この世界で男が不良の頂点に立つまで 凍結中   作:銀色の空

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始まりの喧嘩

今日はちょっとだけ昔のことを語ろう。

 

 

俺は朝、早くから俺は頭を下げていた。

目の前にいるこの女、三大天の一人腰越マキに向かって

 

「なあ、マキ俺に付いてきてくんねぇか?」

 

「やだ」

 

今日で何度目かは忘れたが少なくとも20回はこのやり取りをしている。

毎日毎日、頭下げてる俺の身にもなってみろ!

 

「頼むって」

 

「絶対ヤダ」

 

「飯を奢ってやるから」

 

「・・・・・・・・ヤダ」

 

ちっ!行けたと思ったのに。

まったく、何がそんなにいやなんだ。

 

「何がそんなにいやなんだ?」

 

あ、口に出てた。

 

「群れ合うのは好きじゃない」

 

マキは堤防に寝転び空を見たまま言葉を返す。

 

「じゃあ、今から好きになればいい。

俺がお前を変えてやるから、だから頼む。」

 

俺は再び頭を下げマキに頼み込んだ。

そう、俺はどうしてもお前が欲しいんだ。

俺とそして『お前』との約束を守るために。

 

「何で、私なんだ。リョウとこでも行けばいいだろ。

あいつらなら喜んで迎えいれるだろ」

 

違う、違うんだよマキ。

俺が言いたいのはそうじゃない。

 

そして、俺は下げていた頭を起こしマキに顔を向け言葉を返す。

 

「俺は、お前と一緒にやりたいんだ。

お前と約束したことを守るためにも」

 

すると、ずっと空を見つめていたマキが体を起こし片足を抱き込むように座りなおす。

 

「・・・まだ、あんなことを覚えてんのかよ。あんな餓鬼だった頃のこと」

 

「当たり前だ。忘れるわけがねぇだろ。」

 

そうだ、俺は約束を守るためにここにいる。

こいつとの約束の為、そして、俺自身の夢の為にも。

 

「俺には夢がある。でも今の俺じゃあその夢に向かう道すら存在しねぇ

だから、お前がいる。お前がいれば道が見つかるだけじゃねぇ。

より多くの道がみつかるんだ。

だから頼む。俺に付いてきてくれ。

そして、お前を守るっていう約束を破らせないでくれ。」

 

俺は昔、約束したんだ。

『俺がマキちゃんを守るから、すっげぇ強くなってずっとマキちゃんを守るから!』

子供ながらのなんて後先考えない発言だったんだろう。

だけど、俺はこの約束を忘れたことはなかった。

 

マキだって同じ筈だ。

だから今もこうして話を聞いてくれる。

だがマキはフッと俺から顔を背けた。

 

「何時の頃の話してんだ。もう、私はお前がいなくても生きていける。

一人で生きていけるんだ。

もう何もかもが遅せぇんだよ、テメェは」

 

そうかよ、それがお前の答えかよマキ。

だけどな、お前は―――

 

「お前は逃げてるだけだろ、俺からもそしてばあさんからも」

 

「――――あ?」

 

周囲の温度が一気に下がった気がする。

いや下がったのは俺の体温か。

 

「あまり、調子に乗るなよルーキー。

それ以上口開いてみろ、知り合いだからって容赦しねぇぞ」

 

「何回だって言ってやる、お前はにげ――――」

 

するとマキは一瞬にして俺の懐に潜りもみ胸倉を掴み上げる。

 

「殺すぞ!!!」

 

マキの鋭い殺気が俺を威嚇する。

一般人ならもう気絶してんだろうが、あいにく俺はそんな柔な心を持ってない。

 

「図星を疲れた途端すぐこれか。餓鬼かテメェは。」

 

「だ、黙れよ、テメェ」

 

こいつはまだ子供なんだ。

好きな時に眠り、好きな時に食べ、好きな時に暴れる。

まだまだ子供なんだ。

だから、俺は今こいつと話を付けなきゃなんねぇ

今ここでこいつと――――

 

「――――喧嘩しようぜ」

 

「・・・・は?」

 

マキは胸倉を掴む手を緩め俺の言葉に耳を傾けた。

 

「だから、喧嘩しようぜ。

そんで勝った方が何でも言うことを聞く。どうだ?」

 

マキは掴んでいた胸倉を完全に離しあたりに殺気をまき散らす。

 

「いいんだな?テメェ、身内だからって手加減できねぇぞ」

 

「せんでいい、俺も出来そうにない」

 

「場所は?」

 

「七浜の海の近くの橋、名前は忘れた。」

 

「日時は?」

 

「今日の夜21時でどうだ?」

 

「上等ッ!!」

 

 

これが、後に白狼として不良界に名前を轟かした大神旭の最初の喧嘩だった

 




この時点で、大神旭は1年、腰越マキは2年の夏の設定 
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