ぬら孫じゃないの!? 作:パズゥ〜
今年最後の投稿です!!
「生き肝を集めて、神を呼ぶというものだ」
「…へぇ」
神とは仰々しいものじゃねえか…
「元々は、母が野良の妖怪たちがどこかに生き肝を集めているという噂を聞いたのが始まりであった。そして、調査していき、その出所を探っていくと何やらその妖怪たちが呼ぶ神を召喚するのに使うらしく、多くの生き肝を集めているのだそうだ」
「じゃあ、生き肝信仰はそいつらが流したのか?」
「ああ、その可能性が高い。しかし、追い詰めた奴らは末端だったようで黒幕の事は分からなんだ…」
結局、神が何を意味するかは分からねぇってことか…
しかし…神か…
「神っていうのは、ワシらが知っている土地神とは違うのか?」
「おそらくは、違うものと思われる。そもそも、土地神というものは人間から「畏」を長い年月得ることで土地神となるのであって、いくら生き肝の力を使ったところで「畏」を得ることは無理だろう…」
「だろうな…」
言ってしまえば、土地神というものは同じ「畏」を力にするという点でワシら妖怪に近い。しかも、土地神自身、そこまでの力を有しておる者はごくまれじゃ。いたとしても、ワシや幹部連中がさしで戦っても勝てるくらいじゃから、そこまでの脅威になり得ん。
他に何かあるのか?
そもそもとして、神の定義がわからんしな…
「だぁぁ!!よくわからん!!ワシはそこまで専門的なことは知らん!」
考えることなんざカラスか牛鬼に任せりゃいい!!
ワシは直感で生きてるからな!
「うちらもそんな感じやから、困ってんのや…」
「ええ…」
酒呑が困ったようにため息をつく。
「故に、餅は餅屋ということでその道の専門家に助言を貰おうと思う…」
「?専門家?」
「牛鬼殿、後は僕が話します」
鬼童丸の言葉に疑問に思うといきなりワシの後ろの襖が開き、先程の陰陽師…泰忠じゃったか?が入ってきた。
◇◆◇◆
「改めて、僕の名は土御門泰忠。土御門家22代目当主をしている。よろしく!」
「ワシはぬらりひょん。奴良組を率いておる。そして、後ろにいるのはワシの組の幹部で牛鬼という」
「よろしくお願いします…」
まだ先ほどの傷?が言えていないのか少し元気が無い声で挨拶をする牛鬼。
何時まで引きずっておるんじゃ…
「!…なるほど、君たちがあの奴良組か!先程は失礼したね」
?
ワシたちそんなにに有名じゃったか?
「あの奴良組とはどういう意味なんだ?」
「ああ!すまない。悪い意味で言ったのではないんだ」
「では、どういう意味なんだ?」
「君たち奴良組は、妖怪はもちろんの事、僕ら陰陽師にも知れ渡っているんだ。何せ、たった100年そこらで強靭な百鬼夜行を作り上げたからね」
…高々そんなことでいちいち注目されるのか?
ワシ的にはまだまだ理想の百鬼夜行には遠く及ばないと思っておるんだがな…
「そんなことでって顔をしているね?」
「…」
「君は大したことではないと思っているようだけど、傍から見れば異常な事だよ?捩眼山の牛鬼にカラス天狗、遠野の雪女と言った有名どころを配下にしているんだからね」
「…」
「羽衣狐殿の百鬼夜行は日の本一と言われているが、それは長い年月をかけて作ったもので100年では作れないんだよ。だから、短期間で百鬼を作った君に、注目が集まるのさ」
なるほどな、百鬼夜行を作った速さではワシは日の本一なのかもしれんな…
だが、そんなことよりも気になることが
「……一ついいか?」
「何だい?」
「お前誰だ?」
「!!??何を言っているんだい!?さっき自己紹介したじゃないか!!」
「いや、土御門泰忠っていうもは知っているんだが…」
「だが?」
「最初に会った時と比べて性格が変わっていないか?」
明らかに、ワシに攻撃してきた時の足がガクガクしていたビビりな優男な感じじゃねぇ…
もしや影武者か!?
