命蝕龍伝記   作:柴猫

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2017年12月27日 修正


序章
誕生


 

 

 

禁足地にて一個の黒い卵がある。この卵を産んだモンスターはわからない。なぜここにあるのかもわからない。何の生物もいない禁足地にポツンと置いてある卵だ。

 

と、黒い卵が不意に揺れた。わずかだが、確かに揺れた。また揺れる黒い卵。今度は卵の殻にひびが入った。そしてそのひびを中心にひびは卵全体に広がり、やがて

 

パキ

 

卵の殻の一部が割れ、破片が落ちた。また殻が割れ、破片が落ちる。卵が完全に割れ、中から出てきたのは

 

 

黒触龍  ゴア・マガラだった。

 

 

だが、ただのゴア・マガラではなかった。

全体的に赤い鱗でおおわれており、尻尾は生まれたばかりだというのに鋭利な棘が生えている。

そして最大の特徴は、本来のゴア・マガラにはない、目があるということだ。右目しかないのが不思議だが、通常のゴア・マガラではない事は確実だ。

 

そのゴア・マガラは、生まれたばかりで空腹なのか、目の前の植物に駆け寄っていく。ゴア・マガラは肉食なのだが、禁足地にはなく、食べれそうな植物を食べようということなのだ。

最初に食べ始めたのは、青い実。ハンターなら知っているであろうウチケシの実である。あらゆる属性やられを治す不思議な実で、狂竜症予防にも効果がある。

だが気に入らなかったらしく、食べるのをやめてしまった。

 

次に目を付けたのは、橙色の実。忍耐の種である。食べると防御力が上がる種で、防御力ダウンを治す効果がある。

食べると、鱗につやが出てきて来た。当のゴア・マガラは気づいていないようだが。

 

そして、今度は赤色の実に目を付ける。怪力の種だ。食べると攻撃力が上がる種で、忍耐の種とは反対の効果がある。

見た目は特に変わっていないが、ふと歩いてみると、フラフラだった歩き方が、今はしっかり歩けている。怪力の種の効果が反映されたようだ。

やがて、空腹が満たされたのか、その場で寝てしまった。

 

 

 

 

--翌日

 

赤いゴア・マガラは目の前にある物を見ていた。

 

生物の骸らしきもので中央の岩より大きいサイズだ。形はゴア・マガラと同じだ。

しばらく眺めまわしていると骸の胸に光るものがあった。

近づくとそれは七色に光る玉だった。太陽の光に合わせて赤、青、黄色と光っている。

 

人間ならばレアな物として持ち帰るだろうが、ゴア・マガラはモンスターだ。ゲリョスならばコレクションとして大事にしたかもしれないが、そのような考えはなかった。

 

ーなんだこれ?食べちゃえ。

 

人間の言葉に直したのならこうだろう。

ゴア・マガラは七色に光る玉を丸のみしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

直後、脳裏に閃光が走った。

 

 

人間が兵器を使って竜たちを殲滅し

 

 

龍は自然の力を使い人間の兵器を破壊し

 

 

黒き龍が舞い降りて

 

 

大地は血の海となり

 

 

暗雲が立ち込めた空から光が差し

 

 

 

光る龍が大地を照らした。

 

 

 

 

 

 

 

ゴア・マガラは驚き、骸から数歩後ずさる。

今の記憶が何なのか見当もつかなかった。生まれて初めての恐怖というものを味わった。

 

早くここから離れようと翼を広げ、飛ぶ。が、運悪く強い風が吹いた。生まれたばかりのゴア・マガラは体勢を崩してしまい、そのまま風に吹かれて

 

 

 

目の前の木の蔓に激突した。

 

 

 

 

目を覚ますと禁足地ではない場所にいた。

 

赤い箱と青い箱が並べられ、布が敷かれた場所だった。

 

ここはどこだと脳裏によぎったがそれよりもあの場所から逃げられたということが分かり安堵した。もうあの場所に行くことはないだろう。

 

状況を把握すると、どうやら何もいないらしく風が吹く音だけが聞こえる。

 

目の前には高い山がそびえたち、そこへ続く道があった。

 

どうしようかと頭を使う。ここはあの場所からあまり離れていない。あの場所は近寄りたくない。

ここも今は誰もいないがここを住処とする動物がいるはずだ。見つかればどうなるかわからない。

 

 

そう結論付けた赤いゴア・マガラはゆっくりとした足取りで、天空山へ歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

これが、大いなる物語の最初の一ページであることは誰もまだ知らない。

 

 




どうも、作者の柴月です。
どうでしたか?楽しんでいただけたら幸いです。

感想、評価等お待ちしております。
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