アルアが話をいったん切り、静かに天井を見続けていた。
「……その後は?」
話を聞いていたラミスが暗い声で問いかける。
「偶然村にたどり着いてそこで暮らさせてもらったの。身の回りの世話とかを習ったわ。狩りの仕方も教えてもらって、ハンターになった。そこからユクモ村に住んであなたに会った。後は貴方が知ってるでしょ。」
何も言わずに頷く親友。
「これまであいつを倒すために戦ってきた。あいつの情報も聞いて対策も考えてきた。黒蝕竜を殺してきたのは、村の人たちの恨みを少しでも晴らしたかったからだと思う。
…でも、結局駄目だった。
あの時と同じだった……!」
目から涙が落ちる。
「何もできずにただはねのけられて、みんなが殺されるのを見ることしかできない!いや、見ることすらできない!強くなってあいつを殺して、皆の恨みを晴らすために戦ってきた!でも…でも!あの時と何も変わっちゃいなかった!私はあの時と同じ、弱いままだった!これっぽっちも強くなってなかった!あいつから………ただ…逃げる…ことしか……。」
最後は嗚咽に掻き消え、アルアは泣き崩れた。
その肩をそっとラミスが包んだ。
「………ラミス?」
「アルアは優しいよ。家族の事をそんなにも思っているんだから。」
優しい声色で親友を慰めるラミス。
「ううん。優しいだけじゃ皆の仇を取ることは…。」
「でも、ちょっと優しすぎるかな。」
「え…?」
アルアが理解できない中、ラミスが力を少し強くして続ける。
「あなたが家族の事を想ってるのはすごくいい事よ。私は家族を想ったことなんて一人を除いてなかったから。仇を討ちたいのは痛いほど分かる。大切な人を救えないほどつらいことは無いから。でもね、あなたの家族はそれで本当に喜ぶの?」
ラミスの発言に黙り込むアルア。
「あの嵐龍は討伐しなくちゃいけないと思う。ギルドも既に討伐指令を出してるはずよ。私たちもいかなきゃいけない。でもさ、憎しみとか、復讐とか、敵討ちの為に狩るんじゃなくてもっと大事な事があるはず。」
静寂が訪れる。しかしそれは、数秒後に消えた。
「私は…。」
過去を思い出し、辿り着いた答えは
「私は今生きている人たちを守る。そのためにあいつを…あのアマツマガツチを狩る。それがお父さんとお母さんを、村の皆を安心させられる方法。」
アルアの言葉にラミスは涙を浮かべ、深く抱き合った。
「でもどうするの?あいつはどこにいるかは観測隊にお願いすれば分かると思うけど、そこらは狂竜化したモンスターできっと埋め尽くされてるわ。私たち二人じゃ突破できるかどうか…。」
「あ………。」
「全く少しは考えなさいよ。よくそれでギルドナイトやってられるわね。」
「えへへ。」
「はあ…。じゃあ助けを待つ?こんな森の奥地に、狂竜化したモンスターの巣窟に来るとは思えないけど。」
しばらく考えていると
「大変ニャーー!」
看病していたアイルーが飛び込んできた。
「ニャ!アルアさん起きてたのですニャ!?もう大丈夫なのですニャ?」
「ええ。それより何かあったの!?」
「とりあえず外に出てくださいニャ!」
急いで集落の外に出る。
「来たニャ!上ニャー!」
暗雲が立ち込める空を見上げるとそこにいたのは
銀色に輝く飛竜と、それに乗る一人の少女だった。
ちゃんと書けたでしょうか?
この先どうなるのか!嵐龍がこの地に来た理由は如何に!
ではまたいつか