「…それは」
目をキョロキョロし始めたな…目に見えて狼狽しているな…
「ククク…ぬらちゃん」
「あん?何だ」
酒吞が面白くてたまらないような顔をしてワシに声をかけてきた。
何か、牛鬼の時みたいな感じがするな…
「泰忠は本番にもの凄く弱くてなぁ。緊張しいなんや。だから、実戦や台本に無いことが起こるとアホの子になってしまうんやw」
「ちょっ!?酒吞殿!?なっ何を言っているんでしゅか!?」
あっ噛んだな…
そして、ワシと会った時の印象に戻ったな…
「なるほど…なるほど…」
実に弄りがいがある奴じゃねえか(愉悦)
「!?…何か君から酒吞殿と同じような寒気がしたのだけど…」
「気の性じゃないか~(棒読み)」
「本当に…?」
「ゴホン!!…前置きはそこまでにして、話を進めたいのだが?」
話が、進まないと思ったのか鬼童丸が割って入って来た。
◇◆◇◆
「さて、本題の神の召喚について話をしていこう」
脱線に脱線を重ねたがようやく本題に入ったな…
「まず、土御門家が独自に調べた結果だと神の召喚の神というものは、呼称的なものではないかと考えている」
「呼称ってことは神そのものではないってことなのか?」
「ああ、理由としては二つ。一つ目は本当に神を召喚すると仮定してまず、生き肝だけでは召喚なんてものは出来ない」
「生き肝は喰うことで、強靭な力を得ることが出来って話じゃないか。それだけだと駄目なのか?」
「もちろん、強靭な力を手に入れることは出来るけど、それは妖力、君たちで言うと「畏」や僕たちが使う霊力が飛躍的に高まるだけなんだ。いくら、生き肝を集めたところで神の召喚なんて出来やしないんだ。…君たちが思っているほど生き肝は万能ではないんだよ」
なるほどな…生き肝は一種の薬みたいなものじゃな。
飲めば力がつくと言ったような。
「だから、僕は生き肝を集めているのは違う何かをするのにその力を使うのではないかというのが、一つ目」
「せやけどなぁ…神降ろしなら陰陽師だったら出来るんやないの?泰忠」
それまで黙っていた酒吞が口を挟んできた。
神降ろじゃと?
「…確かに、神降ろしなら生き肝の力を使って術者の力を上げることで出来るかもしれませんね」
「せやろ?」
「しかし、それも無理なんです」
「無理だと?何か理由があるのか?」
「ああ、まずはぬらりひょん君。君は神降ろしというものを知っているかい?」
「いや、初めて聞いた」
聞いた感じだと神の召喚に近いものなのか?
「では、神降ろしというものは、簡単に言ってしまえば、巫女や霊的素質が高い者を依り代として神を憑依させるというものなんだ。」
神を憑依させるか…
「それは、羽衣狐がやっているものとは違うのか?」
たしか、巫女に憑依してお告げや妖怪同士の会合に出ていると聞いていたが…
「根本的なものは変わらない。憑依させるものの規模が違うだけさ」
「羽衣狐か神って違いか?」
「ああ、降ろすことで何かしらの予知や助言いただけたり、対話をすることが出来る。しかし、それは僕らに有益なものであって、直接害を与えたり、攻撃的な事をしてくるなんてことは出来ないんだ。まぁ…神降ろしって言っているけど、本当に神というものかはハッキリ言って僕らもわからないんだけどね?また、さっき言った理由の二つ目、「地脈」も関係してくる」
「地脈?」
「地脈とは、膨大な霊力や妖力といったものの流れを言うんだ。それがあるから「畏」から妖怪が生まれたり、僕たちが陰陽術を使うことが出来るんだ。そして、この京には日ノ本で最大と言っていい地脈が流れていて、当然神降ろしのような神と呼ばれるものの召喚をするには地脈を使わなければ行えない。だから、大規模に地脈を使うのならば、必ず何かしらの動きがあるんだ。しかし、今のところはそのような兆候は一切無いし、霊力や妖力の異常な高まりも検知されていないんだ」
「つまり、今のところは神降ろしの線も薄いというわけかいなぁ…」
「その通りです」
だが、その他に何かあるのか?
羽衣狐がいなくなった理由と神の召喚について?
「そこで、最初に言ったことに戻りますが、僕は生き肝の力を使うことで神になるのでないのかと考えたんです」
神になるだと?
「生き肝というものは弱い妖怪でも喰えばたちまち強くなれるもの。では、元々が弱いものでもそのようになるのなら、強大な力を持つ妖怪が生き肝を喰えばどうなると思いますか?」
強大な力を持つ妖怪じゃと?
「っ!?まさか!?」
「そう、それこそ最強の妖怪と言われる羽衣狐殿なら、生き肝によって神と呼ばれるほどの力を手にすることが出来るのではないのでしょうか?」
いやー遅くなり申し訳ないです(白目)
クリスマスには間に合わせたかったんですが…
明日は正月の特別版を投稿します。
正月の暇つぶしになったら幸いです!!