Fate/Pocket Monsters   作:天むす

8 / 8

春までにといったなら、それは二月中なのではないか……筆者はそう思いましたが、気が付けば絶賛三月です。
言い訳をするなら、時間ができた頃と同時にジョジョが再熱し、読み返しやアニメ見返しなどをしていたためです。すみません。全然進まなかったぜ。だからちょっと読みにくいぜ。いつか全編編集し直したい。
というわけでタマムシジムが危機一髪するお話です。



26話 タマムシジム危機一髪

 グラシデアの花を知っているだろうか。主にシンオウ地方に生息する植物で、そのピンク色の花は誕生日や記念日などに感謝を伝えるため、ブーケにして相手へ贈ることがある。

 シンオウ地方からカントー地方へ戻ったエミヤは、それをドライフラワーにしてバスケットに詰めた籠ブーケを手にタマムシシティを歩いていた。セレビィはすっかりその香りを気に入ったようで、籠を抱える腕にぴったり張り付き楽しんでいる。セレビィの色味が似ているため、端から見れば花の妖精のようだ。

「まったく、相変わらず騒がしいな……」

 そんなセレビィに癒されながらも、エミヤの眉間には谷が作られている。

 無理もない。この街に入ってから既に三度、エミヤはセレビィの交換をトレーナーから申し込まれているのだから。当然断っているのだが、それに逆上してバトルを吹っ掛けられれば、苦言の一つや二つも溢れるだろう。

 ヤマブキシティとは違った都会であるタマムシシティは、主に若者が闊歩しており、デパートやゲームセンターが繁盛しているためか、暗くなり出している今もこどもの姿が多く見られる。それが関係しているのかはわからないが、どうも我慢強い者は少ないようで、思い通りにならなければ喧嘩になっている姿がちらほら見られ、彼もそれに巻き込まれた口であった。

 勿論全ての住民がそうではなく、実際エミヤがこれから会いに行くのは折り目正しい人物である。

「また彼女の世話になってしまったが、いい土産物を選べたな。君もそう思うだろう?」

「……ビィ……」

「ん? どうした、そんな苦い声など出して?」

「ビィビビ」

 気にするな、と首を振られれば、あまり触れるべきではないのだろう。

 今度は厳しい顔で花を睨み出したセレビィに首を傾げ、エミヤは横断歩道の前で足を止めた――と不意に、向かいを歩く一組の親子が目に止まった。

 一人娘だろうか。オレンジのワンピースにピンク色の大きなリボンを頭に飾る少女と、赤髪で和服の女性、それからふっくらとした腹の中年男性の一行は、エミヤの向かう方向へ進んで行く。

 目的地は女性に人気な場所であるため、彼らに不審な部分があるわけではないが……妙に気になる。はて、自分にあのような知り合いが居ただろうか。あまり記憶力に対する自信がないのを自覚しているだけに、エミヤは首を傾げた。

「ビ……ビィ~~ィ」

「あ、こら! セレビィ!」

 横断歩道が変わった途端、意を決したようにセレビィがエミヤの腕から飛び出した。突然のその行動に、エミヤは慌てて追いかけるが、それよりもセレビィの方が一歩目的を果たすのが早かった。

「わあっ!?」

 なんと、セレビィはいきなり件の少女に襲いかかった。エミヤはぎょっと目を見開く。セレビィのトレーナーになってから、イタズラ目的以外にこんな光景は見たことがなかったからだ。しかもあの人見知りのセレビィが、見ず知らずの他人に、である。

 エミヤは天変地異の前触れか、と戦いたが、すぐに少女の違和感に気付いた。ズレたのだ。少女のブロンドの髪が、セレビィに引っ張られてずりっと。

「待て、まさか君……」

「わあぁーー!!」

「おりゃーー!!」

「ちょっとお話ししようねぇーー!!」

「え、ええええええ!?」

 ズラだ。カツラを少女がしている。彼女の――否、()の地毛は黒髪なのだろう。

 そうなるとその子どもの顔が知り合いに似ているように思えた。エミヤがそれを指摘しようと思ったが同時、彼は少女の付き人たちに羽交い締めにされ、ビルの隙間へと連れ込まれてしまっていた。

 一体何事か!?

