はぁ、ヤレヤレだぜ。
「「あれは怖かった」」
「なんか、すまん。」
ヒロとヴァンがお互いに頷きながらあの時の感想を言う
いや、俺もビックリなんだよ。
何でよりにもよって辻堂にあたんのかねぇ。
神様っていうのは時として不思議なことをするもんだ。
「というかさ、旭はなんで辻堂さんと仲が悪いの?」
「む?」
「いや、だって旭と辻堂さんってすっごく仲悪いじゃん、なんで?」
「ああ、それは僕も思っていた。同じ不良同士仲良くすればいいものを」
「私もお二人には仲良くしてもらいたいです。」
・・・なんでっか。
そんなの――――――
「俺が不良であいつも不良。理由なんてこれだけで充分だろ?」
「でも―――」
ヒロがまだ何かを言おうとしているが、俺はその言葉の途中を遮り言葉を続けた。
「別にヒロ達が思っているほど仲は悪くねぇよ。
ただ、お互いに触れてほしくないものがあるだけなんだ。
だから、俺たちは出来るだけ学校ではお互いに触れ合わないようにしてるだけなの」
でも、まあ世の中はそうは上手くいかないんだよなぁ。
「お互いに触れ合わないって、席が隣同士なのに?」
「やめろ、あんときはマジで教室に血の雨が降りそうになったんだからな。
おもに、この席順のクジを作ったセンコーが。」
「3会の係も一緒なのに?」
「だからそれは、もういいって。」
勘弁してくれ、唯でさえ毎日の授業がピリピリしてるのに、3会の係に決まってからはピリピリがギスギスに変わったけどな。
「ほんと、勘弁してくれよ・・・」
「私はお二人はお似合いだと思いますけどね。」
「はぁ?俺と辻堂が?」
「はい!お二人がお付き合いなどを始めたら私もお手伝いのしようがあるのですが・・」
「いえ、結構です。そんな、バットエンド絶対に嫌です。」
委員長はそうですかぁとかなりガックリと肩を落としてとぼとぼと校舎へと向かっていった。
すると、右肩にヒロ左肩にヴァンが片手ずつを手を置き、頷きながら――――
「「僕等もそう思う。」」
「シバきまわすぞ?テメェ等・・?」
二人は俺が本気で怒っているのに気がついたのか早足で委員長の元へと駆けて行った。
一人残された俺は浅くため息をつき足を進めヒロ達の後を追い4人で教室に向かった。
俺が教室に入ると騒がしかったクラスが一瞬で静まる。
明らかな戸惑いに苛立ちを覚えながらも自分の席に向かう。
「お、おはよぉ、大神君」
「・・・ん、はよ」
とこのように数人はビビりながらも挨拶をしてくれるがほかのクラスメートは未だに固まっており言葉もない。
自分の席に座り机の上に突っ伏すとクラスの中の空気が変わり再びみなが騒ぎ出す。
すると、クラスメイトのなんだったっけ?
まあ、なんでもいいや。
サルに似とるからサルでいいか。
その、サルが俺にしゃべりかけてきた。
「ね、眠たいとこ、ごめんね大神君。ちょ、ちょっといいかな?」
「・・・ん」
「こ、今晩空いてないかな?由比浜の子とご、合コンするんだけど、き、来てくれないかな?」
「・・・なんで、俺?」
「い、いや、前、大神君写真を使ってもいいか?って聞いたらいいって言ったでしょ。
そしたら、ナンパした子達から彼はいないのって聞かれるんだよ。」
「ふ~ん」
それって詐欺じゃねぇ?
