「俺は
鑑札を見せながら自己紹介をしてくれた。
N.I.KはN◎VA内の探偵や興信所の組合だ。加盟して鑑札を得るためには厳しい審査をクリアしなければならず、だからこそクライアントは鑑札を所持するフェイトを信頼する。
「自分は機動捜査課所属の
機動捜査課は重犯罪の初動捜査を担当する部署でその方針は“個人の力と現場の意見の重視”だ。少数精鋭の利点を最大限に生かすことでいくつもの事件を解決に導いてきた。
「俺たちもテロ事件を追っていてな。良ければ話を聞かせてくれないか?対価としてはこちらからも話せることは話そう」
「いいよ。あ、僕は朱岩榊だよ。こっちが話せるのは今回のテロの主導者についてかな?」
すぐに了承し、話せる内容を伝える。彼らの立場はしっかりしているし、こちらをだます必要性も無い。ここは繋がりを手に入れてサッサと事件を解決しよう。
「なるほど……。俺はテロリストだと言われてる二宮里志と友人でな。まあ、酒と賭博に逃げるだらしない奴ではあったが。何かあったら娘の誕生日プレゼントを代わりに配達してくれと頼まれていたんだ。今回のニュースを見て部屋に行ってみたら中身はあらゆる品が荒らされて、可愛らしい包み紙とリボンで包装されていた
「娘って?」
「ああ。里志の元妻であるヘレン・ゴードンが親権を持っているんでクリス・ゴードンって名前だが、里志を慕ってか二宮姓を名乗ることが多いらしい。星を見ることが好きな斑鳩第二小学校の四年生、10歳だ」
「自分はブルース・ブラッドリーと
「そういえば、持ち出されたウィルス兵器って、どんなの?」
「自分の所に連絡が来てたよ~。数年前に南米のテロで使用された人工ウィルス兵器“ワンダリングスパイダー”だって~」
「ふぅん。ティタ、どんなのか詳細よろしく」
アイコンが点滅すると、全員のポケットロンにデータが送られてくる。それによると、
ワンダリングスパイダー。人口ウィルス兵器であり、高所から散布することで広範囲に効果を及ぼす。感染すると数時間で死亡するが、すでに解析済みで治療薬も開発・常備されており、N◎VA上空で散布しても大きな被害が出ることは考えにくい。
スラムなどのレッドエリアには、医療施設が整っておらず、散布されれば壊滅的な被害が出る事が想定される。
N◎VAにウィルス兵器を散布するには上空もしくは高層建築物などの高所から撒く必要があるが、いずれもブラックハウンドが警戒している。
この情報は数年前に作られたものとしての解析結果であり、今回の物と同一なのかはラボを調べない限り不明。
「てな事だけど、どうする?」
情報共有が済んだところで、二人に今後を聞いてみる。
「テロリストが不完全な物で行動を実行だなんてほんと不自然だよね~」
「里志は専門がウィルスだったのだから、何かしら操作されていたと考えるべきだろう。ここは実際に調べるしかあるまい」
次の行動は決まったが、入れなければ意味がないので、聞いてみる。
「けど、そのラボって銃撃現場だったんだよね?立ち入り禁止で封鎖されてない?」
「ここに、その捜査担当官が居ますが~?」
「ふむ。こちらはその協力者というわけだ。なら、連れて行ってくれ。頼む」
そういえば、持ち逃げされた現場に居たって言っていたな。ならここは連れて行ってもらいましょう。
「それじゃあ、お願いするね」
「りょうか~い。じゃ、行こうか~」