三門市に引っ越しました   作:ライト/メモ

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八神視点の一人称
幹部を軸とした三人称
八神視点の一人称


情報収集

 「───空閑遊真の有用性は以上です」

 

 

 会議室で事実情報と私の推測、空閑くんが出してくれた約7年前の情報をもとに上層部幹部へプレゼンテーションを行った。このプレゼンテーションの為にかなり苦労した。一番苦労したのは、上層部幹部たちの空きスケジュールを合わせることに奔走したことです。

 しかし、幹部全員を集めることは出来ず、結局は城戸司令と鬼怒田開発室長と唐沢営業部長しか集められなかった。

 

 

「……確かに我々にとって有益だ。しかし何故戦力や戦術ではなく"国の在り方"や"国民の人柄"などを聞き出した?」

 

「将の性格で戦は変わるからです」

 

「ほう……それで、何を渡してきた?」

 

「私のトリガー構成です」

 

「なに!? それは危険ではないか!?」

 

 

 驚きにバンと机を叩いた鬼怒田さん。

 

 ちょっと威圧されたけど私だって考えなしじゃない。一応、何度か近界で戦争の裏方に関わったことは私の経験値となっているから。

 

 

「鬼怒田開発室長。私の戦闘スタイルは詳しく教えていませんし、知られていても逆に警戒を煽れるので問題ないと判断しました」

 

「だが……」

 

「……八神隊員はどちらの国だと考える?」

 

 

 納得していない様子の鬼怒田さんだったが、鋭い視線の城戸司令に意識が集中する。何度もシミュレートしていた言葉を吐き出すべく口を開いた。

 

 

「推測ではアフトクラトルです。キオンではないと考える理由は複数ありますが、一番の理由は雪原の国だからです。攻めるより誘い込む雪国の地形戦が得意と思われ、国の人柄も保守的と考えました。

 対するアフトクラトルは軍事国家ですし空閑遊真が提供してきた情報でも幾度も他国を攻めています。国の在り方故に戦力の層は厚く、また偵察を長期的に行う戦争のやり方は相当の策士がいると考えました。

 しかし、所詮は推測ですので実質上『策士がいる』ことしか分かりません」

 

 

 情報が足りないからどちらの国かなど断言は出来ない。だから空閑くんを受け入れて交渉しようぜ、と話が持っていけてるんだけど。

 

 

「ムムム……」

 

「地形のアドバンテージが削れたのは痛いな……」

 

 

 唸る鬼怒田さんと、現状の一番警戒すべき点に眉を顰める唐沢さん。唐沢さんの言う通り、私もそこが痛いと考えています。

 

 

「…………いいだろう。明日の午前10時に会議を設ける。その際に三雲隊員と空閑遊真も召集する」

 

 

 長考の後、城戸司令が出した結論に内心安堵する。空閑くんにああ言った手前早めに機会を作れて良かった。一応今回がダメだったら後にもいくつか案を持っていたけど、あまり長く待たせるのも申し訳ないからね。

 

 少しだけ肩の力を抜いてお三方に深々と頭を下げた。

 

 

「はい。お時間をいただき、ありがとうございました」

 

「君がボーダーの為に動いているのは知っている。今後ともよろしく頼む。下がって良い」

 

「はい、ありがとうございます。失礼いたします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会議室から静かに退室した八神を見送って、しばし思考の沈黙が会議室に訪れる。

 

 沈黙を破ったのは開発方向で頭の切れる鬼怒田だった。

 

 

「まったく……八神は自己評価が低過ぎではないか? あやつのトリガーは改造も含まれているというのに」

 

 

 改造スパイダーと、そのオプショントリガーが八神の手持ちトリガーにある。直接の攻撃に繋がるトリガーではないし、相応の技術と知識が要るトリガー故に使い手は少ない。

 

 ボーダー内ではスパイダーのスペシャリストとして八神の名が挙がるくらいだが、本人が自覚していないのでは意味がないだろう。

 

