消失カード・マンティス・ヤイバ・氷鬼
力を取り戻したカード・ライガ
大ショッカー本部、そこでは仮面ライダーXとアポロガイストの2人がなにかを話し合っていた。
「なあ、アポロガイスト」
「なんなのだ?」
「クウガとライガの奴等、どうしてあそこまで人の笑顔なんかのために命を賭けられたんだろうな? ただ好きだからと言って普通そこまでやるか?」
「まあ、世の中いろんな奴等がいるからな、それは怪人も人間も変わらんのだ」
それだけを言うとアポロガイストは背中を見せて歩き出し、どこかへと去って行き、入れ替わるようにXの元にフードの男が現れた。
「気になるのか? 風上光と、海原奈々が?」
「海原奈々は死んだだろ」
Xの言葉にフードの男はクスリと笑い、奈々がまだ生きていることをXに告げ、Xは仮面の下で唖然として驚いた。
「だが、クウガはもう自我を取り戻したし、そう簡単に暴走したアルティメットにもならんだろう。 それに、ディセイドが救ったあのライガの世界、ディセイドの力かもう俺達はあの世界に行くことが出来ない。 お前1人ではどうにもなりそうにないしな」
「ならば、あいつ等の方から別の世界に来て貰えば良いだけのことだ」
*
新たな世界、「ヤイバの世界」へと辿り着いた幸助達、幸助と唯は早速家から外に出ると幸助と唯の格好が突然変わり、彼の服装は「執事服」に変わり、唯に至っては「メイド服」へと変わった。
しかもお互い案外似合っているという事実、そして幸助と唯はお互いに顔を見合わせ……。
「「馬子にも衣装だな(ね)」」
と2人とも互いを見て同じ反応を示すが唯は「つまらぬ者で悪かったわね!!」と幸助に顔面パンチを喰らわせ、一発喰らい平手打ちくらいしてやろうかと思ったが敵いそうに無いのでやめた。
そこに幸助と同じように執事服を着た男性2人が現れて幸助と唯の元に近づくや否や2人の腕を掴んで無理やりどこかに連れて行こうとする。
「お前達だな!! 全くこんな所でなにを油売ってるんだ!!」
「さっさと行くぞ、王がお待ちになってるんだ!!」
「はあ!? ちょっと待ってくださいよ!」
幸助と唯が必死に抵抗して逃れようとするが男性2人の腕の力はとても強く、逃れることが出来なかった、しかしそれでも幸助と唯は必死に抵抗してあまりにも聞きわけがないので2人の男性はため息を吐くと顔に亀裂のようなものが走り、ライオンを模したステンドグラスの怪人「ライオンファンガイア」とアゲハ蝶を模したステンドグラスの怪人「スワローテイルファンガイア」へと姿を変えた。
「聞きわけが無さ過ぎるぞ!!」
「いい加減にして頂きたいですね、こうなれば気絶させてでも連れて行きますよ」
「ひゃあ!!?」
いきなりあの2人の男性がファンガイア、怪人に変身した為唯は尻もちをつき、さらにはNEXTの世界で自分もファンガイアに襲われた時のことを思い出してガタガタと彼女は目尻に涙を溜めて怯えている。
「ちょっ、そんな風に怯えられると軽くショックなんですけど……、別にファンガイアなんて見慣れてるでしょ?」
「オイオイ、暴力女ぁ、俺的にはこいつ等よりお前の方が怪人みたいでこえーんだけど?」
何時ものように軽口を叩く幸助だが、唯は未だにガタガタと身体を震わせており、今にも泣き出しそうだった。
それはそうだろう、なにせ彼女はファンガイアに襲われただけではなく「ファンガイアが人を殺す」という所を生でしかも間近で目撃したのだから、怖いに決まってる、すると幸助はライオンファンガイアの肩に手を置き……。
「お前、こいつ見てみろよ? これが人を襲いそうな顔か? まあ、襲いそうだけどアレだよお前、この人昔地球の平和守ってたじゃん、牡牛座の星を守る戦士だったじゃん」