 目をパチクリするばかりであるそっくりなトレーナーとポケモンを、人目のない所まで連れ込んできた奇妙な三人は、そこで漸く一息を吐いた。

「あ、危なかったわ……」

「まさか完璧な変装を見破る奴が道中に現れるとはな……」

「また縛られるのは勘弁にゃ……」

「な……き、貴様らは!?」

 なんということでしょう。エミヤの前に現れた三人組の内の二人――否、何故か腹からニャースが顔を覗かせ現れた。故に二人と一体は、エミヤが見たことのあるトリオであった。未だ忘れられない。あのポケモンセンター爆発事件の一端を担うロケット団だ。

 となれば、彼らと一緒にいた少女に扮する子どもも怪しくなる。エミヤが確認しようと背後を振り返れば、観念してカツラを手に持つスカートをはいた少年がいた。そしてエミヤはまたもや驚愕をあらわにする。

「何をしているんだサトシ!?」

「うぅ……これには深いワケがあって……」

 そう、そこには彼の弟分であるサトシが居心地悪そうに立っていたのだ。

 エミヤは地味にショックを受けていた。変装していたとは言え、自分が可愛がっている弟分を見分けられなかったのだ。しかも、人見知りであるセレビィに見破るのを先越された。兄貴分としての自覚があっただけに、プライドがちょっと傷付いた。

 そんなことでエミヤが落ち込んでいるとは欠片も思わないサトシは、セレビィにスカートを引っ張られたりされながら、しどろもどろに何があってこうなったかの説明をする。サトシの言い分では、ある店で香水に文句を言ったところ、そこのオーナーであったジムリーダーを怒らせてしまい、ジムに挑戦できなくなってしまったそうだ。しかしポケモンリーグに挑戦するためには、最低でも公式ジムバッジが八個必要だ。駆け出しの新人トレーナーであるサトシには、一つでも落とすことはできないし、それがジムに挑戦する以前の問題が原因ともなるとやるせない。そんな彼の前に現れたのが、ジムの裏に吊し上げられていたロケット団の面々であり、彼らの協力の下、変装してジムに乗り込もうとしていた最中であったらしい。

 話を聞いて、エミヤは頭を抱えた。

 どうしてそうなった。

「……まず、サトシ」

「なんだよ」

「香水と言うものは女性のみならず時に男性も使用するし、またポケモン用の物も開発が進んでいる。ひとえに香水とは誘惑するためのものではないし、料理に使用することもあって、その用途は多岐にわたっている」

「た、たき?」

「使い方がたくさんあることだ。たしかに、この地方では香水はあまり普及していないから、お前にとって馴染みのないものだろう。習慣などが原因だったりするんだが、そこは置いておくとして、海外では香水を付けていることが普通であったり、場合によっては化粧品類よりも多く所有していたりする」

「へーー、そうなの」

「知らなかったぜ」

「博識にゃー」

「外野は黙っていたまえ。いいかサトシ。よって、馴染みないものだからといって無闇に指摘することは失礼に当たる行為であり、それが女性相手だなんてもってのほかだ。お前ももう成人したのだから、今後気を付けるように。いいか? わかったな? わかったなら、二度と、女性に(・・・)、そう言った、ことを、言うな。い・い・な?」

「え……う、うん……わかったよ……」

「……私も一緒に謝りに行こう……」

 ガシリと肩を掴まれ、あまりに鬼気迫るエミヤの様子に、とりあえずサトシは素直に頷いておいた。この兄貴分は自分より広い世界を廻り、多くの知識を持っている。そんな彼がそうまで言うのだからそうなのだろう、と理解はできておらずとも思ったからだ。

 サトシの返答を得て、エミヤはガックリと肩から力を抜いた。これ絶対わかってない。しかしいつまでもここで説教をしている場合ではない。次にエミヤの頭を占めたのは、これから行こうと思っていた場所のことであり、そこはサトシの話と無関係ではなかった。

 話が少しややこしくなった。バスケットを抱えるセレビィの頭を撫でながら、エミヤはどうしたものかと眉を寄せる。

「次にそもそも……何故、変装が少女なんだ……」

「これくらいの方がバレないのよ」

「思ったよりいい出来だろ?」

「実際に全然バレにゃかったにゃ」

 馴れ馴れしくも肩を組んできたムサシとコジロウに、エミヤ距離をとる。ニヤニヤとした表情を隠そうともしない彼らは、エミヤが見破れなかったことを揶揄っていた。

 ぐっとエミヤは奥歯を噛み締めた。絶対に自分の方が彼らより修羅場を潜ってきた自負があるだけに、やはり見破れなかったことが悔しい。

「…………何故そんな高等な変装技能を有している……下っ端のくせに」

 故に、エミヤはそう悪態を吐いた。

 そしてそれが、ちょっと不味かった。

「ちょっと、誰が下っ端ですってぇ!」

「そーにゃそーにゃ! にゃーたちはロケット団の中でもエリート団員にゃ!!」

「これでも幹部候補(希望)なんだぞー!」

「自分で『これでも』とか言うのか……」

「ムカッときたー! そこまで言うなら直に味あわせてやろうじゃないの!」

「え?」

「にゃーたちの敏腕に酔いしれるにゃ!」

「ちょ、」

「そーと決まればデパートに戻るぞ!」

「うわ、何をする!?」

「ほらジャリボーイ! なにボーッとしてんの!? 行くわよ!」

 ロケット団はエミヤを担ぎ上げると、そのまま元来た道を駆け戻って行く。怒濤の展開に、とりあえずカツラを被り直したサトシはぱちくりとセレビィと顔を見合わせた。セレビィも、今までになかった自分のマスターがあっさり連行されていく様に唖然としている。