 鬼怒田の溜め息混じりの言葉に、唐沢はうすく苦笑した。

 

 

「彼女の性格は慎重だ。臆病とも言える性格だからこそ、最悪を考えられる点は評価出来ると思いますよ」

 

「わかっとる。八神の臆病さで本部基地強化の明確な目処が立てられた。C級隊員の緊急脱出(ベイルアウト)は後回しだが2人くらいなら3日後には付けられるだろう」

 

 

 鬼怒田は素早くエンジニアのスケジュールを換算してそう結論した。

 しかし最低限の休息も含めての計算だが、開発のこととなればほとんどのエンジニアが寝食を忘れて働き出すので、計算通りの日程にはならないだろう。

 

 それを長考に入った体勢のまま聞いていた城戸が、ようやっと口を開いた。

 

 

「──八神隊員が出した情報は有益。情報源は更に有益だろう」

 

 

 空閑の(ブラック)トリガーは能力が完璧に開示されたわけではない。だが、八神と林藤が出してきた報告で空閑専用のトリガーだと判明した。

 

 ボーダー内では運用出来ない。

 情報を持ち、敵対意思も今のところ見られない空閑を、下手に野放しにする方が不確定要素となり危険だ。

 

 城戸の出した結論は、ボーダーの規定で縛り、行動を制限すること。

 少なからず規定破りはあるだろうが、現在は戦力を必要とする時。最悪戦力にならなくとも行動を制限出来れば不確定要素は減らせると考えたのだ。

 

 

「私は城戸さんの方針に従いますよ」

 

「情報が引き出せたら、下手に遠征に行くよりも安全かもしれんしの」

 

 

 唐沢と鬼怒田の賛同に、城戸が一つ頷いてその場は解散となった。

 

 

 

 

   *

 

 

 

 

 

 

 冬島隊は現在、当真くん以外がてんやわんやである。

 

 エンジニアと戦闘員を兼任している冬島隊長は、基地の強化や防衛装置の見直しにC級トリガーの緊急脱出(ベイルアウト)機能を付けたり、と忙殺されている。

 オペレーターの知識技術も借りる為に真木ちゃんも冬島隊長の補佐へまわり、私自身も情報漏洩の洗い出しと防衛対策とエンジニアたちの体調管理とスケジュール調整とで忙しかった。

 

 あとの二つはいらないと思うだろ? でもこれらを怠ると彼らは寝食を忘れて働いて、逆に衰弱して作業効率を悪くするから放っておけないのだ。

 

 当真くんは防衛任務でフルに働いてもらっているから。手伝ってもらったら逆に仕事増えるとかじゃないよ? 本当だよ?

 

 

「私は誰に言い訳しているんだ……」

 

 

 疲労が溜まっている。無事に大侵攻を乗り越えたら温泉に行きたい。

 

 

「お疲れさん」

 

「のわっ!?」

 

 

 曲がり角の先で前方に引っ張られて体勢を崩したところを抱き留められた。これを私にやる人間は1人しかいない。

 

 尻を揉み込む手が何よりの証拠だ。

 

 

「なぜ尻を揉むんだ」

 

「そこに魅惑的な尻があるから」

 

「よし歯ぁ食いしばれ」

 

「え、揉みしだけ? おふっ」

 

 

 卑猥な野郎には鳩尾に拳だ。わざわざダメージを受けたフリして床にうずくまる演技は評価してやろう。

 

 悠一を放って足早に小会議室へ向かう。阿呆のせいで「どうせバカップルしてたから遅れたんだろ」的な目で見られるのはごめんだ。

 

 今回の会議には、城戸司令に忍田本部長と林藤支部長、そして風間さんと三輪くんも来るのだ。あの人たちに生暖かい目で見られたら心が折れる。あ、林藤支部長はほぼ目撃しているから範囲外か。

 

 

「失礼します」

 

 

 小会議室へ入ると既に皆さん揃っていた。なんてことだ。

 

