「げはははは!」
大通りに出てきて真っ先に出迎えてくれたのは、街頭の大型ホロモニタで、司政官、稲垣光平が盛大に自慢げな顔で笑っている姿だった。
「いよいよ今夜、N◎VAスカイツリーが一般公開される。N◎VA中の市民が待ち望んだ、ビックプロジェクトの完成だ!」
「それを記念して、普段は入場料をたんまり……オホン、適切な入場料が必要になる、360度展望フロア“空中庭園”を抽選で選ばれたN◎VA市民たちに先行公開する」
「選ばれたのは斑鳩第二小学校のみなさんだ! 偶然だがいい宣伝になる!」
本音が駄々洩れな会見をしている稲垣だが、小学校のみなさんは知ってか知らずか実に大人の対応をしていた。ただまっすぐにお礼を言ったのだ。
「しせいかんさん、ありがとう!」
「よかったなあガキども、げはははは!」
その対応に気をよくしてか、さらに大笑いする稲垣。そんな映像だった。
「司政官の意図はどうあれ、子供達にとっては楽しみなイベントになるんだろうね」
僕が今のニュースの感想を述べると、渋い顔をした正宗が、自身の憂慮していることを教えてくれた。
「――だが、杜撰な計画にセキュリティ、そしてとても高い場所。ウィルスを撒き散らそうというなら、これ以上の舞台はない」
「そ~なると、自分たちの最終目標地点は“空中庭園”ということだね~。迎え撃つのか、乗り込むのかは不明だけれど~」
日ノ守がまとめてくれたので、いざ動こうかと思ったのだが、
「正宗は司政官と
正宗はわずかに悩んながらも答えを返してくれた。この後の騒動で疑念を持たれる事を嫌ったのだろう。
「戸籍的には別人。遺伝子学的には本人だな。」
「クローンってこと?」
「ああ。ある企業が
「当時は
「が、俺にはその力の兆候が一切無かった。処分されるかどうかという時に、施設が検挙されて解散、俺は保護されたといいうわけだ。」
「今は『そんな力もある』って認識だからね~」
「俺には
タタラは技術と知識の探究者だ。発明家や鍛冶師、建築家や博士、医者、作家などの創造に携わる者たちがイメージだろう。その神業は『タイムリー』。わかりやすいのは、『こんなこともあろうかと』とか、某青猫ロボットが持っているポケットの中身だろうか。その効果はエリクサーだろうが時空間メッキだろうが、地球破壊爆弾であろうと問題は無い。その場で作れるのがタタラなのだから。上限としては、他の神業1回分くらいのことが出来る程度だということだ。
「時間を取らせてしまってわるいんだけど、もう一つ気になった事があってね、確か招待されてるのは斑鳩第二小学校だよね?」
「ああ、それが何か……いや、まて。……うむ、確かに居たな。画像にも映っていたな、クリスが」
「じゃあ、改めて急ごうか~。親のプレゼントとして、ウィルスを受け取ったりしたらシャレにならないからね~」
皆でうなずきあうと、スカイツリーへと急ぐことにした。