思い付き&駆け足で書いたため最後らへんで力尽きています。三時間クオリティです。あと若干のキャラ崩壊もあり
それでも良いと言う方はどうぞ
ヴァルコラキの件から二か月程が経ったある日。その日は昼をちょっと過ぎたらで買い物に行こうという事で三人は家の中でゴロゴロしていた。その中で昨日の夜中にミラが多くまで久しぶりの剣のメンテをしていたからか昼が近くなってもまだぐっすりと夢の中だった。
それ故かある悲劇が起こった。
「ああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
「ふぁっ!? なにごと!?」
太陽が真上に近くなってもまだ夢の中だったミラ。しかし、彼女は階下から聞こえてきたひなたの悲鳴のような声に無理矢理意識を覚醒させられた。
涎を垂らしながら折角いい夢を見て暖かい布団の中で眠っていたのにひなたの謎の悲鳴にたたき起こされたミラは一瞬夜襲か強盗かと疑いながらも袖で垂れていた涎を拭いてから杖を片方だけ手にして大急ぎで階下のひなたが居るであろう居間へと向かう。途中で階段から転げ落ちた。痛かった。
そして転びそうになりながらもミラは居間へと転がり込んだ。
「なにかあった!!?」
半分寝惚けた状態で声を荒げながら器用に走ってなんとかひなたを見つける。
悲鳴を上げていたひなたは何かとんでもない物を見たといった表情をして頭を抑えており、シャーレイの表情は活き活きとしていた。
まさか真昼間からシャーレイにレ○プでもされかけたか? と思うがそれだとあんな悲鳴を上げるとは思えない。まさかハゲた? と失礼な事を考えたが家の中でも風呂でもひなたの髪の毛がそうボロボロ抜け落ちている所を見たことは無い。
右手だけで頭そのものを抱えるようにしており、まるで何かを抑えつける様な感じだった。
まさか髪の毛を食われた? とシャーレイの方を見るが流石に髪の毛を食べる程シャーレイは人間を止めてはいない。
「み、みらぁ……」
「……ど、どうかした?」
涙目でこちらを見てくるひなたを見て一瞬加虐心が煽られるが今はそれどころじゃない。何があったのかをちゃんと聞かないといけない。
が、こちらを向いたひなたを見た時、何時もと違う違和感を感じる。何か、ひなたに余計な物がある、気がする。
ひなたの腰辺りまで伸びた長い髪の毛。そこに紛れるように何かがある。明らかに髪の毛ではない毛で包まれたナニかが、彼女の腰辺りから伸びている。
「……にゃんかはえたぁ」
そう言いながらひなたがそっと右手を動かした。
そして、彼女の頭から右手が除かれた瞬間、それは見えた。
彼女の銀色の髪の毛と同じ色をした毛に包まれた、三角形の物。見つめると時々少しだけ動いてひなたのどうしよう、という表情が加速していく。
そして、彼女の腰から伸びている物。それは彼女の頭から生えている物とセットになるものであり、その二つが彼女の可愛らしさを引き立たせている。その物体の名前は。
「……猫の耳と、尻尾?」
「うぅ……」
つまるところ。ひなたがひにゃたになったのであった。
****
「ふかーっ!」
「……ヒナタ、落ち着いて」
猫の威嚇のように尻尾と耳の気を逆立たせてシャーレイに怒りを向けるひなた。そんな彼女の前に正座させられているシャーレイ。ひなたを何とか落ち着けようとしているミラ。ミラが起きてからたった数分でこの家は大分カオスになっていた。
「渡された飲み物に薬混ぜられてたんだよ!? 流石にボクも怒らずにはいられ
「いやー、可愛いかなと思って」
「可愛いかにゃと思って、じゃにゃいよ!!」
とある日の真昼間から起こった珍事件。
