月の光が湖面を照らし出し、幻想的な雰囲気を醸し出す。
ディア・マガラが行方不明になって数日後、私は夜の渓流にいた。
単に採取ツアーで来ただけなのだがこれには訳がある。
観測隊からディア・マガラが消えたとの報告がギルドに入り、ギルドはディア・マガラの捜索チームを設置した。もちろん私も入ろうとしたのだが、ラミスがしばらく休んでほしいと強く言われたので入らなかった。
それとディア・マガラの捜索に必死になりすぎて片付けるべき書類が山のように溜まっていたのでそれの処理に追われ、流石に疲れ果てたので気分転換に渓流に来た、
というわけだ。
ここに来たのは何年振りだろうか。仇を討つ為にハンターになり、数多くの黒蝕竜を狩ってきた。そして何故かギルドの幹部になっていた。
全ては『あいつ』を狩るために
ともあれそれは一端忘れよう。採取ツアーが終わったら久しぶりにユクモ村を訪ねてみよう。皆元気かなあ。
ある程度採取もし異常もなかったので帰ろうとした、その時
隣のエリア7からガーグァが何かから逃げるように走ってきた。ジャギィにでも襲われたのかと思っていると
ガーグァの後ろから何かが飛来しガーグァの刺さった。地に倒れたガーグァ。
これはただ事ではないと思い、背中の双剣を抜いた。と同時に上から何かが着地してきた。
闇に溶けるような体毛、鋭い棘が生えた尻尾、刀のような翼。
尖った耳に赤い目を持つ飛竜。狂気を纏う姿
迅竜 ナルガクルガ 狂竜化個体
「……!?」
無声の驚きをし、武器を構える。
何故渓流に狂竜化個体がいるのか。狂竜化個体はバルバレ管轄の狩猟地域でしか確認されていない。遠く離れたユクモ地方に狂竜化個体はいないはずなのだ。
ユクモ地方にゴア・マガラが飛んできたのか、それとも狂竜化したモンスターがユクモ地方に来たのか。
いずれにしてもこのナルガクルガは狩らなければいけない。これ以上狂竜ウイルスを拡散させないためにも。
ナルガクルガがこちらにとびかかり、迎え撃とうとした直後、
純白の光が、迅竜を吹き飛ばした。
突然の攻撃に吹き飛ばされたナルガクルガ、吹き飛ばした純白の光に向けて咆哮をする。
純白の光の正体は
ジンオウガだった。
だが、ただのジンオウガではなかった。
白銀に煌めく体毛、穢れ一つない白い甲殻、原種よりも立派な黄金の角に鋭利だが見とれてしまうような爪
辺りを漂う純白の光がそのジンオウガの神々しさを一層上げている。その神々しさたるや無意識に
「綺麗…」
とつぶやいてしまう程だ。
その眼光は狂竜化したナルガクルガに向けられていた。ナルガクルガもにらみ返し、緊迫した雰囲気を漂わせる。
数秒遅れて今の状況に気づき、二頭にばれないようにその場を抜け出した。
直後、夜を照らす聖光が天に上った。
こんな感じの話を数回続きます。
ではまたいつか