まあ、俺に話しかけるだけじゃなく合コンを誘う奴なんて初めてだったから合コンには行かんが写真なら使ってもいいぞって言っちまったんだよな。
というか、合コンにいけねぇんだよな。
酷い目に合わされたんだよな、あの二人に。
そう俺は昔、ヒロとヴァンも行くと言うので初合コンに行ってみたんだけど、その情報がどこからか漏れたのか。
あの二人、マキとリョウに知られちまったんだよな。
あの日の二人はこれでもなく機嫌が悪くマキにはその日だけで5万の買い物をさせられリョウにはその日1日中、殺意が籠ったメンチを切られまくった。
俺は、あの惨劇を再び繰り返すわけにはいかずあれから何度も誘われてはいるが行かないようにしていた。
「・・いや、俺はいいや。代わりにヒロとヴァンを好きに使ってくれても構わん。
俺が許す、引きずり回せ、まるで馬のように」
「えぇ!ちょ、旭!!」
「うるせぇな、朝から」
「ちょっと、旭!僕たちを売ったでしょ!!」
「人聞きの悪い。けして朝の復讐だとか思ってもいないからな。」
「思ってる!完ぺきに思ってんじゃん!!」
「うるせぇ、まだこれぐらいのことで感謝しろ。
お前とヴァン以外だったら海に沈めてんぞ。
それに、ヴァンを見習え、あのサル顔が合コンに誘っているのを何食わぬ顔で受け流しているだろう?
お前もいやだったらああゆう風に拒否ればいいだろ。
お前は人が良すぎんだよ。」
「でも――――」
「あ、まって、今眠さのピークだから寝るわ」
「せめて最後まで聞いてよ!」
ヒロが後ろの席でわーわー騒いでいるが俺は机に頭を突っ伏し眠る態勢に入るのだが、後ろではヴァンを諦めたサル顔がヒロに合コンの話しをしておりうるさくて眠れそうもなかった。。
なので、仕方なく顔を起き上がらせ窓の外を見てみると未だに辻堂の舎弟どもが整列しているところだった。
「全員整列!」
その言葉を皮切りにクラスに再び緊張が走る。
不良達は姿勢をただし頭を下げる。
どこの、極道だ、これは。
まあ、俺ん家もほかのとこを言える立場じゃねえけど。
そして、校門のほうから続く列に金色に輝く髪を靡かせ優雅に集団の中心を歩く不良がいた。
この不良こそ、この稲村学園を仕切る番長であり三大天の一人
喧嘩狼 辻堂愛。
「いつもながら派手な連中だ」
すると、いつの間にかそばに来ていたヴァンがやれやれと顔を振り肩を竦める。
「怯える生徒も多いし、いい加減にして欲しい」
「ま、そりゃそうだな。俺があの立場だったら悶え死ぬわ」
「それとは別にだ。」
あれって本当に恥ずいんだぞ。
実家に帰ったら必ずされんだからな!!
「でもアレのおかげで、校門前に来るキャッチとか宗教勧誘が消えたよ」
合コンの話に折り合いがついたのかヒロが軍団の成果を言った。
「アナタハ、カミヲシンジマスカァ?」
「そうそう、そんなやつ」
「まあ、それもあるかもしれんが」
「別にいいじゃん。怖がらせても不良以外に手を出さないんだし。
まあ、旭は別だけど」
「それもそうだな、面倒事は全部旭に任せればいいか。」
「おい、テメェ等ァ、本当の神様っていると思うかぁ?」
「「冗談冗談」」
などと、おふざけを入れた会話を楽しんでいると何時の間にやら軍団の奴らは散り散りに解散していた。
すると、俺の視線に気づいたのか辻堂はこちらをちらりと見て俺だとわかると眉間にシワを寄せながら視線を切り、校舎に向かって歩いて行った。
それと同時に、ヴァンは自分の席へとヒロは授業の準備を始めていた。
そんな中、俺は朝、委員長に言われたあの言葉を思いだしていた。
「私はお二人はお似合いだと思いますけどね、か」
委員長の言葉が引っ掛かる。
どうしてだかわからないがこの言葉でこれから始まる湘南の夏が俺と辻堂の関係が変わる。
そんな気がしていた。
「俺と辻堂が、ねぇ」
今日もまた、湘南の夏は過ぎゆく―――――
午前の退屈な授業が終わり、みな好き好きに行動する。
俺はヒロとヴァン等と昼食を食べ昼休みを過ごしていた。
「・・・眠い。」
「午前の授業であれほど眠っていたのにまだ眠いか。」
「・・・眠いもんは仕方ねぇだろが。」
だって、つまんねぇ授業受けたって仕方ねぇだろ。
因みに隣の席の辻堂も眠っていたが。
その辻堂は昼休憩のチャイムと同時に教室を出て行ってった。
そして、話は俺の成績の話に移り変わる。
「でも、旭って赤点取ったことないよね?」
「ん、まぁな。」
「あれほど、授業を受けずに何故平均点がとれるのか未だにわからん」
「ドヤぁ」
「やっぱり、家では勉強してるの?」
「まったく」
いやいや、何をいっているのかね大君。
私の家にはとてつもない大型犬が居座ってるんですよ?
