美城家の子供に転生!? 作:お菓子
麗華が待っていると思うから急いで席に戻らないといけないんだけど、どうしてもディアリースターズを一目見たい。
遅い!と腹パンされるの覚悟で876プロの控え室へ行ってみよう、面識はないけど主催者側からの激励ということでなんとかなるだろう。
ノックをして「346プロの人間ですが激励に来ました」と伝えて中に入る。
中にはテーブルに座っている石川社長・尾崎さん。
振り付けの確認をしてる、愛ちゃん・絵里ちゃん・涼君がポカンとした顔をしている、舞さんはいないみたいだ。 時間を置かずにすぐ自己紹介する。
「346プロの美城幸高です、本日はようこそお越しくださいました。 期待の新人が来ていると聞いたので、思わず来てしまいました」
笑顔も忘れていないが、相変わらず石みたいに固まっている中、さすがに石川社長は一瞬で立ち直っている。
「初めまして、美城さん。 本日はライブにご招待してくれてありがとうございます」
礼儀正しく挨拶してくれた、さすがに堂々として隙がない。 これは愛ちゃん達に抱きつくのは無理だな。
「いえ、今までは接点がありませんでしたが、これを機にプロダクション同士仲良くしていただけると、ありがたいです。 後、僕は美城じゃなくユキかユキタカでお願いします」
「えぇ勿論、346プロさんと友好関係を築けるのはとても光栄です。 よろしくお願いしますわ、幸高さん」
石川社長との挨拶も終わり、他の四人も驚きから立ち直ってくれたみたいだ。
その中でまず挨拶に来てくれたのは尾崎さんと見せかけて、愛ちゃんが小走りで近づいて来た、さすがはとつげき豆タンク、今にも「セーブしたよー!」と言ってきそうだ。
「初めまして、日高愛って言います! この前はママがご迷惑かけたみたいでごめんなさい! 後、サインありがとうございました!!」
一生懸命に頭を下げて挨拶している姿は微笑えましいけど、予想通り声が大きい。
「よろしくね愛ちゃん、サインなら気軽にするから気にしなくていいよ。 後、舞さんには急に来ていて驚いたけど、そのお蔭で愛ちゃんに会えたのだから、結果的に良かったよ」
やさしく頭を撫でると、顔を赤くしながら嬉しそうな顔をしている。どう見ても抱きしめるタイミングなのに無念だ。
次に挨拶に来たのがマダオじゃない尾崎さんだ、いざという時は絵里を守るという気迫を感じる。 大丈夫、抱きしめたりしないよ。
「初めまして、幸高さん。 水谷絵里の専属Pをやっております、尾崎玲子です」
毅然としてるな、色々な壁を乗り越えて絵里ちゃんと上手くいってほしい。
「そして、こっちが担当アイドルの…」
尾崎さんが絵里ちゃんの肩を押して、僕の前に連れて来たところ…
「ひうっ!」
震えてる、これはあれかな。 オーガに初めて会った時みたいに、僕に対して怯えているのかな? 友好的になるよう、オーラや威圧感を出来るだけ消してるつもりなんだけど。
はっ!まさか抱きしめたいという我慢のオーラがばれたのか!?
「あ…あの、水谷絵里です。 よろしくお願いします?」
「美城幸高です。 いきなりでびっくりさせちゃったかな? これからよろしくね」
大丈夫、もりくぼとだって今は楽しく話せる僕だ、未だに目は合わせてくれないが。
無理はしないで不用意に近づかず敵じゃないことをアピールしていけばいい、まるで野生動物に餌付けしてるみたいだが。
最後は真打、りっちゃんのいとこで、しかも男の娘である秋月涼君だ。 すっごいオドオドして冷や汗かいてるよ、それもそのはず実は僕と涼君は会った事があるからだ。
昔という程ではないが、涼君が僕みたいなアイドルに憧れてサインがほしいとりっちゃんに頼んだのがきっかけだ。
りっちゃんからその話を聞いた時はサインはするけど、従弟の涼君に会ってみたいと言い、それがきっかけでラインで会話したり遊びに行ったり、それなりに仲が良くなったのだ。
「(小声)えーと、お久しぶりですユキさん。 どうかご内密に」
上目遣いでオドオド小さくなりながら来るなんて、こんなかわいい子が女の子のわけがない! 冗談はさておき、笑顔で了解のウィンクをする。
「久しぶりだね。 涼ちゃん、元気だったかい」
「はい、会えてうれしいです」
ホッとして、助かった!みたいな安堵の顔をしてる。
「涼ちゃん、今度色々聞かせてね?」
今日一番の笑顔で言ったら、また冷や汗が出始めたみたいだ。 相変わらず涼君をからかうのはとても楽しいな。
「ディアリースターズさん、準備お願いします」
どうやらスタッフさんが呼びに来たらしい。
僕も時間がいい加減にやばい、挨拶も終わったしこれで戻ろう。
「それでは、僕も戻ります。 これからよろしくお願いします、そして初ライブ思いっきり楽しんでください」
