ぬら孫じゃないの!?   作:パズゥ〜

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ちょっと違っていますが、原作のあのシーンからです!!


第22話 ぬらりひょんは意外とマジメ?

「ハァ…ハァ…に、逃げないと!!」

 

日が落ちた京の街中、子供を抱えて何かから必死に逃げようとする女が一人。

女はしきりに後ろを気にしながら懸命に走る。

 

ガンッ!!

 

「うっ!?」

 

しかし、壁にでもぶつかったかのような衝撃を受け立ち止まってしまう。

 

「と…通れない!?何もないのに…」

 

女が走っているのは開けた舗装された道である。視界に映る限りでは壁のようなものは無い。

しかし、透明なものが邪魔をして前に進めない。

 

「!!…魚?」

 

ズルっとした感触が足からする。見てみれば水場が無いのに、自分の足に魚がくっ付いている。

 

(進めない!?そんな…そんな…)

 

魚が邪魔をするのか、自分の足がまるで鉛になったかのように重く、足が動けない。

さらに、パニックを起こした女に追い打ちをかけるかの如く…

 

ドロッ!?

 

「ひぃっ!?」

 

女は、自分たちを追ってきたモノが追い付いてきてしまったことを理解してしまった。

 

「ギヒヒ…よくやった。ぬりかべ、三途魚…」

 

妖たちの首領と思われる鬼の様な妖怪が声をかけると何もなかった空間から壁が、ぬりかべが姿を現す。

 

「お、お願い…こ…この子だけは…」

 

「赤子の生き肝…喰らえば百人力の妖になるという…」

 

女は必死に懇願するがこの妖にとっては生き肝をとることしか意味はなく、当然見逃すはずもない。

 

「女よ逆じゃ!喜べ…ワシの力となるのだから!!」

 

(もうだめ!?食べられる!?)

 

せめてもの抵抗で、腕の中の我が子を庇うように抱きしめる。

 

 

 

 

しかし、痛みが一向に来ない?

 

(痛くない?)

 

不思議に思った女が目を開け後ろを振り返るのと、その女の後ろにいたぬりかべに異変が起きたのは同時だった。

 

 

 

ズバンッ!!

 

 

「…ガァッ!!」

 

「っ!?」

 

勢いよくぬりかべが真っ二つに斬られ、その間からおそらくぬりかべを斬ったであろう、月夜に映える白く綺麗な髪をした男が姿を現した…

 

「……」

 

あまりにも簡単にぬりかべが倒されたことに誰もが一瞬言葉を失うが、周りにいた一匹の妖怪が現れた男も指さし、叫ぶ。

 

「奴良組だぁぁぁぁぁ!!奴良組が出たぞぉぉーーー!!」

 

「さぁて今日もいこうか…お前ら妖狩りだ」

 

 

「オオオオ!!!」

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「ガァッ!?」

 

 

「これで最後じゃな…」

 

「へい!!総大将。奴らの頭は逃げたようですが、それ以外は殲滅しました!」

 

妖怪どもを片付け終わり、ワシは一息つく。

 

「こ、殺さないで…」

 

「ん?まだいたのか?」

 

赤子を抱えながら必死の形相で懇願してくる女…

しまったな、すっかり存在を忘れておった…

 

「ハハハ!ゆけ…生き肝なんかに興味はない。ましてや、しょんべんくせぇ赤子の肝なんてな!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございます。ありがとうございます」

 

しきりにこちらに頭を下げながら帰っていく女を見ながらカラスを呼ぶ。

 

「カラス…」

 

「ハッ!!こちらに…」

 

「念のため、あの女に家まで護衛を付けておきな…」

 

いくら、先ほどの妖怪どもを倒したからと言って今の京ではまたすぐに襲われる可能性もあるからな…

 

「ハッ!!直ちに」

 

言うや否や、カラスは一羽の漆黒の羽を残して消える。

 

「ふーん…お優しいのね。ぬらりひょん様は」

 

どこか気に食わない顔をしながら雪女の雪麗が言ってきた。

 

「雪女!!総大将になんて口ききやがる!!」

 

一ツ目が雪麗の態度を注意するが…

 

「あ゛?」

 

い、いえ…何でもありません…

 