あの、状況で出来るわけないだろうが。
「やっぱり、じゃあ、なんで平均点も点数がとれるの?」
「ん~、テスト範囲って一週間前に発表すんじゃん?
そこを覚えておいて、後は全部、感覚勝負。」
「結果、ヤマカンなの?」
「そうだけど?」
ヒロはこの言葉を聞き不公平だと嘆きヴァンはサクサクとカロリーメ○トを頬張っていた。
いや、このカンが外れたことがないからまたすごい。
なまじ、テストで平均点を取ればセンコーも文句も言えないしな。
俺って、運に味方されてんだよねぇ~。
馬鹿とは違うのだよ、馬鹿とはね。
そして、3人とも昼食を食べ終え、何時もの恒例行事が始まった。
「うんじゃ、何時ものするか。」
「3連敗は避けたいなぁ」
「また、このような低俗な遊びを、」
こんなことを言いながらも相手をしてくれるヴァンはやっぱりいい奴だと思う。
「うっし!そんじゃ、始めんぞ――――」
「「「ジャーンーケーン、ポン!」」」
・・・グー ←俺
・・・パー ←ヒロ
・・・パー ←ヴァン
「・・・」
「じゃ、旭。僕は緑茶で」
「僕はコーヒーでいいかな。」
「・・・・はいはい。」
そして俺は席を立ち教室を出て自動販売機に向かった。
一般人にパシリに使われる総長って一体・・・
そして、教室を出てもう少しで自動販売機があるというのに後ろから俺の名前を呼び止める声が聞こえた。
「大神さん、ちょっとおまちなさい」
「ん?あんたはたしか・・・・・あ、そうそう胡蝶さんだっけか。
で、なんの用だい。」
こいつは、片瀬胡蝶
名前でも分かる通り3大天の一人片瀬恋奈の従姉妹にあたる。
また、俺や辻堂にもずばずばものを言うある種の変わり者である。
「用というのはほかでもありません。3会のことでお話がありますの。」
「そか。何、話って?」
「今日の放課後に3会に関する会議をしますので出席をお願いしたいのですわ。」
「ん、わかった。放課後開けとくわ」
「ええ、お願しますわ。
大神さんは他の不良と違って話が通じて助かります。
不良ですけど。」
「ああ、そうっすか・・・」
なんで、二回言った。
そんなにも不良が嫌いか。
「それに比べて辻堂さんは、」
まぁ、一度も出席してねぇからなあいつ。
俺は全部出てんのに、不良なのに、総長なのに。
「ま、そのことは俺からも言っとくから」
「そうですか?では、お願いしますわ。
ごきげんよう、オーホホホホ!!」
そうして、胡蝶は去って行った。
甲高い笑い声を残して―――――――
結構時間食っちまったな。
そういや、この時間帯って購買部の自販機って混んでんだよな。
まあ、俺が来たら人混みが割れてすぐ買えんだけど今日は急いでもないし別にいいか。
ちっ、メンドェけど部室練のほうに向かうか。
そして、俺は部室練の方へと足を進めたのだった。
んで、来たのはいいんだけど。
「ぁンだよ。誰も100円持ってねーじゃん」
「ここ、札は認識しませんからね」
「どーします?愛はんの頼まれごとやのに」
あぁ、面倒だ。
というか、邪魔だ。
買わねぇんだったら、はよ、どっか行け。
「んー、どうしたもん―――――げっ!」
青髪の女が俺に気付き声を上げる。
たしか、こいつは葛西久美子、だっけか。
市子から何度も話を聞くから覚えちまった。
というか、げっ、ってなんだ。
「は、白狼ぅ」
「買わねぇならどけ。邪魔だ。」
「あ、アァ!誰が買わねぇって言ったんだコラァ!!」
いや、ないって言ってたじゃん。
百円玉がないって言ったじゃん、15秒ほど前に。
「・・・・はぁ」
俺はその叫びを無視し自販機へと歩を進めた。
葛西はなんだよぉ、とよわよわしいメンチを切りながらも俺の道を阻み、
