思いつきシリーズ   作:ベンジャー

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ラブライブ! AMAZONS

「何時まで寝てんのよ、いい加減起きないと遅刻しちゃうわよ、『ハルカ』」

 

自室のベッドで赤髪の少女にボスっと枕を顔に投げつけられた「ハルカ」と呼ばれた青年は咄嗟に起き上がり、自分を起こしに来てくれた少女に対し、ハルカは赤髪の少女に向かって優しそうな笑顔を浮かべ、朝の挨拶をするのだった。

 

「おはよう、『真姫』」

「『おはよう』じゃないわよ、全く……なんで何時もあたしがハルカを起こしに来ないといけないんだか……」

「ごめんね、なんでか目覚ましじゃ中々起きれなくて」

 

相変わらずハルカはニコニコとした笑顔を浮かべており、そんなハルカに対し「真姫」と呼ばれた少女は「ハァ……」と呆れたようなため息を吐く。

 

「朝食もう作ってあるからさっさと髪整えて着替えて来なさいよ、『お兄ちゃん』?」

 

真姫はハルカのことを「お兄ちゃん」と呼ぶが、実際に2人は血が繋がっている訳ではなく、2年前彼は養子としてこの家……西木野家に引き取られたのである。

 

そしてハルカはというと……なぜか未だにニコニコとした笑顔を浮かべており、真姫は怪訝そうな表情を見せ「何時まで笑ってんのよ、気持ち悪い」と言われてしまうが、そう言われてもハルカは特に怒る様子はない。

 

「いや、僕のこと『お兄ちゃん』って呼んでくれるんだなぁって」

「そりゃ、最初こそ少しは警戒したけど……2年も経てばいい加減慣れるわよ。 っていうか、今『お兄ちゃん』って言ったのは皮肉のつもりだったんだけど……って良いから早く支度しなさいよ」

 

真姫に言われてハルカは苦笑しつつ「うん」と頷き、真姫が部屋から出て行くと同時にハルカは寝間着から学校の制服へと着替え、急いで下の階へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を済ませたハルカと真姫は自分たちが通う学校……「音ノ木坂学院」へと向かい、靴箱で2人は別れの挨拶をした後、互いに自分のクラスである教室へと向かって行き、ハルカは2年生であるため、2年の教室に向かって行くのだが……その途中、後ろから「よーっす!」という声が聞こえ、いきなり誰かが肩に勢いよく腕をかけてきたのだ。

 

「ハルカ! はよー!」

「ぐふっ! おはよう、風切(かざきり)くん」

 

ハルカの肩に腕をかけてきたのは同じクラスの男子生徒である「風切(かざきり) 二郎(じろう)」という人物であり、ハルカは二郎と一緒に自分たちのクラスへと向かい、教室につく間二郎は最近流行っているという「スクールアイドル」のことをハルカに熱く語るのだった。

 

「でさ! あのUTXってところにも『A-RISE』っていうのがいるらしいんだわ! 今度一緒にライブいかね?」

「うーん、僕はあんまりそういうの興味ないかなぁ?」

 

そんなハルカに対し二郎は「なんだよ連れねえな」と不満を零し、ハルカは苦笑しつつ「ごめんね」と謝るが……それでも二郎はめげずに「取りあえず一回ライブとか見てみろって!」とやたらと進めてくるため、ハルカは「帰ったら調べてみるよ」と言葉を返したその直後のことである。

 

「私の輝かしい高校生活がぁ~!!」

 

という叫び声にも似た声が聞こえ、ハルカと二郎が声のした方に顔を向けるとそこには彼等2人のクラスメイトでもある茶髪の少女「高坂 穂乃果」が友人と思われる2人の少女「園田 海未」と「南 ことり」の2人に支えられており、二郎とハルカは一体なんだと思い駆けつけてみるとそこには「廃校のお知らせ」と書かれた壁紙が張られていることに気付き、それを見た二郎とハルカも驚く様子を見せた。

 

「え、えぇ!? 廃校って嘘ォ!?」

「マジでかよ……。 あー、こいつ学校好きだもんなぁ。 それでこいつ倒れ……って気絶してやがる!?」

 