おいおい…意気地ねぇな一ツ目よ…

まぁ…雪麗がこんな態度をとっている理由も何となくわかるんだが…まぁしょうがないな…

 

「おい。雪麗」

 

「(ギロッ)…何よ」

 

「いい加減機嫌を直せ…」

 

「……別に、機嫌悪くなんかないわ」

 

いやいや…あからさまじゃろう…

しょうがない…聞いてやるか。

 

「何が気に入らんのじゃ?」

 

「………何で、私たちが使い走りみたいな事させられてんのよ!!まるで、私たちが京妖怪や陰陽師共の下みたいじゃないの!!」

 

「何を言っているんだ雪女。これは、京の治安のためなんだぞ?」

 

「うるさい牛鬼!!観光に来たのにこんなところで働かされるなんて聞いてないわ!!」

 

「良いのか?我々が仕事をすることによって「知らないわよ!!」話を聞かんか!?」

 

うーむ…牛鬼と雪麗が言い争いを始めおったな…

まぁ…何でワシらがこんなことをしているかって言うと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

~約一週間前(二条城)~

 

「なるほどな…つまり、羽衣狐を神にするために拉致し、生き肝を集めたと」

 

「そうだね。僕の見解はそうだ」

 

「しかし、狐ちゃん普段は霊体化してるんやからそんな簡単に捕まることなんてあるんやろうか?」

 

確かに…羽衣狐は実体を持たない、天狐と呼ばれる妖怪じゃったな。

依り代となる巫女に憑依することで現世に干渉すると言われておる。

 

「そうです。霊体化しているものを捕まえるというのは、()()()には存在しない」

 

「ん?基本的?」

 

「…口寄せですな」

 

「何?口寄せじゃと牛鬼?」

 

今まで黙っていた牛鬼がぼそりと呟いた。

 

「…流石、牛鬼殿だ。そこに気付くとは」

 

泰忠は牛鬼の答えに満足そうにニコニコしている。

いやいや!!二人だけで納得してるんじゃね!?

何じゃ口寄せってのは!!

 

「あぁ、すまない!!知らない人もいるようだね!」

 

ワシに鬼童丸と酒吞のジト目に気付いたのか慌てて説明をしてくる。

 

「まず、口寄せというものは神降ろしの亜種版みたいなものさ」

 

「亜種?」

 

「ああ、神降ろしは依り代に神を降ろすんだけど、実際は来てもらうって言った方がしっくりくるかな?お互いに了承しないと出来ない儀式なんだ。その反転、口寄せは霊を依り代強制的にに降ろすものだ。神降ろしとは違い力技で無理やり降ろすものだから、術者の力量が相当ではないと無理だね…でも、一度成功してしまえば、術者が解かない限りは降ろしたものは依り代から抜け出せない」

 

「すると、羽衣狐様はその口寄せによって捕まってしまったと?」

 

「ええ。霊体でいる状態で何かしらの依り代に憑依させられたのではないかと…そうでもないと、祀られている祠がある二条城に戻れないことが説明出来ないんです」

 

そう、羽衣狐は霊体であるがゆえに、自身を祀ってある羽衣神社に場所や距離関係なく、霊体時のみだが帰ることが出来るのだという。

…便利じゃな

 

「…そうなると、口寄せをした術者は相当な手練れやない?狐ちゃんを強制的に憑依させたんやから」

 

「ええ、僕ら土御門家の術者でも僕を含めてどんなに準備をしても出来ないくらいといえばわかりますか?」

 

「まじかよ…」

 

おいおい…そりゃ…バケモンじゃねぇか。

陰陽師の最高峰の御家の当主が負けるって、そんな奴がいるってのか?

 

「…もしくは、その術者も生き肝の力を使っている可能性もあるかと…しかし、それを考慮しても実力はずば抜けていると思います」

 

 

 

「「「…………」」」

 

 

予想していたよりも、敵が厄介な相手だと分かったためか、一様に黙ってしまう…

 

 

 

「それで、君はどうするんだいぬらりひょん君?」

 

泰忠は、まるでワシを試すかのように聞いてきた。

…どうも、答えが分かっていますっていう顔をしていてちょっとイラっとするな…

 

 

 

「……最初は興味本位で聞いてたんだがな。まさか、そこまでの事態だとは思わなかったぜ」

 

まぁ…ここまで聞いてハイさよならってのは粋じゃねぇな?