「なんの話してんのアンタ!!? 確かに俺は人を襲うファンガイアから人々を守る使命を受けてるよ? でもそれ関係ないよね、完全に別の人の話だよね!!?」
なにか真顔で言う幸助にすかさずライオンファンガイアはツッコミを入れ、次に幸助はスワローテイルファンガイアを見るが……。
「ごめん、アンタはダメだわ、昔人を襲っては妖怪みたいな奴等に餌として与えていたイメージしかないわ」
「だからなんの話をしてるのですか!!? しかもそれ絶対に別の人ですよね!? 私関係ないですよね!?」
その時のことだ、突然1人の女性の悲鳴が聞こえ幸助達は声の聞こえた方へと振り向くとそこではイボイノシシを模したファンガイア「ウォートホッグファンガイア」が女性を追い掛けて襲っていた。
ライオンファンガイアとスワローテイルファンガイアはそれを見てため息を吐きつつ、彼女の元へと向かい、スワローテイルファンガイアを女性を庇うように立ち、ライオンファンガイアはウォートホッグファンガイアの行く手を阻む。
「速く逃げなさい」
「あ、有難うございます!」
女性はスワローテイルファンガイアに頭を下げてすぐさま逃げだし、ライオンファンガイアはウォートホッグファンガイアに「ファンガイアの掟を破るつもりか!!?」と問うとウォートホッグファンガイアは鼻で笑い、問いに答える。
「バカを言うな、平和ボケしたファンガイアが。 人間は我々の餌ではないか、この世界で人間との共存など有り得はしないのだ」
ウォートホッグファンガイアの言葉からしてこの世界では「人間とファンガイアが共存」した世界であることが伺えるが同時にウォートホッグファンガイアは人間との共存望まないということも分かる。
ファンガイアは元々人間の生命エネルギー「ライフエナジー」を餌としていた、だが、先代のファンガイアのキングによってファンガイア達の掟に「人間との共存」を決め人間とファンガイアは共存するようになった。
そしてライフエナジーに代わる装置をファンガイア達は開発し人間のライフエナジーを吸わなくてもファンガイア達は生きていけるのだが未だにその装置よりも人間のライフエナジーを好むファンガイアも多く存在する為、ウォートホッグファンガイアのような人間を餌としてしか見ず、掟も守らないファンガイアも多く存在する訳だ。
「人間を襲うな!!」
「貴様こそファンガイアとしての誇りはどうした!!?」
ライオンファンガイアとウォートホッグファンガイアは未だに言い争いを繰り広げているがやがて痺れを切らしたのか、ウォートホッグファンガイアはライオンファンガイアに突進攻撃を繰り出し、ライオンファンガイアは真正面から受け止め、ウォートホッグファンガイアとライオンファンガイアは同時に互いを殴りつける。
その後ライオンファンガイアは左足で回し蹴りをウォートホッグファンガイアに繰り出したがウォートホッグファンガイアはしゃがんでかわし、ライオンファンガイアを2度殴りつける。
「ふむ、流石はビーストタイプですね、彼相手にも互角に戦ってる」
「おい、感心して無いでお前も手伝えよ!!」
スワローテイルファンガイアは感心した声でライオンファンガイアとウォートホッグファンガイアの戦いを眺めており、ライオンファンガイアから助けの声を受けたので助太刀しようとしたが幸助に止められる。
「なんのつもりですか?」
「大方分かってるからよ、用はあいつはぶっ潰せばいいんだろ? 俺にやらせろ」
そう言うと幸助は腰にディセイドライバーを装着し、セイドブッカーからカードを取り出してドライバーの中央に装填する。
「変身!!」
『カメンライド・ディセイド!』