二郎の言う通り「廃校」という知らせがあまりにもショックだったのか穂乃果は気を失っており、穂乃果の幼馴染である海未とことりが何度呼びかけても起きる気配がなく、二郎は「しょうがねぇな」と頭をポリポリとかいた後、「保健室まで俺が運ぶから背中に乗せろ」としゃがみ込み、海未とことりは言われた通り穂乃果を二郎の背中に乗せる。

 

「よし、じゃあ行って来る」

「あっ、私たちもついて行きます」

「心配だからね」

「まぁ、別にいいけど……悪いけどハルカ、俺の鞄だけ教室に運んどいて」

 

それに対しハルカは「うん」と頷き二郎の鞄を預かると先に1人教室へと向かうことになり、二郎とことり、海未は穂乃果を保健室に運ぶことになったのだが……。

 

(高坂の足柔らけぇなぁ……。 ラッキー♪)

 

と二郎は不純なことを考えていた。

 

それからしばらく経った後……意識を取り戻した穂乃果が教室に戻って来たのだが……その表情は曇っており、ことりは「穂乃果ちゃん、大丈夫?」と心配そうに声をかけるが穂乃果は元気なく「うん……」と頷く。

 

そして席に着くと穂乃果は両手で顔を覆い「学校が無くなる学校が無くなる……うぅ……」と今にも泣き出しそうになっており、穂乃果の後ろの席であるハルカは穂乃果に「涙拭く?」とハンカチを渡そうとし、二郎はそこまで学校が穂乃果は好きだったのかと思ったのだが……。

 

「違います、あれは多分勘違いしてるんです」

「勘違い?」

 

海未の言葉にことりが首を傾げると穂乃果はいきなり「バンっ」と席を立ち上がると「どぉーしよー! 全然勉強してないよー!!」と今度こそ本当に泣きだしてしまい、穂乃果は「だって学校無くなったら別の高校入らなくちゃいけないんだよ!? 受験勉強とか編入試験とか!」と彼女はそれを気にしていたらしく、それを聞いた二郎も「なに!?」と驚きの声をあげる。

 

「えっ? なにそれマジで? やべぇ……俺も全然勉強してねぇ! どうしよう……!」

「えっ? あれ? 風切くん……? 穂乃果ちゃんも落ち着いて……」

「これが落ち着いていられる訳がないよぉ! 海末ちゃんやことりちゃん、ハルカくんはいいよぉ! そこそこ成績も良いしでも私は……ううぅ……!」

「ハルカお前の家確か金持ちだったよな! だったら金の権力でその辺をなんとか……!」

 

穂乃果と二郎が嘆いているとあまりにも2人が話を聞いてくれないので海未が少し強めに「だから落ち着きなさい!」と言い放ち、海未は自分たちが卒業するまで学校はなくならないということを説明し、学校が無くなるにしても今の生徒が卒業してからであるため、早くても学校が無くなるのは3年後だというのだ。

 

それを聞いて穂乃果は「良かったぁ~!」と一安心し、この話はその後昼休みまで持ち越しとなり、中庭の大きな木の下にある椅子に座り、穂乃果は安心して余程お腹が空いていたのか美味しそうにパンを少し多めに食べていた。

 

「いやぁ、今日もパンが美味い!」

「太りますよ?」

 

海未が呆れたように言うが、穂乃果は食べる量を減らす気は少なくとも今はないようだ。

 

「……」

「おっ? どうしたハルカ?」

 

弁当を食べていたハルカが神妙な顔をしていることに気付いた二郎がどうかしたのかとハルカに尋ねるとハルカは「なんか、今日の弁当味が薄いなぁって」と話し、それを聞いた穂乃果がハルカの弁当の卵焼きを「どれどれ」とひょいっと摘み食いすると穂乃果は「美味しい!!」とほっこりとした笑顔を見せる。

 

「ちょっと穂乃果、行事悪いですよ?」

「えー? ハルカくんこれ凄く美味しいよ?」

「えぇ~? 変だなぁ……」

 

その時だ……。

 

