極道、異世界へ   作:カミガミ

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最近用事立て込んでしまい遅くなってしまいました。
申し訳ありません。

今回は桐生さんの設定に触れます。



四章 念

「お前は…」

「「ヒソカ!?」」

ヒソカの姿を見てゴンとキルアは驚いていた。

 

「ん?ゴン達もあいつを知っているのか?」

ゴンとキルアがヒソカの名前を叫んだことを聞いた桐生が、ゴンに怪訝そうに尋ねた。

「うん、ちょっとした因縁があったね。天空闘技場(ここ)にきた目的もヒソカとの戦いに備えて強くなる為なんだ。ていうか、キリュウさんもヒソカを知っているの?」

今度はゴンが質問をした。

 

「ああ、俺は数日前にあいつに目をつけられてしまってな。ゴンと同じように俺もあいつと戦うことになっているらしいんだ。」

桐生は数日前のことを思い出しながらゴンとキルアに説明した。

「そういうことか、ところで何でお前がここにいるんだ?」

桐生の説明を聞いたキルアが緊張した声でヒソカに尋ねた。

「別に不思議じゃないだろ?ボクは戦闘が好きでここは格闘の中心地だ♦️君達こそ何でこんなトコにいるんだい?……なんてね♥️もちろん偶然なんかじゃなく君達を待っていた♦️」

ヒソカの言葉にゴンとキルアの顔が強張らせる。

 

「電脳ネットで飛行機のチケットを手配しただろう?あれはちょっとした操作で誰が何処へいつ行くのかが簡単に検索できるんだ♣️あとは私用船で先回りして空港で待ち後を尾けた♥️ここに来るのは予想できたがね♦️

一つ、予想外のこともあったけどね♠️」

ヒソカは桐生に目を向ける。

 

「まあそれは置いといて、ここの先輩としてゴンとキルア(きみたち)に忠告しよう♥️このフロアに脚を踏み入れるのは」

ヒソカが右腕を突き出し、

「まだ早い♠️」

手を振るった。

 

突如、ゴンとキルアキルアが何か衝撃を受け大きく後ろに吹き飛んだ。

桐生も衝撃を受けたが、その場で踏みとどまることが出来た。

 

何だ?今のは!?

 

桐生は突然受けた衝撃に困惑していた。

「出直したまえ♣️とにかく今は早い♦️」

「ざけんな!せっかくここまで来たのに……!!」

キルアがヒソカの言葉に反論しようとした時、ヒソカが再び右腕を突き出すのを見て口をつぐんだ。

 

「通さないよ♠️ってか通らないだろ?」

「「ぐっ…」」

「ゴン!キルア!」

ゴンとキルアはまた殺気のようなナニカを受けて苦悶の表情を浮かべる。

「ヒソカ!ゴンとキルアに何をした?」

「…本当に知らないんだね♣️」

「何のことだ?」

「そのことについては後ろのその人に聞けばわかるかもね♥️」

「後ろ?」

「無理はやめなさい。」

 

後ろから男の声が聞こえた。

桐生が後ろを振り向く。

そこにはシャツが出ていて眼鏡をかけている男がいた。

 

誰だ?こいつは……

 

「ウイングさん?!」

ゴンが驚いた表情で男の名前らしきことを言った。

「ゴン、こいつを知っているのか?」

「うん、少し前に知り合ったんだよ。」

 

ウイングって言うのか…

 

「彼の念に対し君達はあまりに無防備だ。極寒の地で全裸に凍えながらなぜつらいのかわかっていないようなもの。これ以上心身に負担をかけると死にかねないよ。」

「これが燃だと!?あいつが通さないって思うだけでこうなるってのか!?ウソつけ!!」

「はい、あれはウソです。」

ウイングとキルアが話をしている最中、桐生はあることが気になっていた。

 

「ちょっと待ってくれ、あんたもしかしてネンってやつを知っているのか?」

ウイングとキルアが口々に言っていたネン、と言う言葉である。

 

ヒソカも言っていたな、一体何なんだネンってのは?

 

「あなたは確かキリュウさん、でしたね?」

「俺のことを知っているのか?」

「ええ、ここではちょっとした有名な人ですからね。それに…」

ウイングは話すのをやめ、桐生を見つめる。

「どうしたんだ?」

「いえ…それよりも先程のキリュウさんの質問を聞く限りあなたはネンについては知らないんですか?」

 

「ああ、そうだ。」

「やはり……ではキリュウさんもゴン君とキルア君と一緒に念について教えます。だからひとまずここから退散しましょう。」

時計のデジタル音が静かになった廊下に響く。時刻は8時20分。

「もし…今日、登録できなかったとしたらオレ達どうなるの?」

ゴンが受付嬢に尋ねる。

 

