思いつきシリーズ   作:ベンジャー

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乃木若葉は勇者である 流星の章 その1

島根県のとある神社、寺の中にて……。

 

黄色い髪の1人の少女「乃木 若葉」。

 

彼女は小学校のクラスメイト達と共に修学旅行に島根まで来ていたのだが、地震が発生した為、彼女はクラスメイト達と共にこの神社へと避難していたのだった。

 

「明日もここなのかな?」

「ついてないよねー。 折角四国から修学旅行で来たのに!」

「トランプでもする?」

「やるやる!」

 

同じクラスの女子生徒達がそんな風に騒いでいるのを見て若葉は他の避難してきた人達の迷惑になるかもしれないので注意すべきかと考えるが……。

 

(……いや、むしろ不安が和らぐならお喋りした方が良い。 しかし、ここには他の方々がいる、騒ぎすぎると迷惑が……!)

 

そんな風に考え込んでいると、先ほどの生徒達が若葉がこちらを睨んで(本人は睨んでるつもりはない)いることに気づく。

 

「乃木さんがこっち睨んでるよ。 怒られるから静かにしてよう」

(えっ……!?)

 

怯えた様子でそう言われた若葉は「誤解だ!」と言おうとするが、彼女は口下手なところがあるのでどう言って良いか分からず、口をパクパクさせるだけで言葉出なかった。

 

そして「睨まれてる」と誤解されたことにショックを受け、自分の頬を両手で添えながら落ち込んでいると……。

 

「わーかーばちゃん!」

 

そこに幼馴染みで親友でもある「上里 ひなた」が現れ、彼女は持っていたスマホで若葉の落ち込んだ写真を撮ったのだ。

 

「落ち込む若葉ちゃんも絵になりますね~。 若葉ちゃん秘蔵画像コレクションがまた増えました!」

「ひ~な~た~! そんなもの集めるな!! 消せ!!」

 

バッとひなたのスマホに手を伸ばす若葉だったが、ひなたはそれをすんなり躱してグイッと一差し指を若葉の額に押しつけて引き離す。

 

「あう!?」

「眉間のしわ、そんな顔してるから怖がられるんです」

 

ひなたはそんな若葉の頬を笑みを浮かべながらツンツンし、それに対して若葉は「見てたのか」と顔を赤くする。

 

「さしずめ今のイメージは『生真面目優等生』『鉄の女』ですね!」

 

ひなたにそう言われてショックを受けたのか、若葉は落ち込んだ表情を浮かべる。

 

そんな彼女を見てひなたは助け船を出そうと思い、若葉の手を引いて先ほどの女子グループの元へと半強制的に連れて行く。

 

「ひ、ひなた!?」

「こんばんわー、私達もお喋りに入れて貰っていいですか? ちなみに、さっきの若葉ちゃんは怒ってたんじゃなくて話しかけ方を悩んでたんですよ♪」

「んっー!」

 

若葉の口を塞ぎ、ひなたが女子生徒達にそう説明すると今の若葉の状態やひなたの説明を聞いてか、女子生徒達は「ぷっ」と笑い出し、若葉への誤解は解けたようだった。

 

「もっと厳しくて怖い人かと思ってた。 なんか、乃木さんのイメージ変わった!」

「これからも仲良くしてあげてくださいね?」

「もちろん、よろしくね乃木さん!」

 

ひなたの助け船のおかげで、こうして若葉はクラスの女子達と打ち解けることができたのだった。

 

「無愛想なのが玉に瑕ですけど、中身はこんなに可愛いんです!」

「か、かわいい!?」

「あはは、照れた乃木さんかわいい~」

 

それから……。

 

若葉とひなたは空気を吸いに外に出ており、若葉は先ほど助け船を出してくれたひなたに「さっきはありがとう」とお礼を述べる。

 

「ひなたがいてくれなかったら同級生から距離を置かれるところだった」

「若葉ちゃんが誤解されるのが嫌だっただけです。 1人で話しかけるのに気後れする時はいつでも手伝えます」

 

そんな風に微笑むひなたの手を若葉は突然ガッチリと両手で掴む。

 

「私はその友情に報いたい!! してほしいことがあったらなんでも言ってくれ!!」

「なんでも……」

 

ひなたは少しだけ考え込んだ後……。

 

「では、私の若葉ちゃん秘蔵画像コレクションを増やすために『コスプレ』とか……しかもこの際だから『過激』な……!」

「えっ、ちょっ、コス!?」

 

こんなひなたを見て若葉は先ほど自分が言ったことを少しだけ後悔するのだった。

 

「後でじっくり決めます!!」

「……そうか」

 

若干ひなたの発言に恐怖を感じつつも彼女は「自分の言ったことに嘘はつきたくない」という想いから「ともかく決まったら聞かせてくれ」とひなたに頼む。

 

「『何事にも報いを』。 それが乃木の生き様だからな」

「もう、真面目なんですから……」

 