『……え……。 く……』

 

誰かの声が聞こえた。

 

「えっ? 風切くん何か言った?」

「えっ? いや、別に何も」

 

ハルカは穂乃果達も何か言ったかと尋ねたが、3人とも別に何も言っていないらしく、ハルカは気のせいかと思い味が薄いと感じつつもお腹が空いているため弁当を全て平らげるのだった。

 

「それにしても……廃校が正式に決まったら次から1年性は入って来なくなって……来年は2年と3年だけ」

「今の1年生は後輩がずっといないことになるのですね……」

 

ことりと海末は悲しげにそう語り、穂乃果もまた悲しそうな表情を浮かべていると「ねえ、ちょっといい?」と誰かが自分たちに話しかけ、穂乃果達は驚きつつも慌てて立ち上がった。

 

彼女達に声をかけたのはこの学校の生徒会長である金髪の少女「絢瀬 絵里」と副会長である「東條 希」であり、絵里は「南さん」とことりに声をかけ、ことりは緊張した様子で「はい!」と返事をした。

 

「あなた確か、理事長の娘よね? 廃校について理事長、なにか言ってなかった?」

「い、いえ、私も今日知ったので……」

 

絵里の質問にことりは緊張しながらも答え、それを聞くと絵里は「そう、ありがとう」とだけお礼を言って希も「ほなな~」とだけ挨拶をした後、2人はその場を立ち去ろうとするのだが穂乃果が「あの!」と声をかけたため、2人は立ち止まる。

 

「本当に学校、無くなっちゃうんですか?」

 

不安げに穂乃果が絵里にそう尋ねると絵里は「あなた達が気にすることじゃないわ」とだけ返し、希と一緒に今度こそ2人はその場を立ち去って行くのだった。

 

「なんか苦手だなぁ、僕……あいいう人」

「まぁ、ちょっととっつきにくい感じはするけど、あの2人はスタイル良いよなぁ! 胸大きいし……それに比べて南は兎も角年の近い2人は……」

「ちょっとどこ見てるの!?」

「どういう意味ですか!?」

 

なんて二郎が穂乃果と海未とのやり取りを行い、そんな様子をことりとハルカは苦笑いしながら見つめていた。

 

(それにしても……ご飯食べたのにお腹空いたなぁ……)

 

それからハルカ達はというと廃校になるのは入学希望者が定員を下回った場合のみであるため、なんとかして音ノ木坂の良さをアピールし入学希望者を増やす方法を考えたのだが……特に目立ったものもなく、部活でも微妙な成績ばかりという絶望的な状況ばかりであり、とても入学希望者を増やせるようなものがあるとは思えなかった。

 

「考えて見れば、目立つところがあればもう少し生徒が集まっている筈ですよね」

「せやな」

「せやな」

「同じような返事2回もしないでくださいよ、なんかムカっときます」

 

ハルカと二郎の返事に妙にイラっとした海未だったが、そんな時穂乃果が「私、この学校好きなんだけどなぁ……」と呟き、ことりも「私も好きだよ……」と返すと海末も「私もです……」と静かにそう答えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日、学校の教室にて……。

 

「アイドルだよ! アイドル!!」

 

今朝珍しく早起きした穂乃果は同じ街の巨大な学校……「UTX」に立ち寄ってきたらしく、そこのモニターで行われていた「A-RISE」と呼ばれる学園内で結成されたスクールアイドルのライブを見て来たらしく、それを見た穂乃果は「自分たちでスクールアイドルを結成して人気になれば廃校を阻止できるかもしれない」と考えたのだ。

 

「A-RISEって確か昨日風切くんが言ってたアイドルだよね?」

「ほぅ、まさかお前の口からA-RISEが出るとは思わなかったな。 でもナイスアイディア!! 確かに打開策は現状それしかなさそうだな!」

 

二郎は穂乃果の提案には賛成のようであり、二郎はハルカの腕を掴みあげると「よっしゃ、一緒に頑張ろうなハルカ!」と言い放ち、それを聞いた穂乃果は「えっ?」と首を傾げ、また同じく穂乃果の反応に「えっ?」と二郎は首を傾げたのだ。