「仮面ライダーディセイド」に変身した幸助、当然それを見たスワローテイルファンガイアは目を見開き驚き、ディセイドはウォートホッグファンガイアにゆっくりと近づくとライオンファンガイアとウォートホッグファンガイアはディセイドに気付く。
本能的にウォートホッグファンガイアは敵と思ったのだろう、ウォートホッグファンガイアはディセイドに突進してくるがディセイドは右足をあげてウォートホッグファンガイアの顔を蹴りあげる。
「ぐおっ!?」
「パワーにはパワーだな」
すぐさまディセイドはセイドブッカーからカードを抜き取り、ドライバーにカードを装填する。
『フォームライド・ライガ! カリバー』
するとディセイドの姿は光が変身していた「仮面ライダーライガ・カリバーフォーム」とベルト以外は全く同じ姿に変身し、セイドブッカーを握るとセイドブッカーはDライガの能力により物質変換され「ボルテックカリバー」へと変換される。
「ウオラアア!!」
ウォートホッグファンガイアはDライガを殴りつけるがDライガの硬い装甲に逆にウォートホッグファンガイアの腕が弾かれる。
「ぐっ、かてぇ!」
「あぁ、硬いよ! オリャアア!!」
ボルテックカリバーを下から上にという風に振るってウォートホッグファンガイアを斬りつけ、続けざまに縦一閃、横一閃という風にウォートホッグファンガイアを斬りつけ、最後は金色のカードをディセイドライバーに装填する。
『ファイナルアタックライド・ラララライガ!』
ボルテックカリバーに電撃が纏わり、電撃を纏わせたボルテックカリバーをウォートホッグファンガイアに振りかざして切裂く必殺技「ライトニングカリバー」を炸裂し、ウォートホッグファンガイアは鏡が割れるように粉々に吹き飛んだ。
「うわああああ!!!?」
「凄い……!」
ライオンファンガイアは素直にディセイドに歓喜の声を零し、スワローテイルファンガイアは人間態に戻るとDライガに「あなたは何者です?」と問いかけ、Dライガはディセイドの姿へと戻った。
「仮面ライダーディセイドってもんですがなにか?」
「ディセイド」その名を聞いたスワローテイルファンガイアとライオンファンガイアは人間体に戻るとなにか強張った表情でこそこそとこちらを見てはなにか相談し始め、それをディセイドは怪訝に思ったが今は震えている唯の元へと駆け寄ろうとするが……ディセイドの前に1人の15歳ほどの青年が立ちはだかるように現れた。
「なんだお前?」
「お前がディセイドとかいう奴か?」
「そうだが、それがどうかしたか? 用が無いならさっさと退け、そこの涙の似合わない(暴力的な意味で)女をどうにかしたいんだがな?」
「女の涙は嫌いかよ? 王の命を狙ってる癖によく言う」
ディセイドは「えっ?」と首を傾げたが少年「龍夜りゅうや」の元に銀色の蝙蝠「ヤイバット」が飛んできて龍夜の手にヤイバットが噛みつくと彼の顔に亀裂のようなものが走り、腰には銀色のベルト「ヤイバベルト」が装着され、ベルトの止まり木にヤイバットが逆さまに装着される。
「変身!!」
そして龍夜の姿が変わり、「仮面ライダーキバ・キバフォーム」に似た外見をしているが赤かった所は銀色になっており、両足のどちらにも鎖で閉じられたような翼は無い戦士「仮面ライダーヤイバ・バットフォーム」に変身した。
「お前が仮面ライダーヤイバか」
「ディセイド!! お前は王の命を狙っていると聞いた、それは本当か!!」
「さあな、生憎ここで俺はなにをしたらいいのか分からん、だがもしかしたら俺がやるべきことは王様を倒すことかもしれないな」
ヤイバは「だったら……」と呟いた後、ディセイドに向かって駆けだしていき、ディセイドに蹴りを放ったがディセイドはそれをかわして右手に持つセイドブッカーをヤイバに振るうがヤイバはそれを左手で防ぎ、ディセイドの胸部を殴りつける。
