。この問題は速やかに幹部達に伝えて対策を練らなければ。母上、そこで今の説明をお願いします」

 

「こういう、めんどいことは嫌やけど、狐ちゃんには色々恩もあるから、いっちょ一肌脱いでみよか?」

 

私たちは至急会議を開くため、急いで部屋を出た。

 

 

 

 

 




読了ありがとうございました。


恋する幸ちゃん。実る日が来るのでしょうか?
原作でも思ったのですが、鬼童丸はダンディだから、意外とモテたんじゃないかな?

次回は明日!!
お楽しみに~!!
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