 

「なんで二郎くんたちがやるの?」

「なに!? ここにイケメン2人がいるんだから当然だろう!」

「風切くん、自分で言ってて恥ずかしくない……? それと、スクールアイドルって女の子の方が多いみたいだよ」

 

兎に角、話を戻し穂乃果が言うには人気のあるスクールアイドルの通う学校は入学希望者がどんどん増えているという情報が確かに存在し、穂乃果は「それで私、考えたんだ!」と自分の考えを言おうとした直後……その場に海未がいないことに気付き、穂乃果は廊下を見ると海未がどこかに行こうとしているのを発見。

 

「海未ちゃーん! まだ話終わってないよー! いい方法思いついたんだから聞いてよー!」

「はぁ、私たちでスクールアイドルをやると言いだすつもりでしょ?」

「海未ちゃんエスパー!?」

 

自分の考えていることを言い当てられ穂乃果は驚くが苦笑しながらハルカが「そこまで言ったら誰でも基本は分かるよ」と言い、穂乃果は「それなら話が早い!」と海未の元へと駆け寄る。

 

「今から先生のところに行ってアイドル部を……!」

 

しかし海未は「お断りします」ときっぱりと断り、穂乃果は不満そうに「なんで!?」と声をあげるが海未はそんなことで本当に生徒が集まるとは思えないらしく、穂乃果の持ってきた雑誌に載っているスクールアイドルもプロと同じくらいに努力し真剣にやってきた人達であり、好奇心だけで始めても上手く行くとは到底思えないというのだ。

 

「そう言われたら海未ちゃんの言い分も正しい気もするけど……」

「えぇー!? は、ハルカくんまで!?」

「ハッキリ言います、アイドルは無しです!!」

 

海未に強くそう言い放たれ、穂乃果は言葉を返すことができず沈黙してしまった。

 

その後、穂乃果は少し気分転換にと思い屋上へと行き、「いい案だと思ったんだけどなー」と溜め息を零していると誰かの歌声が聞こえ、その歌の聞こえる場所に向かって歩いて行くと彼女は音楽室へと辿り着き、そこでは真姫がピアノを使い「愛してるばんざーい!」という曲を歌っていた。

 

隣にはハルカも座って真姫の曲を聞いており、一通り歌い終わるとハルカは笑みを浮かべて拍手……しかし拍手が余分に聞こえた真姫は教室の扉を見てみると穂乃果もまた拍手していることに気付き、思わず彼女は「ゔぇえ!?」という声をあげてしまった。

 

「凄い凄いすごーい! 感動しちゃったよ!」

「あれ? 穂乃果ちゃん?」

「あっ、ハルカくんもいたんだー! それにしても歌上手だねぇ! ピアノも上手だね! それに、アイドルみたいに可愛い!」

 

「アイドルみたいに可愛い」と言われ、真姫は顔を真っ赤にするとすぐさま椅子から立ち上がり、「ハルカ、先帰るわね」と伝えるとその場から去って行こうとするのだが……。

 

「あ、あの! いきなりなんだけど、あなたアイドルやってみたいと思わない!?」

(まだ諦めてなかったんだなぁ……穂乃果ちゃん)

 

苦笑いしつつ穂乃果は真姫をスクールアイドルに誘おうとしたのだが真姫は「なにそれ? 意味分かんない!」と一蹴し音楽室から出て行ってしまったのだった。

 

「あはは、だよね~」

「まさか僕の妹が勧誘されるとは思わなかったよ」

「えっ? あの娘ハルカくんの妹だったの!?」

「義妹だけどね。 血は繋がってないんだ」

 

穂乃果は「へぇ~」と感心したように声をあげた後、穂乃果は腕を組んで「ホント、どうしようか……」と思い悩むが……。

 

「僕は……やれば良いと思う」

「えっ?」

「何もしないで諦めるより、足掻いて足掻いて突っ走る方がきっと良いよ! 僕は応援する! それで穂乃果ちゃんの作るアイドルのファンの第1号になる!」

「……ありがと、ハルカくん! うん! こうなったら私1人でやってやるんだからー! ファイトだよ、私!」

 

