命蝕龍伝記   作:柴猫

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明けましておめでとうございます!
三が日が忙しくて投稿できず申し訳ございません。
こんな主ですが今後ともよろしくお願いいたします。

本編どうぞ。


狂い始める世界

バルバレ移動式集会所の図書館

 

アルアは一つの席に座り本を見ていた。

本の名前は≪月の伝説≫という月に関する古くから伝わることわざや伝承をまとめたものだ。

 

その本の最後の項にはこう書いてある。

 

 

〈月詠族〉

 

千年以上前から語り継がれる種族。

竜人族を遥かに超える長寿であり未だ謎が多く、現在存在するのかも不明。

姿は人間と全く変わらないが、身体能力や知恵も人だけでなく竜人族も超えるらしい。

月と深く関わっている種族で、満月の日にのみ姿を現すという。

存在の可能性は低く、ほとんどの研究者は古代の人々の憧れといっている。

竜人族も月詠族については知らない者が多い。一部の竜人族は知っていると噂されているが、誰も語らないため真実は謎に包まれている。

 

 

 

 

本を閉じ、受付に返し外に出た。

 

まだ吹く風も寒い時期だというのに外は活気に満ち溢れていた。

ハンターたちが武器を加工屋に出し、加工屋はそれを修理する。

商人たちが珍しい素材を売り、ハンターはそれらを買う。

腕のいい料理人が料理を振るい、狩りへと出かけるハンターの腹を満たす。

 

バルバレの活気は変わらず高いようだ。

防具のメンテを頼みに加工屋へ足を運ぶ。

 

 

 

ゴガァァァァァァァン

 

移動式集会所の鐘が勢いよく鳴り響いた。バルバレの人々が皆集会場へ視線を向ける。

 

集会場の中からクエストの任達係と思われるギルドの職員が十人以上飛び出してきた。全員各キャラバンの看板娘に書類を渡している。

それを受け取った看板娘たちが全員驚きの表情を浮かべ、クエストボードに書類を貼る。

少し気になってクエストボードを見てみる。

 

 

そこには新しく張られたクエストが並んでいた。

 

 

 

 

 

 

全て生態未確定の文字がつけられて。

 

 

 

 

ありえない。私は心の中でそう考えた。

ここまで狂竜化したモンスターが発生するのは考えにくい。それこそ天廻龍の出現や、極限状態のモンスターが現れたともなれば分かる。だが、定例会議ではいくつか狂竜化したモンスターは確認されたもののそこまで数は居なかったはずだ。

 

こうなれば集会場にも狂竜化したモンスターの狩猟依頼が出されてるはずだ。防具のメンテは後回しにして、狂竜化したモンスターを即刻討伐しなければならない。

集会場に戻るべく加工屋を離れ、走った。

 

 

 

はるか遠くに禍々しい色をした雲がある場所へ向かっているとも知らずに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――

 

紫色の嵐が吹きすさび砂漠を覆っていく。

 

風が吹くたび、黒いオーラを纏ったモンスターたちが増えてくる。

 

 

空は禍々しい色に染まり、生きる命を蝕んでいく。

 

 

その空に影が映った。リオレウスよりも巨大で、しかし神々しさを漂わせるその影はゆっくり嵐の空を舞いやがて雲の中に沈んだ。

 

 

 

 

影は真っすぐある場所へ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

ある龍の故郷へ

 

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