 こちらを振り返った忍田本部長が「迅は?」と訊いてきたので、首を傾げて後ろを振り返る。いない。

 

 あれ、もしかして生身だったのかな。演技じゃなかったのか。そういえば悠一の匂いがしてたような……あいつが尻を揉むのが悪い。

 

 

「悠一は」

 

「実力派エリート只今到着です」

 

 

 向きを戻し、奴は腹痛ですと答えようとしたところで肩をポンと叩いて登場しやがった。

 ギリギリと肩を掴むあたり、それなりに痛かったようだ。今は私の肩が痛いぞコラ。

 

 悠一の指を引き剥がして風間さんの隣に座ろうとしたが、腕を掴まれてニッコリ。

 

 

「林藤支部長、お隣失礼します」

 

「お、おう」

 

 

 私もニッコリ返し、林藤支部長を間にして悠一から離れた。

 

 

「何かあったようだが、今から会議だ。ケンカは後にしなさい」

 

 

 忍田本部長に咎められたので素直に謝り、会議に意識を集中させたのだった。

 

 

 近く予想される大規模侵攻への対策会議だ。

 

 昨日集められなかった方がほとんどなので、私も再度プレゼンテーションをやることになっていた。防衛に関して最高責任者の忍田本部長からは昨日とは比べものにならないくらい質問をされたが、想定内の質問ばかりで安堵した。

 

 判らない部分ははっきり不明と告げるしか出来ないが、三輪くん以外からは空閑くんの助力を得ることに賛同をいただいた。

 

 一段落したところで風間さんが小会議室に設けられたモニターから、空閑くんと緑川くんが模擬戦しているのを見つけた。空閑くん強いなぁ。

 

 

「ちょうど良い。迅、彼と良ければ三雲くんも視聴覚ルームへ連れてきてくれ」

 

「了解しました~」

 

 

 忍田本部長の命で立ち上がった悠一が、私の頭をぐしゃぐしゃに撫でてから小会議室を出て行った。

 

 

「……林藤支部長、あいつの羞恥心の無さは誰譲りですか。林藤支部長ですか師匠ですか!?」

 

「え! おれ!? あ、いや……悪い、ノーコメントで」

 

 

 はっきり断言しない林藤支部長にジト目を送る。目を逸らして頬を掻く林藤支部長と、離れたところで忍田本部長が苦笑いして、奥にいる城戸司令がどこか遠い目を宙に向けていた。

 本当にあのセクハラ癖はどこから貰ってきたんだ。

 

 視聴覚ルームへ私たちも移動を開始。

 髪を直していると風間さんと三輪くんが近づいてきた。

 

 

「苦労してるな、お前も」

 

「お疲れ様です……ケンカ、するんですね」

 

「お疲れ様です。羞恥心を記録した技マシンを拾いたいです風間さん。三輪くん……あれくらいのケンカなら1週間に2度はあるよ」

 

 

 私が最後に来たせいできちんと挨拶出来なかったので、改めて挨拶を2人にする。

 

 

「エンジニアに頼んでみるか」

 

「止めて下さい彼らが死んでしまいますマジで」

 

 

 私のギャグにポーカーフェイスでギャグを返してきた風間さんに戦慄する。今でさえギリギリの健康から離れた生活を送る彼らを死地へ追いやる提案ですからソレ。

 技マシンが通じたことにもビックリですけど。

 

 

「八神さんは、あんな奴のどこが好きなんですか?」

 

「え」

 

 

 婚約もしている私にそんな今更な質問を向けてくる三輪くんに驚いた。でも思い返してみると三輪くんにそんな話をした覚えはないし、三輪くん自身も興味がなさそうだったから。

 

 しかし、こんな廊下で赤裸々に好きなところなんて言えるわけもなく曖昧に濁すと、三輪くんが「なら別れれば良い」と隈をつくった目で見てくる。なんだか荒んでないか。

 

 

「この際だ、俺も聞きたい。迅からは度々八神の話を聞くがお前からの話は聞いたことがなかったからな」

 

「え"」

 