それから穂乃果は人気のない場所を見つけて1人でダンスの練習を行うと言いだし、穂乃果は音楽室を出て行き、ハルカは「頑張って!」と手を振ってエールを送るのだった。

 

『……く……。 わ……』

 

するとその時、前と同じように誰かの声がハルカには聞こえ、ハルカは辺りを見回すがやはり誰もいない。

 

ハルカは何となく窓の外を見てみるがやはり特になにかある訳もなく、強いて言えば陸上部が部活動しているくらいだろうか。

 

(それにしても、お腹が空いた……最近なんでこんなに……。 何か食べたい……肉が食べたい……肉が……)

 

すると「ドクン……!」というハルカは心臓が大きく鳴り響いたのを感じ、突然の苦しみに苦痛に満ちた声をあげながらその場に膝を突いた。

 

「ぐぅぅ……あああああああ!!!!? はぁはぁはぁ……なんだ……これ……!?」

『え……く……わ……』

「誰なんだ……誰なんだよ一体!! はぁ、はぁ……」

 

それからはハルカは胸を押さえつけながら保健室に行こうと音楽室を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、穂乃果のせいです、全然練習に集中できません……」

 

その頃、海未とことり、二郎は3人並んで歩いており、海未は穂乃果が変な話をするから弓道部の練習に全然集中できないと愚痴を零していたのだが……。

 

「それってスクールアイドルにちょっとは興味があるってこと?」

「あっ、いえ……それは! でも、やっぱり上手く行くとは思えません」

 

するとことりは「でもこういう事って何時も穂乃果ちゃんが言ってたよね」と言い、昔……穂乃果が大きな木を登ってみようと言いだした時のことを話しだし、ことりは「私たちがいつも尻込みしちゃうところを何時も引っ張ってくれて」と語るが海未は「そのせいで散々な目に何度もあったじゃないですか! 大体穂乃果は何時も強引すぎます!」と不満を口にするが……。

 

「でも海未ちゃん、後悔したこと……ある?」

 

ことりにそう聞かれ、海未は木に登った時に見た綺麗な景色を思い出し……ことりに案内された場所に辿り着くとそこには穂乃果が1人一生懸命にダンスの練習をしているのを見つけ、穂乃果は何度コケても立ち上がり練習を繰り返していたのだ。

 

「ねぇ、海未ちゃん……私、やってみようかな?」

「おう! 南も園田も高坂もお前等可愛いんだからぜってー出来る! 俺がお前等のファン第1号になってやる! だからよ……あいつに手、差し伸ばして来いよ!」

 

海未の背中を二郎は軽く叩くと彼女は戸惑いつつもまたコケてしまった穂乃果に「1人で練習しても意味がありませんよ。 やるなら、3人でやらないと」と声をかけながらそっと手を差し伸ばし、穂乃果は目尻に涙を溜めつつ嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

「海未ちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから生徒会長室で絵里にスクールアイドル部設立を認めて貰うために部活申請書を提出したのだが、部活を設立するにはせめて後2人必要とのことで立ち去ろうとした穂乃果達だったが、絵里はなぜこの時期に部活をやろうと彼女達が言いだしたのかを尋ね、穂乃果はその理由を話したのだが……それでは例え部員を集めても部を認めることができないと言い放ち、「部活生徒を集めるためにやるんじゃない。 思い付きで行動したところで状況は変えられないわ」と一蹴されてしまったのだ。

 

その帰り、二郎は穂乃果達と合流し穂乃果は部活が認められなかったことを説明した。

 

「うーん、名前だけなら俺とハルカのを貸せばなんとかなりそうだけど……それ以上の問題も山積みかぁ」

「ですね……」

 

取りあえず、今日は家に一度帰ってまた色々と考えようと海未が提案し、一同はそれぞれ家に帰ることにしたのだが……途中、穂乃果は立ち寄る場所があった為、寄り道をして行こうとするのだが……。

 

『グチャ……グチャ……』

「んっ? なんだろ?」

 