終いには、舐められたくないと思ったのか俺の胸倉えと腕を伸ばす。
俺はその腕を避け葛西の方へと顔を向ける。
「おい、三下ァ、喧嘩売るのはいいけどこれからは、相手みてから売れよ」
「ひ、ひぃぃぃぃ!!!!!」
葛西は顔を青くさせ震えながら地面へと座りこんだ。
ふむ。俺のメンチも捨てたもんじゃねぇな。
などと思っていると大本命のお方がやってきた。
「クミィ、まだ代金渡して・・・あ?」
「あ」
お互いに無自覚なのだろうがメンチを切り合いお互いの闘志をむき出しにする。
「テメェ、ウチのもんになにしてんだ?」
「自販機の前に居て邪魔だったから、どけってお願いしただけだろうが」
「そんだけでクミがこんな風になるわけねぇだろ」
「元々、テメェが金を渡すのを忘れなかったら良かった話じゃねぇか」
お互いに一歩も引かずメンチを切り合い言葉をぶつけ合う。
っていうか、こんなことしてる場合じゃねぇんだった。
俺は、メンチを取りあえずやめ、顎で自販機を示した。
「こんな時間の無駄遣いやってやれるか。
ほれ、先譲ってやるから早く買え」
その言葉を聞いた辻堂は大きく舌打ちをしポケットから金を出し飲み物を選んだ。
「・・・・ココアか」
「あぁ!文句あんのか!!」
「いや、別に」
顔を真っ赤にさせながら叫び散らす辻堂をよそにヒロ達の要望道理の飲み物を買っていく。
辻堂は何が恥ずかしかったのか再び俺にメンチを切っていた。
だが、これ以上何をしても無駄だとわかったのか。
ココアを片手に校舎の方へと歩いていく。
あっ、そうだった。
「おい、辻堂」
「あ?」
「今日、3会の会議があんだけどテメェはどうする?」
「・・・・行くわけねぇだろ、アタシは不良だぜ?」
そう、言い残すと辻堂は元来た道を引き返して行った。
不良ねぇ、その割には少し残念そうな顔してたじゃねぇか。
まぁ、いっか。俺にはなんも関係ねぇし。
そして、俺は頼まれていた飲み物を全て買い教室に戻ろうとしたのだが、未だに座り込んでいる葛西がいたのを思い出した。
「チっ・・・おい」
「な、なんだよ」
涙目になりながらも睨んでくる姿に少し罪悪感を感じた俺は葛西に向かって自分の分の飲み物を投げ渡す。
「ほれ」
「おっとと。
は?なんだよ、これ?」
「謝罪の証」
そうして、俺はヒロ達が待つ教室へと足を進めたのだった。
そして、放課後には3会の会議が始まり各学年クラスの係があつまった。
やはり、辻堂はこなかったがまぁいいだろ。
「では、海開会の会議を始めたいと思います――――」
会議は順調に進み各自の仕事内容に関する質問や確認をとったりしていた。
話しをよーく聞くと3会の準備は稲村の町内会だけで事足りるようで、俺達が動く必要はないようだな。
そして、時間と共に話が進んでいき最後に胡蝶からの話が始まった。
「今日皆様に、集まってもらったのは他でもありませんわ。
毎年3会では町中にポスターを貼ることになっているのですけど、
それを我が高校の誰かにやってもらうことになりまして。
今日はその係を決めるために皆様を収集したということになりますわ。
どなたか、立候補はいませんか?」
めんどくせ!
なんで、休日返上してまでそんなことせにゃいけんのだ。
周りの者も同じことを考えているのか中々に決まらない。
そのとき俺はあいつの辻堂のことを思い返していた。
『・・・・行くわけねぇだろ、アタシは不良だぜ?』
・・・・・はぁ、貧乏くじ引いちまったかなぁ、やっぱり。
ポスター、ねぇ。
明日も仕事萎えるわぁ。
明日は更新できるかな?
まあ、とりあえずおやすみのチェケ~ラ!