「どうせ視聴覚ルームでも、迅たちが来るまで待ち時間がある」

 

 

 風間さんから想定外の狙撃を受けた。に、逃げ道はないのか。

 

 視線を動かしたところで、火を点けてない煙草を咥えてにやにやしている林藤支部長を見つけた。あの笑いは悠一が悪戯をして愉しんでいる時の顔と一緒だ。やはり林藤支部長似なんじゃないかな。

 

 しかし、どう足掻いても逃げ道はない。

 

 

「好きなところは……」

 

 

 観念して口を開くが、やはり恥ずかしくて顔が熱い。

 

 

「全部、ですけど、気遣い屋で優しいところが好きです……えっと、ちょっと頑固ですけど甘えてくるところはかわいいですし、ご飯を美味しそうに食べてくれる姿が、好きです」

 

 

 顔が熱い。熱いぞ。なんかみんな無言だしまだ言えってか!

 

 かなり恥ずかしくて両手で顔を覆う。

 

 

「見た目よりしっかり筋肉ついてて意外だけど逞しいし、手を繋いだ時の大きさとか温かさとかびっくりするし、言葉とか瞳とかで好きって伝えてくれるし……あの、あの……っもう勘弁して下さい!」

 

 

 羞恥心の限界です! なんで無言なんですか!

 司令も本部長も「無駄話はやめろ」って注意してくれてもいいじゃないですか! それを期待してたのになんで無言!?

 

 両手が外せない。

 悠一はなんで羞恥心を覚えないんだろう。私はとっても恥ずかしい。もう走って逃げたいほど恥ずかしい。

 

 

「……ああ、悪かった。しかし迅が"かわいい"とは意外だな」

 

 

 やっと沈黙を止めてくれた一号、風間さんが感想を述べた。

 いやいや悠一は普通にかわいい部分多いですよ。たまに子どもみたいな感覚で接しますし。

 

 

「はっはっは! 迅の惚気とはさすが、破壊力が違うな。ちなみに迅だけじゃなく支部の皆が八神に胃袋掴まれてるぞ」

 

「そういえば林藤が持ってきた弁当のだし巻き卵はうまかったな」

 

 

 二号三号と続いた林藤支部長と忍田本部長。惚れた弱みか、他の人と悠一の食べる姿はまた違う感じがするんです。というか忍田本部長、沢村さんとお弁当は食べないのですか。

 

 

「視聴覚ルームへ着いた。八神隊員、そろそろ落ち着きなさい」

 

「はい……」

 

 

 城戸司令の静かな声が心なしか優しく感じる。変な話を聞かせてしまって申し訳ない。

 

 顔の熱はまだ完全に引いてないけど、多少マシになったはずだから手を外す。

 

 すると三輪くんと目が合う。眉間を寄せた三輪くんだが、気まずそうに口を開いた。

 

 

「俺は、迅が嫌いです」

 

 

 それだけ言って三輪くんは口を閉ざしてしまった。

 

 

「うん、いいと思う。ウマが合わない人間は世の中にいるものだし」

 

 

 元チームメイトの加古さんと二宮さんとか、太刀川さんと二宮さんとか分かりやすいよね。私もウマの合わなかった人間がいるから解るよ。

 

 三輪くんの"嫌い"は様々な理由があるんだと思う。まぁ、万人に好かれる人間なんていないからさ。陰でネチネチ言われるより表でトゲトゲ言ってくる三輪くんの方が、言われる方としては好感が持てるよ。

 

 視聴覚ルームでは数名のエンジニアが鬼怒田さんの指示で動いており、林藤支部長に呼ばれていたらしい栞ちゃんも端末を持って忙しなく動いてた。

 

 手伝うのも却って邪魔になるので、そのまま悠一たちの到着を座って待つことに。

 

 準備が終わると程なくして悠一に連れられた三雲くんと空閑くん、そして何故か雷神丸に乗った陽太郎くんがやってきた。玉狛支部に誰もいないから連れてきたのだろうと思うけど、対策会議には場違いだね。