そんな若葉にひなたは思わず笑みを零してしまう。

 

「でもクラスの人気者になったらきっと私には構ってくれなくなるんですよね……」

「そんな訳ないだろ!! なにがあってもひなたは1番の友達だ!!」

「フフ、冗談ですよ♪ 若葉ちゃんったら……」

 

その時のことである。

 

突然、地響きが起こり、若葉はまた地震が起こったのかと思ったが揺れはすぐに収まる。

 

そして若葉は地響きが収まると先ほどの振動で尻餅をついてしまったひなたの元へと急いで駆け寄る。

 

「ひなた!! 大丈夫か!? ひなた……?」

「怖い……」

 

突然、そんなことを呟きはじめるひなた。

 

ひなたの様子は見るからにどこかおかしく、彼女は虚ろな目でゆっくりと口を開く。

 

「なにか……凄く、怖いことが……」

 

すると、神社から突如白くて丸い巨大な牙を持った怪物がどこからともなく現れ、神社から悲鳴をあげながら大人の人々が怪物から逃げようと外に走って出て来る。

 

「みんな……!!」

 

それを見て若葉はクラスの女子達を心配し怪物達がいるのにも臆さず神社の中へと怪物達を避けながら入って行くのだが……、そこには代わりに口の周りが血だらけになっている怪物達の姿だけがあり、その内の1体の口からポロリと……。

 

先ほどまで楽しく談笑していたクラスメイトのポシェットが床に落ちた。

 

「あっ……あああああああ!!!!」

 

それを見て彼女達がこの怪物達に喰われ、殺されたことを即座に理解した若葉は怒りのまま折れた神社の柱を持って怪物に振りかざすのだが……柱は怪物に当たった直後にあっさりと粉々に砕かれ、彼女は怪物の体当たりに強く吹き飛ばされてしまう。

 

「うっく……!!?」

 

一瞬、意識が飛びかけるが彼女はその時、まだ神社から逃げ遅れている人達がいるのを発見。

 

(みんな、逃げ……ろ……)

 

なんとかみんなだけでも逃げて欲しいと願う若葉だったが、そこへ、ひなたの声が彼女の耳に届く。

 

「手を伸ばしてください!! そこにある筈です!!」

(……ひなた……。 そこ? なにが……)

 

若葉は言われた通り手を伸ばして何があるのか探して見るとそこには錆びれた刀が置かれており、手に取ると……なんと握ったその直後に彼女の持っていた刀の錆びは消え去ったのだ。

 

「錆が消えていく……。 まるで、生きているようだ……」

「それは祭壇に秘されていた古の神器。 美しく比類なき殺傷力を持つ冥府に由来する一本の刀……生大刀!!」

 

そして若葉は襲いかかってきた怪物をその刀……生大刀を横一線に振るい、真っ二つに切り裂く。

 

「いける! 倒せるぞ、このまま化け物を一掃して……!!」

 

若葉は神社の中にいる怪物達を次々と切り裂き、外にいる怪物達も倒そうと飛び出すのだが……。

 

外にはあの怪物達が空中で1つに合体し、より巨大な3体の怪物へと変化している光景が広がっていた。

 

「合体して、進化してる……!? こんな奴等、どうすれば……!」

「こっちです!!」

 

そこでひなたがこちらに向かって呼びかけていることに気づいた若葉は兎に角彼女の元へと行こうとするのだが、それを邪魔するかのように地面から大きな牙を持つ巨大な10メートルほどのミミズのような怪物が出現し、ミミズの怪物はその口を開き若葉に噛みつこうとしてくる。

 

「くっ!!」

 

身構える若葉だったが、そのミミズは突如空から現れた光の柱に阻まれ、弾かれたのだった。

 

「うっ、眩しい……!?」

 

そしてその光の中から現れたのは……1人の、銀色の巨人だった……。

 

「なんだ、あれは……」

『シュア!!』

 

巨人はミミズと同じく10メートルほどの大きさであり、巨人はミミズに向かって駈け出して行くと左手でミミズを掴みあげ、右拳でミミズを殴りまくる。

 

その後、巨人はミミズを地面から引っこ抜こうとするのだが背後にまた別の巨大ミミズが現れ、ミミズは巨人の肩に噛みつく。

 

『ウグア!!?』

 

悲痛な声をあげる巨人だが、巨人は腕に装着された刃を振るって2体目のミミズの身体を半分に切り裂き、1体目のミミズを地面に叩きつける。

 

『グッ……!』

「味方……なのか?」

 

巨人は先ほど噛まれた肩を手で押さえながら、巨人はひなたの方を指差し、若葉にそこに行くようジェスチャーで伝える。

 

「若葉ちゃん早く!!」

 

巨人の動作とひなたの言葉を受け、若葉はハッとなって急いでひなたの元へと向かう。

 

「私について来てください! 皆さんを安全な道へ誘導します!!」

「安全……?」

 