「殲滅者だのなんだの言われるんじゃ無くてまさかこういうパターンで来るとはな、あのフード野郎」
「なにを言っているお前は!!」
すかさずヤイバがストレートパンチをディセイドに放ってきたがディセイドはセイドブッカーで受け流してそのままセイドブッカーでヤイバを斬りつける。
「ぐあっ!? 一筋縄でいく相手とは思っていなかったが……!」
ヤイバは右腰にある笛のような「マーメイドフェッスル」を手に取るとそれをヤイバットに噛ませて吹かせる。
『マーメイドロッド!』
その頃、この世界にある龍と城が合体したかのようなモンスター「キャッスルドラン」の中にいる「アームズモンスター」と呼ばれる内の1体、「マーメイド」が茶髪の少女の姿から人魚を模したモンスターに変わり、続いてロッド型の武器「マーメイドロッド」に変換されヤイバの元へと飛んで行った。
「呼ばれましたね、では行ってきます」
ヤイバがマーメイドロッドを右手に持つとヤイバの姿はダークブルーの姿へと変わった「マーメイドフォーム」となり、マーメイドロッドをディセイドに振るうがディセイドはセイドブッカーでガードしつつ、2人は移動しながら睨みあう。
「あっ、こ、幸助!!」
そこでファンガイアがもう自分の近くにいなくなったからか、唯は泣きやんでおり、彼女は立ちあがってヤイバとディセイドを慌てて追いかけた。
「否定しないということはやはり王の命を狙ってるんだな?」
「さあな、俺にも分からねえよ!! つーか分かんねえのに俺と戦うってどうなの?」
「それはそうだ、危険分子なのは間違いないんだからな!!」
ヤイバはディセイドを押し返し、マーメイドロッドでディセイドを叩きつけ、身体がくの字に曲がりながら吹き飛ぶとディセイドはセイドブッカーからカードを取り出してディセイドライバーに装填する。
『カメンライド・レツオウ!』
対するディセイドは身体はガオウや幽汽、仮面は電王ガンフォーム、肩のショルダーは電王ソードフォームに似た「仮面ライダー列王・フューチャーフォーム」に変身するとセイドブッカーとガイガッシャーソードモードという2つの剣でヤイバに対抗する。
ヤイバはマーメイドロッドを振るうがD列王はガイガッシャーで受け止め、ヤイバの腹部をD列王が蹴りつけて怯んだ所をガイガッシャーとセイドブッカーでヤイバを斬りつける。
「ぐああっ!? だったら、来い、ギガント!!」
『ギガントナックル!』
同じように右腰にあるフェッスル「ギガントフェッスル」を抜き取るとそれをヤイバットに噛ませて吹かせ、キャッスルドランにいる銀髪の少女がイエティを模したモンスター「ギガント」となると右腕に装着される巨大なナックル「ギガントナックル」へと変換されヤイバの元へと飛んで行き、それをヤイバが掴み取るとヤイバの姿は白くなり、その姿はどことなく「仮面ライダーレイ」にも若干酷似した姿「ギガントフォーム」となる。
「ほう、面白そうじゃんかよ」
D列王はガイガッシャーをヤイバに振り下ろすがヤイバの装甲は硬くなっており、セイドブッカーでもヤイバを斬りつけるが弾かれてしまう、そしてヤイバのギガントナックルによる強烈なパンチを受けてD列王は殴り飛ばされた。
「うわああああ!!!?」
D列王は倒れこむがよろめきつつも立ち上がるが、ヤイバは左腰にあるフェッスル「ウエイクアップフェッスル」を手にとってヤイバットに噛ませて吹かせる。
『ウエイクアップ! ギガント!』
ヤイバが右腕に装着しているギガントナックルからオーロラのようなものが解き放たれ、対するD列王もこのままではやられると感じカードをセイドブッカーからドライバーに装填する。
『ファイナルアタックライド・レレレレツオウ!』
(手加減出来るか……!?)