その真相は結構早くシャーレイ自身が吐いてくれた。と、言うのも種は簡単でシャーレイが先日、皆と外へ出かけた時に怪しい出店で買った、人間に猫耳と尻尾を生やす薬を今日ふとした思い付きでひなたに飲み物に混ぜて渡して飲ませた。それだけだった。
そんなシャーレイのせいで猫耳と尻尾が生えたひなただったが、結構怒っていた。流石に飲み物に薬を混ぜて飲まされて怒らない程ひなたは聖人じゃないし、その薬の副作用的な物で「な」を発音すると自動的に「にゃ」になってしまったせいで違和感が半端じゃない。それに、これでは外に出かけられない。イヴァンだろうと見られたら恥ずかしすぎる。
急遽パンツルックからミニスカに履き替えた時に一応何処から尻尾が生えているか見てみたが、尾てい骨から尻尾は生えていた。そして、尻尾を触ってみるとくすぐったかったり気持ちよかったりと何だか不思議な気持ちになった。耳の方も同じだ。
「……ヒナタ」
「ふかーっ……ん?」
「……リピートアフターミー」
「へ?」
「斜め七十七度の並びで泣く泣く嘶くナナハン七台難なく並べて長眺め」
「にゃにゃめにゃにゃじゅうにゃにゃどのにゃらびでにゃくにゃくいにゃにゃくにゃにゃはんにゃにゃだいにゃんにゃくにゃらべてにゃがにゃがめ……ってボクで遊ぶにゃぁ!!」
「……可愛い」
ちょっと興味本位でひなたで遊んだミラだったが、よく噛まないなぁ、とちょっと思った。ひなた自身もそれは思ったがそれ以上に遊ばれた事に少しお怒りだった。
まぁどちらにしろシャーレイの方へのお怒りが強いため威嚇はシャーレイに向いたままなのだが。しかし、そうして威嚇されている緒本人はひにゃたにメロメロらしく先ほどからちょっと目が危ない色をしている。多分、性欲マシマシなシャーレイの事だからベッドの上で鳴かせたい、なんて思っているのだろう。
別にひなたの貞操の危機だ、とかは思ったりもしない……というか既に貞操なんて奪われているが、ここでシャーレイの好きにさせたら確実にひなたが気絶コースに持っていかれるため取り敢えずはひにゃたをひなたに戻す方法を先に聞き出す事にした。
「……シャーレイ。どうやったらヒナタは戻る?」
威嚇しているひなたの首根っこを掴んで持ち上げる事で静かにさせてからシャーレイに猫耳尻尾を生やす薬の効果が切れる時間を確認する。
「十二時間だって」
「……結構長い」
片手で何とか解放されようと暴れるひなたをプラプラと揺らしながらさてどうした物かと考える。
半永久的な物なら確実に解毒薬のような物も売られる筈なのですぐにでも戻せたが、時間制限があるとなるとそれはもう待つしかない。
今日は買い物に行く予定だったが、下手に今のひなたを外に出すと要らぬ噂が流れる可能性がある。それに、イヴァンに会ったら確実に弄られてひなたが軽く傷つくか発狂してイヴァンに喧嘩を売りかねない。何時もの情緒不安定に加えてどうやら猫として気性の荒さも加わっているらしいのであまりトラブルの元を作ると後でひなたが拗ねかねない。
「……取り敢えずヒニャタには煙草を与えておこう」
「ひにゃたって呼ぶにゃ!」
首根っこを掴んだ状態でひなたの口に煙草を突っ込み口も封じてひなたを落ち着かせる。どうやら効果は抜群だったようで煙草を口に突っ込まれてからひなたの動きが完全に無くなった。
はてさて、どうするものか。このままシャーレイに引き渡せば確実に時間まで気絶していてくれるが、流石にこの二人がヤっている家の中で暇を潰せと言われても色々と困る。
「……ヒナタ?」
「うにゃー……」
