ウォーシップガンナー艦これ  白鉄の艦隊   作:タオモン3

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話進まないな……(汗)
飽きてませんか?


接触1

「皆さん。不明艦からの応答がありました。どうやら敵ではないようです」

『そうなのですか? よかったです』

『敵じゃないならどこの国のだよ? 米国か? ソ連か?』

「いえ、相手方はウィルキア王国海軍の近衛艦隊旗艦といいました。名前はシュヴァンフヴィードと」

『聞いたことない国ね』

『シュヴァンフヴィード……響きからドイツ艦なのか?』

『響だけにか?』

『…………』

 

「くっくっくっ」と天龍は笑い「そういうつもりじゃない」と響きは不機嫌そうに言うと険悪な空気に包まれる。

 

『こら、天龍からかわない!』

『け、けんかはだめですよ』

 

わいわい、がやがやと緊張感無く騒ぎ立てる僚艦たちに「静かに」と鳳翔が低い声音を発すると、鎮火したように静かになる。

静寂を見計らい、しゃべりだす。

 

「どうやら相手は母国に帰還中らしいです。しかし、ウィルキアはオホーツク海西部の海岸にある国家だと言うのです」

『あそこはソ連の領土だ。国なんてないはず』

「響さんの言う通り、国は存在しません。しかし、嘘を言っているようには聞こえませんでした」

 

通信でのやり取りでの沈黙。微かに聞こえた嗚咽染みた声に鳳翔はそう思っていた。

 

『じゃあ、なんだ? 俺たちが知らない艦娘ってか?』

「可能性は高いかと。相手は情報の違いに困惑していました。そのためか情報を交換するように乗艦を求めてきました」

『どうぞって返事したんだろ?』

「はい」

『はぁ~鳳翔さんは相変わらずだね』

『危険じゃないのですか?』

『私もそう思う』

 

確かに所属が不明の艦娘を艤装内に、それも艦隊旗艦に乗艦させるには、あまりにも危険性が高い。しかし、鳳翔は先のやり取りで敵意はないと確信していた。

もし、あるのなら律義に応答などしなし、醜悪な思考の持ち主ならならこの瞬間にも砲弾の雨が降り注いでいるはずだ。

 

「前方の戦艦から……あれは……回転翼機?! 本艦に接近してきます!」

 

見張り員の驚きの声が上がる。回転翼機とは現代でいうヘリに該当する。前世でもカ号観測機と呼ばれるオートジャイロが日本軍に存在した。

けれど、見張り員が見たものはそれよりも大型で、速度も艦載機並みに速く、ぐんぐんと近づいてきたことがさらに驚愕に拍車をかけた。

無論、鳳翔、含む僚艦の艦娘も驚きを隠せないでいた。

 

 

 

 

時計はやや遡り、シュヴァンフヴィードの姿は格納庫でなく、医療室にあった。

鳳翔の艤装に乗艦する前に、ル級1に今の状況を話、動揺さえない為である。

 

「たった今、艦娘の艦隊と接触した。けど、貴方たちのことは極力話さないことを約束する」

 

ベッドに戻ていたル級1は神妙な顔で「ワカッタ」と頷く。

隣を仕切っていたカーテンは開けられ、反対側のル級2の意識を取り戻したのか、オロオロとした視線で二人を交互に見る。

 

「もちろん、受け渡しを要求してきたら私は拒む。だから安心してほしい」

「ソレヲ私タチニ信ジロッテイウノ?!」

 

噛みつくようにル級2は声を荒げる。

 

「ヨセ、私ガ納得シテイルンダ」

「ネエサン! 艦娘ノ言ウコト信ジルノ?!」

 

まさか。自分が人質にされてしまっているのかと察したル級2は殺意をこもった目でシュヴァンフヴィードを睨む。

 

「卑怯者! オ前タチハソコマデ卑劣ナノカ!」

「何をどう想像したかはわからないけど、私は貴女が寝ている間に、貴女のお姉さんと話をしただけ」

「私ヲ人質ニシテ拷問シタノカ?!」

「尋問も拷問もしてない」

 

「嘘ダ!!」とベッドから飛び上がりシュヴァンフヴィードに掴みかかる。

どうやらル級1に巻かれた包帯の量を見て言っているのだろう。

彼女のそれは妹を守って受けたものであり、愛情の証のはずであるが、興奮しているル級2は冷静な判断ができないでいた。

 