「……行くか……」

「ビィ……」

 

 

 

 タマムシジム危機一髪

 

 

 

 さて、サトシとロケット団という奇妙な集団に捕まったエミヤは、何故かその集団に執事として加わっていた。何故だ。

「いい、設定はこうよ! 私とコジロウとニャースで入門しに来た娘の保護者役をするから、赤ジャリはジャリボーイの幼少からのお付き執事で、心配で付いて来た。オーケー?」

「待て、その『赤ジャリ』とはもしかしなくとも私のことか!?」

「あんた以外に誰が居んのよ」

「白髪から捻るかで迷ったよなー」

「でも『レッド』はいろいろ不味い気がしたにゃ」

「…………貴様ら、そう言えばエリート団員だとか言っていたな? 私を知らないのか?」

 突然変わった話題に、ロケット団の面々が顔を見合わせる。とりあえず彼らの頭にはエミヤに関する記憶など、以前のポケモンセンターでの件以外には見当たらないため、特には、と首を振っておく。エミヤもエミヤで、訊ねながらに詳しく説明せず、その反応に「そうか」とただ一つ頷いた。

「ねえ、まだぁ? もうジムが閉まっちゃうよ!」

 そこへ、今まで大人しくセレビィにスカートを引っ張られながら待っていたサトシが、眉を寄せて声をかける。彼の言う通り、デパートの大きな窓から見える空には星が見え出しており、そろそろ夕飯時であることを告げていた。時刻は七時を回っただろうか。

 タマムシシティには流通の便が整っているのもあり、調味料の種類が多い。そうだ、今夜はカレーを作ろう。釜を投影してナンも作って、ハチミツで甘く仕上げるのも、中にとろとろのチーズを入れて焼くのも絶品だろう。

 エミヤの思考が無意識に今夜のメニューについてへ移り、その隙を逃さなかったムサシとコジロウは、彼の両脇を固めてガッチリと自由を奪った。

「さあ、ジャリボーイのためにもジムへ向かうわよ!」

「そうそう! ジャリボーイのためにな!」

「にゃーす!」

「おい、待て! そもそも私はあそこのジムリーダーとは顔見知りで……」

「はーやーく!!」

 ズルズルとエミヤの抵抗虚しく、着物の夫人と腹の出た中年男性、それから金髪のワンピース少女に白髪褐色肌の執事+色違いのセレビィと言った謎集団は、仲良く(?)タマムシシティの公式ポケモンジム――エミヤの目的地であったタマムシジムへと向かったのだった。

「久し振りだな」

「わあ、エミヤくんじゃない! 今日は凄いめかし込んで来たわね」

「ああ、実は昔に執事のバイトをしていてな。今日は雇い主の娘さんがこちらのジムに挑戦するというので、無理言って付いて来させていただいたんだ。ああ、そうだ。これ、エリカに渡しておいてくれ。先日は世話になったと……」

「それならリーダーに直接渡してあげてください。その方がきっと喜ぶわ」

「それならそうさせてもらおう」

(ノリノリじゃん……)

 何だかんだ言って与えられた役割をこなすエミヤに、サトシの頬は引き攣った。しかも何か慣れた動きでサトシをカウンターまでエスコートもしている。

 手慣れてる。そう感想が面々の頭に浮かんだが、今はグッと堪えて執事に徹するエミヤの後を追った。

「いらっしゃいって、エミヤくん! こっちに帰っていたのね。この間はシンオウに居るって聞いたけど」

「つい先日にこちらへ戻ってな。あの時の礼をしたいと立ち寄ったら、昔世話になった方の御令嬢が初めてのジムに挑戦すると聞いて、それもタマムシジムだと言う。ならばせっかくの縁だ、と今回はこのような形で赴いたのだ」

「そうだったの。あなたが挑戦しに来た子ね?」

「は、はいっお――じゃなくて、私です!」

 サトシがギクリと肩を固くさせ、顔を手で隠しながらに頷く。実はこのカウンターに居るスタッフ、サトシが問題を起こした店の店員でもあったのだ。昼の今であるため、確実に顔を覚えられているだろう。バレないように乙女のようなポーズをとった自分に「何やってんだオレ……」と内心でツッコミせざるを得なかった。

 だがここで折れるわけにはいかない。とにかくバッジだ。

 ここまですんなり入れたのだ。バトルも乗り越えればジムバッジが手に入る。そうなればこの女装ともおさらばして、元の姿に戻れる。我慢するのは今だけだぜ!