牛鬼に目配せして確認をとる。

 

「…」

 

ワシのしたいようにしろっと言っているかの如く頷かれた。

全く…いい部下を持ったもんじゃな。

 

酒吞、鬼童丸に泰忠を順に見る。

 

「良いぜ…このぬらりひょん。ワシの奴良組を含めて、京の平和のために一役買ってやろうじゃねぇか!!」

 

「ありがたいぬらりひょん殿!!」

 

「恩に着るわ~ぬらちゃん」

 

鬼童丸と酒吞がホッとしたような顔をして礼を言ってくる。

ここまで話しておいて断られる可能性があったからか、あの酒吞も嬉しそうだな…

が、しかしだ。

 

「条件がある」

 

「へぇ~なんや?」

 

「この件が無事終わったら、一回でいい。羽衣狐と戦わせてほしい!!」

 

「「「…!!」」」

 

酒吞に鬼童丸、泰忠は意外だったのか驚いた顔をしている。

 

「それは、なぜ?」

 

鬼童丸が聞いて来るが、分かってねぇな〜

そんなの…

 

 

「ワシは、魑魅魍魎の主を目指しておるんじゃぞ?最強と謳われる羽衣狐と戦いたいと思うのは当たり前じゃろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちなみに、ワシらは何をしたら良いんじゃ?」

 

「ぬらりひょん君、君はひたすら京の町で暴れて欲しい」

 

「ああ?暴れるだけで良いのか?」

 

「ああ、君には妖に陰陽師などから注目を集めて欲しいんだ。そうすれば、強い妖たちが君を倒しに来る。もしくは、君の生き肝を狙ってくるかもしれない」

 

「ん?ワシは妖怪じゃぞ?生き肝を狙われるいわれは無いと思うんじゃが?」

 

「ああ…すまない!あまり知られていないけど、生き肝は君たち妖の中でもより強大な妖の生き肝でも同じような効果を発揮するんだ。敵が、生き肝についてよく知っているのならば、必ず狙ってくるはずさ。あぁ…もちろん、襲われている人間がいたら助けて欲しい」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

そんな、やり取りから約一週間。

ワシらはひたすら人間を襲っている妖怪どもを叩き斬っている。

あ奴の思惑通りというべきか、ワシら奴良組は日に日に有名になってきている。

 

じゃが、

思い出してみれば確かに、ワシらは観光しに来たのじゃったな…

 

 

 

「……」

 

「どうしたんだ大将?」

 

狒々がいきなり黙り込んだワシに話しかけてきた。

 

「いや、なに。雪麗の言うことも一理あると思ってな?」

 

「なっ!?総大将!!」

 

「流石ぬらりひょん!!分かってる!!」

 

お前もか!?みたいな顔で見てくる牛鬼と賛同されてうれしい雪麗が言い争いを止めてこちらを見てきた。

 

「いやな?ワシが真面目に仕事なんて柄じゃないだろう?」

 

むしろ、一週間継続したのが奇跡みたいなものだろ?

何者にも縛られないのがこのぬらりひょんじゃ!!

 

「てー訳で!!オメェら今日の仕事は終わりじゃ!!帰って宴じゃ!!」

 

「なっ!?ぬらりひょん様!!仕事はいかがいたします!?」

 

慌てたように牛鬼が言ってくるが、分かってるさ…分かってる。

 

「もちろん、やるさ。しかしな、時には肩の荷を下ろして騒がなくちゃな?いい加減疲れちまう!!なぁに、一週間頑張ったご褒美だと思えばいいじゃねぇか!!」

 

「良いじゃねぇか大将!!」

 

「ついてきますぜ総大将!!」

 

他の奴らは賛成のようだな…

 

 

「良し!!行くぜオメェら!!」

 

 

「「「オオオオオオオオ!!」」」

 

 

とりあえず、金は泰忠のツケにしておくか…

 

 

 

 

 

 




(ぬ)「よこせ、襟巻にする」(あっ見た感じカッコいいな…)

(牛)「…お役に立てて光栄…」(え?今ここでこれを襟巻にするのか?)

・・・襟巻装着・・・

(ぬ)「……」(獣臭い…)

原作を読むたび毎回思ってしまう事なんですよねw
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