最後まで笑顔で去って行く、これで876プロとの接点が出来たな。 余韻に浸る暇はない急いで席に戻らないと。
何とか待ち合わせの席に戻って来てみれば、やはり麗華は先に戻ってきていた。 でも特に不機嫌になったりせず、座って真剣な目でライブを見ていた。
「おまたせ麗華、新幹少女の歌はどうだった?」
ステージ上では、ちょうど新幹少女の歌が終わったところなので感想を聞いてみた、ついでに遅くなったお詫びに飲み物を渡す。
VIP用の席なので落ち着いて飲み物を飲んで話もできるが、僕としてはライブを見る時には、関係者席の方がライブの一体感が味わえて好きなのだが、残念だ。
「遅かったわね。 悪くないけど、余り成長してない感じね」
新幹少女には、あまり興味が無いみたいだな。
「そうか。 小手先の技術はあるけど、キラキラが足りないんだよね」
「346プロの中堅勢が苦戦してると、聞いたけど?」
「皆、ちゃんと乗り越えれるよ。 僕達だって壁を越えて来たんだし」
「そうね、次のライブだけどユキが間に合ってくれてよかったわ。 面白い新人が見れるから期待して見てて」
不敵な笑みを浮かべてる、麗華が新人相手に面白いと言うのは珍しい。 ホールステージに誰が出場するか、ちゃんと予定表見なかったのは失敗だったな。
激しい音楽が鳴り、ステージに出てきたのは、右肩が赤くそれ以外は黒いメイドみたいな衣装を着ている二人の少女。
「装甲騎兵ボトムズか!」
グフッ、麗華から無言の肘鉄が来た。 冗談はこの辺にしてレッドショルダーが来たか。 真面目に見ないと。
勢いと爆発力はあるな、基礎も出来てるしデビューでこれだけ出来るってことは、魔王エンジェルが直々にレッスンに付き合ったりしてるんだろうな。
キラキラも出てるし、終了まで見事にやりきった。 ネタじゃないな本物のアイドルだ。
「どうだった、ユキ?」
ドヤ顔だ、かわいがってる初めての後輩のデビューが嬉しいのだろう。
「お見事、初ライブの大成功おめでとう。 かわいい後輩が出来たみたいだね」
文句なく、賛美を送る。
「後輩じゃなくて手下よ。 トレーナーだけじゃなくて、ともみがダンスを教えてあげて、りんがビジュアル、そして私がボーカルレッスン、結果は見ての通りよ」
得意気な表情だ。 手取り足取り教えてるとか、言葉とは裏腹にかわいがりすぎ、それは完成度が高いわけだ。
「今度ユキにも紹介するわね。 ちなみにともみとりんが来なかった理由は、レッドショルダーに付いてたからよ」
ともみもりんもどれだけ心配してるのかと、346プロに新しいライバル出現か。
次のライブが始まった、出てきたのはディアリースターズ、876プロが来たか。
「舞さんの娘さん達のユニットだね」
「あれが…」
真剣に見てるな、僕も実力を確かめないと。
曲はHELLO!! 挨拶に行った時も思ったけど表情も動きも固いな。
曲が終わり、僕の感想としては技術や全ての面でレッドショルダーの勝ち、でも唯一キラキラはかろうじてだけど、ディアリースターズの勝ち。 デビューはこんなものかな、アイドルとしても人としても成長していくのがディアリースターズだし。
「ユキは今のライブどう見た」
真剣な表情のまま尋ねてきた。
「…小さくてかわいい、抱きしめたいと思ったよ」
真面目な顔で重々しく答えたら、ボディブローを受けた。 椅子に座りながらも回転を付けて威力を上げるとはやるな麗華。
「ユキー、真面目に答えようねー」
真剣な表情はなくなったが、笑顔が怖いよ。
「イエスマム! 感想としてはまだまだ未熟だね。 多分、舞さんか石川社長が良い経験になると出場させたんだと思うよ、でも伸びしろは凄いね。 将来はどこまで伸びてくるか、予想を超えてランクAまで来るかも」
「それは言いすぎだと思うけど、今後の育て方次第ね。 日高舞越えは難しそうだけど、油断してると将来足元をすくわれるかもね」
「さて、いよいよ次は伊織達765プロか」
765プロのデビューライブか楽しみだ。
「挨拶に行ったんでしょ、どうだった?」
飲み物を飲んで休憩を入れてる、集中して分析してると以外に疲れるしね。 僕もいつの間にかカラカラに口が渇いたので水分補給をする。
「全体的に慌しくドタバタしてたよ、ただ伊織だけじゃなく765プロ全員が僕達のライバルになることは間違いないよ」
「…へぇ、面白いわ、それ」
今までにない本気の表情だ、話してる間についに765プロのライブが始まる。
……竜宮小町以外はソロで攻めてきたか。
太陽のジェラシー・蒼い鳥・KosmosCosmos・キラメキラリ・エージェント夜を往く・ポジティブ!・relations・風花・Brand New Day!
