命蝕龍伝記   作:柴猫

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全てを奪い去る嵐

その嵐は全てを奪う。

 

大地も、太陽も、月も、命も、

 

全ては黒き風に呑まれ、天と地は死に蝕まれる。

 

人はただ、天地が死に苦しむ様を見ることしかできず、

 

全ての命は息絶える。

 

畏れ慄けその姿に

 

鮮血に染まりし羽衣を身に纏い

 

 

嵐をかけるかの龍を

 

 

 

ユクモ地方に伝わる伝承より

 

 

 

 

 

 

 

目の前に浮かぶアマツマガツチらしき龍がこちらを睨みつけている。

 

ラミスは武器を構えるがその手は震えている。ディア・マガラは翼を広げ、威嚇をするがアマツマガツチは全く気にしていない。

ただ一人、アルアは微動だにせずただ目の前の龍の眼前に立ちふさがっていた。

 

「アルア?」

 

「………。」

 

様子のおかしい相棒に呼びかける。だが、相棒はそれに答えない。代わりにアマツマガツチが高らかな咆哮を響かせる。

 

直後、相棒の姿が掻き消えた。次に相棒が姿を見せたのはアマツマガツチの胸に傷が走った後だった。

浅い傷だが、自分に攻撃してくる者が気に入らなかったのか爪でアルアに攻撃を繰り出す。

相棒はそれを人間の速さとは思えない速さで回避し、今度はアマツマガツチの尻尾を切りつける。

 

見えたアルアの顔はぞっとする笑みを浮かべていた。あの表情は見たことがある。前に一緒に黒蝕竜にとどめを刺す時に一瞬だけ見えたような気がした顔だ。あの時は見間違いと思い問わなかったが、見間違いではなかったらしい。

 

 

相棒のアマツマガツチへの攻撃はまだ止まらない。

 

 

 

 

-------

 

今度こそ逃がさない。

あの時何も出来なかった自分とは違う。現に奴は私の攻撃で傷ついている。

 

奴はあの時と同じ目でこちらを睨んでいる。

 

 

変わらない。

 

睨みつける目も、折られた角も、柴黒色の甲殻も、

皆の返り血を浴びた羽衣も何一つあの時と変わっちゃいない。

 

お前を殺す。ただそれだけだ。

 

私から奪った大切な物を、

 

 

お前の命で償ってもらう。

 

 

 

奴が身をくねった。大竜巻だ。ラミスとディア・マガラごと巻き込むつもりだろう。

これはチャンスだ。あの人から聞いた事で、アマツマガツチは大竜巻の予備動作中に怯ませれば大きな隙を作れる。

 

私は鬼人化し奴の胸部へ攻撃を繰り出す。

 

 

 

 

あっけなく攻撃がはじかれた。

 

「…え?」

 

嘘だ。胸部は奴の弱点のはず。さっき攻撃したときは問題なく通った。鬼人化した状態で通らないはずがない。

今度は腕に攻撃する。結果は同じだった。その間にも風は強くなる。

 

「なん…で……どうして…。」

 

掠れた声が喉から出た。

 

 

 

次の瞬間、私は空へ吹き飛ばされた。

 

 

身体中を激痛が走り回った。

 

踊るようにその場を旋回するアマツマガツチの姿が見えた。

 

 

ま……た…同じ……だっ………た。

 

 

 

そこで私の意識は途切れた。

 

 

 

--------

 

アルアの意識がなくなった直後、思わぬ乱入者がアマツマガツチへ突進した。

乱入者の正体は、アルアと命蝕龍を追いかけ続けていた爆轟爪だ。

 

爆轟爪の突進により、アマツマガツチの大竜巻が消えた。

 

傷だらけのアルアをラミスが抱きかかえ、退却。

ディア・マガラも脱出の好機と見たのか、飛翔。そのまま飛び去って行った。

 

残ったのは乱入され怒るアマツマガツチと、獲物を横取りされ怒る爆轟爪のみになった。

 

 

 

 

 

両者は理由は違うが、同じくらいの怒気を秘めた咆哮を轟かせた。




やっと出せたよ青希ティ…。

モンスターハンターワールド発売まで後5日!皆さんは買いますか?私は限定版取りました。準備は万端です!

ではまたいつか
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