今後も遅くなりそうです。受験が終われば投稿ペースが上がると思うので、某猫型ロボットのような温かい目で見守ってください。
本編どうぞ
空に無数の光が瞬く。風が吹きつけるたびに、砂から身を守るための厚い服装に包んだ体が反射的に身震いを起こす。
私と母は深夜の大砂漠を砂上船で走っていた。最初の目的地であるバルバレを目指していた。
母は、私が生まれる前バルバレのギルドで働いていたらしい。今回は当時の職員への顔合わせと、もう一つある。
極希種調査の協力者探しだ。
本来、ならば4人以上で行うのが極希種調査の規則なのだが、母の協力してくれそうな知り合いが少なく、ギリギリ揃うのだが7人は必要だと母が言っていた。そのため、後3人は母のお眼鏡にかなうハンターを自分たちで探し、協力を求める方針を立てているのだ。
バルバレへ行くのはそれの許可をもらい、運が良ければそこで協力者を探すという事らしい。
母らしい突飛な考えだが、確かに母はG級のハンターであり経験も非常に豊富だ。母が目を付けたのならまず間違いなく腕は相当立つだろう。
そんなことを考えて、私は砂漠の夜空を見上げた。
こう見ると非常に美しい光景だ。クエストで夜の砂原に行ったことはあるが、クエスト達成に必死でこんなふうに眺めることは無かった。
ちなみに私たちが乗っている砂上船は運航する船にしては装備が整っていて、バリスタと大砲が三門ありさらには大銅鑼まで設置されている。もてなす設備も充実していて、いい船に乗れたと母が言っていた。
ちなみに母と他の乗客たちはすでに眠っている。甲板に出ているのは私と数名の乗組員のみだ。
そのまま数分、空を眺めていると横から声をかけられた。
「よお嬢さん。砂漠の空に見とれてんのか?」
声をかけてきたのはこの船の船長だ。立派な無精ひげを携えた厳つい、これぞ頭領というような顔をしている。
「はい。とてもきれいで見とれてました。」
「物好きだねえ。見るのは良いが風邪をひかないようにな。明日はいよいよバルバレに着くから。」
「ありがとうございます。もう少し見てから寝ます。」
「おお。じゃあな。」
船長が自分の持ち場へ行こうとし、私が再び夜空を見上げた時だった。
空の一部が黒くなり星が見えなくなっていたのだ。注意深く見てみると、何かが飛行している。
私は空に飛ぶものがガブラスの群れだと分かった時、持ち場に戻ろうとした船長に声をかけた。
「船長さん。」
「どうした?」
「空にガブラスの群れが…。」
船長が私の指さす方向を見た。
「ホントだな。やたら多いな。…なんか様子がおかしいな。」
すると、船長の顔が何かの気配を感じ取ったようにハッとした表情に変わった。
「……まさか…!」
私も船長の考えが分かった。
「乗組員!すぐにここに抜けるぞ!舵をとれ!」
船長の声に乗組員たちが素早く移動。私は船から身を乗り出して砂漠に目を見やった。
そして、遠くの砂がおかしな動きをしているのに気付いた。
それは徐々に砂上船へと近づいてくる。
大きな砂煙が上がった。
そして、そこから飛び出してくる巨影。
「…ダレン・モーラン!」
豪山龍はそのまま砂上船を飛びこえ、砂海へ潜った。
「フロウ!」
「母さん!」
声をかけてきたの母だった。ごく軽い装備を着けている。いつもの装備を着る時間がなかったのだろう。
「状況は!?」
「ダレン・モーランが砂上船を飛び越してった!もうすぐ攻撃が来る!」
「分かった!あたしが豪山龍を相手する。あんたは群がってくるデルクスを倒して!」
「うん!」
母は猛ダッシュで船の反対側へ駆けていった。
私も船の右舷に移動する。
予想通り多数のデルクスがおこぼれにあずかろうと泳いでいた。
立てかけてあった骨製の大剣を心の中でお借りします!といって構えた。
デルクスたちがこちらをうかがうように目を向ける。群れのうちの一頭のデルクスが砂に潜った。
そして、一気に跳ねわたしの頭に嚙みつかんと鋭い牙が並ぶ顎を開き---------
デルクスの口から裂けるように体が斬れた。
続いて二頭三頭と波状攻撃のようにデルクスたちが襲い掛かる。
私は大剣を横に構え、力を溜める。二頭目のデルクスがちょうどよい位置に来たところで思いきり薙ぎ払う。二頭目の体が斬れ、ついで後続のデルクスたちも真っ二つになる。
その後ろにいたデルクスたちは、血を吹き出しながら飛び散った仲間の死体に押し飛ばされ砂に落ちた。
まだ警戒していたデルクスたちが怯えたのを確認すると、私は箱に入っていた音爆弾を群れの中央に投げた。
驚いたデルクスたちが一斉に飛び出した。全力走行している砂上船から、もがくデルクスの群れが遠ざかっていくのを確認すると私は詰めていた息を少し吐き出した。
後ろを確認すると、母と乗員がダレン・モーランへバリスタと大砲での攻撃をしているところだった。まだ、ダレン・モーランとの距離は遠い。攻撃させてひるんだすきを見計らえば逃げ切れる距離だ。
援護に回ろうと母のところへ駆けようとしたその時。
「………?」
何かが聞こえ、私は走り出そうとした足を止めた。
竜の咆哮にも聞こえたが、ディアブロスがダレン・モーランに気づいて咆哮したのかと思ったが、ディアブロスの甲高いあの声ではない。荒々しい大声のようだった。
私は、空に何かの影がいることを見た。ガブラスではない。もっと巨大なものだ。
それは見る見るうちにこちらに近づいてくる。
咄嗟に私は横へ転がった。それと同時に私のいた甲板に何かが重い音を立てて降りた。
それを見て、私を目を疑った。
真っ赤な燃えるような甲殻と鱗。腕の甲殻は体の色と真反対の蒼色で、その先には太く鋭い蒼い剛爪。原始的な頭部は恐怖心を引っ張り出す、荒々しい風貌。
母の話で何度も聞いたあの飛竜。
震轟竜 ティガレックス極希種
砂漠を震わす轟音が私の鼓膜に痛いほどひびいた。