大体想像通りの内容だ、そして最後は竜宮小町 SMOKY THRILL
「……」
「どうだった麗華?」
「感慨深いわね、伊織がついにアイドルデビューか」
遠くを見ているような目をしてる。 多分小さい頃に三人でアイドルになろうと、言ってた事を思い出してるのだろう。
「確かにね、ついに三人共アイドルだ。 ただ、小さいステージだけど竜宮小町はもうデビューしてるけど?」
「知ってるわよ、伊織に内緒で見に行ったし。 でも、あんなのをデビューなんて認めないわよ、伊織も346プロか東豪寺プロに来ればもっと華々しくデビュー出来たのに」
麗華なりに伊織を心配してるんだな。
「麗華だって
「…思い出深いのは確かね。 ユキはオープニングセレモニーで華々しいデビューだったわね」
「美城財閥の力を使ったからね、小さくても大きくても本当に思い出深いさ」
なんか、昔を思い出して変な空気になってきた。
「伊織以外はどうだった?」
わざと空気を変えるように話を振る。
「そうね、まだ未熟だけどあっという間に来るかもしれないわね」
今までの話を聞いてると、やっぱり麗華は見る目があるな。
「うん、僕や麗華・ジュピターが持ってるものを765プロも持ってるよ」
「346プロにも、何人か持ってるアイドルがいるでしょう」
「これから346プロの新人枠が始まる、そっちでも確かめて」
「自信ありげね、楽しみだわ」
ついに346プロでの新人枠が出る。 最初はいきなり
「ちょっと待ってユキ、あれ島村卯月じゃない!?」
混乱してるのは明らかだ。
「うん、新しいユニットを組んだんだよ。 これからの346プロではよくあることになるかも」
僕達が話してる最中に卯月のユニットデビューの挨拶も終わる。
「それでは聞いて下さい。{広末涼〇}MajiでKoiする5秒〇」
楽しそうに笑顔で歌ってる卯月、ピンクのかわいい衣装を着ている三人を見ていると本当に嬉しくなる。 美穂と響子とも相性が良く、三人が上手く高めあってる。
「はぁー、あのユニットを新人とは認めないわ。 前に見たときよりもずっと成長してる」
呆れてるような声と顔だ、実際に呆れてるのだろうが。 一皮剥けた今の卯月ならランクBにも上がれるだろう、でもランクを上げることより、今のユニットでやっていくとこを選ぶだろうな。
「まだまだ、いくよ」
「もう、今のでお腹いっぱいよ」
うん、観客の度肝を抜いたな。
次のユニットは姫歌だ、このユニットは765プロの歌姫である千早ちゃんに負けないように作った歌に特化したユニットだ。
奏も音葉も聖も新人とは思えない雰囲気がある、曲は{宇多田ヒカ〇}Automati〇
これはさすがの姫歌も一人では誰も歌えない、だけど三人がパートを分けて歌って、初めて完成された曲になる。
「…なるほど、ダンスのレッスンを全部、歌のレッスンに回したのね」
「正解、ダンスも軽くはするけど、歌とビジュアルで勝負するユニットさ」
狙い通りの成果を出した、346プロの次期歌姫になってくれるだろう。
次は僕が待っていたユニットのトライアドプリムス。
曲は{TW〇-MIX}JUST COMMUNICATI〇N 決定ではないので内緒にしているがアニメのオープニングに使われる予定でもある。
一番緊張するんじゃないかと心配してたけど、本番に強いメンバーなので、堂々と輝きながら歌っている。
「やっと、新人アイドルが来たわね」
「姫歌も新人なんだけどね、トライアドはどう思う?」
「歌・ダンス・ビジュアルとバランスが良いわね、一人ひとりの力を伸ばしていけば上も狙えるかも。 ぱっと見だけどユニットメンバー同士の相性も良さそうね」
なるほど、ぱっと見でユニットの相性に言及してくるか、歌でも人柄でもトライアドは相性が良いのは確かだ。
明るい曲と一緒に出てきてコミカルなダンスを楽しそうに踊るユニット、プッチミニ。
曲はグループ名から大体わかりそうだが、{ミニモ〇}ジャンケンぴょ〇! これも営業部の努力で夕方の子供番組に採用される予定で、小さい年少組によく似合う歌だ。
「…かわいい」
「…かわいい」
麗華と感想がシンクロしたが、かわいいだけじゃなく
