「で、
バイクを右に左に切り返しながらトレーラーを追いかけつつ、カーロスはこちらに尋ねてきた。まあ、何かできれば御の字だと思っているのだろう。登場の仕方がマヌケなのは確かだからな。
「今おきてる
「ふん。
「了解。何とかしがみ付いてるよ。僕は
「「何をごちゃごちゃ言ってるか知らねぇが! 貴様らはここでミンチになるんだよ! シャーッシャシャ!」」
群体型ドローンたちは自分たちを弾丸に見立ててこちらに襲い掛かってくる。が、こちらもカーロスが
さらにマヤカシのスタイル技能で持っている『
「トレーラーにはちょっと『遠い』からもっと踏み込まないと届かないかな? とにかく、トレーラーの足を止めないとね」
距離の概念は至近・近・中・遠・超遠と言う5段階だ。実際にこの距離は何メーターだというのはあったりはするが、重要なのは「手が届くか」、「弾丸は届くのか」といった判断で考えてくれ。至近なら格闘や手持ち武器を扱う距離で5メートル以内。近は拳銃の射程距離や手榴弾を投げて巻き込まれない距離で2~20メートル。中はアサルトライフルの有効射程距離限界辺りで15~50メートル。遠はスナイパーライフルの限界で30~200メートル。超遠はそれ以上の距離で100メートル以上となる。
「じっくり追い上げたいが、ルートが悪い。機会は1回のみだな。」
そう言いながらもバイクを大いに振り回すカーロス。僕の方はしがみつくので精一杯だった。けど、いい腕してるよね。バランス取りに慣れてない
「問題無いよ。その1回を決めれるのがヒーローって事だろう?」
とは言え、確実に決めるためにここで経験点を使ってしまおう。今あるのは……300点か。結構持ってたな。なら、攻撃力強化で守護天使を5Lvに、殺戮の天使を生命以外の3Lvで取得。合計120点を消費。さらに、守護天使Ⅱを感情と外界の2Lvで20点。後は情報収集と防御用に隠れバディを3Lv、後光、天の羽衣を5Lv、特権防御を3Lv。これで160点で合計300点の大判振る舞いだ。
……え? ハイランダー特化へのボーナス? なんだそれは? 天上人5Lvをプレゼント? これだけで250点のボーナスだぞ? 点数のわりに効果がそう高くないからチートにちょうどいい? いや、十分えげつないと思うのだが……まあ、くれるというならもらっておこう。便利なのは確かだし。
ちなみに、守護天使はレベルが上がると攻撃力が上がる。殺戮の天使はハイランダー以外に対して鋭い攻撃を行うことが出来る。そして守護天使Ⅱは守護天使の攻撃を範囲攻撃にできる。その他の技能は……別の機会に説明しよう。あ、天上人は自分の
「気合は入れ終わったよ。さあ、断罪しに行こうか」
「ふん。芯が入ったみたいだな。良いだろう、かっ飛ばすぜ!!」
宣言通り、ドローンへの回避も最小限にトレーラーへ突き刺さるかのようにバイクは加速していく。こちらも重心移動を合わせて加速の手伝いをする。
「「シャーッシャシャ!! 死ね! 死ね!! 死ね!!!」」
後ろから追いすがり、前のトレーラーから打ち出されるように襲い掛かるドローン達。が、こちらが踏み込む方が早かった。
その瞬間、トレーラーに対して四方八方から銃弾が撃ち込まれ、トレーラーに群がっていたドローンは全て殲滅された。が、トレーラーは異常なエンジン音を発しながら今まで以上のスピードを出して弾幕を潜り抜けていた。恐らくエンジン部にハッキングをかけて異常出力を出させたのだろう。こんな事が出来るのはニューロの神業である
「ちぃ! 振り切られるか?」
「大丈夫だよ。これで捕まえることが出来た」
天空から極細のレーザーが
「ここまでだハイヴ。観念するんだな」
カーロスはトンプソンを突き付けながらも油断なくにらみつける。
「「いいやまだだ! 俺にはこいつらがいる!」」
ハイヴは残っていたドローンをかき集めると、自分の前と周囲を囲むように配置し、まだ抵抗するつもりのようだ。
「いいや。ここで終わりだよ。
※※※※※※
気が付けば己はひとりだった。
※※※※※※
「
「今まで自分がやって来た事を本当の蟲にされ続ける幻覚を見てるよ。殺して終わりなんて優しいことはしたくないでしょ?」
カリスマの神業だ。精神攻撃で好きなダメージを与えることが出来る。今回は『覚めない夢』で[昏睡]させた。悪夢は永遠に続くのだ。
「……まあ、十分にえげつないからいいか。で、サカキ。あんたはこれからどうするんだい?」
「うん。それについては一つお願いがあるんだけどいいかな?」
「ん? 何を頼もうってんだい?」
カーロスは改めてこちらを胡散臭そうに見ている。まあ、いきなりお願いなんて言い出したらそうなるよね。
「IDと家の手配をお願いできないかな? ここで頼れるのは火星人しかいないんだよ。」
そう言ってカーロスを見やると、彼はいきなり大きく笑い出した。
「IDと家か。ははっ。いいさ、見繕ってやるよ。ついでだ。ポケットロンもつけてやるよ。その代わり何かあったら頼らせてもらうぜ? ほら乗りな。先ずはIDからだな異世界人」
「よろしく願いしますね。なんにしろ、生活手段はあっても基盤はないからねぇ。ま、終わり良ければ総て良しって事で」
そう言って僕たちはこの場を後にする。後片付け? そんなの後から駆け付ける
※※※※※
あれからIDとマンションの1室を手に入れた僕は部屋でゆっくりとした生活を送っている。仕事? してないよ。ゆっくり生活できるのだから。これがカリスマのスタイル技能である寄進の効果だ。毎回一定額(多少のブレはあるが)が振り込まれるのだ。何の問題も……って、ポケットロンが鳴っている。もしかして……。
「カーロスだ。ちょいと困ってることがあってな、通信じゃあれだからバー・ヤロールで待ってる」
用件だけ言って切れてしまったよ。まあ、こうなる事は十二分に予想は出来ていたから……さて、出かけようか。
―――――これにて今回のアクトは終了。皆様、お疲れさまでした。
最後に、赤岩榊の技能を書き出しておきます。
自我 3 ♠♣♡♦
社会:N◎VA 1 ♤♧♡♦
社会:ストリート 2 ♤♣♥♢
社会:アストラル 1 ♤♣♡♢
社会:??? 1 ♤♧♥♢
コネ:カーロス 2 ♠♧♥♢
コネ:ドーリス 1 ♤♣♡♢
コネ:御門忍 1 ♤♣♡♢
寄進 1 ♤♧♡♦
隠れバディ 3 ♠♣♡♦
影の守り手 3 ♠♣♡♦
後光 5 ♠♣♥♦
†守護天使 5 ♠♣♥♦
守護天使Ⅱ 2 ♤♣♡♦
†殺戮の天使 3 ♠♣♡♦
天の羽衣 5
特権防御 3 ♠♣♡♦
※天上人 5
隠心 2
神託 1 ♤♣♡♢