ウォーシップガンナー艦これ  白鉄の艦隊   作:タオモン3

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第二話目相変わらずだらだらとしていますが本人としては真面目書いているつもりです(汗)


出発

「では、改めまして我々の自己紹介をいたします」

 

そう言うと「全員気を付け!」と副長が号令した。

5人はピッと背筋を伸ばし、足を揃える。その行動は一矢の乱れも感じさせない。

 

「かんちょー殿への自己紹介を始める。私から見て右の者から順に一歩前に出て始めるように」

「「「「はい!」」」」

「よし、はじめっ!」

 

一歩前にショートヘア―、軍服が女性用のスカートタイプの妖精が出る。

 

「自分はシュヴァンフヴィードかんちょー艤装妖精、砲雷長であります!職務は主砲から対空砲、ミサイルなどの搭載武装、射撃レーダー、ソナーなどから探照灯、錨、短艇、クレーンなどの操作ができます! 早く51センチ砲をぶっ放したくてうずうずしているであります!!」

 

砲雷長と名乗った妖精は元気いっぱい、はつらつとしている。

 

「そう焦るな。敵が来たら嫌でも腹いっぱいに砲弾を叩き込む機会がくる。それまでは待機だ、次っ!」

「あぁぁ……早く敵来い……早くて敵よ来い」

 

何やらぶつぶつと呟きながら一歩下がる砲雷長に若干の不安を残すも、次の妖精が前に出る。

 

「同じく……かんちょうの……艤装妖精……船務……長、です。主な職務は……CICの運用……レーダーや通信の……操作……整備、です」

 

船務長と名乗った妖精は標準な軍服にヘットセットを身に着けている。髪はやや長めのセミストレート。前髪が目元を隠していて口調と相まって内気な性格なのだとシュヴァンフヴィードは感じた。

船務長は「どうぞよろしく」とボソッとつぶやいて後ろに下がる。

 

「船務長、もう少し言葉にメリハリを付けろ。状況をいち早く伝える者がぼそぼそと小声でどうする」

「……善処します」

「はぁ……まあいい、次は……」

「はい! わたしです!」

 

跳ねるように前に出た妖精は、ウィルキアの軍服を基調としているようであったが、どことなく学生服にも見える軍服を着用していた。

髪は船務長と同じセミロングであるが後ろで一束に纏めるポニーテールである。5人の中で唯一眼鏡をしているのも特徴だろう。

 

「わたしは……じゃない、自分は艤装妖精の航海長です! 職務は航海、信号、見張りに艦長の代わりに操艦、気象観測なんかも担当します! 精一杯頑張ります! よろしくお願いしますかんびょッ!」

 

噛んだ。最後の最後で噛んでしまった。

若干の静寂の後、航海長はぷるぷると震えながら、涙を瞼に貯めていき、

 

「びぃやああああああっ! 最後の最後でかんじゃったぁああああっ!!」

 

ダムが決壊したごとく大泣きしてしまった。

 

「こ、航海長、誰でも緊張気味では噛むこともある。そんなに気にするな」

「ひっぐ……だって……ぐずっ……砲雷長も船務長っ……も……うぅ……ちゃんと言えてたもん……私だけだもん」

 

幼子のように泣きじゃくる航海長にシュヴァンフヴィードは歩み寄り、膝を落とす。

 

「大丈夫。貴女の熱意は伝わった。だからそんなに泣くことはない」

「うっぐ……がん゛ぢょーあ゛じじゃどうごじゃいま゛ず。じぇいいっばいがんだりま゛じゅ」

 

航海長はぐしゃぐしゃの顔で敬礼した。

 

「次は……」

「あたしだな」

 

スッと最後の妖精は前に出で敬礼する。長袖が一般の軍服に対して彼女のは薄着の半袖タイプの軍服を着用している。

髪はバッサリとしたショートヘア。顔つきややむっとしているためか、威圧的な印象を受け、軍人らしい女性だ。

 

 

「自分は艤装妖精の機関長。職務は艤装主缶の主機の整備。火災、浸水時のダメージコントロールなどを行います。いつでも万全の状態で艤装を動かせるように日々、精進していく所存です」

「艦娘の艤装は機関が命だ。その責務は重大であるが無理をするなよ機関長」

「はっ! 副長殿!」

 

ピッと背筋を伸ばした敬礼をして機関長は列に戻る。

そして最後に、副長が振り向き前に出る。

標準的なウィルキア海軍伝統の軍服に身を包む。

髪型は砲雷長同じショートヘアであるが毛先が整えられており真面目さが出ていることが伺える。

 

「改めまして自分は、艤装妖精統括長兼副長であります。職務は艤装妖精の統括、及び人員配置などを担当。副長としてはかんちょー殿をできる限り補佐していく所存です。ここにはいませんが食堂では補給長、航空機格納庫に整備長、航空機長他数百名の妖精が職務を全うしております。以上がシュヴァンフヴィードかんちょーの艤装を預かる艤装妖精であります。よろしくお願いいたします」

「こちらこそ、よろしく」

「はっ! 全員かんちょー殿に敬礼!」

 

一糸乱れぬ敬礼にシュヴァンフヴィードも自然と背筋を伸ばし敬礼をした。

 