本人にどうしたいか聞いてみようと声をかけたが、駄目だ。首根っこ掴まれた状態で和んでやがる。というか猫化している。どうやらひなたが飲んだ薬はただ単に猫耳尻尾が生えて「な」が「にゃ」に変化するだけじゃないらしい。
時間経過で徐々に猫化が深刻になっていったりしないよな? と少しシャーレイの飲ませた薬に疑問を持ちながらも本人に喋らせるために一旦煙草を没収する。
「にゃ?」
「……何かしたい事ある?」
「したい事……? 特ににゃいかにゃー」
「……外に行きたいとかは?」
「強いていうならさかにゃが食べたいかにゃ」
「……アカン、色々と猫になりかけてる」
もうこのまま首根っこ掴んだ状態で放置しておいた方がいいんじゃないかとすら思えてきた。
没収していた煙草をひなたの口に戻して再び考える。魚は確かひなたが買っていた酒の摘まみの中に干した魚があった筈なのでそれを与えておくことにするが、ひなたがやりたい事がないとなるとこのまま家に居るのが一番かもしれない。性欲の獣がいるが、それはまぁ……ひなたに逃げてもらう事にする。
「あ、これ凄くいいアングル」
と思っていたら何時の間にか目の前から性欲の獣が居なくなっていた。それに気づくと同時に自分の後ろから奴の声。振り返ると、そこにはひなたの下着をローアングルで観察する
今のひなたの恰好はミニスカの状態で首根っこを掴まれて吊るされているためしゃがんで下から覗き込むとそれはもう絶景だ。更に尾骶骨辺りから伸びる尻尾がスカートの中から出ているためスカートの一部がそれで持ち上げられひなたの下着が更に見やすくなっている。
それにミラが気が付き思わずドン引きし、そして次にひにゃたが気が付いて顔色が徐々に赤に染まっていく。
「でも、ひなたちゃんに黒色の下着って余り合わないような……」
「散れ変態ッ!!」
次の瞬間、ひなたが火事場の馬鹿力なのか分からないがミラの手を跳ねのけて着地すると、そのまま振り返ってミラですら反応できない速度で右手を振るった。
そしてシャーレイの顔に刻まれる四本の線状の傷跡。
つまるところ、思いっきり引っかいた。シャーレイを。ひにゃたが。
「いっだぁぁああぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「ふしゃーっ!!」
そして顔を抑えて地面をのたうち回るシャーレイ。もう女として色々と台無しである。そんなシャーレイを猫のように片手両足を地面に付けて毛を逆立たせて威嚇するひにゃた。あーもう滅茶苦茶だよと己の顔を抑えて天を仰ぐミラ。
取り敢えずは気が立ったひにゃたを落ち着かせる事から始める事にした。変態は後回しだ。
****
「ゴロゴロ……」
「……もう完全に猫だよこれ」
「前が見えねぇ」
何とか気が立ったひにゃたを落ち着ける事に成功し、ひにゃたはミラの膝を枕にして撫でられてご機嫌。そんなひにゃたを見て溜め息を吐くミラ。何処から仕入れてきたのか分からない位大きなバンドエイドを顔面に張り付けられ顔が完全に隠れたシャーレイ。もう色々とカオスである。
どうやらシャーレイはひにゃたの警戒対象に入ってしまったらしく、少しでもシャーレイがひにゃたを触ろうとすると即引っかかれて威嚇されてしまう。現在のひにゃたに触れるのはミラだけになってしまった。百年の恋も冷めるという物なのか猫化した影響なのかは分からないがシャーレイにべた惚れだったひなたがここまでシャーレイを警戒するのは違和感が半端じゃなかった。
サラサラなひにゃたの髪の毛や耳を撫でるのは確かに癒されるのだが、夜までこれでは少し疲れてしまう。というか元に戻った後にちゃんと人間らしく振る舞ってくれるのかが心配だ。
「私もひにゃたちゃん触りたい……」