 なんて、弟分が意気込むことなど知らずに、エミヤはその背中を「気合いが入っているな」とばかりに頷いて眺めていた。

「おほほ。うちの子ったら人見知りで、だから女性がジムリーダーだと言うこちらからスタートするのざます」

「ええ、ここのジムリーダーなら娘を預けるのも安心ですな」

「是非、娘をお願いしたいのでざますの」

「はい、お任せください。とてもいいご両親ね」

「え、ええ……自慢の両親で、す……」

「おや、照れてしまったかな?」

「うふふ、かわいいですね」

「おほほ。自慢の娘ざますから」

 敏腕を見せると言っていただけあり、似ていない家族でありながら、ちゃんと家族であることがわかる演技を違和感なくロケット団はこなしている。

 感心するようで複雑だが、エミヤは彼らの言う「エリート団員」に納得が行く思いを抱いた。

「あのー、リーダーのエリカさんはどちらに?」

 とは言え、演技初心者であるサトシには中々難しい。ボロが出る前に進めようとスタッフにジムリーダーの所在を訊ねた。

 スタッフが言うに、今は奥の温室に居るらしい。ではそちらへ、と移動しかけると、両親役のロケット団がいつの間にか背後から居なくなっている。ハッと後ろを振り向けば、彼らは少し離れた所に居た。

「じゃあね、サトちゃん。パパとママはとっととお家に帰ってますからね。がんばるのよー」

「ンじゃなー」

「じゃーねぇ」

 そう言い残し、パッと壁の向こうへ身を引っ込める。

「あいつら、何やってるんだ?」

「……サトシ、これをエリカへ渡しておいてくれ。行くぞ、セレビィ」

「ビィ!」

「え、あっ待てよエミヤ!」

「あ、君たち!」

 明らかに怪しい。普通、立ち去るならば正面玄関から出て行けばいいだけだ。正体もバレていないのだから。であるのに、彼らは壁の奥へと姿を消した。そもそも何故ロケット団はサトシに協力したのか。双方は敵対しているのだから、何かしらのメリットがなければ……。

 疑惑が拭えなかったエミヤは、バスケットをサトシへ押し付けてロケット団の後を追いかけた。

 先ず前提からおかしいではないか。サトシの話ではロケット団はジムの裏に吊し上げられて居たと言う。ならば奴等はサトシと出会う前にジムから閉め出しを食らっていたと考えるのが妥当だ。だからサトシに協力して再度潜入を試みた。

(サトシがジムに挑んでいる間は、施設への人手が多少は減る)

 その隙に何か行動に出るため、ロケット団はサトシたちから離脱したのだ。

 そうとわかれば野放しにはできない。悪党なだけに着替えも足も速いロケット団の背中を追いかける。するとすぐにサトシが隣に並んで来た。いささか男らし過ぎる走り方のせいで、スカートがわっさわっさと捲れ上がっている。そのマナーのない様に後で説教をすることを、エミヤは密かに決意した。

「何があったんだよ、エミヤ!?」

ロケット団(やつら)が動いたようだ。怪しいとは思っていたが、やはり何か裏があるな。私の前で悪事を働こうなど百年は早いぞ!」

 エミヤは硬く拳を握る。

 その時、ニャースが離脱するのを見た。ムサシとコジロウから離れ、別行動に移ったようだ。そしてその小さな手に黒い塊があったのを見て取ったエミヤは、見慣れたものであること奥歯を噛む。

「爆弾だとッ!」

「ば、爆弾!?」

「く、やむを得ん……サトシ、私がニャースを追う! お前は前の二人を食い止めろ!」

「わかった!」

「セレビィ、サトシに付いてやれ!」

「ビィ!」

 エミヤは素早く脇へ逸れ、ニャースを追い駆ける。通路は一本道で、すぐに開けた部屋へと辿り着いた。

「うーん、ここでいいかにゃー。周りに植物があって、よく燃えそうにゃ」

「そうはさせんぞ、貴様」

「にゃ、にゃにッ!?」

 ニャースが爆弾をセットしたのは、ジムのバトルフィールドであった。そこの地面に爆弾を埋め、周囲に火種が飛ぶことで火事を起こそうというらしい。くさタイプのジムであるため、周囲には木々や花々が多く植えられている。一度火を放てば、一瞬で火の手は建物を覆うだろう。

 そして何よりも、ここはバトルフィールドだ。今この時、最もここを使う可能性が高いのは、ジム戦を挑みに来たサトシである。女装してまで挑み込んで来た挑戦者を、エリカは無下にはしないだろう。そして二人は必ずここでバトルを行う。爆弾が仕掛けられたフィールドの上で、だ。