「それじゃ、艤装が起動したことだし、これからの方針について話を始める」

「「「「「はっ!」」」」」

 

艤装は稼働し、船行に必要な最低限の乗員?は揃っているため、シュヴァンフヴィードは自分たちが如何に行動するべきかを話し始めた。

ここで艤装と艦娘、妖精について触れておく。

艤装は艦娘と接続状態のときは体の一部のように動かすことができる。いや、正確には船体を動かすことしかできないのだ。

付けられている兵装、索敵、通信、ダメージコントロールに至る機能の操作は、艦娘には基本できない。数多の制御を同時並列で行うと自身に負荷が掛かり、最悪重大な障害をきたす恐れがある。そのため艤装妖精は艦娘の補佐として存在している。

副長が先ほど述べたように妖精は艦娘の一部、制御ができない機能を補うことで艦娘が艤装の操作に集中することができる。

つまり艦娘と妖精、両者が十全に機能することで艤装は遺憾なく性能は発揮することができるのである。

艤装との接続時に流れ込んできた大量のデータの中にはこのことはもちろんある。

 

「まずは現在の状況について確認するよ。副長、私が眠っている間に船内――艤装内を調べた?」

「はい、乗員妖精総員で艤装内を調べました」

「食料はあるの?」

「補給長の報告では食糧庫には一月ほどの食料が備蓄されているようです」

 

死活問題であると思われた食料難は回避され胸を撫でおろす。もしも食料がない状態で航行など地獄にも等しいからである。

 

「そう。それはよかった。次に砲雷長、弾薬はどれくらいあるの?」

「はい! 搭載兵装は全て稼働できる状態であり、弾薬もミサイルも装填済み! 弾薬庫も満載で戦闘状態になったとしても支障はありません! ていうか早く戦闘状態になれって感じです!」

 

息を荒げながら報告する砲雷長。物騒なことを最後に言っていたが弾薬の無い戦艦など的代わりの鉄の塊に過ぎない。もしも、敵対的艦船、航空機に出くわしてその都度進路を変更しての航海を余儀なくされてしまう。その不安が無くなり一安心だ。

 

「わかった。航海長、現在位置は?」

「はい! 北緯57度30分、東経176度17分、ベーリング海海上と思われます」

「ベーリング海……か」

 

ベーリング海は生前シュヴァンフヴィードが沈んだ海域であり、多くの姉妹たちの墓場である。そして自身と共に沈んだ最悪の存在が眠る場所でもある。

この海域で沈み、蘇ったシュヴァンフヴィードの心中は複雑であるが今は奥にしまう。

 

「母港シュヴァンブルグまでの航海ルートの算出はできている?」

「はい! 35ノットでおよそ二日の航海です」

「機関長、艤装は起動したばかりだけどその速度で大丈夫?」

「問題ない。すでに機関は確認済みだ。見事なまでに新品だったぞ」

 

ふふんっと機関長は自慢げに鼻を鳴らした。

ここまで彼女らは質問されたすべてに答えいる。彼女らの能力の高さと行動力があることがわかり、補佐役としては優秀であるとシュヴァンフヴィードは感嘆した。

 

「わかった。艤装の状態は万全、なら私たちの方針は一つ。母国ウィルキアに帰還する。異存は?」

「「「「「…………」」」」」」

「ないのなら直ちにウィルキアに向け出発する。総員出発準備に掛かって」

「「「「「了解っ!」」」」」

 

砲雷長と船務長はCICへ、機関長は機関室へと艦橋を後にする。

残されたのは副長と航海長。

船務長は海図の敷かれたテーブルの前に立つ。

シュヴァンフヴィードもサークル内に立つと、

 

「かんちょーこれをどうぞ。これで艤装内の各長たちへ連絡ができます」

 

副長がヘットセット型無線機を手渡した。

 

「ありがとう」

 

お礼をいい、ヘットセットを被りスイッチを入れる。

耳の中にじぃーっとノイズが走った。

 

「こちら艦長のシュヴァンフヴィード。各長、声が届いているのなら応答して」

『砲雷長であります。感度良好であります』

『同じく……船務……長……聞こえて……います』

『こちら航海長。すぐ後ろにいますが、無線の状態はオッケイです!』

『機関長だ。聞こえている』

『聞こえているよかんちょーさん。はじめましてあたしが補給長さ、よろしくね』

『こちらは格納庫、整備長です。出頭せずに申し訳ありませんでした。のちほど伺いますかんちょー』

『同じく格納庫、航空機長だ。整備長と共に艦載機の調整をしていたため出頭できなかった。申し訳ない。整備長と共にお伺いする』

 

七人との長との連絡が通じ、返信が来た。

 

「本艦はこれより、母国ウィルキアへ進路を取る、各長は職務を果たすように」

『『『『『『『了解!』』』』』』』

 

通信を終わり、シュヴァンフヴィードは艤装を動かすため集中する。

ゴォオオンっと四枚のスクリューが回転を始め、船体が前進していく。

 

「航海長、進路は?」

「はい! 進路210°へ変針願います」

「わかった」

 

シュヴァンフヴィードは航海長の言う通りに艤装を回頭し終えると、徐々に速度は上げながら白鉄が晴天の海原を行く




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