どこまでも広がる樹海が眼下の景色を覆いつくしていた。
空を飛んでいる紅い龍。命蝕龍だ。彼は強くなれそうな場所を探して各地を転々と飛んできている。
たどり着いたのは未知の樹海のまだ人間が足を踏み入れていないほどの奥地だ。ここなら人間たちは入ってこないから邪魔されず強くなれるだろう。
着地できそうな場所を見つけ、そこへ着地する。
辺りには見たことのない大木がそびえたち、煌びやかな輝きを放つ鉱石がいくつもある。
適度な広さがあり、寝床にするには良さげな場所だった。だがまずは辺りを調べてどんなモンスターがいるか確認する。自分の脅威となるモンスターがいるかどうかもだ。
そんなことを考えていると、地面から何かが飛び出してきた。
蛇のような体に背中には無数の甲殻が並び、尻尾にも同じような甲殻が生えている。
体格のわりに足は小さく、口も牙ではなく嘴だった。
ガララアジャラと呼ばれているそのモンスターは目の前の敵を見るなり咆哮した。どうやらここはガララアジャラの縄張りだったらしく、縄張りに入ってきた侵入者に腹を立てているらしい。
ここから出てけー!と言わんばかりに鳴甲を飛ばし、目の前の敵に対して攻撃の意思表示をする。
しかしディア・マガラは臆することなく立ち向かおうと咆哮する。
ガララアジャラは回り込むようにディア・マガラに接近する。自慢の巻き付きでディア・マガラを拘束しようとするようだ。
飛んで回避し、命蝕ブレスを放つディア・マガラ。ガララアジャラは後退しブレスを躱す。
均衡状態に入った両者。互いに右回りに歩き、互いの出方を探っている。
ディア・マガラは前回戦ったリオレイアとの戦闘を脳裏に思い出していた。
あの時は死の瀬戸際だったため力が半ば暴走状態に入りあの技を出せた。が、リオレイアは瀕死にこそなったものの生きていた。強靭な生への執着だった。
傍から見ればディア・マガラの勝利だが、ディア・マガラ自身は負けたのは自分だと思っている。
あの時力を振り絞って尾による一撃を叩き込まれれば、命蝕龍は死んでいただろう。旧砂漠を覆った命蝕ウイルスは範囲こそ広けれど、濃度は薄いのだ。
このままではいずれ邂逅するであろうGのモンスターになすすべなく殺されるだろう。それがディア・マガラの強さを目指す本能をより活性化させたのだ。
このガララアジャラを倒せなければ、自分はずっと弱いままだ。放浪する理由になったあの火竜にすら追いつけないだろう。
だから倒す。逃げてばかりでは駄目だ。立ち向かって経験を積み重ね、いずれはあの火竜を超える存在になりたい。
より一層高い方向を轟かせる命蝕龍。対抗するように上位の絞蛇竜も咆哮し、鳴甲が破裂する。
未熟な古龍と幾多の死線をくぐり抜けた竜の激闘の火蓋が落とされた。
何でガララが逃げないのかというと、まだディアが未熟だからです。まだまだ上がいるという事を確認したディア。最初から最強ではなく、経験を重ねて強くなっていきます。
乞うご期待!