「よくも騙してくれたな」

「騙されるおみゃーたちが悪いのにゃ! 悪いがにゃーは逃げさせてもらにゃにゃにゃ!?」

 言い捨てて逃げ出そうとするニャース。その背に忍び寄る影があった。

 間一髪でそれを回避するが、その正体を見てもニャースにはそれが何かはわからなかった。ポケモンであることはわかる。しかし、見たことのないポケモンだ。

 まず目に付くのは、その鋭い切っ先だろう。鏡のように同じ姿をしているその二体は、西洋の短剣の姿をしていた。そして柄には赤紫の飾りが踊っている。一見ポケモンには見えない物のようだが、しかしそれは独りでに動き、エミヤの周りで踊るように浮いていた。

「ぽ、ポケモン!?」

「この子も初めまして、か。カロス地方のポケモンだ。タイプははがね、ゴースト。ニダンギルと言う、二体で一体のポケモンだ」

「ギル!」

 ニダンギルの柄を握り、構えるエミヤ。思わずニャースは後退りする。

 毛皮でわかりにくいが、ニャースは冷や汗を流していた。ポケモンセンターで感じたものとは違う、凄まじいプレッシャーが圧しかかってくる。

「実はな、私は剣の腕――それも二刀流には、それなりに自負しているものがあるのだ。そこで、一つ提案がある」

 ニダンギルの飾りがエミヤの腕に巻き付いた。それを合図に、エミヤは軽く一歩ニャースに近付く――エミヤはニャースの目の前にいた。

「何枚に下ろされたい?」

「トレーナーが戦うとか反則にゃー!!!!」

 

 場所は代わり――サトシはバスケットを一生懸命に抱えるセレビィと共に、ムサシとコジロウを追い駆けていた。彼らが向かっていたのは香水を作る場所だったらしく、追い詰めた頃には周囲を甘い香りが包み始めていた。

「ロケット団! お前らの好きにはさせないぞ!」

「ゲッ、バレてた!」

「伝説の香水はオレたちのもんだー! 行けドガース!」

「行くのよ、アーボ!」

 ムサシが琥珀色の香水を片手にアーボを繰り出す。続けてコジロウもドガースを出し、二体のポケモンがサトシを威嚇した。

「ルリリリィ!」

 そこへ守るようにセレビィがサトシの前に躍り出る。手には相変わらず大きなバスケットを抱えており、花に埋もれているように映るが、その可愛らしい花弁の奥から覗く眼は鋭く細められており、ポケモンの持つ闘争精神が燃えていることがわかる。

 一緒に戦ってくれるのか! サトシが眼で問えば、セレビィはコクリと頷いて答えた。ならば、とサトシもスカートを捲り上げて腰のホルスターから一つのモンスターボールを取り出す。

「フシギダネ、君に決めた!」

「ダネダー……ダネダネダ?」

 セレビィの足元へ出て来たフシギダネだが、自分を繰り出したトレーナーを見て首を傾げた。

 それも仕方ない。ボールから出てみれば、自分のトレーナーが面影はあるものの見ず知らずの少女になっているのだから。

 だれ? ついでにこのポケモンもなに?

 フシギダネは少女(サトシ)と淡い赤色のポケモン(セレビィ)を交互に見る。

「フシギダネ、オレだよオレ! お前のトレーナーのサトシだよ!」

「ダネダ!」

 サトシはカツラを投げ捨てた。ブロンドの髪から短い黒髪が現れれば、フシギダネは安心したようにトレーナーの名前を呼ぶ。そんな様子を眺めていたセレビィはバスケットをサトシへ押しやり、その背中へそっと体を隠す。

 ひょっこり見え隠れする頭は、初めましてのフシギダネを気にしているようだが、目が合うとディグダのように引っ込んでしまっていた。

「そういえば、セレビィとな初対面だったっけ? フシギダネ、こいつはセレビィだ。エミヤのポケモンなんだ」

「ダネネ?」

「あ、エミヤはわからないか。ていうかオレ、セレビィの技知らないんだけど……」

 フシギダネがセレビィを追い駆け、セレビィがそれから隠れるように動くため、サトシの周りを二体のポケモンがくるくると踊っていた。そんな中心で今更ながらセレビィへポケモン図鑑を当てるサトシだが、画面に映ったのは「データなし」。

 ポケモン図鑑は幾つか種類があり、主に地方毎に別けられている。そのため物によっては図鑑が発行された地域のデータのみしか取り入れていない物もあった。新人トレーナーへ渡される物はその移動範囲から殆どがその図鑑であり、サトシも例に漏れずカントー地方版の図鑑を渡されていた。