曲が終わった時には思わず立ち上がって拍手した、今すぐ一人ずつ抱きしめて褒めてあげたい。
このままの流れですぐにハロモニ娘がステージに上がる。 曲は{モーニン〇娘}恋愛レボリューショ〇21
早苗さんを筆頭に千秋さんと裕美・智絵里・かな子・まゆが上手く連携をとって踊っている。
早苗さん以外はダンス・ボーカルレッスンで苦戦していたが、リーダーとして早苗さんが上手くメンバーをまとめてくれた、今はかっこよく踊れている。
結果は抱いてHOLD 〇N ME!のダンス経験がある分、新人の中では一番ダンスにキレがある。
「二曲目のリリースなのに新人?」
疑わしそうな表情で突っ込んでくるので、目を逸らしながら
「(346プロでは)新人です」
CuteとCoolは曲が合ってないがそこはプロ、質の面でもいい感じに完成させてくれた、もし新人の時だったら失敗してたな。
最後は松永涼で{安室 奈美〇}D〇n't wanna cry
これにはバックダンサーで向井拓海・藤本里奈・木村夏樹・大和亜季が踊り、最高にかっこいいメンバーでよく決まっている。
「相変わらず質が高いわね、言うことないわ」
「うん、僕から見ても高得点だよ」
前回の大ヒットがまぐれじゃないと、今回の歌が証明している。
これにて新人バトルが終了した、結果は出たりしないが、各ユニット色々思うところもあるだろう。
しかし、凄い新人のオンパレードだった、西園寺プロから小早川瑞樹・東豪寺プロからレッドショルダー・876プロからディアリースターズ・そして765プロと僕達346プロ。 見ごたえのあるライブに大満足、同時に新人に負けてられないと思う。
「うーん、今すぐにでも歌いたいな」
席から立ち上がり、体を伸ばしながら声をかけたら、麗華も熱くなってるのか顔つきが変わっている。
「えぇ、私も歌いたいわ。 ドームに戻って準備しましょう」
立ち上がって動き始めた、まだ時間はあるけど賛成だ、ドームまで移動をすることにした。
移動中に屋外ドーム前ステージ上では、巨大モニターに映し出されたネコ耳をつけた三人、にゃんにゃんにゃんが{大塚〇}さくらん〇 を歌っているのが目に入る。
ノリもリズムも完璧だし、ファンと一体感がある。 真ん中に楽しそうなみくが、右には笑顔なアナスタシア、左にはなぜか無表情で楽しそうにテンション上げるという離れ業をやってるノアさん。
気がつけばファンに紛れてサイリウムを振っていた、曲の終わりと同時に麗華に耳を引っ張られてドームに連れて行かれるが、にゃんにゃんにゃんが可愛すぎただけで僕は悪くない。
曲が終わるまで待ってくれた、麗華のやさしさを感じながらドームの関係者入り口に一緒に入ると忙しそうなスタッフが沢山いた。 途中までお互いの楽屋の方へ歩いて行く。
「今日は付き合ってくれてありがとう。 麗華とまわれて楽しかったよ」
「別にいいわよ、私も楽しめたし、色々収穫があったしね」
向かい合って声をかけたら、楽しそうに笑っている麗華の顔、楽しめてもらえたみたいで何よりだ。
「ともみとりんにもよろしく伝えといて、後ライブでは覚悟しといてね。 今日の僕は皆のライブを見てボルテージ上がってるから」
「それはこっちのセリフよ。 日高舞にもジュピターにも、そして勿論ユキにも負ける気はないから」
自信満々な顔をしている、自信家なところも麗華の魅力だ。
「それじゃ、次はステージで」
「えぇ、ステージでね」
かっこよく手を挙げお互い別れた所で、すぐに振り向いて一声かけた。
「麗華、また今度デートしようね」
「えっ、デ、デート!? またって…」
赤くなってる麗華から素早く離脱、今の瞬間は僕の勝ちだな。
次はステージで勝たないと、魔王エンジェルとジュピター最後に舞さん、ワクワクしてくるよ。
この小説を書き始めた頃は、2000字を初めて越えた時に思わず感動していましたが、今では前半・後半合わせて1万1000字越えるようになりました。
自分で書いてるとよくわかりませんがレベルが上がってるなら嬉しいです、少しづつ成長しますので、これからもどうぞよろしくお願いします。