ペルソナ4〜三人の救世主の新たな旅路〜   作:ブレイヴ

3 / 3

ーーーあらすじーーー
自分の命を引き換えに、世界を救った二人の救世主「有里湊」と「有里公子」を救い出したもう一人の救世主「馬神弾」だが・・・引き金の影響で、元の世界に帰る事が出来ない状態に陥った。そして、エリザベスが二人の今後についてベルベットルームへ話をする事になるが、ダンも一緒にベルベットルームに行く事になったのだった・・・・。


〜第2話「新たな旅路」〜

ーーー第2話「新たな旅路」ーーー

 

「・・・・それで?」

 

「え、えっと・・・あ、姉上?」

 

「・・・・。」

 

ベルベットルームに入ったエリザベス一行だったが、目の前にエリザベスとテオドアに似た雰囲気を漂わせている女性が居て、突然本でエリザベスとテオドアを殴った。そして、その女性の前で絶賛正座中のエリザベスとテオドア。余りの出来事で、湊や綾時そして公子とダンは唖然とその光景を見ていた。

 

「まさか、この様な事が起きるとは・・・私めも驚いております。」

 

突然、老人の声が聞こえ、ダン達は声のした方へと視線を向けると其処には・・・

 

「何はともあれ、久しいですな、湊様。そして、公子様・・・。」

 

ソファーに座っている長い鼻の老人・・・イゴールが、湊と公子を名を言って優しく微笑んだ。

 

「・・・・久しぶり、イゴール。」

 

「うん!久しぶり、イゴールさん。」

 

湊と公子の二人は、イゴールに会えた事に嬉しそうに微笑んだ。

 

「そして、ようこそベルベットルームへ・・・・貴方様には、自己紹介はまだでしたな・・・・私の名はイゴール、お初にお目に掛かります・・・・。」

 

「馬神弾だ。」

 

そして、イゴールは、ダンへと視線を移し自己紹介をする。ダンも、イゴールに自己紹介をするのだった。

 

「それにしても・・・・ふむ、貴方様も随分と変わった人生を歩んで来られましたな。」

 

イゴールはそう言って、ダンを見る。

 

「・・・・。」

 

イゴールの言葉を聞いたダンは、無言になる。

 

「ふむ・・・しかし、これは・・・・」

 

そして、イゴールはダンを見てそう呟いた。

 

「えっと・・・・・どうかたんですか、イゴールさん。」

 

公子は、イゴールの様子に首を傾げながら聞くのだった。

 

「いえ、この話は後に致しましょう。」

 

イゴールはそう言って、微笑むのだった。

 

暫くして、女性は、エリザベスとテオドアの説教を終えて此方に来た。

 

「あ、姉上。もう少し加減を・・・・」

 

「頭が割れそうで、ございます・・・・・。」

 

「それは、貴方達の自業自得でしょう・・・」

 

テオドアとエリザベスは、痛そうに頭を抱えそう言うと・・・女性は、呆れた口調でそう返した。

 

「っと・・・これはこれは、大変お見苦しいところを見せてしまい申し訳ございません。私の名は、マーガレットと言い・・・こちらのエリザベスとテオドアの姉でございます。どうぞ、よろしくお願い致します。」

 

女性・・・マーガレットは、ダン達の存在に気付くと自己紹介をするのだった。

 

「お久しぶりです、マーガレットさん。あの時は、お世話になりました!」

 

公子は笑顔でそう言うと、湊も軽く会釈をする。

 

「ふふふ、いいのよ。こちらもエリザベスとテオがお世話になったみたいだから・・・・。」

 

そう言って、マーガレットはダンの方を見た。

 

「特に貴方には、エリザベスとテオの手助けをしてくれた他に・・・妹達のお客人を救い出して下さったみたいね・・・ベルベットルームの住人として・・・1人の姉として、御礼を言うわ。ありがとうございます。」

 

そう言って、ダンに頭を下げて御礼を言う。

 

「・・・・・気にしないでくれ、俺が勝手にした事だからな。それに・・・・俺自身、2人に助けてもらった。お互い様だよ。」

 

ダンは、マーガレットにそう言った。

 

「それでも、私は貴方様に感謝したいのです。」

 

マーガレットはそう言って、ダンを見つめる。

 

「・・・・・分かった。受け取る事にするよ。」

 

「ふふふ、ありがとうございます。」

 

マーガレットは微笑むのだった。

 

「では、話も済んだ事ですし・・・そろそろ本題へと入らせて頂きます・・・・まず、湊様に公子様の今後について見てみましょう。」

 

イゴールはそう言って、机にタロットカードの束を出すと、タロットカードがを並べてた。

 

「では、一枚目・・・」

 

イゴールがそう言って、一枚目のカードを捲った。

 

ーーー「愚者」のアルカナ

 

「ふむ、どうやら新たな旅路の出発のようですな。さて、二枚目は・・・」

 

イゴールは、二枚目のカードを

 

ーーー「魔術師」のアルカナ

 

「そしてお二人は、次の向かう所で新たな出会いが待っているでしょう。最後に・・・・」

 

イゴールは、三枚目のカードを捲った。

 

ーーー「塔」のアルカナ

 

「ふむ・・・どうやらお二人は、また何らかの事件に巻き込まれるようですな・・・・。」

 

「あははは・・・。」

 

「・・・。」

 

イゴールの言葉を聞いて公子は苦笑いをし、湊は黙った。

 

「さて、これがお二人の新たな人生でございます。そして・・・私達は再びお二人の手助けをさせていただきます。ですので、お二人が持つ“契約の鍵”は、そのまま使用する事が出来ます。それから、引き続きエリザベスとテオドアが貴方様方のお力添えをさせていただきます。よろしいですな?」