 つまりサトシの図鑑には、ジョウト地方の伝説として語られるセレビィのデータは書き込まれていなかったのだが、そんなことなど知らないサトシは、困ったな、と頭を掻いた。

「前にもこんなことあったけど……これじゃあセレビィの技がわからないよ」

「ビィ?」

「もしもーし、そろそろ準備終わったかしらー?」

 えーっと、と頭を捻るサトシへムサシが声をかける。

 律儀にも準備が整うまで待っていてくれたロケット団は、漸くアーボとドガースの前に構え直したセレビィとフシギダネに佇まいを正す。

「来ないならこっちから行くぞ! ドガース〝たいあたり〟だ!」

「ビィ!」

「ダネ!?」

 襲いかかるドガースとフシギダネの間へ割り込んだセレビィの体が、一瞬虹色に輝いた。と思えば次にはドガースが弾き返されており、セレビィが〝まもる〟を使ってフシギダネを助けてくれたのだと伝えてくる。

 何が起きたのかわからなかったフシギダネだが、助けられたことを賢く理解した彼は、入れ替わるようにセレビィの前へと飛び出した。

「フシギダネ〝つるのムチ〟!」

「タダネ!」

「シャボッ!?」

 フシギダネのつるが躱そうとしたアーボの尾先を捕らえ、その動きを抑制して絡め取る。

「ダネダネダネダネ!」

「ジャボーーッ!!」

「ドガーースッ」

「うわっ!?」

 そしてそのまま大きくつるを振り回し、遠心力の力も乗せてロケット団の方へと投げ飛ばした。

 アーボはドガースにぶつかり、そしてそのままムサシとコジロウを巻き込んで壁まで吹き飛ばされる。

「いいぞフシギダネ!」

「ダネダネ!」

「ルリリルリ!」

 サトシが歓声を上げれば、当然だね、とフシギダネが顎をしゃくり、セレビィはすごいすごいと飛び跳ねながら拍手を贈る――その時、部屋の窓を突き破る影が二つ、勢いよく部屋へと飛び込んで来た。

 一つは執事の格好をした少年で、もう一つは肩で息をするニャースだ。

 ニャースは青ざめた顔で床を転がり、団子になっているムサシとコジロウの元へと飛び込んで行った。

「怖かったにゃーー!」

「ニャース! 遅かったな!」

「どこで油売ってたのよ!!」

「それどころじゃにゃかったにゃ! 危うく三枚下ろしにされるところにゃ!!」

「そんな怯えずともいいだろう。ほんの冗談だ」

「あれはマジだったにゃ!!!!」

 ガタガタ震えるニャースへ、エミヤはにっこりと笑みを浮かべるが、余計に怖がらせる材料でしかない。案の定完全に頭を抱えて尻尾を立てさせたニャースに、他の面々は疑問符を浮かべるばかりであった。

「さて、ピンチ……というわけでもなさそうだな、サトシ」

「ああ、エミヤの方も大丈夫だったのか? 両手に持ってるのってもしかしてポケモン? そういえば爆弾はどうなったのさ?! あ、セレビィが図鑑に載ってなかったんだけど、あいつってどんなポケモンなんだ? 技ってどんなの? もしかしてくさタイプ? でもエスパー技もつかうよな?」

「待て待て、一辺に訊くな。それよりも、まず先にやることがあるだろう?」

「ギル」

 チャキリ。握るのに合わせて鳴くニダンギルを構え直し、エミヤは揉みくちゃになって部屋の隅に固まるロケット団へと近付いた。

 ひぃっとニャースから悲鳴が上がるが、その歩みに躊躇いは一切見られない。

「やはりロケット団なんぞは信用できん悪党らしい。即刻退場してもらうぞ」

 〝せいなるつるぎ〟。

 眩い光が部屋一杯に広がる。

 腰を落とした低い姿勢から繰り出されたその技は、見事にロケット団の足元に命中した。

 ドンッ――ジム全体に響き渡る鈍い音の後、クサイハナを模した屋根を突き破り、夜空の星目指して飛んで行くものたちがいた。それはロケット団三人組がサトシを追い駆けるようになってから、お約束の退場方法である。

「トレーナーがポケモンの技直に使うって有りかよ!?」

「にゃーはもう赤ジャリの相手はしたくにゃいにゃ!!」

「でーもー、この伝説の香水はロケット団が頂いたわよー!」

「なーにー!?」

 サトシがハッと開かれたままの金庫を見れば、そこはもぬけの殻となっている。奴らの撃退は叶ったものの、狙いの阻止には失敗してしまったらしい。

 既に星となって輝くロケット団を見送ってしまったサトシは、悔しそうに拳を握り絞め――エミヤはニヤリと笑みを浮かべていた。

 

「え、エミヤ様!!」

 さて、騒ぎを聞き付けて惨事の現場へと飛び込んで来たタマムシジムのリーダーであるエリカは、グラシデアの花のバスケットを受け取るエミヤを認めた途端、その白魚のように美しい肌をバラのように赤く染め上げたのであった。