前回、クウガに光と一緒にダブルライダーキックを放った際はクウガのベルトの中心部となる「アマダム」の所を避けて攻撃したのでなんとか上手くいったが今回も同じような手が相手に通用するかは分からない、そんな不安が過る中、少し離れた位置ではフードの男は口元に笑みを作って嬉しそうにしていた。
「そうだ、それがお前の本当の役目だ! ヤイバを潰せ、殲滅者として!!」
だが、その時……。
「やあああああめえええええんんんんんかあああああああああい!!!!!!」
「ぐべふううう!!!?」
そこで唯がD列王とヤイバの間に割って入り……というか唯がライダーキック顔負けと思えるほどの超絶飛び蹴りをD列王に喰らわせて蹴り飛ばし、D列王は壁に「ドガーン!!」と大きな音を立てて激突した。
流石に一応唯は普通(?)の人間なのでD列王が変身解除に追い込まれることは無かったがそれでも頭から壁に激突したのでかなり痛かったらしく、D列王は頭を抑えながら変身を解いた。
「おまっ! 前の世界といい、いきなり襲いかかってきたのは向こうなんだよ!! この泣き虫暴力女!!」
「誰が泣き虫暴力女ですって!!? 第一アンタもちゃんと自分は敵対するつもりが無いって説明しなさいよ、めんどくさがるな!!」
「うるせーな!! 俺はそういうのが苦手なの、だったらお前がなんとかしろアバズレ女!!」
「誰がアバズレだああああああ!!!!」
唯は幸助の鼻に2本の指を突っ込んでヤイバの方へと思いっきり放り投げた。
「えぇ!? あの、ちょっと!?」
反応に遅れたヤイバは幸助と激突して2人諸共倒れこみ、ヤイバは変身が解けてマーメイドとギガントだった少女「セイナ」と「ネーナ」が龍夜の元に駆け寄り、セイナは龍夜を木の枝でツンツンっと突く。
「なにしてんだお前?」
「あぁ、生きてましたね」
「そりゃ生きてるだろうが」
龍夜は幸助を押し退かすと打ち所が悪かったのか、幸助は目を廻して気絶しており、龍夜は唯に目を向けると唯はビクッと肩を震わせたが、龍夜は唯に幸助について教えて欲しいと頼んできた。
「アンタ、こいつの知り合いなんだろ? さっきの会話は俺達を騙す演技でもなさそうだしな」
「どう見てもアレは本気で喧嘩しておったしな」
龍夜とネーナの順に喋り、一度唯達の家へと向かい、ゆっくり話をすることになった。
「「アレ? 俺達もしかしなくても忘れられてる?」」
そして忘れられてるライオンファンガイアとスワローテイルファンガイアであった。
*
それから唯の家で唯と目を覚ました幸助から龍夜達は話を伺い、龍夜、セイナ、ネーナはしばらく話し合った後、彼等を信じることにした。
「なにせこちらにはキャッスルドランの中にはタイムスリップする技術がありますからね」
「タイムスリップする装置なんてものが作れるのだから、その気になれば異世界に行く装置も作れよう、だから我等はそなた達の話を信じる」
セイナとネーナがそう説明し、次に幸助が龍夜に「自分のことを教えたのは誰か」という質問を彼に問いかけると龍夜は「フードを被った男」と答えたので「ディセイドが王の命を狙いにくる」というのは真っ赤な嘘であることを龍夜に告げた。
「まあ、俺も悪い所があったとは思うが王の命を狙って無いならそうと言えば良いのに……危うくあのまま行けばどっちかが消えてたかもしれない」
「すいません、このバカでアホでうっすらトンカチのド阿呆のボケでしかもグータラな上に間抜けで……」
「オメーどんだけ俺の悪口ボロクソ言えば気が住む訳!? 俺でもそこまで言わねえよ、どんだけ嫌われてんの俺? 軽くショックなんだけど?」
幸助と唯のやり取りに苦笑する龍夜、セイナ、ネーナ、3人は話を聞き幸助や唯の雰囲気からも彼等が王の命を狙うとは思えなかったため、キャッスルドランに戻ることを告げて3人は帰って行った。
「つーか浩一郎さん、最近影薄いよな」
「言わないでくれないかな幸助くん!!」
*
翌日、今日はキャッスルドランにいるファンガイアの王のお世話をするためにそのメイドと執事としてキャッスルドランに唯を後ろに乗せて幸助はマシンディセイダーを走らせて向かっていたのだが、その途中美しい音色が聞こえてきた。
「これは……」