べリべりとバンドエイドを剥がして痛々しい傷跡を見せながらシャーレイが呟いた。
取り敢えず可愛くなるだろうから、という理由でひなたに薬を飲ませてひにゃたにしたのはいいが、それで触れなかったら意味が無い。そっと手を伸ばすがひにゃたはすぐに反応して威嚇してくる。
しょぼんとするシャーレイだったが、所詮は自業自得なのでミラも慰めたりはしない。
そんなカオス空間でミラがひにゃたを撫でていると、インターホンが不意に鳴った。誰か来客の予定はあったか? と今日の予定を思い出すが特に思い浮かばない。そう思っていると玄関のドアが開いた音がしてすぐに来客が姿を見せた。
「うっす。飲みに来た……なんじゃこりゃ」
来客はミラの父であるイヴァンだった。手には酒瓶が幾つか指の間に挟まれており、この家で夜中まで飲み続ける気なのが目に見えていた。
が、流石にこの状況を目にしてちょっと引いていた。
「……パパ、今日は、その」
ひなたがひにゃたなのでまた今度に。そう言おうとしたが、その前に机の上に酒瓶を置いたイヴァンがひにゃたに近寄っていた。
「何だこりゃ。尻尾と耳? 変なプレイか?」
そう言いながらイヴァンは何の遠慮も無くひにゃたの尻尾を掴んで引っ張った。
「ふぎゃっ!?」
「お、おぉ?」
いきなり尻尾を掴まれ、さらに思いっきり引っ張られた事によりひにゃたが小さく悲鳴を上げる。それに驚いたイヴァンが尻尾を掴んだまま少し驚く。
早く離した方が、とミラは口にしようとしたが、ふとイヴァンの視線が尻尾の方に向いているのが見えた。いや、尻尾ではない。尻尾の生えている方。引っ張られた事で少し見えているスカートの内側をイヴァンは見ている。
「……パパ?」
「あ、いや、その……黒は合わねぇんじゃないかなと思ってだな」
きっと見る気は無かったのだろうが、流石に年頃の女の子のスカートの中を見てこれは無い。ひにゃたも顔を真っ赤にして涙目になりながらイヴァンを睨みつけている。
ミラはそっとひなたの頭の上に置いてあった手を退けた。
「……やってよし」
「うにゃぁぁっ!!」
「え、ちょ、おい何する止めいっでぇ!!?」
そして始まるひにゃたVSイヴァンのキャットファイト。
それを見ながらミラはそっとイヴァンを追い出す用意をした。
****
その日の夜。ミラとひにゃたは二人でベッドに潜り込んでひにゃたはミラの腕を枕にして寝付いた。ミラもそんなひにゃたを撫でながら寝付いた。
そしてシャーレイとイヴァンは。
「……深夜のお外って、寒いですね」
「……そうだな」
ドアの外に締め出された状態で正座させられていた。そして、その首には『私達は女の子の下着を覗いた変態です』と書かれたプラカードが下がっていた。
結局この二人は夜が明けるまで家に入るのを許してもらえず、次の日に猫耳が消え猫要素が無くなったひなたによる制裁のジェノサイドバスターで何とか許してもらえたのだった。ちなみに、ひなたのシャーレイへの好感度はちゃんと猫耳が生える以前に戻った。
もう途中から完全に猫を書いてる気分でした。ひなた要素が完全に消えてましたし。本当はこの状態で外に出て色々とやらかす予定でしたが流石にひなたが引き籠る未来しか見えなかったので却下しました
あ、R-18verの方でひなた×シャーレイのIFエンドを投稿しました。プロットにある本編の最終話に比べればハッピーエンドじゃないかな(白目)
もしかしたらR-18verの方でひなた×ミラのIFエンドを投稿するかもしれません。一応構想だけは練ってあるので……
本編の方に関しては今しばらくお待ちを……一応三割近くは書けているので……