「ゴン様とキリュウ様はまた1階から挑戦し直していただけます。ただ…」

「ただ…?」

「キルア様は以前登録を断ってらっしゃいますから、また未登録という形になりますと登録の意志なしとみなされ参加自体不可能となってしまいます。」

 

ここは一度退いた方が良いな……

 

桐生はゴンとキルアの様子を見ながらそう思った。今のままでは200階に行くどころか、この廊下を渡ることも出来ないと判断したのだ。

 

「ゴン、キルアここは一度退こう、そして、0時までに戻って来るんだ。ネンを覚えて。」

桐生の提案にゴンとキルアは頷いた。

「ウイング、俺達にネンを教えてくれ。」

「ええ、わかりました。それでは私の部屋に行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

「これが、念…」

桐生は目の前の光景を見て驚いていた。そこには本来花瓶に入っているはずの花が、花瓶に突き刺さっているという異様な光景だった。

 

「念とは体からあふれ出すオーラと呼ばれる生命エネルギーを自在に操る能力のこと!生命エネルギーは誰もが微量ながら放出しているがそのほとんどはたれ流しの状態になっている。これを肉体にとどまる技術を纒と言います。これによって肉体は頑強になり常人よりはるかに若さを保てます。」

「念を覚えればあの嫌な感じがしなくなるの?」

ゴンが廊下での出来事を聞く。

 

「はい、あれはヒソカの念を受けていたのです。念の使い手から身を守る方法は一つだけ、自分も念の使い手になり纒による防御で防ぐことです。」

「だからあんな感じかしたのか。」

「あれ?でもキリュウさんはあの嫌な感じはしなかったんだよね?」

「ああ、俺は何も感じなかったぜ。」

そう、ゴンとキルアがヒソカのオーラを当てられて苦しんでいた時、桐生だけはヒソカのオーラに反応していなかった。

「ってことは……」

考えうる可能性は一つ。

 

「そうです、桐生さんはあの時纒をしていたのです。」

桐生が念を使っていたということ。

「纒をしていた?つまり、俺はあの時念を使っていたのか?」

「はい。さらに言えば念を使っていたのはあの時だけではなく、今までの試合の中でも使っていました。」

「試合の中でも?…だからあんなに力が漲っていたのか。」

 

あの時、俺だけがヒソカのオーラを防いでいたのはわかった。しかし……

 

桐生はウイングの説明を聞いたが納得していなかった。なぜなら、桐生はついさっきまで念を知らなかったからだ。

「ウイング、俺はさっきまで念を知らなかったんだぞ?その俺がなぜ念を使えるんだ?」

「キリュウさんが不思議がるのも無理はありません。恐らくキリュウさんは今まで念を無意識に使っていたんだと思います。」

「念を、無意識に?どういうことだ?」

 

「そもそも念という力は誰もが内に秘めている力のこと。眠れるこの力を目覚めさせる方法は二つ、ゆっくり起こすか、ムリヤリ起こすか、です。しかし、キリュウさんの場合このどちらかで念を目覚めさせたという可能性はありません。なぜなら、このどちらかで目覚めた場合オーラを視認できるからです。オーラを視認出来ていないキリュウさんがこのどちらかの方法で目覚めたとは考えられない。」

「ちょっと待ってくれ。」

桐生が止まることなく説明をするのウイングを止める。

 

「すまないが簡潔に言ってくれ。」

「つまり、キリュウさんは生まれつき念を使えていたという風に考えるのが自然です。」

「「生まれつき?!」」

ゴンとキルアは驚いていた。

「そんなことがあるのか?」

桐生は信じられない様子でウイングに尋ねた。

 

「……正直なところ私もはっきりと断言できません。しかし、キリュウさんなら少しは心当たりがあるんじゃないですか?今までの人生の中で他の人とは違っていたところが。」

 

他の奴らと違ったところ……

 

桐生は今までの人生を振り返っていた。そして、一つだけ違っていたところを見つけた。

 

喧嘩の強さ、か?

 

桐生が他の人と違っていたところそれは喧嘩の強さだった。

今まで桐生は数え切れないほどの敵と戦ってきた。大人数や武器を持った相手、さらには銃を持った相手とも戦ってきた。そんな相手と戦うことはあったがどれも負けたことは無かった。

それは年をとっても変わらなかった。

 

今まで俺が喧嘩で負けなかったのは念を無意識に使っていたからなのか?