「んっ? どうしたの?」
「音楽が聞こえる、ヴァイオリンだ」
すると唯も耳を澄ますと確かにヴァイオリンの美しい音色が聞こえてきた、幸助はキャッスルドランからその音色が聞こえる所へと目的地を変え、唯も気になったのか珍しく文句1つ言わなかった。
その音色はとある公園から聞こえてきたもので青い髪をした龍夜と同い年くらいの少女がヴァイオリンを持って演奏していた。
因みに曲は「音也のエチュード」である。
「凄く、綺麗な音だね……」
「あぁ、そうだな」
演奏が終わると青髪の少女はこちらに気付いたのか、幸助達の方へと駆け寄ってくる。
「君さ! 昨日龍夜と戦ってた人だよね? その後は和解したみたいだけど」
「えっ? あぁ、まあそうだけど?」
「僕さ、ライハって言うんだ! よろしく、それで君達格好からしてメイドか執事みたいな感じだよね?」
幸助と唯は戸惑いつつ互いに顔を見合わせて頷く。
「じゃあ、龍夜のこと、よろしくね。 龍夜ってファンガイアと人間との共存凄く忙しくしてるから少しでも苦労を無くせるように……」
ライハの最後の言葉はどことなく悲しげであり、ライハはヴァイオリンをケースにしまって幸助と唯の2人に手を振りながらどこかへと走る。
「演奏良かったですよー!!」
「また聞かせてくれよ!!」
それが聞こえたライハは笑顔でまた大きく手を振り、唯は幸助を見ながらなにか意外そうな顔をしていた。
「なに? どした?」
「いや、幸助が素直にそんなこと言うなんて珍しいと思って、そんなに気に入ったの?」
「……あぁ」
幸助と唯はディセイダーに乗って今度こそキャッスルドランを目指そうとしたがその前に幸助の目の前に灰色のオーロラが現れて彼を飲み込んだ。
「幸助!!」
唯は追いかけようとするも間に合いそうになく灰色のオーロラが閉じようとした時1台のバイクに乗った女性が灰色のオーロラに自ら飛び込んだ。
「今の、まさか……!」
そして幸助が辿り着いた草原が広がる場所ではフードの男と黒い機械的なライダー、「仮面ライダーG4」が待ち構えていた。
「またお前か! しかもG4だと? おい、G4の装着者! 誰だか知らねえが今すぐそれを解除しろ!! でないと死ぬぞお前!!」
G4は強力な力を持つ代わりに装着員の意思や運動能力に肉体限界を一切無視して常にその状況において最善とされる動作を行うため、使用を続けると身体への過負荷で装着員は死亡するという大きなリスクを背負い、しかも装着者が死ねば後は自動的にG4が動くというまさに呪われた仮面ライダーとも呼べる恐ろしいものなのだ。
「フフッ、心配は無用さ、G4の装着者は大ショッカーがG4に適合するために作った改造人間が装着している、死ぬことは無い! そしてヤイバを倒せなかった、だから……」
フードの男は一定のポーズを取ると腰に金色のベルト「オルタリング」が現れる。
「変身!!」
両腰のスイッチを叩くとオルタリングの中央が輝きフードの男は龍を模した金色の戦士「仮面ライダーアギト・グランドフォーム」に変身した。
「俺が倒す」
「アギトにG4、最強タッグだなオイ」
幸助は冷や汗をかきつつ素早くディセイドライバーを装着してカードを装填する。
「変身!!」
『カメンライド・ディセイド!』
アギトとG4は共にディセイドに戦いを挑み、アギトの蹴りがディセイドに放たれるがディセイドはそれをガードしつつアギトを殴りつけるもアギトと入れ替わるようにG4がディセイドの目の前に現れてディセイドの胸部を殴りつけ、胸部から火花が散る。
「ぐあああっ!!? 流石はG4って所か! それよりもおいお前! なんでお前はデルタやアギトになれるんだ? 一体なんなんだお前は! 統一したライダーはねえのかよ!!」
「あったら様々なライダーに変身することなど出来ん!!」
G4は4基の小型ミサイルが装填された肩掛け式ミサイルランチャー「ギガント」からミサイルをディセイドに発射し爆発してディセイドは吹き飛ばされその先にあった深い谷底に落とされてしまった。
「うわあああ!!!?」
ディセイド現時点で1度のみ使用可能カード・クシド・セイバー・ゼータ・ガロス
消失カード・マンティス・ヤイバ・氷鬼・時王
力を取り戻したカード・ライガ