ひなたの言う通り、一同は彼女の言われた通りの道へと走って行き、なぜそんな保証があるのかは分からないが、確かに彼女の言われた通りの道を進めば進むほど怪物達の攻撃の手は緩み、疑問に思った若葉はひなたになぜそんなことが分かるんだと尋ねる。

 

「なんとなくです。 でも……みんなを死なせたりしません!!」

 

理由としては曖昧なところだが、彼女がハッキリとそう断言するのならば間違いないと若葉はひなたの言葉を信じ、彼女は強く頷く。

 

「分かった! 露払いは任せろ!! 生きたい者は私達について来い!!」

 

だが、そんな彼女達の道を遮るように巨大な獸の影が立ち塞がった。

 

「「「グルアアアアア!!!!!」」」

 

しかし、今度は若葉達の前に巨大なミミズが3体出現し、彼女達の行く手を阻む。

 

「おい、一体何体いるんだこのミミズは……!」

 

だが、1体目のミミズを倒した終えた巨人がが駆けつけてミミズの一体に跳び蹴りを叩き込み、他の2体のミミズを巨人は両腕で掴みあげて動きを封じる。

 

「「グルアアア!!?」」

『シェア!!』

 

それを見て若葉は「今の内だ!!」と声をかけて一同はすぐさまその場から走って離れる。

 

「ひなた、あの巨人は私達の味方なのか……?」

 

そして走っている途中、若葉はひなたがあの巨人について何か知っているのかを尋ねると彼女はゆっくりと首を頷かせた。

 

「はい、どうやらそのようです。 彼の名は……『ウルトラマン』」

 

 

 

 

 

 

「天の神」と呼ばれる存在が生み出した異形の怪物、「バーデックス」

 

それと同じく天の神によって生み出され同時に現れた犬やミミズなどが変異して生まれた怪物、「エレメント」

 

バーデックスとエレメントは人類に突如として現れ世界を壊し、罪のない人々の命を奪っていき、世界は滅びの一途を辿っていた。

 

しかし、「ウルトラマン」と呼ばれる光の巨人が現れ、バーデックスや次々と現れるエレメントに人類と共に対抗した。

 

だが、多勢に無勢、底知らずな相手の戦力差の前にウルトラマンと呼ばれる光の巨人は力尽き、消滅……生死不明となってしまう。

 

これで世界は今度こそ終わりかと思われたが、天の神々に反抗した土着の神々が力を1つにして巨大な大樹……「神樹」となることで四国や長野の一部などを結界となる植物の壁で覆い、バーテックスやエレメントの侵入を防ぐことに成功。

 

またこれによってこれらの地域は完全に外界と絶たれた状態となってしまったが、神樹は資源を供給する源でもある為、これによって人類が絶滅することは無くなったのだった。

 

だが、それはあくまで人類の絶滅が「間逃れた」だけであり、世界が救われた訳ではなかった。

 

結界の外では未だにバーデックスやエレメントが大量に徘徊しており、外の世界はまさに「怪獣無法地帯」と化していたのだ。

 

そしてそんな状況の中、ごくわずかな少女達が彼女……「乃木 若葉」と同じように特殊な力……。

 

神樹……神の力を使う「勇者」へと目覚める者達が現れ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バーデックスが初めて世界中に現れて3年後。

 

四国、香川県丸亀市に丸亀城にて……。

 

そこでは1人、若葉がそこから見える景色を眺めていた。

 

そこへ彼女の元へひなたがやって来る。

 

彼女は若葉とは違い、勇者はないがそれでも「巫女」という重要な立場に当たる人物であり、「巫女」とは神の声……。

 

つまり、神樹の声を聞くことができる存在であり、3年前、彼女が若葉や他の一般市民をバーデックスから安全な場所に案内することが出来たのも、彼女が神樹の声……「神託」を受け取ったからである。

 

「今日もここに来ていたんですね」

「あぁ……。 バーデックスは友達を、罪の無い人々の命を奪った。 何事にも報いを……私は必ずバーデックスに報いを受けさせる」

 

そう決意を胸にする若葉に、ひなたも「私もついていきます」と答える。

 

するとその時、「おーい!」と若葉を呼ぶ声が聞こえ、若葉とひなたが声のした方へと顔を向けるとそこには手を振る小柄な少女である「土居 球子」と大人しめな雰囲気のある少女「伊予島 杏」。

 

そして寡黙で内向的な少女である「郡 千景」と明るく元気な少女、「高嶋 友奈」が立っていた。

 

「戦闘訓練始まるぞ!」

「すまない、今行く」

 

球子に呼ばれ、若葉は彼女達の元へと向かい、ひなたも「私も巫女の訓練に行きます」と言って2人は別れ、バーデックスや怪獣達に対抗するため、それぞれの訓練を始めるのだった。

 

 




もうお分かりかと思いますが、ULTRAMAN2の要素を一部取り入れています。
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