 

念を使えば体は頑強になり常人よりも若さを保てる、というウイングの説明を思い出した。

 

「今の説明を聞いて納得してくれましたか?」

「……ああ」

「話は終わった?」

桐生が説明を聞き終わると同時にゴンが尋ねてきた。

「話が終わったんなら早く念を教えてくれないかな?時間が無くなっちゃうしさ。」

キルアが時計に目を向けながらそう言った。

 

「ええ、わかりました。念を目覚まさせる方法はさっきも言った通り二つあります。ゆっくり起こすか、ムリヤリ起こすか、ですが、今回の場合は時間がありません。なので、ムリヤリ起こします。」

「ムリヤリってどうやって?」

「簡単です。これから君達に私のオーラを送ります。」

ウイングの言葉にゴンとキルアの表情が険しくなる。先程のヒソカのオーラを連想したからだ。

 

「もちろん君達の体を壊すことが目的じゃないので、手加減はしますが荒っぽい方法であることに変わりはない。この方法は眠っている体に喝を入れて纒をおこしやすい状態にする。”眠っている”とは体中の精孔という孔が閉じきっていてオーラがうまくめぐっていない状態のこと。私のオーラを君達の体内に一気に送ることによって精孔をこじ開けます。」

ウイングがゴンとキルアと桐生の背後にまわる。

そして、両腕を突き出した。

「キリュウさんにもオーラを送ります。オーラを視認出来ていないと言うことは目の精孔だけが開いていないかもしれないので、開くことによってオーラを視認できるようにします。」

 

 

「「っ」」

ゴンとキルアの頰がピクリと動く。

「感じましたか?オーラを。」

「うん、なんだがすごく熱くなってるよ。」

「見えないぶよぶよがまとわりついてる感じだ。」

「素晴らしい感性です。では、行きますよ。」

ウイングが一呼吸置く。そして、目をカッと見開いた。

 

次の瞬間、ゴンとキルアと桐生の背中に衝撃が走った。

「「おお!?」」

「これは……」

それと同時に驚いていた。なぜなら視えているからである。ゴンとキルアから迸っているオーラを。そして、桐生自身のオーラも。

「まるで湯気だ!そう!蒸気みたいだ!」

「全身から思いっきり立ち上ってるぜ!!」

 

これが、オーラ……

 

桐生も自身が纏っているオーラを視て驚いていた。

 

「いいですか?オーラを体にととめようと念じながら構えて下さい。目を閉じてどんな(ポーズ)でもいいです自分のイメージしやすい構えで!!」

ウイングの説明を聞いたゴンとキルアが、肩の力を抜き脱力した自然体だ構える。

「そして、オーラが血液のように全身をめぐっているよう想像してください。目を閉じて頭のてっぺんから右の肩、手、足と通りそして左側へ…

そして、その流れが次第にゆっくりととまり…体の周りでゆらいでいるイメージを思いうかべるのです。」

ウイングが説明を終える瞬間には、ゴンとキルアはオーラを身に纏っていた。

(なんて…子供達だ。)

そのあまりの習得の速さに冷や汗をかいていた。

 

「もう習得したのか、早いな。」

ゴンとキルアが桐生に目を向ける。

ここでゴンが疑問を覚えた。

「あれ?キリュウさんも纒を覚えたの?」

桐生のオーラは淀みなく桐生の周りをめぐっていたからである。

 

「いや、俺はオーラが見えるようになった時にはすでに纒をやっていたんだ。」

「そうか、キリュウはオーラが見えていないだけで元々纒は出来ていたのか。」

纒を行なったまま話をしているゴンとキルアの様子を見てウイングが納得したように頷いた。

「うん、イメージはしっかりと待ち続けていますね。では ……」

ウイングのオーラが大きくなる。

 

「これからゴン君とキルア君に敵意をもって念を飛ばします。無事防げれば彼の念の壁も破れるでしょう。」

ゴンとキルアが身構える。

「行きます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

200階の廊下で座っているヒソカの前にゴンとキルアそして桐生が姿を現した。

三人はヒソカの方に歩く。ここでヒソカが念を飛ばす。が、今度は怯むことなくゴンとキルアは念の壁を突破した。

ゴンとキルアを横目で見ていた桐生も若干の安堵を覚える。

「流石だね♥️もう纒を覚えたのかい?……キリュウも念が視えるようになったんだね♦️」

「ああ、まあな」

「まさかそっちから現れるとは思わなかったよ。手間がはぶけた。」

纒を覚えて自信がついたのかゴンは強気にヒソカにそう言った。

「くっくっく♥️纒を覚えたくらいで調子に乗っちゃダメだよ♦️念は奥が深い♣️」

ヒソカが両手の人差し指を立てるとそこからオーラが出てきた。オーラは最初はハートの形を作り徐々に形を変えてどくろの形になった。

 

「はっきり言って今のキミと戦う気は全くない♠️」

ヒソカが立ちあがりながら言った。

「だが、このクラスで一度でも勝つことができたら相手になろう♥️キリュウとの戦いはそのあとにやろう♦️」

言い終えるとヒソカは背を向け廊下の奥へ消えていった。

 

 

 

 

 

ゴン、キルア、桐生共に200階クラス到達

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、というわけで桐生さんは今まで無意識に念を使っているという設定にしました。
自分的には桐生さんの化け物具合をみて考えた設定です。
しかし、色々と足りていないところがあるかも知れません。

今回の話をみて指摘する点があればどうぞして下さい。

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