 

「うん!全然OKだよ‼︎」

 

「・・・僕もそれで構わない。」

 

「では、頼みますぞ・・・エリザベス、テオドア。」

 

「はい、我が主・・・。」

 

「我々は全力で、お二人のお客人の手助けをさせていただきます。」

 

エリザベスとテオドアは、イゴールに頭を下げてそう言ったのだった。

 

「よろしく、エリザベス・・・テオ。」

 

「よろしくね、エリザベスさん!テオ!」

 

「はい、此方こそ愚弟共々・・・よろしくお願い致します。」

 

「姉上・・・はぁ、よろしくお願い致します。」

 

四人の方を向いたイゴールは、次にダンへと視線を向けた。

 

「さて、次は貴方様ですな・・・馬神様。」

 

「・・・頼む。」

 

ダンは、そう言って椅子に座った。

 

「では、一枚目・・・・」

 

そう言って、先程の様にタロットカードを並べて一枚目を捲った。

 

ーーー「愚者」のアルカナ

 

「ふむ・・・どうやら馬神様は、お二人と同じ場所で、新たな旅路の出発のよですな。」

 

「・・・そうか。」

 

イゴールの言葉を聞いてダンはそう答えた。

 

「では、二枚目・・・・」

 

イゴールは、二枚のカードを捲った。

 

ーーー「魔術師」のアルカナ

 

「この意味は、お二人と同じで、新たな出会いが待っていますな。」

 

イゴールは、二人と同じ事になっている事に内心驚きつつも平常心を保ってそう言った。

 

「・・・そうか。」

 

イゴールの言葉にそう答えたダン。

 

「では、最後に・・・・」

 

イゴールは、三枚目を捲った。

 

ーーー「塔」のアルカナ

 

「・・・どうやらお二人と同じで、事件に巻き込まれる事になりますな。」

 

「・・・・。」

 

まさかの展開に、沈黙するダン。

 

「ふむ、やはり・・・。」

 

タロットを見てイゴールは、そう呟いた。

 

「あ、あの・・・やはりって?」

 

イゴールの呟きに首を傾げる公子。

 

「どうやら馬神様には、お二人と似た力が宿っておりますな。」

 

「似た力って・・・・。」

 

「・・・まさか、ワイルド?」

 

イゴールの言葉を聞いて、公子と湊は目を見開いてダンの方へと視線を向けた。

 

「恐らくは・・・ですが、どうやら湊様と公子様のワイルドの力とは根本的に違う様ですな。」

 

「?どういう事?」

 

イゴールの言葉を聞いて、公子は首を傾げた。

 

「ではまず、馬神様・・・カードを一枚引いて見せて頂きたい。」

 

「・・・分かった。」

 

イゴールに言われて、ダンはカードを一枚引いて表にした。

 

ーーー「太陽」のアルカナ

 

「これは・・・」

 

「あらら・・・」

 

「なんと・・・」

 

「どういう事なんですかイゴールさん。」

 

それを見たマーガレット、エリザベス、テオドア、公子は驚き・・・公子は、イゴールに質問するのだった。

 

「ふむ・・・どうやら馬神様の場合は、太陽が愚者の代わりになっている様ですな。」

 

「・・・愚者の代わり?」

 

イゴールがそう言うと、湊が聞き返す。

 

「詳しい事は、私めも存じませんが・・・恐らく、馬神様が身に付けている物が関係しているかもしれませんな。」

 

そう言って、イゴールはダンの腰に付けているデッキケースへと目線を向けた。

 

「・・・俺のデッキが?」

 

ダンはデッキケースからデッキを取り出した。

 

「少々、拝見してもよろしいですかな?」

 

「ああ、構わない。」

 

ダンは、デッキをイゴールへと渡すのだった。

 

「失礼・・・・。」

 

イゴールは、デッキを受け取るとカードを一枚一枚目を通し始めた。

 

「・・・・ふむふむ、どのカードからも秘めた力をお持ちの様だ。そして、その中でも・・・・・」

 

イゴールは、二枚のカードをテーブルに置いた。

 

其処には、どちらも太陽を象徴とする龍の絵が、描かれていた。そのカードは・・・ダンが、未来の世界で最初にキーカードに選んだ「太陽龍ジーク・アポロドラゴン」とジーク・アポロの進化形態とも言われる、ダンのエースカードの「太陽神龍ライジング・アポロドラゴン」のカードだった。

 

「この二枚のカードが、貴方様の持つ・・・・力の正体の様ですな。」

 

イゴールは、ジーク・アポロとライジング・アポロを指しながらそう言った。

 

「さて・・・・馬神様、貴方様に提案がございます。」

 

「提案?」

 

イゴールの言葉を聞いて、ダンは首を傾げる。

 

「それは・・・貴方様の持つそのカードをペルソナに変える事です。」

 

「出来るのか!?」

 

イゴールの言った言葉にダンが驚く。

 

「可能でございます。」

 

「・・・・そうか。」

 

「さて、どうなされますかな?」

 

「・・・・頼む。」

 

「分かりました・・・では、始めましょう。」

 

イゴールはそう言って、ダンのデッキに手を翳した。すると、蒼色の淡い光がデッキを包み・・・・暫くして、光は止んだ。

 

「これが、貴方様の新たなる力です。」

 

そう言って、デッキをダンに渡した。ダンは、デッキを受け取りデッキケースにしまった。

 

「・・・・さて、貴方様方の向かう所はお二人が封印されて二年経った後の世界となっております。」

 

「それでは、ごきげんよう。」

 

そう言って、ダン達は光に包まれて消えるのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。