「さ、サトシ!? お前こんな所でそんな格好して……なにやってるんだ?」

「しかもエミヤまで居るし」

「ピピカチュウ?」

「ぐっ……こ、これは……」

 そんな乙女の脇では、サトシの旅仲間であるタケシとカスミ、それから相棒のピカチュウから不審な目を向けられる女装少年の姿があったりして、ちょっぴりおかしな空間となっている。そんな空間で女性への贈り物をするのもなんだが、と思いつつも、エミヤはエリカの元へと近寄り、バスケットを掲げた。

「シンオウの帰りに、土産を選ぶのにわざわざ君へ連絡をしてしまっただろう? その際には大変助かったので、お礼をしたいと思ってね。君の受け売りのままだが、花言葉もピッタリだし、カントーでは珍しいグラシデアの花を君に渡したかったんだ。迷惑だったかね?」

「そんなっ、迷惑だなんて有り得ませんわ!」

「よかった。ああ、そうだ。ドライフラワーにしてもらったから、種は採れるはずだ。君なら綺麗に咲かせられるだろうし、新たな香りの助けにはなるだろうか?」

「まあ、嬉しい! そんなに(わたくし)を想って下さるなんて……花が咲いたら連絡いたしますから、よろしければ、その……また見にいらして下さいな……」

「勿論だとも」

 快いエリカの了解に、エリカの顔が綻ぶ。その表情はまさに恋する乙女のもので、ジムリーダーを務める厳格なトレーナーの影は成りを潜めている。そんな主人の姿に、スタッフたちは微笑ましい想いを抱いて見守っていた。

 しかし、いつまでもピンクに染まっているわけにもいかない。

 直ぐ様気を取り直し、咳払いをしたエリカは「ところで」と本題へ指をかけた。

「この有り様と、彼についての説明をしていただいても? 彼、ジムに挑戦しに来たという少女(・・)と特徴が似ているのですが?」

 ジムリーダー足る者、盲目となることのないその眼差しは、まず穴の空いた天井を見て、それから次に窪んだ床、最後にワンピースを脱ぎ捨てるサトシへ向かう。

 やはり何も聴かないでくれる選択肢などなかったか。欠片程度抱いていた望みを心の片隅から追い出しながら、エミヤは今日何度目かの「どうしたものか」という枕詞を浮かべた。

 さてはて、どうしたものか。

 花では誤魔化されてくれる相手ではないし、それで収まるような惨事であれば、そもそもエリカがここに居るわけがない。誤魔化しなど不可能でしかないため、エミヤは心の中で手を上げるて首を振った。

「うむ……実は言いにくいのだが……」

「エリカ! オレはなぁ、お前と勝負するために――」

「呼び捨てにするな」

「アデッ! ぐっ、と、とにかく! こんな恥ずかしい格好までして忍び込んで来たんだ! オレとポケモン勝負だ!」

 こんな恥ずかしい格好として着ていたワンピースを突き出し、サトシはキッとエリカを睨む。しかし高々新人トレーナーのそれに怯むような柔でない彼女は、眉を僅かに寄せる程度で「そうですか」と一つ頷いた。

「挑まれた勝負は、受けなければなりませんわね」

「じゃあ!」

「ですが、その前に!」

 意気込んだサトシの前で、エリカは両手を叩いた。

 空気の破裂音により鼻白んだサトシの目に、ニコリとした彼女の笑顔が一杯に広がる。

「片付けをいたしましょう」

「あ、はい」

 駆け付けたジュンサーに事情を説明し、スタッフたちと片付けを行った(爆弾はエミヤがこっそり回収した)サトシたちだが、結局「今日はもう遅いから明日にしろ」と言うエミヤの一言でジムへの挑戦は翌朝へと流れることとなった。そのため一度ポケモンセンターへと戻った一行は、そこの裏庭にて遅めの夕飯を口にして居た。