「ヨセ! コノ傷ハ拷問デ受ケタモノジャナイ。彼女ノ言ウ通リ、拷問モ、ソレデコロカ尋問スラ受ケテイナイ」

「ソンナ……嘘ヨ」

「本当ダ。コノ傷ハ爆発ノモノダ。助ケテクレタドコロカ、私タチヲ捕虜トシテデハナク、ゲストトシテ扱ッテクレテイル」

 

呆気にとられたル級2は、シュヴァンフヴィードを掴んでいた手を放す。衣服を整え、シュヴァンフヴィードは微笑む。

 

「今は信じてくれなくていい。ただ貴女のお姉さんに言っていることだけは信じてあげて。自分の事よりも貴女の事を心配していた彼女を」

 

ううっと嗚咽を漏らすル級2に背を向け、踵を返すと医療室の扉をくぐって外に出ていく。

通路まで響く、鳴き声を聞きながら、今度こそ格納庫に向かって通路を進んでいく。

いくつかの区画を通ると、ひときわ広い空間に出る。なかでは先ほど回収した無人偵察機メーヴェの洗浄と整備に、整備員がいそいそと動き回っていた。一人が「かんちょー殿?!」とすっ飛んだ声を上げると、至る所から視線を浴びせられる。

 

「全員集合! かんちょー殿がお見えになられた!」

 

だだだっと作業を中断した妖精はその場で直立すると「敬礼と!」と声に合わせ、一糸乱れぬ動きを見せる。

シュヴァンフヴィードは敬礼を返し、「作業を続けて」といい蜘蛛の子を散らすように作業に戻る。

その中で一人だけ近づいてきた妖精がいた。

上下を半袖のシャツと短パンを履き、顔や手がオイルと油で汚れている。

 

「初めましてかんちょー殿。私が整備長であります。出頭できなく申し訳ありませんでした。後、このような姿で失礼します」

「気にしないで。その汚れは職務をしている証だから」

「恐縮です。ところで前方の日本艦隊の空母に乗艦されるのですね?」

 

見透かしたように言い当てた整備長。大方、副長辺りが先に連絡していたのだろうとシュヴァンフヴィードは苦笑した。

このような状況でも職務を全うしてくれる辺りを見習わなければいけないなと同時に感謝した。

 

「そう。ヘリを飛ばしてくれる?」

「了解です。すでに甲板エレベーターに乗せ、搭乗後いつでもいけると航空機長が連絡してきています」

 

整備長に促され、ヘリが待機してある場まで行く、すると搭乗員らしき妖精と防弾ベストにヘルメット、手には自動小銃携え、完全武装した妖精が4人整列している。

 

「お待ちしておりましたかんちょー。自分が航空機長のです。出頭せずに申し訳ありませんでした」

「いい。それよりその4人はなに?」

「はい、彼らは航空降下妖精と言いまして、ヘリから降下して要人の救出や救助などを主任務にした妖精であります。今回はかんちょー殿の護衛として随伴させたいと思います」

 

ふんっと鼻息荒げに言う。

額に手を当て、ため息をつき、流石にそれは用心し過ぎではないだろうかとシュヴァンフヴィードは思う。

彼らは真剣に考えているのだろうが、武装した小集団が相手の旗艦に乗艦したならば、最悪戦端の引き金になりかねない。

しかし、無下にはできずヘリの護衛のみと条件を付けた。

 

「しかし、万が一かんちょー殿身に何かあったら……」

「その時はその時に何とかする。行き当たりばっかりかもしれないけど、私たちが頼み、向こうは快く了承してくれた。そのことを考えて」

「は、軽率な行動をして申し訳ありません」

「貴女が悪いわけじゃない、そういうこともあるのだと気に留めておいて。それじゃ行こう」

「はっ! 全員搭乗!」

 

航空降下妖精が扉をスライドさせ、シュヴァンフヴィードは促させるまま機内に乗り込む。全員が搭乗するとエレベーターは甲板まで上昇した。

 

「こちらクレーベⅠ。発艦準備に入る」

 

航空機長は慣れた手つきで、スイッチを押していく。

4枚の羽根が徐々に回転していき、ブンブンブンっと空気を切り裂く音が鼓膜に響く。

 

「エンジン出力よし、各部異様なし。クレーベⅠ発艦する」

 

クレーベⅠは甲板から浮き上がると、高度を上げ、日本艦隊の軽空母鳳翔の甲板まで直進していった。

 




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