人気のない暗い路地裏で何かの音が聞こえた穂乃果はなんだろうと気にななり音のした方へと歩いて行くと……そこには蜘蛛にも似た巨大な怪物が人の腕をムシャムシャと貪り食っており、それを見た穂乃果は「ひっ!?」と声をあげ尻持ちをついてしまう。

 

『グフゥ……!』

 

すると怪物……「クモアマゾン」は穂乃果の存在に気づき、穂乃果は慌ててその場から逃げだそうとするがクモアマゾンは穂乃果の頭上を飛び越えて廻り込んで道を塞ぎ、その大きな口を開いて穂乃果に近づいて来たのだ。

 

「うわああ!? いやぁ!! 来ないで!!」

 

穂乃果は鞄をクモアマゾンに投げつけるがその程度怯む筈もなく、クモアマゾンは穂乃果に襲い掛かろうとした時……1人の男性が穂乃果とクモアマゾンの間に飛び込むように乱入し、男性はクモアマゾンを勢いよく蹴り飛ばした。

 

「おーおー、いたいた獲物さんが」

「あ、あなたは……?」

「んっー? ジンって名前だけど? まぁ、名前なんてどうでもいいや、お前さん早く逃げな」

 

穂乃果は戸惑いつつ「は、はい!」とその場から立ち上がって走り去り、「ジン」と名乗った男性はベルトのようなものをどこからか取り出すとそのベルトでポケットに入っていた卵を割るとそのまま中身を口に入れ、ベルト……「アマゾンズドライバー」を腰に装着し、左のグリップを握る。

 

「……アマゾン」

『アルファ』

 

するとジンの身体から高熱が発せられ、その高熱が収まるとトカゲの酷似した赤い姿……「仮面ライダーアマゾンアルファ」へと変身を完了させる。

 

「さぁて、狩りの時間ですよっと……」

『グルラアアアアア!!!!』

 

クモアマゾンは食事の邪魔をされたためか激怒したようにアルファに向かって跳びかかるがアルファは飛びかかってきたクモアマゾンの腹部を殴りつけ、クモアマゾンは地面を転がるがすぐさま反撃しようと口から蜘蛛糸のようなものを出して攻撃。

 

しかしアルファは腕の刃で蜘蛛糸を切り裂き、攻撃を全て防ぎ切る。

 

『グルアアアアアアア!!!!』

 

するとクモアマゾンはアルファに向かって駆け出しアルファを殴りつけようとするがアルファはクモアマゾンの攻撃を全て避け、腕の刃でクモアマゾンの腕の1つを斬り落とした後、廻し蹴りをクモアマゾンに喰らわせる。

 

「つまんねぇな……」

 

クモアマゾンはアルファに掴み掛って噛み付こうとして来るがアルファはクモアマゾンを突き飛ばして腹部に蹴りを叩き込んだ後、腕の刃を利用したチョップをクモアマゾンの頭部に叩き込み、「グチャ!」という音が聞こえるとクモアマゾンは頭から血を吹き出しもがき苦しむ。

 

『グアアアアアア!?』

 

そのまま勢いよくクモアマゾンを蹴り飛ばし、クモアマゾンは倒れこむのだがそこに……。

 

その場に息を切らしながらハルカが現れたのだ。

 

「あん? お前……」

「はぁ……はぁ……なんで、僕……こんなところに……」

「ハルカくん!?」

 

するとまだ逃げていなかったのか穂乃果が姿を現し、彼を心配して駆け寄ろうとしたのだがそれをアルファに腕で制され止められる。

 

「な、何するんですか!?」

「お前まだいたのか。 近づかない方が良いぞ。 でないと……お前、あいつに食われちまうぞ?」

「えっ?」

 

穂乃果がハルカに視線を移すとハルカの身体から高熱が発せられ……ハルカが「うおおおおおおお!!」と雄たけびをあげるとハルカの身体がみるみる内に変化し、ハルカはトカゲに酷似した緑色の怪物「トカゲアマゾン」へと変化したのだ。

 

「キジャアアアアアア!!!!!」

「ハルカ……くん?」

 

 

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