 

 でもそれなりに大人と接してきた陽太郎くんは、場を読むことが出来るお子様なので、会議の邪魔にはならないと思う。

 

 

 

 『───ボーダーには近界民(ネイバー)に対して無差別に敵意を持つ者もいると聞く。私自身まだボーダー本部を信用していない。

 ボーダーの最高責任者殿には私の持つ情報と引き換えに、ユーマの身の安全を保証すると約束して頂こう』

 

 

 レプリカさんが一気に交渉へ入った。昨日のうちに城戸司令は結論を出していたと思うけど、即答はしない。

 

 場の注目を集めることと、答えを皆に浸透させる為の間。そして、最高責任者として重い言葉を吐く為の前置き。

 

 

「…………よかろう。ボーダーの隊務規定に従う限りは隊員、空閑遊真の安全と権利を保証しよう」

 

 

 空気の重さが徐々に減って行くような錯覚。

 

 どうやら玉狛支部側──というより、三雲くんの視線を見る限り空閑くんかな──は何か心理的に有効な手段があるようで、城戸司令の言葉に納得したらしい。その証にレプリカさんは情報を開示してくれた。

 

 

『確かに、承った。それでは、近界民(ネイバー)について教えよう』

 

 

 レプリカさんによって補足された近界(ネイバーフッド)の点在する惑星国家の軌道配置図。予想以上の地図に言葉を失う。

 

 私たちはどうしても無事に"帰る"と考えて、限られた期間に無理のない範囲でしか遠征しないし、出来ない。あまりこの世界から離れると帰ってくることが難しくなるから。

 

 だからこそ、こちらの世界から遠く離れた惑星国家の軌道まで描かれた補足に畏敬を覚える。

 空閑くんの父親である空閑有吾さんは、いったいどんな覚悟で近界(ネイバーフッド)を放浪していたのだろう。

 

 

『レイが情報を訊いてきた、キオンとアフトクラトル以外の国も2つ接近している』

 

 

 海洋国家のリーベリーと騎兵国家のレオフォリオ。

 

 この4つの国家以外にも決まった軌道を持たず、星ごと飛び回る乱星国家も可能性はある。けれど細かい可能性を考えてもキリがない。

 

 爆撃型トリオン兵はイルガーという名称で、なんでも所持している国は少ないとのこと。だから私が訊いた時に2つの国を出してきたのか。

 

 

「迅さんの力でどこが攻めてくるかわからないの?」

 

「俺は見たこともない相手の未来はわからないよ。こういうのは玲の方が得意だね」

 

「フム。たしかにレイさんのスイリ力はあなどれない」

 

 

 なぜ悠一の能力から私に飛び火したんだ。

 空閑くんも納得しないでくれ。私みたいな凡人はプレッシャーに弱いんだぞ。

 

 周囲の視線が一気に私へ集まり、思わず激しく首を横に振って否定した。やめろ笑いかけるな悠一。

 

 城戸司令が各国の所持する(ブラック)トリガーについて言及するとキオンが6本、アフトクラトルが13本。

 驚異的な数字だ。軍事国家だからとも言えるだろうが、これは7年以上前の情報であることを忘れてはいけない。

 つまり、増えている可能性が大いに有り得るのだ。

 

 未知の国なのに、黒トリガーまで出て来られるとこちらは不利としか言いようがない。黒トリガーに対抗できる隊をバラけさせられると勝ち目はないだろう。

 

 ホームグラウンドである反面、私たちは街の被害を最小限にする義務がある。地形と戦力数は情報を与えてしまった。後手にまわざるを得ない戦況だ。

 

 考えることは多い。

 

 

 




原作で三輪は対策会議序盤に居ませんが、拙作では最初から居ます。会議の時間が少し遅めだったという単純な違いです(前日に八神がプレゼンテーションの為に時間を取ったので、その分の仕事を城戸が行っていたから)。
自販機前の空閑とのやり取りはきちんとやっています。

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