「カスミだけじゃなく、タケシもジム関係者なのか」

「ああ、今はポケモンブリーダーの修行中で、サトシの旅に同行させてもらっているんだ」

「ならお礼を言わなくてはな。見ての通りサトシは世間知らずなと頃が目立つ。これからも手がかかるだろうが、タケシが見守ってくれれば安心だ」

「ちょっ恥ずかしいこと言うなよ!」

 まるで親のように頭を下げるエミヤを、サトシが頬を染めて咎めるが、頭を下げられたタケシは任されたと頷いている。

「任せてよ! タケシだけじゃなくて、私も面倒見てあげるから!」

「カスミか……」

「え、カスミが?」

「なにその反応!?」

 タケシの隣で同じように頷くカスミ。それへエミヤとサトシが似たような表情で眉を寄せるものだから、堪らずカスミは拳を握った。

 トレーナーたちが賑やかにしているテーブルの下では、セレビィとピカチュウが仲良く同じ皿のポケモンフーズを食べ、やれやれと首を振っていた。

「ああ、そう言えば、忘れるところだった」

 おもむろにエミヤは腰の鞄から白いハンカチに包まれている、薄い長方形の物を取り出した。それは元々エミヤがサトシを追い駆けて来る原因のなった物である。

 なんだなんだと覗き込む三人に見えるようにハンカチから取り出された物を見て、タケシとカスミが「あ!」と声を上げた。

「すまんな。本来ならトキワシティで渡すはずだったんだが、すっかり忘れていた。気が付けばこんなに遅くなってしまったな」

「…………なにこれ?」

 と言えど、渡された本人は頻りに首を傾げていた。

 手に持って表と裏を見比べている。

「あんた、これがわかんないわけ!?」

「トレーナーカードだぞ!?」

「と、トレーナーカード??」

「…………」

 たしかに、研究所から旅立つトレーナーにはポケモン図鑑が支給され、それがトレーナーの身分証明であるカードの役割をも担ってくれる。ポケモンリーグでの選手登録も図鑑で行えるため、図鑑があればトレーナーカードは使わないという者も居るだろう。現にサトシは旅立ってから不自由に思ったことは一度としてないのだから。

 だが、しかし。今日この時まで渡せずに思い悩んでいたエミヤの苦労とは一体何であったのだろうか。うっかりにあれだけ落ち込み、シンオウ地方で用事を済ませたりしていた時も、頭の片隅では弟分が困ってはいないかとハラハラしていたのだ。お土産に悩んで知り合いの女性へ連絡していた最中でも、連絡の取りづらいサトシをどうやって捕まえるかと悩んでいたのだ。これでも。

 それが当人の「なにこれ?」である。私の苦悩はなんだったのかと言いたい程の能天気な返答であった。

 本日何度目か。もう額に手をやって深く大きなため息を吐いたエミヤは、ジロリとピカチュウとカードを覗き込むサトシを見た。

「……サトシ」

「……な、なにさ……」

(……あ、これ前にも見た)

 カスミが既視感を覚えるその光景は、彼女がエミヤと再開したポケモンセンターでも見たものだ。

 予想通り、額にあった手はサトシの肩へと移り、その細く小さな筋肉をビクリと跳ねさせる。

「サトシ、話をしよう」

 

 余談であるが、一頻りサトシとのお話を済ませたエミヤだが、その晩は一睡もすることができずに朝を迎えることとなった。

 その理由は些細なことで、いつもなら一緒に布団へ入るセレビィが何故か一度も目を合わせず、ついにはモンスターボールで寝てしまったためである。トレーナーとしてセレビィの機嫌が一日中何処と無く悪いことには気付いていたが、その理由がわからなかったためにどうしようもなく、わけもわからぬまま謝ることが得策でないことを十分知っている彼は、ひたすらボールへと引きこもってしまった相棒のご機嫌とりへ勤しむ破目になったのであった。

 閑話休題。

 ついでに、何処かの空き地の土管の中で、伝説の香水と銘打たれたそれを開封した三人組が居たそうだが、彼らはその中身がクサイハナの香りの原液だとは知らなかったそうな。

 





 ニダンギル ♀
 はがね/ゴースト
 れいせい
 負けん気が強い
 ノーガード
 つばめがえし、せいなるつるぎ、かげうち、ラスターカノン
 カロス地方のとある岩に突き刺さり、道を塞いでいたヒトツキ。自分を引き抜いたものに勝負をしかけ、今まで負けなしであったが、エミヤによって敗北し、ヒトツキの希望と周辺住民の押し(付け)により手持ちへ加わった。
 エミヤの手が好きであり、独占欲が強い。お気に入りはエミヤの首。ややヤンデレ気味だとかわいい……かな?


 この作品をクロスオーバーにする意味があるのか、という疑問が風呂場でよく浮上する筆者ですが、正直自分でも「意味がない」と思ってしまっています。なら何故書くのかと言えば……まあ、想像して楽しいので書いています。そんな感じの作品です。
 しかしそんなことより――やったー! やっとトレーナーカードを渡せたー!!
 この失態に気付いてからは、もうプロットよりもこれを達成することに重きを置いてしまったんだぜ!! 渡そう渡そう思ってても書いてたら忘れるから、実は一度書き終わってから慌てて書き加えたなんて言えねえぜ!!

 ※エミヤの手持ち募集について!
 募集の〆切を6月末日までに変更します。
 理由としては不定期更新であり、何時来るかもわからない手持ち全登場回を〆切にするには、筆者も書きにくいことに気付いたからです。そこに到達するのが遅かったぜ……。
 募集は活動報告から行っています。気軽に案を投げてくれると創作の助けになります。

 誤字報告ありがとうございます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。