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夜。N◎VAアサクサ。スカイツリー前。
生憎、夜空は曇っているが、N◎VAスカイツリーの下には、大勢の報道陣と野次馬が詰めかけている。招待された斑鳩第二小学校の生徒、そして案内役のドロイドは、既に最上階の展望フロア“空中庭園”に向かっている。
三人の男たちが警備員の制止を振り切って、最上階へのエレベーターに乗り込む。
高速で上昇するエレベーターは、外側が全面ガラス張りで、N◎VAの夜景が良く見える。上を見上げると――スカイツリーの外壁を陽炎のような揺らめきが高速で上がってゆく――熱光学迷彩だ!
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“空中庭園”は壁だけでなく、床や天井の大部分も透明な素材で作られた、まるで空中に浮かんでいるようなフロアだ。
子供たちが歓声を上げて周囲を見回し、それを引率の教師や案内役のドロイド、少人数の報道陣が見守っている。
突然、外周の強化ガラスが砕け散り、子供たちが悲鳴を上げる。
熱光学迷彩が解除され、多脚型のヴィーグルと、登攀用ワイヤーを装備した戦闘部隊が現れる。中心に立つのは“エクリプス”から降り立った黒衣の女。ブラックウィドウ。その手にはウィルス兵器“ワンダリングスパイダー”の入った筒を持っている。
背後でエクリプスを操る“レッドバック”、そしてブラッドリーもいる。
――そして、エレベーターが登り切り、扉が開く。
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“空中庭園”にたどり着くと、ブラックウィドウからの挨拶がとんできた。
「おやおや、招かれざる客、といったところですわね」
「いったいどういうお仲間なのかしら?」
「ここまで辿り着いたのはお見事ですけれど、もう、こちらの計画は止められませんよ」
「それはどうかな?これからばらまく時間など、与えたりはしない」
正宗がタンカを切ったが、ブラックウィドウは気にもせず
「さっ、始末は任せましたよ。ブラッドリー」
ブラッドリーに指示を出した
「日ノ守……なぜお前が」
「そりゃあテロは未然に防ぐのが一番だからね~。わかっているだろ~? ブラッドリー」
「もう、俺は戻れないんだ」
「何十年も、毎晩夢を見るんだ。父さんと母さんが殺された時の夢を……もう無理だ。俺にはもう、この都市には耐えられない」
ん? 日ノ守とブラッドリーの会話は成り立っているようでかみ合っていない。おそらく、中にたまっていたものを吐き出しただけで、周りの声は届いていないということか。
ブラッドリーと日ノ守の会話は、ブラッドリーが意思を固めて
カブトワリは狭義でスナイパー、大雑把に言えば射撃武器使いだ。
神業の効果はシーンに登場しているひとり(トループなら1グループ)に任意の肉体ダメージを与えることだ。しかも、このダメージは神業でないと防ぐことも治療することもできない。ちなみに、似たような効果を持つ神業にカタナの『
しかし日ノ守は
「手下に任せて軍師気取りか。安心しろ。お前には閻魔の裁きが待っている」
正宗がホルスターから
「……おかしな人たちですね。いいでしょう、貴方たちを片付けてから、この不浄な都市を丸ごと“毒”で浄化してさしあげます」
「里志を攫って何を吹き込んだ」
「ああ、二宮里志さんね。優勝な研究者でした。娘さんのために自作自演でヒーローになる、そんな“毒”でゆれて……思ったより抵抗されたので、お薬もだいぶ使いましたけどね?」
「おかげで、“ワンダリングスパイダー”は進化しました。この都市の人間を殺す毒にね」
「スラムだけでなく、N◎VAの全市民を殺すということか? ブラッドリーに嘘を言ったという事になるぞ?」
「ええ、もちろん、スラムだけなんてわけがありません。全員ですよ、すべて殺します。根こそぎね……無駄ですよ、その男はもう、洗脳されています。私たちの命令しか反応しませんよ」
「ああ、こちらの言葉は届かないだろうな。だが、
「……馬鹿な。そんなはずは……嘘だろ。日ノ守……俺は……」
語られた内容を聞いてしまったブラッドリーは銃を構えていられず、頭を抱えて呻き始めた。
「やっと自分の声が聞こえるようになったようだね~。ほら。周りの子供たちを連れて脇に隠れててね~。まだ、『普通の一般市民』を守らなきゃいけないんだから~」
これは、イヌの神業『
今回は対象(小学校の皆さんたち)をここから退場させることが目的で、ブラッドリーはその先導役かな? まあ、ブラッドリーが残っていても、薬の後遺症で判断に遅れが出るだろうから、子供たちを逃がすついでにブラッドリーにも、と言ったところか。
「信じられませんね……友情という名の、解毒剤……」
「いずれにせよ、貴方たちを皆殺しにすれば、計画は完遂できます!」
ワンダリングスパイダーは呆然としながらもすぐに立ち直り、戦闘員たちに声をかける。
「……総員、戦闘配置」
それに答えるように、“エクリプス”から声が聞こえる。それに合わせて機銃もせり出した。
「ちょうどいい。このまま終わったのでは退屈だと思ってました」
機体からの声が終えるのと同時に熱光学迷彩がふたたび起動する。それを見て、逃げ出していた子供たちは驚き、辺りは悲鳴などで騒然としだした。